アルカニス「どーにかしましょうよ……」
今回は拠点が出来る話……になるかもしれません。
アルカニス「自信なしですか」
それでは、どうぞ。
ん……なんだこれ?
ここはどこだ?
空は黒いということは夜か?
?『キシャアアァァァーッ!!』
なんだ……あの白い竜は?
見たことない骨格だ……古龍種か?
それに何かを睨んでる?
?『ギュオオォォォォーッ!!』
カケル「っ……!!」
後ろを振り返ると白い竜が睨んでいたものがいた。
あれは……【アマツマガツチ】?
でも、なんでこんな所に……?
?『キシャアアァァァ!!!』
アマツマガツチ『ギュオオォォ!!!』
姿形が異なるその竜は突進して間合いを詰める。
その途端、白い閃光が視界を覆う。
カケル「うっ……!!」
あまりの眩しさにより、視界が霞む。
そしてそこから意識が遠退く……。
カケル「っはぁっ!?」
意識が戻り、俺は目を開く。
そこには、夜空が映し出されていた。
……となれば、ここは渓流か?
なら、さっきのは夢……?
それとさっきから後頭部から柔らかいのを感じる。
俺、どうなったんだ?
?「あ、目が覚めた?」
カケル「うおっ!?」
夜空を眺めていると突然視界が片目を失っている少女の顔いっぱいになる。
俺は驚きのあまり、ひっくり返る。
カケル「うぐっ!!」
身体を無理に動かしたのか痛みが来た。
うわ、これマジ痛い……!
?「あ!ご、ごめんね!!大丈夫?」
カケル「あ、あぁ……大丈夫だ……」
少女は心配そうにしてまた俺を寝かせる。
……そして気付いた。
俺、この子の膝枕されてるのか。
だから後頭部から柔らかい感触が伝わってくるのか……。
……というよりも、この子誰だ?
黒に近い紫色のショートヘアに水色の瞳、胸はBよりのCと言ったところか。
服装は……これはミツネSシリーズだろうか?
輪郭や顔のパーツが整っており、恐らく俺と同い年であろう美少女だ。
そしてなんと言っても左目に傷跡が……。
……隻眼?
……え、まさか……。
カケル「タマ……ミツネ?」
?「おー、よく分かったね」
カケル「ふぁっ!?」
嘘だろ!?
擬人化してる!?
思わず変な声上げちまったよ!?
カケル「そんな……!!モンスターが擬人化……!!」
タマミツネ「まぁ、落ち着いてよ。……って言っても無理な話かな?」
無理も何も!!
落ち着く方がおかしいわ!!
だってモンスターが擬人化だぞ!?
カケル「こ、これはどういう……!!」
?「それは僕から説明するニャ」
カケル「ア、アイルー!?」
タマミツネの物陰から出てきたのは猫と人を合わせたような獣人【アイルー】が出て来た。
毛は虎模様で服装がユクモ装備をしている。
アイルー「まず、自己紹介だニャ。オイラは【グレン】って言ってエリア3の未開の地【ニャクモ村】筆頭アイルーだニャ」
グレンと名乗る猫がえっへんと胸を張ってるとその後ろからアイルーがゾロゾロと出てくる。
だが、全員武装してる為、戦えるんだろう。
つかエリア3にこんな場所があるんだな。
所々にテントが見えるし、正しくアイルーの村って言ったところか。
グレン「そしてタマミツネを擬人化させたのがこれニャ」
そう思ってると、グレンが取り出したのは紫色の液体が入ってる瓶。
……何あれ?
ゲームでもあんな飲み物ないぞ?
グレン「これは近年発見された新種の薬草【擬人草】と【ドキドキノコ】から取れるエキスを調合して作った【擬人薬】と呼ばれる薬だニャ。効果はモンスターに飲ませると生涯いつでも人の姿になれるというものニャ」
なにそれ怖い。
グレン「まぁ、これも何かの縁だニャ。少し分けるニャ」
カケル「あ、あぁ、どうも」
やべ、貰っちゃったよ。それも二つ。
何に使えというんだ……。
カケル「え、えっと……つまりはタマミツネはグレンから擬人化を貰って飲んだと……?」
タマミツネ「あ、いや。君に会う前から飲んでたよ」
なんだと?
カケル「それってグレンと知り合いだと捉えていいのか?」
タマミツネ「いや?初めて会ったよ?」
あれ?
なんか話が噛み合わない。
タマミツネ「一昨日かな?散歩してたらこれが落ちてあって、興味が湧いて飲んじゃった」
カケル「拾い食いかよ!?」
よく怪しいと思わんかったな!?
