古明地さとりは覚り妖怪である   作:ヒジキの木

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depth.17さとりと居酒屋

萃香に連れられ訪れたのは居酒屋のような建物。

営業中の看板以外は掲げられておらずなんて名前の店なのかすらわからない。

まあみんな知ってるから今更店の名前なんて掲げなくても良いっていいことなのだろう。まあ私としてはこの店の名前がなんであろうとどうでもいいようなことです。

萃香さんが先に暖簾をくぐり中で店員相手になにやら話を始める。こういう場合どうしたらいいかわからない私はおとなしく外で待っている。

しばらくすると萃香さんが店から出て来て手招きをする。入れという合図なのだろう。

それにしたがい私も暖簾をくぐる。

 

 

 

店の中は様々な種族の妖怪で賑わっていた。

鬼の四天王だろうが悟り妖怪だろうが関係ない。そんな雰囲気をひしひしと感じる独特な空間だった。

気を抜けば精神が流されてしまいそうな喧騒の中を萃香さんに連れられて進む。

 

そのまま端っこの席に案内され、椅子に座るよう促される。

 

 

「私相手にお酒ですか…」

 

「酒がなかったら始まんねえからなあ」

 

何を始める気なんだか…もう勝負なら散々やったじゃないですか。

あ、私はお冷でいいです。ええ、

 

 

萃香が色々と注文する合間、私は目の前にいる本人を観察する。

普段と変わらないが若干元気がない。

右腕の運び方が不自然だ。どうもつっかえた感じがする。もしかして怪我でもしたのだろうか。だとすればかなり強い相手と戦ったことになる。

 

「私に何かついていたかい?」

 

「いえ、なにも…」

 

酒が入らないとあまり喋らない性格の為二人の合間にはやや重たい空気が流れる。

必死に空気を軽くしようとしてはみるが私は自ら話し出すのが苦手な性分な為結局空振ってしまう。

 

 

「お、来た来た」

 

厨房をのぞいていた萃香さんがそう呟く。

 

結構な料理と…何でしょうね。

居酒屋だから当たり前かもしれないですけどそれを差し引いてもすごい酒の匂いだ。

正直これだけで酔ってしまいそうである。

 

 

「そうだねえ…私も大江山の方で色々とあったりしたんだよねえ」

 

いつの間にか一杯目を飲み干していた萃香さんが話し出す。

 

「はあ…何があったのかは興味も起きませんけど…どうせ人間と戦ったか妖怪と戦ったのどちらかでしょう?」

 

「どっちもさ」

 

どっちのと言うことは…まさか反乱でもあったのでしょうか。でもそぶりからしてそう言うわけでもないし噂も流れてきてはいない。そうであれば反乱ではなく、喧嘩か何かで相手の妖怪が卑怯なことをした…もうひとつは鬼退治に来た人間が何か気に食わないことでもしてイラついているか…

 

そんな想像をしているうちに二杯目を飲み干す萃香さん。普段よりペース早くないですか?萃香さんのペースに疑問を感じてしまう。

 

別に私がどうとかじゃないのでいいんですけど、と言うか酒臭くてだんだん気持ち悪くなってきました。もうちょっと臭いのないお酒ないんですか?しかも私が箸付ける前につまみの料理全部食べるのやめてください。

え?酒と一緒に食べるからいいんだろって?そうですけど少しくらい私だって食べてもいいじゃないですか。

 

「最近さ、人間が対等に戦ってくれなくなってきてねえ…」

 

「まさか相談事ってその事ですか」

 

これはかなり重たいです…下手したら今後の鬼達の人生にも影響が出るかもしれないものですね。

 

 

「だってさとりが一番人間のこと知ってるだろ?」

 

まあそうですけど…伊達に人里で過ごしているわけでも無いです。

 

「そもそも…人間の力だけでは純粋に鬼には勝てませんよね」

 

「それはわかってるんだ…だけどよう、卑怯な戦法を使うこったねえだろう?」

 

「向こうもこちらも殺す殺されるの戦いが基本です。そのような場においてはいかに相手を倒せるかが重要なんです。人間のやり方を卑怯ととるか立派な知恵と取るかは個人次第ですから」

 

