貴方は英雄ですか? いえいえ。まだ一般ぴーぽーです 作:カルメンmk2
メルトリリスが来ませんでした。カルメンです。5万逝ったぞ!!?
さて、鯖が出ますが投稿してある話をよく読んでみると登場しているのが多くいるわけです。ですが、それ以外は基本出しませんよー。
―――神様………主神のヘスティアを逃がしてから、どれほど経ったのだろう。
瞬きすら許されぬ
明らかな格上に、貧弱な自分自身。頼りになる仲間はいない。
(どこをほっつき歩いているんですか、シグレさん………!)
老人のような若者に、思わず呪いの言葉を吐きそうになる。思ってしまう。
でも、勘だが彼も戦っている気がする。――――甘酸っぱい、それこそ自分がダンジョンに求める出会いをしているような気がしてならない。
邪なことを考えていると、鼻先を手枷の鎖が掠めた。考え事ができる力量か? 全く、これだからモンスターは情緒というか、余裕がない。自分も余裕が―――――無いのかな?
こういうのはお爺ちゃん曰く、女性に他の女のことを考えるな、嫉妬されるようになれと言われた気がする。
―――目の前の猿が化粧して迫ってくる。
「悪夢じゃないですか、ヤダー!!」
とはいえ、加減されている内ならば見切れる。相手からすれば遊んでいるのだろうがそれが間違いだと後悔させてやる。神様にも倒してもいい? と啖呵を切ったわけだし。
改めて、彼我の差を考えてみる。やると決めてから、頭が妙にすっきりする。
リーチの差は歴然。相手の腕に咥えて、自分の腕ほどの太さがある鎖がビュンビュンしている。幸いなのは、アレが巻き付けるほどの硬い物体がどこにもないことだ。
対格の差に至っては馬鹿馬鹿しいほど違う。相手は数メルト以上、こっちは1百数十セルチ。体重なんて何倍になるんだろうか。
防御能力はどうだろうか?
こっちの攻撃は通る。でも、長さが足りない。断つことが出来るのは両手両足の指か尻尾ぐらい。何より、腕や足を斬ろうにも筋肉で留められて、虫けらみたいに潰されるだけだ。
じゃあ、防具はどうか? 斬れる。頭の兜を斬ることが出来たのだ。弾け飛びそうな胸当ても手枷も十分切れる。刃渡りはその範囲内だ。
対して自分は? 紙だ。もう少し硬くして、腐った床板程度だ。一撃でも沈む。ぺちゃんこになる。
「う、はっ………!!?」
イラつき始めた? それとも飽きた?
ゴールデンバックが攻撃速度を上げた。さっきまでがゴブリン程度なら、今はウルフの全力疾走に近い。
目算を謝り、咄嗟の判断で短刀を盾にして身体への直撃だけは裂ける。
悲しいかな、相手からすれば石ころ程度の重さの自分はダイダロス通りの貧民たちの家に叩きつけられた。
「―――――!!」
壁を突き破り、衝撃で肺の中の空気が強制的に吐き出させられる。
頭もぐわんぐわんする。
視界が揺れて、焦点が合わない。
全身が痛い!痛い!痛い!痛いッッ!!
「――――ッ――――ッッ!?!」
声すら出せない。崩れ落ちて、顔から床にダイブする。
兎に角、苦しい。痛い。辛い。
――――――ダレカ タスケ――――
(馬鹿か僕はッ!!?)
弱音を吐いてどうするんだ!? 僕は決めたんだ! 諦めないって! あの人達の場所まで行くって! 誓ったんだ。そう誓ったじゃないか!!
「アアアアアアアッ!!!」
雄叫びを上げて、ベルは迫りくる自分の顔よりもはるかに大きい拳を斬りつけた。
狙うのは親指。教えてもらった通りにはいかない、上段からの振り下ろしは満身創痍もあって倒れ込むように振り下ろした。
肉を断つ感触がした。続いて、硬いものを削りながら通っていくもどかしさを感じた。再び肉を、肉を断ち斬る感触がした。
――――ギャアアアアア!!!??!?!
