シギュンがいるのは、王城内にある大図書館。
数名の部下とともにアンダー・ゴゥレムの胸部装甲に刻まれた文字の意味を調べている最中だ。
高い技術力を持ちながらも、滅びてしまった古代人。
彼らは何を思い、アンダー・ゴゥレムに文字を刻んだのか。
「シギュン様!文字を解読できました!!」
部下の一人が、大量の資料を片手に告げた。
「! 見せて。」
解読した結果を見たシギュン。
「これが、わざわざ古代人が彫った言葉…?」
シギュンの顔は、意外そうだった。
「『運命に抗おう』…」
どのような状況下で、どういった心境で、古代人はこの言葉を残したのだろう。
そういえば。
突如として、クリシュナ領内にアンダーゴゥレムと現れた青年、大柳和泉は言っていた。
『自分は千年前から来た』と。
冗談としかとれなかったが、真実ならば、あらゆる謎が解けるかもしれない。
(イズミが古代人なら、この文字もノーヒントで読むことが出来るはず。)
「彼に確認する必要がありそうね。」
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偵察兵からゼスの位置を知らされたバルドは、即座に出撃準備を整えた。
ゴゥレムが並んでいる中には、二台ものアンダーゴゥレムの姿が。
加えて、一方のアンダーゴゥレムには大量の装甲が装備させられている。
ライガットが操っている機体だ。
「なんだアレは…。立っているだけでも異常だぞ…」
「そうか?あれ以上の装甲をしたヤツなんか、珍しくもないぜ。」
異様な光景を目にして、ナルヴィが。
なんでもないかのように和泉が。
ナルヴィは訝しげに和泉を見たが、和泉は視線に気づかず、ライガットに近寄っていった。
実際にゴゥレムを操るライガットは、コクピットに座り気持ちを落ち着かせる。
また、戦場に出なければならない。相手は親友であるゼス。
(ゼス。お前は、何を考えているんだ…。)
親友であるホズルの国を攻めるなんて。
(…ゼス。俺は、ホズルの国を守るぞ…!!)
ゴゥレムに乗るようになってから、まだ間もないライガット。
戦う理由すら無かった彼だが、今ようやく理由が見つかった。
親友の、そして自分の国を守るため。
ライガットは、自分からゴゥレムに乗る決意をした。
「よっ。ライガットさん。」
「お、イズミさんか。」
同じアンダーゴゥレムに乗るものとして、ライガットを激励しに来た和泉。
「緊張するなとは言わないが、そんなんじゃ持たないぜ。」
軍人ではないライガット。彼に軍人と同じように振舞えというのは無茶だ。
が、戦うからには一般人で居続けることは許されない。
殺し、殺される覚悟が必要だ。
「ああ。わかってるよ。」
「…それならいいが。今日は俺もライガットさんと一緒に行動する。危険と判断したら、俺を頼ってくれ。」
「…ありがとな、イズミさん。」
ライガットの顔から力が抜けた。
和泉自身も肩の力が抜けているのを確認する。
「それはそうと、ライガットさんのアンダーゴゥレムに、コードネームがついたみたいだな。」
「まあな。『デルフィング』っていうんだ。」
「良い名前じゃないか。」
「あれ?イズミさんのゴゥレムは…??」
「まだコードネームはついてない。」
「そっか。なら、帰ってきたらシギュンに言ってやるよ。特別かっこいい名前を付けるようにってな。」
「頼むぜ。」
ほどなく、バルド将軍より作戦開始の合図が出された。
「よし、いくぞイズミ!!」
「ああ。」
二台のアンダーゴゥレムが、トップスピードで城門を駆け抜けた。
和泉のロボットの名前なんて考えてなかったです、はい。
もうグラハムスペシャルで良いか。(適当)