まぁ、そうなるね。
中編でグレンと紫毒姫、後編で翔と凛華にしようかなと。
アルカニス「なるほど、失踪しないでくださいね」
もう失踪するような前提なのか、俺。
ーグレンサイドー
カケルさんとリンカさんがエリア7に行き、紫毒姫がこちらを睨み付けてるニャ。
正直言うと怖いけど引き下がる訳にはいかないニャ。
紫毒姫『はぁ?アンタマジ言ってんの?アイルー一匹で何が出来るのよ?』
突然紫毒姫の方から大人びた女の声が聞こえるニャ。
オイラは一応モンスターなのでモンスターの言葉はある程度分かるニャ。
グレン「先に言うけど、オイラを舐めちゃ痛い目を見るニャよ」
紫毒姫『へぇ、口だけは達者みたいね。期待はしてないけど』
相手は完全にオイラを見下してるニャ。
でも、構わずオイラは口を挟むニャ。
グレン「やり合う前に一つ聞きたいニャ。何故こんなことするニャ?」
紫毒姫『変な質問するわね……そんなの、私がやりたいからに決まってるでしょ?』
……そんな理由でここを荒らしたのかニャ?
なら……尚更許さないニャ……。
グレン「ならば覚悟するニャ!!ニャクモ村筆頭の名は伊達じゃないニャァ!!」
紫毒姫『雑魚が!!力の差を見せてあげるわ!!』
ーサイドアウトー
ーカケルサイドー
……遠くからリオレイアの咆哮が響く。
戦いを始めたのだろう。
リンカ「グレンちゃん……」
それを見て心配そうにエリア6を見る凛華。
気持ちは同じだ、しかし……。
カケル「凛華。今は目の前の敵に集中しろ。狩りではないとはいえ、油断したら死ぬぞ」
リンカ「う、うん。そうだよね」
俺の声に応えたのか凛華は鋭い目で目の前にいる【冥雷王】を睨み付ける。
……尻尾を失っているから前の個体だろう。
カケル「俺が前に出るから凛華はなるべく援護に回ってくれ」
リンカ「わかった。けど無理しないでよ?」
カケル「承知の上だ」
俺は太刀を引き抜くと冥雷王も咆哮を放つ。
冥雷王『グオオォォォォォォッ!!!!』
前に吹っ飛ばされたが、今となってはそれがチャンスだ。
カケル「はぁっ!!」
咆哮をジャスト回避して胸の懐へ入る。
そして太刀を水平に……!!
冥雷王『!!』
カケル「何っ!?」
後ずさりして避けた!?
こいつ、まさか学習してるのか!?
カケル「……なるほど、同じ手は通用しないみたいだな……」
これは少し、骨が入るな……。
ーサイドアウトー
ーグレンサイドー
紫毒姫『ほらほらぁ!!避けてみなさぁい!!』
紫毒姫は地面を蹴り、こちらに突進してくるニャ。
オイラはすぐに横へ三回ステップして避けるニャ。
紫毒姫『甘いわ!!』
グレン「!!」
今度は尻尾半回転が来るニャ!
オイラはすかさず木刀を構えてガードするニャ!!
グレン「ニャアァッ!!」
ガードしたとはいえ、相手の威力が大きく、少し体力が削れてしまったニャ。
それと同時に距離が空いてしまうニャ。
紫毒姫『あらあらぁ?さっきの威勢は何処行ったのかしら!?』
距離が空いたところに今度は三連続の火球が来るニャ!!
グレン「まっしぐらニャ!!」
オイラは火球の間を通り、そこから技の一つである【ネコまっしぐらの技】で距離を詰めるニャ!!
グレン「えいやぁっ!!」
距離が縮まった所でジャンプして紫毒姫の頭目掛けて木刀を振るうニャ!!
紫毒姫『痛くも痒くもないわねぇ!!舐めてるのかしら!?』
だけど、カコンッていう音が鳴るだけで効果がなかったニャ……!!
無理なのは分かってるニャ。
でも、オイラはそれでもやってやるニャ!!
昔とは違い、もうリオレイアは苦手じゃないのニャ!!
グレン「ニャ!!ニャ!!ニャアァァ!!!」
それから無我夢中だったニャ。
木刀を振り続け、ひたすらダメージを与えるニャ。
……いや、入ってるかどうか分からないけど殴り続けるニャ!!
紫毒姫『必死ねぇ……でも飽きたわ!!』
グレン「!!!」
背を低くしたニャ……!!
あの構えは……!!
紫毒姫『ほらぁ!!』
グレン「ニャアアァァァッ!!!」
次の瞬間、オイラは空中に飛ばされたニャ……!
リオレイアの代名詞である【サマーソルト】に直撃してしまったニャ……!!