ゴールデンバックの絶叫がうっすらと聞こえた。無様に倒れ込み、顔を強かに打ち付けて、ベルはそれでも立ち上がり、立ち向かおうとする。
体がついてこなかった。心には火が灯っている。諦めない、くじけない、超えてやると心は朗々と燃えていた。
でも、体は本人にすら聞こえぬ絶叫を上げていた。
指一つ、身じろぎ一つもできないぐらいに酷い有様だった。他の冒険者が居たのなら、彼に畏怖を表すだろう。死に損なった体で未だに諦めぬ彼に、恐怖を覚えるに違いない。
(くそっ、くそっ、くそっ! 動けよ! 僕はまだやれるんだ。戦えるんだッ!!)
声も出ない。声を出せば、その分、死が近づいてくると体が拒絶している。
待っていても、格下に傷を負わされたゴールデンバックが怒り心頭に………そして、最大の注意を払って殺しに来るだろう。
そうとなったら勝ち目など無い。侮って、舐めていて、ふざけていて、予想外のことに混乱した今こそ
戦わねば! 立たねば! 抗わねば! 活かさねば!
「――――よく、諦めませんでしたね」
遠くなった耳が、なぜか凛とした女性の声を拾った。
――――不意に身体が軽くなった。
「っあ………!!」
「―――ッ―――――!!!!」
「鋭くいくわよ………!」
直後、見たのは………見えたのはあの細腕で、モンスターの顔を整形している藍色髪の
―――ルーラーこと、ジェーンはこの騒動が何かしらの意図をもって起きていることを確信していた。
彼女は
アーチャーこと、ムメーはいない。彼のことだ。すでに正義の味方を皮肉交じりで演じているだろう。
「それで、どこから行く?」
「バベルは上位のファミリアが守っています。歓楽街はイシュタルファミリアが陣取っているので問題は無いでしょう。ならば―――」
「貧しきものが住まう
「その通りですマル―――マール様」
「様なんていらないわ。カルデアのメンバーしかいないなら真名でもね。まぁ、神託で碌でもないことになっているってあったのよね」
「主以外の神々の力で正確には伝わりませんでしたから。ですが、この世界に。この地に我々が集った時点で何かがあります」
余程でないと決して現界することのない
三騎士の一つ、
機動力に優れる、
18人の該当者しかいないはずの
魔術に優れた
理性無き戦士、
まぁ、すでに5騎も現界しているのだ。
「全クラスが揃ったわけではありません。重複していますので」
「正規の、ではないわね。皆、受肉してるし………復活は救世主の特権だというのに………顔向けできないわ」
「いえ、復活と受肉は大分違う―――」
「何より、異教徒多過ぎよ! 神は主のただ一つだというのに!」
「その発言はいろいろと不味いのでやめてください!?」
このように憂いていたり、あるいは神という存在に対する、彼女らの宗派の見解を言いあっているわけだが、そんな彼女らは屋根の上を飛びつつ、高速で移動している。
一級冒険者なら捉えられるだろう、その速度でダイダロス通りを目指して移動中だった。
実はルーラーは徒労で終わることを望んでいた。
自分たちが徒労になるというのは、誰かがモンスターから無辜の民を守り切ったということだ。
逆に、自分たちが活躍する状況というのは、大なり小なりの犠牲が
不幸中の幸いとして、貧民街の孤児院に顔を出している緑色の弓兵―――この場合は狩人が動いている可能性もある。おおよそ、彼女が手古摺るぐらいのモンスターが冒険者たちに御せるわけがない。
――――ふと、遠くで、いや進先から小さな地揺れの音が響いた。
いや、地揺れではなく、建物の一部が倒壊し、煙とともに響いたものだ。ほんの僅かだが、隙間から黄色か金色の巨大な物体が見える。
それはまるで己を知らしめるように吠えた。
「随分と大きい………」
「そこまで潜れたわけではないけど………流石に大きすぎね」
下手な家屋よりもよっぽど大きい猿はダイダロス通りの入り口近辺で停止している。となると、誰かが足止めしていると判断した方がいいだろう。好感の持てる人物だ。
「! アレは…………」
「? ………神って名乗る連中? 黒髪におさげの青紐――――言ってたやつ?」
「はい。もしかしたら彼が戦っているのかもしれません」
