今回でその二がやっと終ります。
小説を書くときに気をつけないと今回程思ったことは無かったですね。
今から16年前といったら、1997年なのに気づかないで液晶テレビにBlu-rayレコーダーを作中に描写していて、チェック中に解って修正しましたが、あの時代はブラウン管にビデオデッキですから
それを考えるとオーディオ家電製品の進歩はまさに日進月歩だといえますね。
それでは、九話:カリーヌの16年その二Dをお楽しみ下さい。
実家を出て某県内の国道を目的地の大規模スーパーマーケットめざして車をひた走らせている最中の平賀 海人であった。
海人が駐車場に車を停めて才人を抱いたカリーヌを伴い入っていった所は全国展開しているとある郊外型大型店舗のス-パだった。
「…海人さん。此処って、何でも置いてあるすごいところ何ですね……」
カリーヌは初めてみる光景に凄いと少し興奮ぎみに夫に訊ねていた。
「そうか、カリーヌはス-パに来るのは初めてだったな…此処はス-パだげじゃなくて、三階に有名な家電量販店も入っているんだ……
そうだ、先ずはエレベータで三階の電気屋に行こうか」
海人はカリーヌ、才人を伴ってエレベータで三階にある家電量販店に向かった。
「…すごく広いのですね……」
エレベータで三階の家電量販店のあるフロアーに着いたカリーヌは初めてみた風景に感嘆の声を発していた。
「そうか、カリーヌにとってこの様な場所に来たのは初めてだったな」
「…海人さん。此処には病院に有ったTVというものが置いて有るんですよね…」
瞳をキラキラ輝かせて、海人に問い質すカリーヌ(実はカリーヌは病室にあったTVをみて大好きになっていたから、それが置いてあると解り少し気持ちがはしゃぐのだった)。
「はは…カリーヌはすっかりテレビの虜になったんだなぁ…でも、今日はテレビだけじゃなくビデオデッキにビデオカメラとMDフルステレオコンポも買いに来たんだよ」
「ビデオ…カメラ…MD? 」
カリーヌにとってテレビ以外の家電製品はみたどころか、知識としても全く認識して無かったので解らないといった表情で海人を見つめる。
「まぁ、今は理解できないけど。そのうち使っていたら解るようになるさ…そんな事より早く現物をみに行こうか」
新婚したての妻の手を引いて目的地のコーナーへ向かっていく。
店員の的確なアドバイスをうけて、海人は最新型の28インチブラウン管ワイドテレビとSVHSビデオデッキにビデオカメラとそれにソ〇ーの最新型MDフルステレオコンポを買い上げて
後日、都内にある家に送り届けてもらう手続きを済ませて二階にあるス-パの家具売り場へ向かう。
「…あの、海人さん。ひとつ訊ねたい事が有りますが、よろしいですか? 」
「うん、何かな。俺で解る事なら何でも聞いていいよ」
愛しい妻の問い掛けに海人は何でも応じると述べた。
「この様なことを言うのも何ですけど…家具自体は前の奥様と揃えた物がすでに有るんじゃないのですか? 」
「………………」
カリーヌが家具に関する事を夫に問い掛けると……海人は複雑そうな顔をして、暫くの間無言だったがやがてぽつりぽつり静に語りだした。
「確かに綾子の趣味で揃えた北欧の家具が一揃えあるけどな……その、なんだ……カリーヌのために心機一転と言ったら良いのか解らないが……
真新しい家具を揃えて、新婚生活を送るためにも新調したいんだよ…俺は……」
(表面上は私のために新しく家具を揃えたいと言っているけど……
本心じゃあ、まだ前の奥様の綾子さんの事が、きっと忘れられないのね……
それで、思い出の品物を誰にも触れさせたくないのだわ……海人さんは心の奥底ではまだ、綾子さんのことを愛しているのね……
悔しいけど今の私じゃまだまだ敵わないわ……