グレン「ま、まだまだニャ!!……ガハッ!!」
そ、そうだったニャ……!!
こいつのサマーソルトには毒が含まれているんだったニャ……!!
あ、生憎オイラの技には解毒効果が含まれる技がないニャ……!!
紫毒姫『苦しいでしょ!?可哀想にねぇ!!』
グレン「ニャアァ……!!」
突進を直撃してしまったニャ……!!
奴の突進が来るので避けようとするが毒のせいで言う事が効かないニャ……!!
紫毒姫『でもゆっくりと、じわじわと命を削ってあげる!!』
グレン「ニャギイィ!!」
ガードするも受け切れず、吹っ飛ぶニャ……!!
オ、オイラの毛並みはボロボロになり、防具に亀裂が入ってるニャ……!!
紫毒姫『あははははっ!!いい気味ねぇ!!数年前に腕を吹っ飛ばしたハンターそっくりだわ!!』
グレン「っ!!?」
こ、こいつ……今何て言ったニャ?
数年前?腕を吹っ飛ばした?
紫毒姫『分からないような顔してるから冥土の土産に私の武勇伝でも聞かせてやるわ』
紫毒姫はゆっくりと近付き、強靭な足でオイラを拘束するニャ……!
紫毒姫『今から数年前。旧砂漠で一人のハンターと一匹のニャンターが居たのよ。私を討伐するためにね』
紫毒姫は嫌らしい顔を向けながら語り続けるニャ……。
紫毒姫『でもね、それは無謀だったのよ。ハンターの方はそれなりの腕はあったけど、ニャンターがゴミのように使えなかったのよ。私を見るなり怯えてて、出来ることが回復笛を吹くぐらいしか出来ないクズだったわ』
……待つニャ。
その話……まさか……。
紫毒姫『その後どうしたかわかる?
あまりにも笛のうるささに苛立った私はニャンター目掛けて急降下攻撃したのよ。
だけど、それはニャンターに当たらず、ハンターが代わりに盾となって腕をもぎ取ったのよ!!』
グレン「っ!!」
や、やっぱり……それはオイラの過去ニャ!!
紫毒姫『本当に人間って愚かよね。
自分の命よりも大切なものですって?
くだらな過ぎて反吐が出るわ!!』
グレン「……れ……!!」
紫毒姫『ん?何か?』
グレン「黙れと言ってるニャアアアァァァァッ!!!」
許さない!!
絶対に許さない!!
お前が……お前が……!!
グレン「お前が旦那様の腕を!!人生を奪ったモンスターかぁ!!!!」
紫毒姫『うるっさいわねぇ!!』
グレン「ニギャッ!!」
サマーソルトを食らって吹っ飛ばされたニャ……!!
だけど!!
それがどうしたニャ!!
紫毒姫『私に向かって指図する奴は嫌いなのよ!!黙って死になさい!!』
グレン「ニャグゥッ!!」
火球が飛び、直撃して吹っ飛ばされる……けど、それでも立つニャ……!!
紫毒姫『チィッ……しぶといわねぇ!!!』
グレン「グウゥッ!!!」
今度は拡散型の火球に直撃……するけどオイラはまだ立つ……ニャアァ!!
紫毒姫『な、何よアンタ!!もう体力は空の筈よ!?何でまだ立てるのよ!!』
グレン「オ、オイラは……お前を許さないから……何度でも……何度でも……立ち上がる……ニャ!!」
懐からモウイチドングリを取り出し、それを平らげる。
あと残り二つ……!!
持つかどうかわからないけど……絶対に倒すニャ!!
紫毒姫『ならもう二度と立てないようにしてやるわ!!!』
グレン「……はぁ……はぁ……!!」
今度は羽ばたき、空中で体勢を整えてこちらに向かってくるニャ……!!
だけど、オイラの体も限界の域に達してるのか震えてるだけで動けないニャ……!!
……直撃すれば、あの旦那様のように……!!
覚悟を決める、ニャ……!!
?「はあァ!!」
紫毒姫『がはっ!!?』
……何が起きたニャ?
いくら待っても攻撃が来ないニャ……。
?「全く……相も変わらずだらしないな。グレン」
っ……!!
この優しい声……!!
……まさか!!
?「私がいつハンターを辞めると言った?片腕が消えるぐらい、覚悟は出来ている」
グレン「だ、旦那様ぁ!!」
銀髪……!
銀の瞳……!
そして黒炎王シリーズにオヴィリオン……!
間違いない……!
旦那様の【ギル】姉さんだニャ……!!
ギル「片腕は確かに消えたが、リオレイアを撃ち落とすぐらい、まだ容易いわ……」
紫毒姫『ぐっ……やるじゃない、アンタ……!』
ギル「……威嚇のつもりか?いい度胸だ」
ギル姉さんは人間だからモンスターの言葉がわからないニャ……。
ギル「まぁいい。どうもお前にはお世話になってるみたいだ。
私の腕と言い、私の人生と言い、そして勝手に出ていったどっかの馬鹿猫と言い……」
ちょっ……馬鹿って……!!