タマミツネ「まぁ、この身体で人里に行けるし結果オーライかな?」
カケル「本当にそれでいいのか?」
しかし……メスだとわかっていたが、こんな美人だったとは思わんかったな……。
グレン「まぁ、今はゆっくり休むニャ。あの【冥雷王】とやり合って生きてる自体奇跡に等しいニャよ」
カケル「めいらいおう?」
タマミツネ「ほら、あのラギアクルスだよ」
……あぁ、あのラギアクルスの事か。
二つ名だったのか、あのラギアクルスは。
けど、ラギアクルスに二つ名なんて居ないはず……。
グレン「最近発見されたラギアクルスの特殊個体だニャ。ギルドの連中では、生態はまだ定かではないけど、青黒い雷を使うところからこの名前がついたみたいだニャ。それに、まだ一度も討伐、捕獲も成功してないニャ」
そんなとんでもない奴と俺はやりあってたのか……。
カケル「なぁ、タマミツネ。俺どれぐらい寝てた?」
タマミツネ「んー…二日かな?」
そんなに寝てたのか、俺。
タマミツネ「でも無理しないでよ。君が死んだらボクどうしたらいいのかわからなくなっちゃうよ……」
涙目でこちらを見るタマミツネ。
……ダメだ、女の子とこう正面から会話したことないから目をそらしてしまう。
あと、この子ボクっ娘だったか……。
グレン「そうニャよ。もしオイラ達が居たら死んでたかもしれニャかったニャよ?」
カケル「お前らが助けてくれたのか……?」
グレン「いや、魚釣りの帰り際にこのタマミツネと遭遇したニャ。口で……その……」
カケル「あ、忘れてた。翔だ」
グレン「カケルですニャ?まぁ、そのボロボロになったカケルを咥えてるところを見かけて、その場にいた全員で救出したのニャ」
なるほど……通りで全身が包帯で包まれてるわけか。
カケル「そうだったのか……ありがとうグレン、タマミツネ。命の恩人だよ」
グレン「いいニャよ。人を助けるのもアイルーの習慣の一つニャ」
タマミツネ「それに、カケルの方がボクの命の恩人だもんね」ニコッ
カケル「あ、あぁ。そ、そうだったな……」
その笑顔は反則だ……。
思わず目を逸らしてしまった……。
と言うよりも……。
カケル「なぁ、タマミツネ。お前、ずっとその体制だろ?辛くないのか?」
さっきからずっとタマミツネに膝枕されてる。
そのため、タマミツネはずっと正座のままだ。
タマミツネ「ん?大丈夫だよ?泡を座布団代わりにしてるから」
なにそれ、泡万能過ぎじゃね?
というか滑るんじゃないか?普通?
カケル「まぁ、ともかく。俺はもう大丈夫だ」
タマミツネ「あっ……」
ある程度回復したのか少し動ける程まで回復した。
なので起き上がるとタマミツネは少し残念そうな顔をする。
……なんでそんなに残念そうにするんだ?
グレン「ニャ?もう動けるのかニャ?」
カケル「まぁ、多少はね」
グレン「おかしいニャね……。普通ならまだ動けないはずだけど……」
カケル「え?そうなの?」
だが、そう言われると確かにそうかもしれない。
あの……冥雷王、だっけか?
そいつの大放電をまともに食らったら人間なんて三ヶ月ほど動けないし、最悪の場合、死に至る。
だが、俺はたった二日で動けるところまで回復した。
……何故だ?
カケル「まぁいいや」
今は動けるし、戻るとしよう。
グレン「ニャ?どこ行くかニャ?」
カケル「取り敢えず、エリア8に戻ってみる」
グレン「そんな事言わないで、ここに居ればいいニャよ」
カケル「いいのか?」
そんな命まで救ってくれたのに……。
グレン「いいニャよ。人とモンスター、一人と一匹が増えたところで問題ないニャ」
グレンがそう言うと他のアイルーも皆頷く。
……その様子を見て少し涙が出そうになった。
カケル「……タマミツネはどうしたい?」
タマミツネ「ボクはカケルと一緒ならどこでもいいよ?」
カケル「なら、決まりか。すまんがしばらく世話になる」
グレン「ニャ、宜しくニャ」
取り敢えず、野宿の問題は解消されたな。
グレン「それじゃ、歓迎パーティでも開くニャ。皆のもの!準備を!」
アイルーs『ニャイニャイサー!!』
グレンがそう言うと皆準備に取り掛かる。
俺も手伝った方がいいだろう。
タマミツネ「あ、あの。カケル」
カケル「ん?どうした?」
手伝おうとしたところ、タマミツネに呼び止められる。
……どうしたんだ?
やけに顔が赤くなってるんだが……。
タマミツネ「あ、あのさ……言いづらいんだけどさ……私に名前を付けて欲しいんだよね?」
カケル「え?名前?」
なんでそんなものを?
タマミツネ「うん。ボク……いや、ボク達モンスターは元々名前が無いんだよ。人間が勝手にそう呼んでるだけで……」
あ〜、なるほどね。
つまりはネーミングが欲しいと。
カケル「んー……」
そうとなればなぁ……。
タマミツネ、だろ?
タマミツネと言えば桜、水、狐、泡……。
最初はミツネにしようかと思ったが、防具の名前とかぶってしまうから却下。
となれば……。
タマミツネ「やっぱりダメ?」
カケル「……【凛華(りんか)】」
タマミツネ「え?」
カケル「凛華……凛とした華……とか?」
タマミツネ「凛……華……」
……どうだ?
タマミツネ「……うん!いい響き!」
カケル「そ、そうか……」
気に入ってくれて何よりだ。
リンカ「じゃあ、改めてよろしくね?カケル」
カケル「……おぅ!」
手を伸ばされたのでその手を握る。
しばらくはここにお世話になるだろう。
ふぅ、やっとメインヒロインの登場だぜ……。
アルカニス「名前考えるのに一時間使いましたね」
(o'3')b シ――――!!それ言わない約束!!
アルカニス「それでは次回に続きます」
あ、言われた( ´・ω・`)