なら、話は早い。ライダーを紹介したいし、今後のためにも良好な関係を築いておきたい。
二人は息を弾ませながら走る少女―――ヘスティアのもとへと飛び降りた。
目の前に現れた、女性二人にヘスティアは驚く。二重の意味で驚く。
「君たちは………!(僕らに近い!? 神、なのか?)」
「話は後程。時雨永嗣の主神、ですね?」
「そうだけど………もしかして、ネメシスの………?」
「違います。街中にモンスターが溢れており、その迎撃を。私たちはこの先の貧民街を守るために参りました」
「! なら、冒険者だね!!?」
「いえ」
「んなっ!? 恩恵もなく、モンスターに敵うわけが――――いや、いるけど! 君たちには無理だ!! 僕の代わりに助けを呼んでくれ!!」
そんなことできそうなのは自分の家族だけだろう。いや、信じられるものでもないが、かつては恩恵無しで戦っていたわけだし、そもそも黄泉帰っている時点で規格外だった。
だけど、重そうな鎧を着込み、重量級の武器を持つ彼女たちなら、自分よりも早く助けを呼べるはずだ。
ヘスティアは懇願する。神が地上の子どもに頭を下げる。懇願するなど、神々の名誉を著しく傷つける行為である。でも、彼女にとってはそんなじゃが丸君ほどの価値もないプライドに拘るつもりはない。
―――――家族が殺されかけているのだ。
自分の土下座や頭を下げるぐらいで彼が助かるなら、喜んでやってやるつもりだ。
このどこかしら、神々に近い気配を持つ彼女らにヘスティアは懇願した。
「逃げるのですか?」
「アレは僕を追ってきているみたいなんだ。モンスターは………いや、ダンジョンは神々を憎んでいる。生まれ落ちたモンスターも例外じゃあない。だったら、可能な限り僕がおとりになって―――家族を助けるんだ」
「―――――――貴女の命は? 残された家族はどうするのかしら?」
「家族を、子どもを守るのが
「―――よい家族を持てたようですね」
「は?」
「こちらの話です。小さな冒険者さん――――――下がりますか?」
―――そんなの決まってる…………………!
「ッ、まだやれます…………!」
「ふふ、その意気です」
薄っすらと微笑むと、彼女は手に持つ槍――ではなく、穂先の付いた旗を解いた。
見たことのない徽章だ。どこかのファミリア―――でもなさそうだった。でも、それを見ていると勇気が湧いてくる気がする。
「行きなさい!」
「はいッ!!」
綺麗な女の人に、応援されたら…………頑張るしか無いじゃないか!
ベル・クラネルは再び、戦場へと翔んだ。先程よりも、熱くなった刃と背中に言い知れぬ頼もしさを感じながら。
暴れまわるゴールデンバックに刃を突き立てたのだ。
一人の夢見る少年と二人の女傑が共に戦う。
戦場から少し離れた、貧素な家屋の屋根上で、フードの人間。膨らみからして女であろう、その怪しげな人物は熱い吐息を深く吐いて身悶えしていた。
「はぁあああああ…………………イイ。すごく、イイ!!」
輝いている。純真無垢の魂が太陽に匹敵せんとばかりに輝きと熱を放っている。
二人の少女もイイ。金色は前に目をつけていたシャイな子だが、もう一人の藍色の女性も輝けるものがある。躍動感のある光が私を魅了する。
「ねぇ、オッタル。どう思う?」
「…………………フレイヤ様の寵愛を受けるに相応しい、かと」
「うふふふ、嫉妬してるの?」
「いえ。その寵愛はフレイヤ様ご自身の意思であらせられます。それを独占するということは、フレイヤ様への比類なき無礼である…………………そう、考えております」
「ふふふ………少しくらい、おねだりしてもいいのに」
この子のそういう頑ななところが好ましい。不器用とわきまえつつ、望みを叶えようという可愛さがある。とても可愛い子。もう少し、ヘグニやガリバー兄弟を見習ってもいいのに。
「ならそうね――――――何時頃かしら?」
「不測がなければ5日ほどかと。連れてまいります」
「お願いね。優しく、丁重にね?」
「仰せのままに」
後書き解説に突入だぜぇ!
メイン以外は解説しないよ!!
『時雨永嗣』
ポプヌスの一撃で瀕死状態にされてしまった未熟者。なんでかと言えば、隠れている敵を察知できなかった故に未熟者。
彼はどうなるのでしょうか?