ギル「お前には少し、制裁を加えなきゃいけないらしいな」
紫毒姫『い、言ってくれるじゃない……片腕の癖に!!もう片方の腕ももいでやるわ!!』
紫毒姫は咆哮を上げるけど、黒炎王シリーズを着込んでる旦那様には無意味ニャ……!!
ギル「グレン。下がってろ」
グレン「い、いや……旦那様……オイラはまだ……」
ギル「その言葉はもう戦えない奴が吐くセリフだ。黙って私に任せろ」
旦那様はこちらを見るニャ。
その瞳は勝手に出ていったオイラに対する怒り……ではなく、優しさが篭っていた。
グレン「は、はいニャ!!」
ここは大人しく退いた方がいいみたいニャ!!
紫毒姫『死ねやああぁぁぁ!!!』
先に動いたのは紫毒姫。
吐いた火球ブレスが旦那様に襲いかかるニャ。
ギル「間合いが空いてるからブレス……ありがち過ぎるな……」
しかし、ギル姉さんは冷静に体を捻らせ、回避して一気に間合いに詰めるニャ。
あれはブシドースタイルによって出来るジャスト回避ではなく、ただの絶対回避だニャ。
紫毒姫『チィッ!!』
間合いを詰められ、少し後ずさりする紫毒姫。
いや、あれは後ずさってるんじゃないニャ……!
尻尾が上がってるニャ!!
グレン「旦那様!!」
ギル「分かってる……」
呼びかけるけど、ギル姉さんは冷静にオヴィリオンを取り出し、体制を低くして斜め縦に構える……ってあの構えは……!!
紫毒姫『…何もしない?まぁいいわ!!喰らいなさい!!』
紫毒姫は理解してないのかそのまま横範囲サマーソルトを行うニャ。
でも、それが命取りになるのニャ。
ギル「鎮花の構え!!!」
尻尾がギル姉さんに当たる瞬間、それは起こったニャ。
縦に一閃の剣筋が走り、紫毒姫を叩き落としたのニャ!!
紫毒姫『なっ!?』
何が起こったかわからない紫毒姫はそのまま地に叩きつけられ、もがく。
無理もないニャ。
あれは狩り技の一つ【鎮花の構え】。
精神を研ぎ澄ませ、相手の攻撃をいなし、高威力の剣撃を見舞う技だニャ。
それをギル姉さん、片手でやるとは……流石だニャ。
ギル「はぁぁっ!!」
そこからギル姉さんの怒涛の連撃だニャ!!
片腕だからコンボがやや違うものの、それでも紫毒姫にダメージを与えていくニャ!!
次第に頭、翼、背中が壊れ始めてるニャ。
流石ギル姉さん。
モンスターに対して容赦無しニャ。
紫毒姫『な、舐めるなあぁぁぁぁぁっ!!!』
ギル「っ!!」
しかし、紫毒姫も負けてたまるかと言わんばかり咆哮を放つニャ。
奴め、怒り状態に入ったニャ。
紫毒姫『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅ!!!』
す、凄い殺気だニャ!!
その証拠に数え切れないほどの火球と毒針を飛ばしてきてるニャ!!
ギル「チッ……!!」
流石にギル姉さんでは避けきれないニャ!!
でも、気合で前に進んでるニャ!!
グサッ!!
ギル「うっ……!!」
あっ!!ギル姉さんの胸に毒針が……!!
紫毒姫『アハハハハハハハハハッ!!そのまま毒に侵されなさいぃ!!!』
毒は本当に厄介だニャ。
防御を無視した継続ダメージを受けるニャ。
ギル姉さん……。
ギル「……あはは……!!あはははははっ!!」
紫毒姫『っ!?』
ギ、ギル姉さんが笑い出した?
ど、どうしたんニャ?
ギル「まるで毒を当てたから勝ち誇ってるみたいだな。……残念ながら私に毒は効かないよ」
と言って、ギル姉さんの首元に首飾りが出てきたニャ。
ギル「ネタバラシ。こいつは毒耐性を持つお守りだ。今のお前じゃ私に毒を与えるのには無理だ」
紫毒姫『そ、そんなっ!?私の毒は耐性があっても毒がかかるはずなのに!?何で!?』
ギル「……分からんような顔してるな。お前の尻尾をよく見ろ」
ギル姉さんの言われた通り、自分の尻尾を見る紫毒姫。
紫毒姫『っ!!』
見てみると尻尾に生えている棘が欠けているニャ。
そうか……あの時の鎮花の構えで破壊したのか……!
