好奇心は私を殺す   作:クサレピッチ

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明晰夢

外は暗く、私の部屋以外からは音は聞こえない、家族はみんな寝たのだろうか?

私、二階堂紗知は今日も受験生として勉強に勤しんでいた

本棚の上に置いてあるラジオからは「今日のテーマは……」特に興味があるわけでもないがなんとなく流している

よくラジオを聞きながらと言うのは非効率だという人もいるが私には私なりのやり方がある

いつもこの時間はよく分からないラジオが流れる

別にラジオが好きってわけじゃない

「次はココニチさんからのお手紙ですね、なになに「私は変な夢を見ます」おー!なかなか興味が惹かれる話ですね」

私はラジオの話に三割ほど耳を傾けこんなもの将来何の役に立つのか分からない物理の宿題をしていた

「「最初はこれは夢を見ているんだなと分かる感覚があり、私が起きるタイミングもなんとなく分かってたんですよ」ふむふむ、今見てる夢を夢だと認識できてたんですね、私もたまにありますね、あれ?これ夢なんじゃないか?って」

 

  

 

 

そんな話を聞くと私も風呂場で達磨さんが転んだって言うと後ろに青い女が立っているっていう迷信?を信じて一時期お経唱えながら風呂に入っていたな

クスリとあの頃の自分の可愛さに笑ってしまった、いかんイカン集中集中!しかしついついラジオに耳が傾いてしまう

「「最初の頃はホントに夢の内容なんて箇条書きでしかも二行位だったんですよ、でも今は初めて一ヶ月半?位ですかね、もう大分やってます。お陰でなんですかね(笑)夢の内容なんてもうずらずら書けますよ」大分やってるんですね、私なんてだいたい三日坊主なんで羨ましいですよ」

いちいち文章の間に私情を挟むMCに軽くイラつきを覚えるが話している間に私は数式を何問か解く努力をした、解けるとは限らないけど…

そしたら知らない間にまた手紙が読まれていた

「「でも」でも?」

少しの間に一秒か二秒だろうかラジオ、そして部屋に静寂が訪れた

「「最近わからなくなってきたんですよね、ってまあこれは望んでしたことなので別にいいんですが」…」

MCも何も話さない、おいおい放送事故にでもなるんじゃないか?

私もシャーペンを置きラジオを聞いた

置いたとたんにラジオから声が聞こえた

「区別がつかないことは別にいいんですよ、ってまあ区別つかなくていいっていうのも変な話ですが、もうひとつ困ったことがあって」

MCが一旦読むのを止めたしかし先ほどと違いすぐに手紙は読まれた

「忘れないですよね、夢の内容を」

忘れないだけ?そんなこと

「そんなことと思いますよね、これが結構生活するなかでキツいんですよ」

一瞬会話が出来た?なんて少し面白く感じたが少々気味が悪くも思えた

MCは読み続けた

「トラウマみたいなものですかね?たまに夢の中でかなりエグいもの見たりしますよね?私の経験だと鳥の屠殺シーンとかですかね、人が鳥の首を折ってそれを加工してるんですよ、私はそこの監督みたいな立ち位置でずっと見回りしてましたね、鳥の羽を毟ったり、それだけなら特に問題はないんですが、鳥の声が聞こえるんです。『痛い痛い、殺さないで』すごくはっきり、それで一時期鳥が食べれなくなったり、今も食べられないんですがね(笑)そういうのを夢日記をとっていると全部が鮮明に覚えてしまうんですよ」

確かに凄く気味悪い夢とかそういうのはたまにはあるな、でも内容なんて思いだそうとまでは今は思わない、てか思い出せない

「私は思い出せます、今でも頭のなかで鳥たちが首を折っているんですよ、そして私も気がつくと鳥の折れた首が見ているんですよ…じーっと私を…」

話を聞いていると気持ちが悪くなってきた

…勉強しよう

私はラジオの電源を切り勉強しようと思った

手がコンセントに触れた、その時ラジオから

「どうか切らないでください」

私の動きはピタリと止まった、まるですぐ近くで私を見ているのではないかと錯覚してしまう、偶然かも知れないそれでも、私が電源を切らない理由には十分すぎる偶然だ、そしてラジオから発せられた声はMCの声ではない、やたらはっきりとした女性のような声が聞こえた

女性の声はいつから聞こえていたのだろう、唐突に?いや、もしかしたら最初からこの声だったのだろうか…それは違う、ならなぜ彼女の声なのだろう

昔聞いたことの声、私が小さい頃の記憶の片隅にある声

ラジオから流れる声に音に私は耳をすました、もしもう一度聞いたら思い出せる気がする

好奇心は猫を殺すというがラジオが原因で死ぬことは滅多にないだろう

私はゴクリッと唾を飲み、ラジオを聞いた

彼女は誰だ?

しかしラジオから聞こえた声は私の期待を大いに裏切った

「日本さんありがとうございました、それでは次のお手紙は…」

それは先ほどの女性の声ではなく今まで話していたMCの声であった

え?

さっきまで話していた手紙は?聞いていなかった聞き逃した?そんなわけない、どうして?

疑問に思えたそして恐怖に包まれそうになった私の視界は急にぼやけ、そして瞼が落ちた

 

 

そこで私は目を覚ました。

夢…か、

 

 

 




ありがとうございました
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