内容は題名通りれす。
目の前で、魔女が生まれた。
それは比喩でもなんでもなく、さっきまではそのソウルジェムを濁らせながらも魔法少女だったものが、その絶望からグリーフシードへとかわり、魔女として孵化した。
私はただ見ているだけだった。
その娘に誘われて、魔法少女なるものに興味を持って、その戦いぶりを見学していた。
それでも決めかねていた矢先に、その娘は魔女になった。
そして今、私の目の前にいる。
私を殺そうとして。
そして、私はQBに言われるままに、契約をした。死なないために。
でも、その願いはかなり歪なもので。
私は、その戦いでかなわないことに絶望し、とうあがいても生きることができなさそうな状況で自分のソウルジェムを濁らせた。
そして、私もまたグリーフシードになり果てて、孵化する。
名も無き魔女。何者でもなく、また、何者でもある。『本当の』名前は無くて、でもその姿一つ一つには名前があって。
そして、私の意識もはっきりとしている。
QBとの契約において、私は魔女になった時の保険に自分の願いを使った。
その性質は無貌。
そしてそこから発展させた混沌。
私は私という本質を元から見失っていて。だからこそ私という存在は何にでも変化できる。
「R.I.P」
そう言って、私は祈る。
元は知り合いの魔法少女だった魔女の冥福を祈って。
そして、その魔女の首を、私の影から出した大鎌で、防いでこようとした腕ごと切り落とした。
「っと」
ついうとうとしていたらしく、玉座に座って肘掛に肘をついて、頬杖をしながらそのままガクッとしてしまった。
どうやら、魔女になってしまった数ヶ月前のことを思い出していたらしい。
「おいおい大丈夫か?」
軽い口調で言ってくるのは赤い鳥。
赤い紅い、綺麗な緋色の羽を持つ鳥。
玉座の背もたれの上にとまりながら、私を見下ろしてくる。
「うん大丈夫。ところで久々のお客様?」
結界に侵入者の反応があった。
緋色の鳥はまだ''食事''の真っ最中で、生まれたばかりの彼の鳥はまだまだ戦力にはならない。
食事の方法は至って単純で死刑囚を口付けによって結界の中に誘き出し、ある言葉を唱えさせるだけ。
あとは、彼の鳥が勝手にやってくれる。
「そのようだな。客は2人。トラップに引っかかっていやがるよ」
なら問題はない。
「その程度なら、食事を続けて」
「あいよ」
そう言って、緋色の鳥は消えてしまう。
まあそもそも、彼の鳥は実際には存在しないのだけど。
ただ、私が緋色の鳥を認識しているだけ。
ただそれだけ。
まあ、緋色の鳥は私自身の片割れでもあるし、干渉もできるのだけど。
さて、お客様にはおかえり願おうかな。
トラップに引っかかっている魔法少女を、結界の外へと転移させるのも造作もないこと。
やっぱり魔女としての力が上がると、色々出来ることも増えて素晴らしい。
ついでに、その二人から穢れを吸い取って私の糧とすればお互いに利益がある。
穢れ、ごちそうさまでした。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
20161222誤字と一部の加筆修正
scp444jp認識の鳥とscp444jp-jふっかつのじゅもん編はlocker氏作scp444jpとscp444jp-jに基づきます。
scp444jp:http://ja.scp-wiki.net/scp-444-jp
scp444jp-j:http://scpjp-fansite.wikidot.com/scp-444-jp-j-fs-heronotoridakonoyarou
てなかんじでなせとけば問題ねえんですかね。wikiの注意書きにあったので一応断り書き追加しておきましたが。