紫毒姫『い、いつの間に!?』
ギル「あの時のカウンターで破壊して貰ったよ。いやぁ、久々にロマンを感じたな」
はっはっは、と笑うギル姉さん。
あぁ、久しぶりだニャ。
旦那様の笑顔を見るのは。
紫毒姫『糞がぁ!!私の美しい尻尾にぃ!!』
紫毒姫はさらに怒りを覚え、そのままギル姉さんに向かってくるニャ。
……その時、オイラは「あ、終わった」と悟ったニャ。
ギル「まぁ、長話した後だが、一つ言うことがある」
と言いつつ、ギル姉さんは片手で上段の構えをし、剣先を紫毒姫に向けるニャ。
……あの構えはギル姉さんにしか出来ない狩り技……一気に終わらせる気だニャ。
ギル「私は今、機嫌がとても悪いんだ。今日は休日な筈だけどこんな夜中に紫毒姫が現れたとギルドが大騒ぎしてね……この意味、わかる?」
その瞬間、ギル姉さんは文字通り【消えた】ニャ。
そしていつの間にか紫毒姫の後ろに現れたニャ。
紫毒姫『あ、あぁ……!!』
そして紫毒姫は機動力に追いつけず、その場に止まり出したニャ。
最後にギル姉さんがこう呟くニャ。
ギル「よくもこんな夜中に起こしてくれたな……。私の睡眠時間を削りやがって……」
呟き終わるのと同時にオヴィリオンを鞘に仕舞う。
その瞬間、紫毒姫の身体が斬撃の爆発に見舞われたニャ。
血飛沫が飛び散る様は例えるなら【赤い桜】だったニャ。
紫毒姫『アアアァァァァァーッ!!!』
耐えなく、紫毒姫はその場に崩れ落ちたニャ。
……あれは狩り技【桜花気刃斬り・紅桜(べにざくら)】。
其れは元の狩り技である【桜花気刃斬り】を極めた最終形態の狩り技。
己が持つ心・技・体を限界まで引き付け、神速の如く機動で相手を無残に引き裂く狩り技だニャ。
当てれば気刃ゲージが赤になるけど、攻撃回数が多いため切れ味を落としやすいというものだニャ。
つまるところ、諸刃の剣のようなものニャ。
現段階でこの狩り技を使えるのはギル姉さんただ一人しかいないニャ。
で、でも……機嫌を損ねただけでそんな大技を使う必要が無い気がするニャ……。
ギル「チッ……相変わらず切れ味を落とすなこれ……」
そう言いつつ、オヴィリオンを口で加え、片手で砥石を取り出して研ぐギル姉さん。
そんなギル姉さんにオイラは近付くニャ。
グレン「ギ、ギル姉さん……」
ギル「ん?なんだ?」
……今こそ言うニャ。
グレン「ごめんなさいニャ。勝手に出ていって……」
ギル「…………」
グレン「オイラのせいでギル姉さんの片腕を壊してしまったニャ……。そんなギル姉さんを見てると……見るにも耐えず、オイラは何も言わずに出て行ったニャ……。その後、もっと鍛えるため死にものぐるいで特訓したけど……この結果ニャ……。結局、ギル姉さんを……」
ギル「……なぁ、グレン」
グレン「は、はひニャ!?」
と、唐突に呼ばれたから変な声を上げちゃったニャ……!!
ギル「……お前、今まで完璧な人間やニャンターを見たことがあるか?」
グレン「ニャニャ?」
完璧……?
ギル「お前は真面目すぎるんだよ。少しはリラックして適当にやれ。その方がお前らしいよ」
グレン「し、しかし……」
ギル「しかしも何も無い。私だって完璧じゃないんだ。というか完璧になれとか言われてもなれないし、なる気もない。程々にマジでやって、程々に適当にやればいいんだよ」
グレン「ギ、ギル姉さん……」グラッ
ギル「おっとと……ほら、言わんこっちゃない。ボロボロになりやがって……」
オ、オイラ……本当にギル姉さんのオトモで良かったニャ……。
ーサイドアウトー
今回シリアスすぎぃ!!
アルカニス「しかもまたオリジナル出しましたね?しかも狩り技を」
だってやりたいんだもぉん!!
アルカニス「子供ですか貴方は!?」
……いや、ゆうたよりマシだろ。
アルカニス「ガチレス!?ここで!?」
さて、次回は翔サイドから始まります。
アルカニス「あ、あとお気に入りしてくださった方、感想してくださった方、本当にありがとうございます♪」
……お前本当に俺以外の人間に対して態度変わるよね?
アルカニス「いや、そりゃそうですよ。読者様ですよ?神様ですよ?」
い、いや、そうだけど……うん。
アルカニス「まぁいいです。それでは次回に続きます」
またセリフ取られた( ´・ω・`)