断りもなく、長らく更新出来ずにいたことを、深く反省しております。
クリシュナ王城まで帰還した和泉とライガット。
ひとまずは自室でくつろぐ時間を与えられたものの、和泉の気は重い。
アルガスを仕留めた武装。それはこの時代では使用されていないものであり、和泉にとっても貴重な武器だ。
(やっぱり、二発目を使用したのは早計だったのか…?いやいやいや。それでライガットが助かったのであれば、結果オーライじゃないか。残る弾数が三発なのは不安だけど)
加えて、この後の報告で、確実に追求されることは確定している。
誤魔化すべきか、正直に話してしまうべきか。
まだまだスパイ疑惑のある和泉は、今回の報告によっては
再度拘束される羽目になる。
(それだけは避けないとな。いくら温厚そうなシギュン王妃だろうと、スパイだと断定された輩にまで情けはかけないんじゃないだろうか。あの温厚ぶりだと、いきなり死刑とかは無いと思うけど。)
命をとられないとしても、現状の立ち位置よりも悪くなるのは避けたい。
コンコン。
部屋にノックが響く。
報告を兼ねた会議への呼び出しだ。
和泉はどうにか事を荒立てない報告をすべく、脳内で幾つかのシュミレーションを行う。
報告の場には、ホズル、シギュン、ライガット、バルド。
驚くことに、それだけだった。
もっと大人数いるものだと予想していた和泉だが、良い方向で裏切られたと言うべきか。
「お…。これだけ、ですか?」
少しばかり言葉に詰まってしまったが、誰も気にしてはいない。
「悪かったな。イズミ、そしてライガット。それから、よくやってくれたな。無事でなによりだ…」
ホズルからは、労いの言葉。すると、ややバツが悪そうなライガットが。
「正直、今回は俺、ホントになにも出来なかったんだ。敵に追われながら逃げた時だって、イズミさんが助けてくれたしな。凄かったんだぜ、イズミさん。初めて見たよ、あんな武器。」
和泉に対し、本心からの感謝を述べるも、和泉からしたらあんまりロケット弾の話題にはして欲しくなかった。
ただ、遅かれ早かれ言及されただろう。
ライガットからバトンを受け取るように、シギュンが本題に入った。
「ライガットの報告書に目を通したけど、そこでも記述していたわね。私、この場で一番聞きたかったのが、その兵器についてなの。イズミ、説明お願い出来る?貴方が話しやすいように、人員にも配慮したのだけど。」
「ああ、だからこのメンバーだったんですね。」
ホズル、シギュン、ライガット、バルド。
なるほど、この国に来てから僅かではあるものの、
比較的和泉を信用してる人物達。
シギュンはある程度お見通しということか。
これはやはり、素性を明かしてしまうほうが良いだろう。
クリシュナの全軍に明かすのと、このメンバーだけに明かすのは違う。
和泉が今後クリシュナで生活していく中でも、誰かしら1000年前から来た事実を知ってもらっていたほうが都合もいい。
「この際、包み隠さず、俺の素性を全て話します。」
この人達なら大丈夫。そう自身に言い聞かせてから、和泉は自分語りを開始した。
自分が1000年前からきたこと。その経緯。
1000年前の世界について。ロボットや、兵器について。
それから、クリシュナに協力するつもりであること。
掻い摘んで話して、およそ10分強。その間、和泉の言葉を遮るものはいなかった。
一通り、和泉が説明し終えてから、皆、しばらく何も言えなかった。
シギュンだけが唯一、何度も頷く仕草を見せていた。
「まさか、あの時冗談だと思ったけど、事実だったのね」
話の途中、途中で、和泉は1000年前の街並みや思い出を残した画像データを端末で皆に見せていた。
高層ビル群が写った画像には、全員が目を丸くしたのも
当然の反応だ。画像を見せたことが大きいのか、和泉の話には、かなりの信ぴょう性がある。
最後のダメ押しと、シギュンがとある文字の書かれた紙を和泉の眼前まで持っていく。
「これは、デルフィングに彫られていた古代文字なの。イズミが古代人なら、読めると思うの。…どう?」
紙には、一文。
「運命に、抗おう…」
デルフィングに日本語で文字が刻まれていたなどと知らなかった和泉だが、シギュン達にわかるように音読して見せた。
「…私、貴方が今語ってくれたこと、全面的に信じるわ。疑うような真似して、申し訳なかったわ。」
ノーヒントで古代文字を解読した。これ以上の証拠はない
シギュンに同調する、ホズルとバルド。
「にわかには信じ難いことだが、俺も信じるぜ。
アンタのこと。」
「陛下と、同意見だ。これだけの根拠がある以上、信じないのも難しい。」
すんなりと、自分を受け入れてもらえたことが、和泉は嬉しかった。ふと涙しそうにすらなる。コールドスリープから目覚めて、ようやく、自分が自分に戻れたような。そんな不思議な感覚。
「俺も、ハッキリ言って1000年前がどうの言われてもピンとこない。けど、イズミさん、何度も俺を救ってくれたしな。悪い人じゃないってのは、わかるよ。だから、俺もイズミさんを信じるぜ。」
明るくはにかむライガット。
この時、ようやく和泉はクリシュナの為に死んでもいいと
思うことが出来たのだった。
ぶっちゃけ、内容とか忘れてしまっている方々が
ほとんどだと思いますが、ひとまず、今後ゆったり更新していけそうなので、また暇つぶし程度に付き合ってもらえたら嬉しいです。
本当に、申し訳ありませんでした。