「―――――げふっ………………」
『時雨永嗣(老人)』
剣士として大成した状態。力の剛剣ではなく、技の柔剣を使いこなす技量型の剣士。
流派【心眼佐々木一派】を名乗り、北辰や示現、宝蔵院といった有名な流派に数えられるほどの規模と知名度をもつ流派の開祖。
最後の剣聖―――と言うなの時代遅れと馬鹿にされ、その偉業を超えるものはただ一人を除いて現れなかった。
本小説の最強候補であり、今回の登場では死に際の状態。その一刀は単純な防御力では防げず、概念レベルでないと紙ほどの役にすら立たないというチート剣士。彼を超えるのは最後の弟子だと、当人は宣言していた。
「明鏡を得て、止水に至れども、月には届かず」
『ベル・クラネル』
盛大な死亡フラグを立て、どこかで見たことがあるような聖女に助けてもらった、ラッキーラビットくん。
手に持つヘスティア・ブレードは彼が羽ばたくための翼であり、信念ある限り、砕けることはない。
「冒険しなくて、何が冒険者だ。何が英雄に憧れるだ!!」
『ヘスティア』
神仏にさしたる敬意を持たない主人公が、敬意を持つほどに彼女は純真で、思慮深い。家族のためならどんな汚れでも進んで引き受ける。そういった点ではロキに近いが、彼女はプライドだって守るべきものではない。守るべきは大切な家族なのだ。
「頼んでいるんだ。頭を下げて、家族が助かるなら…………………!」
『ムメー』
そこらの冒険者より遥かに頑丈だが、流石に貫通した傷はやばいらしい。
ポプヌスのスキルに疑問を持ち、おそらくはその弱点に気づいていた節もある。
「なるほど、やはりそうか」
『ポプヌス』
元ヘラファミリアの隊長格。古参の一人であり、三つのグランドクエストすら生きて越えた超一流の冒険者―――だった。
美しきヘラへの忠誠心がスキルとなり、超再生能力と生命力を得て、さらに目撃は交戦した一度しか無いヒュドラのドロップから作られた魔法薬で死にづらくなるスキルを発現。敵う者はないと言われたが、ロキとフレイヤの連合により自身以外の仲間は全滅。ヘラへの忠誠を薄れさせない彼を潰すため、見捨てることによる送還免除で捨てられてしまった。
憎悪に絡め取られた彼は、両ファミリアの策略でどこにも所属できず、かつての栄光は落ちぶれてしまい、その後にネメシスに拾われた。
ヘラファミリア時代から粗暴だったが、ネメシスファミリアからは輪をかけて酷くなる。
最後は時雨永嗣(老人)に恩恵もろともに斬り裂かれ、スキルを失って絶命した―――?
「…………………………(返事がない。死人が話すわけがない」
『
かつては【
―――が、発動条件が存在し、「相手がこちらを正しく認識している」という条件が揃わない限り投影できない欠点がある。
ムメーが傷を負わなかったのは「ポプヌスだと認識していなかったため」で、主人公に至っては「どうでもいい存在」と認識され、敵ではなく巻藁程度にしか認識されていなかったからである。
元ネタは【
『ヒュドラ・ゲム』
目撃は交戦した一回のみという、超々希少な
切り傷に対して無敵の再生能力を誇り、例え、首を中ほどに斬られても、断ち切られない限りは致命傷には至らない。
白く粘着く菌糸が体内で根を張っている。上記の【汚れた光】との組み合わせはかなり凶悪である。
『
ネメシスファミリアに所属する、鴉のマスクに羽の付いた外套、ペスト医師や貴公子のような姿の怪人物。得物は大小の
冒険者には嫌われているが一般人には好かれている。理由は彼らの復讐を手助けしているため。ギルドで裁けぬ輩へ制裁するかの人物は粗暴者の冒険者にとっては恐怖の象徴である。
元ネタはサクラ大戦3の鴉のパリシィ怪人とブラッドボーンの鴉の狩人。
『ジェーン』
神風JK魔法少女に成る日は来るのか?
「ちょっと!?」
『マール』
とある人物をして、いい拳を持っていると賞賛されている。姉御や姐さんと呼ぶと血を見ることになる。
なんと言いたいかというと、ステゴロ―――
「何もきかなかった………………いいわね?」