「さとり自身はどう思ってるんだ?」

 

 

「……何を基準に正々堂々と戦うって言うんですか。それこそ鬼の価値観を押し付けているだけじゃないですか」

 

「それの何が悪いんだい?」

 

ちょっと睨まれる。えっとその…怖いですし顔近いです。

 

「いや悪いわけではないんです。ただ、人間が純粋に鬼に勝とうとする場合人間やめたチート野郎になるくらいしか方法は無いんです」

 

ただでさえ力の差が大きい人間と鬼だ。こちらから対等にと言ったところで向こうは聞いてくれやしない。

 

「方法は無いもんかねえ…このままだと他の鬼も人間に不信感を抱いちゃってシャレにならない事態になりそうだよ」

 

方法ねえ…あることにはあるのですが…種族間での大事な取り決めとなりそうですし…それをすると絶対反対勢力出てきますし…予想される鬼の反発は萃香さんや勇儀さん達が押さえつけてくれるはずだからそこまで酷くはならないでしょう。

問題は人間側…

最近都の方では打倒妖怪を掲げる人達が活発化している。

そのような状態ではとてもじゃないが話し合いなんて無理。

この案は没確定…でもこれくらいしか正直思い浮かびませんよ。

 

 

 

「そうですね…勝負の時にある程度ルールを決めてから行うしか無いですね…」

 

「やっぱそうなるよなあ……でも鬼ってあまり細かいルールを決められるのは苦手なんだよねえ」

 

え…そうなんですか?私との勝負の時はちゃんとルール厳守で闘ってくれますよね?それは大丈夫なんですか。

 

「あれは簡単だろ?非死性弾幕を綺麗に撃ち合うっていうだけだろ?」

 

そうですけど…っていうかそれを人間にも適応すればいいじゃないですか。

「人間が全員弾幕を撃てるわけないだろ?」

 

食事の手を一回止めた萃香さんが呆れたように言ってくる。

普通妖怪と戦うのって陰陽師とか力を持つものじゃ無いんですか?

 

いや、予想はつく。実際に妖怪を退治すると言った文献では時代によって武士や剣士が妖怪を倒す事もある。

 

「まさか剣士まで妖怪退治を?」

 

「ああ、刀持った連中だからどうなのかもしれないな」

 

まさか普通の人まで妖怪退治を始めているのですか。

おそらく人間側の世で色々とあったんでしょうね。大方、現在の政治が不満なのかなんなのか…そう言えばもう直ぐ鎌倉時代でしたね。だとすれば確かに武士が陰陽師の真似事をしてもおかしくはないか……

 

「……人間と妖怪では根本的に価値観が違いますし…今後はそういうやつだなと思って闘うしかないんじゃないでしょうか…」

 

「やっぱそうなるか……」

残念そうに返事をしながら更にお酒を飲んでいく。

 

「あまりお役に立てなくてすいません」

 

「まあスッキリしたしいいか!よし、口直しに鬼殺しだ!悟りも飲め!」

 

そしてこの切り替えの速さである。正直同じことをグダグダ引きずらないのは助かる。

この前茨木さんの愚痴を聞いていた時なんか凄い後まで引きずってましたし…そう言うのって私は好きではないんですよね。

 

「ええまあ…あ、お冷と冷奴でいいです…」

 

タイミングよく来た店員が私に注文を催促してくる。だがこういう場所は初めてなのでなにが置いてあるのかわからない。

当然私が頼めるのなんて少ししかないわけだ。

 

「あやや?さとりさんと…萃香様⁉︎」

 

ガヤガヤとした店の中に一瞬だけ私達の名前を叫ぶ声が聞こえた。

決して大きい音量だったわけではない。むしろ普通なら店の喧騒に紛れて気付かない程度のものであろう。

だが偶然にも私の耳は覚醒状態であったためその声を聞き取ってしまった。

 

「あれ、文さん」

 

入口の方を除くと一匹の白狼天狗を連れた文がこちらを見て唖然としていた。

食事をしに来たら思いっきりやばい人と出くわしてしまったと言ったところですね。

「お、ブン屋の嬢ちゃん!こっちこっち」

 

 

 

「あ…あの、その…用事を思い出しました!」

 