でも何れ(いずれ)は海人さんの心の中から綾子さんのことを追い出して、私色に染め上げてみせるわ……絶対に!! )
まだ、死に別れた前の妻に心残りを感じている夫、海人をみていて
内心で嫉妬の炎をメラメラと燃え上がらすカリーヌは何時か必ず自分に夢中にさせてみせると心の奥底で誓っていた。
「……海人さんがそれで良いのでしたら、異存はないわ…その代わりと言っては何ですが…家具選びは私の好みで決めさせて下さいね」
「カリーヌの好きにしていいよ」
海人は笑顔で奥さんの好みで良いと述べると、足下でじゃれつく才人を抱えあげ奥さんと仲良く手を繋ぎながら家具を店員のアドバイスを参考にしながら
ダブルベッドに四人がけのテーブルと椅子のセット。それに子供用のベッドや箪笥と諸々の家具を一揃え選ぶと精算を済ませ、品々を後日配達してもらう手続きを終えると足早に駐車場へ向かい都内の某有名デパートへ向かうのだった。
デパート近くの一時預り専用有料駐車場に車を預けると、才人が「とうたん。かあたん…お腹すいた」とつぶらな瞳で両親に呟くと
「そう言えばもう、3時前だな…本格的なご飯は買い物が済んでからにするか……丁度いい所にある、彼処で良いか? 」
海人が遅すぎる昼ごはんを食べるため選んだお店は某全国牛丼屋チェーンの店だった。
親子三人で遅めの昼食を済ませて目的地のデパートにある子供服売場へ向かい海人とカリーヌの二人があれが良いとかこちらも良いわねとか色々な意見が出ても結局買った品は無難なモノであった。
才人の衣類を買い終えるとカリーヌの服を買いに行くので、婦人服売場に行く仲良し親子三人だった。
婦人服売場に着くと記憶の無いカリーヌは無論。女性の服のことなど全く解らない海人は見た目、ファッションセンスが有りそうな二十代後半と思える美人の女性店員に奥さんのコーディネートを頼み込んでいた。
カリーヌの服装を頼んだ店員いわく
「奥様の素晴らしい桃色がかったブロンドの髪にあわせる事になりますと少々お時間がかかりますが、宜しいでしょうか? ご主人さま」
「俺と妻も服のことはあまり解らないからそちらの思う通りにしてくれたら良いよ。あ、それから予算は二百万くらい予定しているから…あまり派手じゃない冠婚葬祭用のスーツも一着はあつらえて欲しい」
海人が予算二百万と言った途端、女性店員の目が輝いた。
「誠にありがとうございます。愛されていらっしゃるのですね…とてもお羨ましいのですわ…奥様…」
海人の気前の良さに追従の言葉を女性店員が述べると頬を赤らませ満更でもない様子の幸せいっぱいのカリーヌだった。
店員が洋服を色々持ってきてカリーヌに試着してもらって、その中から本人が気にいった服を10着と冠婚葬祭用の黒の女性用スーツを店員が寸法をはかって後日自宅へ送り届けてもらう事にした。
「ご主人さま。奥様の装いは全て決まりましたので、ご精算お願い致します」
女性店員にカリーヌの服のコーディネート代金を海人は請求されて支払うために黒の革製鞄から取りだし支払った金額は約二百万近くであった。
一括、現金で支払った海人に女性店員は少しばかり驚いた表情をみせていたが、すぐに普段通りの接客態度に戻っていた。
海人は女性店員からお釣を受け取ってすぐに
「あと、女性用下着と靴に時計と各種アクセサリーに…それから高級化粧品なども貴女に頼めば良いのか? 」
と話すと女性店員が喜びの表情になって
「勿論全てご用意致します。あの、宜しければ奥様に私の名刺をお渡ししてもよろしいでしょうか? 」
「…あぁ、俺は構わないよ。カリーヌも良いよな? 」
海人が奥さんに同意を求めていた。
「名刺の意味は解りませんが…海人さんがそう仰るのなら、喜んで受けとります」
