作品供養。

最初期に書いていた、本当ならデビュー作になるはずだったヤツです。
埋もれていた今作を供養の意味で投稿。

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どうも、抹っ茶です。

最初期に書いていたオリジナル作品を、ここらで供養の意味で投稿します。

多少修正をしてありますが、当時の文章をほとんどそのまま使ってます。
駄文注意です。


ダークヒーローLIFE~命は大切なもの~

 聖暦 2004年

 ある巨大な悪の秘密結社があった。

 

高度な技術力に加え、強力な怪人軍団を有するこの巨大組織は、この日、ヒーロー達の攻撃を受けた。

 

 

 

 

 

悪を滅ぼすべく、集結したスーパーヒーロー達。

 

 

 

 

 

それを迎え撃つ、悪の軍団。

 

 

 

 

激戦の末、ヒーロー達はこの戦いに勝利した。

 

 

 

 

 

炎に包まれ、崩壊してゆくアジト。

 

 

 

 

敗北し、生き残った怪人達が散り散りになって逃げ出してゆく。

 

 

 

 

 

その中に、子供を連れて闇の中を駆け抜ける怪人の姿があった事は、誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

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 そして現在、聖歴2114年

 

都内某所 シティデパート 屋上ステージ裏

 

 

ショウの準備の為に

 

 

 

 

「・・・香月、ちょっと手伝ってくれ」

 

「あっ、はい!」

 

 

 

立花 香月(タチバナ カヅキ)17歳 

 

 

 

香月は今、ヒーローショウ(正確にはヒロインショウだが)のバイトをしていた。

 

 裏方だけのはずが、スタッフ欠員の都合から《戦闘員》の代役も頼まれてしまった。

 

急な事とはいえ、バイトに代役を頼むのはどうかと思ったが、そのぶん給料に上乗せさせてもらうとゆう条件で承諾した。

それでも、やはり複雑な気分だった。

 

彼には〈過去〉があったから・・・・。

 

10年前

香月の父は巨大な悪の組織、《ガレオン》に属する科学者だった。

新たな怪人を作り上げ、強化し、ヒーローと戦わせ、そして勝利に貢献する事を目的とする研究者たちの責任者という立場にあった。

[怪人はヒーローの敵、怪人を造る研究員もヒーローの敵という事になる……。]

 

今はもうこの世にいない父の言っていた事だ。

 

十年前のあの日、父はヒーローに殺されて命を落とした。

 

 

 いつの日かこの手で復讐を果たす

 

 

そう誓った。

 

 

 

……はずだったのだが………。

 

ー再び現在ー

 

(・・・屈辱的だな)

そんなことを思いながらも香月は作業を続けた。

できればすぐにでもヒーローに戦いを挑みたい香月だったが、やはり生活するにも戦う準備にもお金がいる。

復讐を誓いながらも、こんな生活を続けなければならない現状に嫌気がさす。

 

(でも現状で高い収入を望めるのはコレしかないんだよなぁ・・・。)

 

 香月が任された仕事は、最近デビューしたアイドル兼ヒロインの魔法少女、

《スターライト☆エリカ》のショウの裏方と、序盤で出てくる悪の戦闘員役。

 悪の組織の科学者を父に持った香月には、屈辱だった。

 

(……オレだって本当は………)

 

 

 作業を進めていると……

 

(…おい、見ろよ。エリカちゃんだ!)

 

同業者の男に耳打ちされ、目を向けた。

 

「皆さん、今日もよろしくお願いします!」

 

そこには今日のショウの主役のエリカが、スタッフに明るく挨拶をしていた。

エリカは、いかにも‘魔法少女’といわんばかりのベタな服装だった。

全体的に紺色と白を基調とした色合いで、ふわふわしたスカート、大きめで星の装飾が施された三角帽子を頭に乗せて、右手には先端に羽の付いた星形のガラス細工がつけてある魔法のステッキを持っている。

 

(…エリカちゃんってかなりかわいいよな~)

 

若手のバイト仲間達の会話が耳に入った。

(まだ14才だろ?中学生なのに凄いよな)

(・・・おまえ知らねえのか?アイツの母親、あのユリィだぞ?)

(え゛っまじで?!)

 

 そう エリカの母親はヒーローの業界でも有名な《魔法戦士》だ。

巷では“宵闇のユリィ”などと呼ばれ、悪の組織を震え上がらせていた。

 異世界から来たヒロイン第一号でもあるユリィは、今世紀最強といわれる程の魔力を持っていた。

 

その苛烈な戦い方や強力な魔法の数々に、多くの怪人や悪党が血の海に沈んでいった。

10年前の戦いでは、香月の父がいた組織の幹部クラスを何人も倒したらしい。

 

(…じ、じゃぁあの子も!?)

(さぁな。だが才能はあるって噂だぜ?)

(…まぁ親が親だし)

 

バイト仲間達が盛り上がっている中、香月は気にせず作業を続けた。いくら自分のいた組織の仇とはいえ、その娘にはなんの関係も無い。

少なくとも、敵対してない今は深く考えるまでもない問題だろう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

(……さてと)

裏方作業を終えて、香月は休憩に入るよう促された。

(後はショウが始まる数分前までに着替え………ん?)

ふと、自販機の前に人が突っ立っているのが見えた。

(エリカ?……なにしてんだ?)

エリカが自販機とにらみ合っている。

「ん~、どうすれば……?」

何かを見定めているように自販機を観察している。

「あの、どうかしましたか?」

とりあえず声をかけてみた

「…あ!」

此方に気づいたエリカは香月に向き直った。

「お疲れ様です!香月さん」

 

 

過去を隠して生きる香月

 

未来へ駆けぬけるエリカ

 

これが二人の出会いとなった。




……………は、恥ずかしい!
読み返すと自分の拙さががががが……

これ、当時「フロ○ャイム」とか「鷹○爪」とかに触発されて書いてたんだよなぁ……。

ちなみにタイトルは末の弟に頼んで付けてもらいました。(仮題に後半を足しただけだけど)
皆さま、よいお年を!


そして来年も良い作品が生まれますように……。


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