今のカリーヌにとって夫、平賀 海人の言葉はこの世の全てであった。
「奥様。本日は当百貨店でのご利用、ならびに此処でお買いあげくださいまして、誠にありがとうございます。
わたくし。婦人服売場担当、副主任の『浅川 真由美』と申します者でございます。今日のお買いあげを機会に今後も当百貨店と末永くのお付き合いをお願い致します」
深々と頭を下げる女性店員に対してカリーヌも
「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。私の方こそ、これからも宜しくお願いしますわ」
カリーヌも返礼に頭を下げていた。
この二人の付き合いは『浅川 真由美』が趣味のスカイダイビング中の事故によって、行方不明になる6年間に渡って日本国内では続くのであった………後年、ハルケギニアで思わぬ再会をする事はまた別のお話である。
海人が色々な買い物をすべて済ませると既に時刻は午後7時をすぎていた。
「晩飯を此処等(ここら)で食べるのが一番良いのだが……一流レストランばかりだから、正装じゃない俺と幼い才人じゃ、予約もいれていないし。無理だな」
百貨店の周囲は都内でも名の通った一流レストランしか無く、子供連れが気軽に入れる店に行こうものなら30分は歩かないと無かった。
さりとて、初めての親子三人の晩餐がファーストフードの店ではいくらなんでも、それじゃダメだろうと考えていた海人であった。
「あの、海人さん。できたら早く私達のお家に連れって行ってほしいのですが。それから食事は才人も気軽に入れる所が良いのですわ」
カリーヌの提案に新婚ホヤホヤの夫は
「あ、そうだ。近所のファミレスなら条件的に合うな。じゃあ、行こうか奥さん」
いろいろ考えたあげく一番無難な所で晩飯を済ませた親子三人は平賀家に帰ってきた。
「ようこそ奥さん。此処が今日から君が暮らす。俺たちみんなの家だよ」
海人がカリーヌに初めて見る平賀家を紹介する。
「今日からお世話になります」
カリーヌが初お目見えになる平賀家に頭を垂れてあいさつする。
都内に所在する平賀家は普通の一戸建てじゃなく、周囲を一メートルくらいの高さのコンクリートの土台上に一メートルの高さの等間隔で隙間のある黒い鉄柵が施されている。
中々、趣(おもむき)のある立派な門の中に入ると今風の流行りの洒落た外観を誇る三階建ての家に
広々とした庭と両端にはいろいろ収納できそうな物置小屋に車などが6、7台は余裕で置ける屋根付の駐車場。
いっぱい荷物を抱えた海人がご飯を食べた直後から眠っている才人を両腕で抱き抱えたカリーヌを伴って、平賀家の扉を開けて玄関の中へ入っていく。
カリーヌが平賀 海人と結婚して2週間以上が経った。ある曜日の昼すぎ、平賀家をグレーのスーツを着用した一人の細身の30代半ばくらいの男性が訪れて、玄関先でカリーヌと会話している最中であった。
「もう、此処での生活にも慣れてきた様ですね」
「はい、海人さんが色々教えてくれますから、助かっています」
今日、入国管理局職員である木崎 一郎が平賀家を訪れて来たのはカリーヌの正式な日本国籍を修得した証しの書類を持参するためだった。
「それは、なによりですね。今日からカリーヌさんも晴れて正式に日本国民になれまして、わたしとしても良かったと思っています」
「木崎さんには、国籍修得のために色々とお助け下さって、感謝しております」
カリーヌが日本国籍を得るために、いろいろと各方面に奔走して便宜をはかってくれた事に心からの労いの言葉をかけていた。
カリーヌの感謝の言葉に対して木崎は
「いえいえ、自分など大した事はしておりませんよ。スムーズに事が運んだのも貴女のご主人の人脈のおかげです」
「いえ、いくら海人さんがお偉い人に頼んだとしていても、木崎さんが手続きして下さった事が全てですわ」
自身は大した事はしていないと謙遜する木崎にカリーヌはそんなことはない、貴方のおかげだと言い切る。
「それでは、失礼致します……この先々のカリーヌさんの幸せを祈っています」
「今日は、どうもご苦労さまでした」
立ち去る木崎 一郎を頭を下げてカリーヌは見送っていた。
晴れて正式に日本国籍を修得したカリーヌは海人の薦めもあって、これからの生活の事も考え義父才助が懇意にしている者が経営する近県の自動車教習所へ、約1ヶ月のスケジュールを組んで通うことが決まったのは7月も20日が経過したある曜日であった。
季節はカリーヌと海人が結婚してから既に2ヶ月と少しがすぎていた。
その期間中はカリーヌが普通自動車免許を教習所へ通って修得した事や母親は魔法が使えると、海人がつい口を滑らせたせいで
才人がカリーヌに子供特有のきらきらとした清んだ瞳で訴えてきたので仕方なく人がいない山奥へ出かけて披露していたことなど
「じゃあ、今から魔法を使うからよそ見しないで見ていなさい。才人」
カリーヌが期待をこめた瞳で自分を見つめる息子の才人に今から魔法を使用する開始の言葉を告げる。
「『エア・ハンマー』」
とカリーヌが叫びながら杖を振りきると10メートル先の地面にあった直径50㎝くらいの自然石が突如発生した風の塊によって、吹き飛ばされていた。
その光景を見た才人が「かあたん。すごい、もっと」とはしゃぐ。
「才人…この力はあまり人に見せて良いことじゃないから、後一回だけ、母さんにやって貰ったら終りだぞ」
海人はいくら此処が人がいないと思われる山奥とはいえ、もしかしたら誰かが偶然みる事も有るんじゃないかと考え
後一回でカリーヌが魔法を使用するのを終らせると息子に言い聞かせた。
「これで最後だから、私と一緒に空を飛ぼうね。才人」
微笑を浮かべながらカリーヌは才人に近寄り抱き抱えるとフライの呪文を唱え、地上から20メートルくらいの高さへ浮かび上がり
距離にして約300メートル先にある高さ20メートルの大きな大樹めざしてかなりの速さで飛んでいった。
「おお~い、カリーヌ。誰かに見られるかも知れないから、早く降りてきてくれないかぁぁぁ」
凄いスピードで遠ざかる才人を抱いたカリーヌに海人は大声で呼び止めるのだったが……。
カリーヌは後方から自分を呼ぶ夫の声を聴いて、才人を落とさないようにギュッと抱きしめながら空中で浮かび続けて返事をする。
「心配しないで海人さん。才人に樹のてっぺんからの風景を見せたらすぐに降りてきますから」
カリーヌは海人にすぐ用事を終えて来るからと告げて、再び飛行を再開して目的の大樹の先っぽへ降り立っていた。
「さぁ、よく見なさい。こんな光景は中々見れるものじゃないから、よく眼に焼きつけとくのよ。才人」
胸に抱いた才人の頭を優しく撫でながらカリーヌは囁いている。
「かあたん…ここ、すごお~い」
20メートルの高さがある大樹からの雄大といえる景色の眺めにまだ幼い才人は感嘆の表情になって喜びの声をあげていた。
いろいろな出来事を経た9月上旬の週始めの曜日の朝に、気分が悪いのか真っ青な顔をしていた妻のカリーヌを心配した海人は
自分が仕事に出かけた後で必ず行きつけの病院へ行って診察して貰うようにと、タクシーを予約して勤務地へ向かった。
カリーヌは結婚した直後に一度、健康診断のために行ったことのある産婦人科のあった大きな病院で診察をうけた結果。担当の女医に
「おめでたですね。平賀さん。妊娠2ヶ月になります」
「……えっ? ………先生…失礼を承知で訊ねますけど、私が子供を身籠っているのは確かなのですか? 」
カリーヌがまだ半信半疑なのか、無礼と知りながらも思わず確かめるように女医に聞き返す。
「各種検査した結果ですから間違いなく妊娠しています。まだはっきりとは解らないのですが、赤ちゃんは80%以上の確率で女の子だとおもわれますね」
「…やはり、そうですか……ありがとうございます」
(才人がまだ幼いうちに子供ができるなんて……記憶もなくて、この国の事もまだ何一つ知らないと言うのに…私に二人の子供を上手く育てていけるのか不安だわ? )
カリーヌの今の心情は記憶喪失で、夫にマンツーマンで日本の色々な事柄を勉強中とはいえ、この国で暮らしていくまだハッキリとした自信が無い自分に
まだ幼い才人とさらに自身の血を引くこれから産まれてくる子供の二人を無事に育てあげる事ができるのか解らない故に心が乱れ押し潰されるのを考え表情が暗くなっていくのを感じていた。
シフト上の関係で夜明け前に勤務を終えて帰宅した海人に子供を身籠った事実をカリーヌはあまり嬉しくない表情で告げる。
「……うん? どうしたんだ、カリーヌ。俺たちの血を分けた子供が出来たというのに、嬉しそうな顔じゃないのはどうしてなのかな、奥さん」
海人は不安顔をしているカリーヌに対し、両腕で抱き寄せて優しく包み込む。
「…海人さん。記憶もなくて、日本の事も満足に知らないこんな私がまだ小さい才人とこれから産まれてくる子の二人を立派に育てる事が、果たしてできるのでしょうか? 」
カリーヌは子供を身籠ったばかりで不安な心情を愛しい夫の海人に吐き出していた。
「確かに、まだ幼い才人に新しく産まれてくる子どもと二人を育て上げるのは実際大変だと思うよ……でもな、こう考えたらどうかな。二人の子供がいたらさぞかし我が家は賑やかになるし……
それに親父がもう一人孫ができる事を知ったらどれ程嬉しく思うか。暗いことばかり考えるより、もっと明るいことを思っていれば良いと俺は思うんだ…俺の愛しい奥さんは心配性何だなぁ~
後ろをみるより前だけを向いて歩いて行ったほうが人生楽しいぞ。振り返るのは子供たちが成長してからでも良いじゃないのかな」
カリーヌの不安を一掃する様な明るい笑顔で海人は優しい言葉を使って諭す。
「やっぱり、海人さんは私にとって何時も困っていると助けてくれる素敵な旦那様だわ」
カリーヌが海人に感激して熱い口づけをしていると、いつの間にベッドから起き出してきたのか解らないがまだ眠い眼を擦りながらリビングに来ていた。
「まだ寝ていないとダメじゃないの」
才人に気づいたカリーヌが優しい言葉で軽くたしなめる。
「おぉ~もう起きたのか? 才人。もうすぐお前もお兄ちゃんになるんだぞ。嬉しいだろう? 」
海人は才人に近寄ると大きな腕で抱き上げながら弟か妹ができたと嬉しい顔で告げていた。
「………おにいたんになるの? 」
意味も解らずにまだ幼い才人はつぶやく。
「そうだぞ。もっと喜べ……えっ~と、その、なんだ、カリーヌ。肝心の子供はどっちだ。男か女か…それともまだ解らないのか? 」
期待と不安が入り交じった表情でカリーヌに訊ねると
「これはまだ確定した訳じゃないのだけど……お医者さまが80%の確率で女の子だと仰っていましたわ」
「…そ、そうか。やったぞ! 才人。妹ができるんだ……次は女の子を要望していたから、これで父さんも大喜びするな」
自分の血を引く女の子が産まれる事が解って海人は大感激している。
「お義父様が喜んで下さるのは私にとっても、凄く嬉しいですわ。海人さん」
先ほどまでの不安が一掃されて、カリーヌは微笑みを浮かべている。
この時から9ヶ月後に早産で予定日より一月ほど早い桜の花が満開の季節に一人の女の子の赤ちゃんが、この世に誕生する事が決まっていたのでした。
続く。
次は才人の妹が登場します。
次回。十話:カリーヌの16年その三Aでお逢いしましょうね。