「えーちょっとは飲んでいけや」

 

「は…はあ…ですが…」

 

鬼に強く出られると他の妖怪はなかなか断れない。

本人達の機嫌を損ねてしまうのを恐れている。だから縦社会…と言うかカースト制度に近い構図を作って対処しているのだ。無論私はこれに組み込まれてはいない。

よそ者だしそもそも山に住んでいないからだ。

 

「萃香さん…無理に酒に誘わなくても…」

 

流石に可哀想なので萃香さんを止めにかかる。

 

「じゃあそっちの白狼天狗を借りるよ!」

 

即答で標的を変えられた。まさか文さんの連れを借りるとは…やはり鬼怖いです。

 

「え…な、なんで私だけ⁉︎」

 

いきなり鬼の生贄を言い渡された白狼天狗は途端に狼狽する。

 

「おお、萃香様ありがとうございます!」

反対に文さんは嬉しそうに、無駄のない洗練された無駄な動きで白露天狗に気づかれないよう店を後にしようとする。

「え…文さん私を置いていくつもりですか⁉︎」

 

だがすぐにバレた。もうどうでもいいことですので私は目の前に置かれた料理に箸をつける。

あ、冷奴ありがとうございます。え?サービスで焼き鳥ですか?ありがたいです。では腿をお願いします。

 

「椛…頑張れ」

文さんの一言に続いて店内に風が吹く。

気づいた頃には文さんは店にいなかった。どうやら神速で逃げたようだ。

 

「あ、待って!文さんの薄情者ーー!」

 

「うーん流石鴉天狗最速だねえ」

 

もうなんというか…茶番ですね。ええ……あ、腿美味しい。

 

「う…うう…」

 

「あの…椛さん、隣どうぞ。後少し食べて落ち着きましょ?」

 

半泣きの椛を隣の席に誘導する。ここまで来てしまってはもう逃げられないしここで変に逃げようとすれば社会的に痛手だろう。鬼に叛旗を翻すなんて噂が立ったらどうなることやら。

 

「あはは、そこまで気構えなくていいよ!ほら、鬼殺し」

真っ青で震えている椛を思ってかお酒を勧めてくる。それも私にまで……

 

「いきなりそんな強いの進めてどうするんですか…鬼みたいに酒が強いわけじゃないんですから…」

 

椛は完全に逆らえない状態だし私がフォローしていかないとかわいそうなことになってしまいますね。

 

「あーそれもそうだったな。悪い悪い」

 

まだ酔いが酷くないからどうにかお酒は撤回できた。

それよりもなんか食べるものをですね…え?肉あります?それじゃあ三人前お願いします。

 

「椛さんはなにか飲みます?」

 

「そうですね…芋の水割りで…」

 

「ええ…そこは割らないで一気に行けよ!」

 

萃香さんはちょっと黙っててください。って既に空になった器を掲げるのはやめてください。恥ずかしいですから…

目の前で暴れ始めた大酒呑みに呆れて相手をするのをやめる。

 

まあそれを境に周りにいた鬼にちょっかいをかけ始める。まあいつもの光景だ。

ですけど普段の癖で他の人に酒を飲ませようとするのはやめましょ?天狗とか完全に逃げようとしてますし貴方につられて他の鬼がどんどん悪ノリ始めてますよ。

別に私に被害がくるわけではないのでいいんですけど。

 

ため息をつきテーブルに残された食事を手元に寄せる。

 

「先に食べてしまいましょうか」

 

「そ、そうですね」

 

先程から困惑しっぱなしだった椛さんに料理を渡す。

なんか食事なのに色々と気を使わせてしまっているみたいで申し訳ないです。

 

 

萃香さんは完全に別の席で他の妖怪相手に飲み食いを始めていてこちらに絡んでくることはなさそうだった。

それに気づいて多少は落ち着いてきたのかだんだんと表情が柔らかくなってきた。

 

「ところで椛さんって犬走?」

 

そういえばこの子とは今日初めて会ったんでしたね。流れに任せてしまって完全に知り合い状態で話してましたけど…と言うか誰かさんに似てますし。

 

「そうです。初めましてですね。犬走椛と言います。さとりさんの事は父上から聞いてます」

 

 

 

「……なんて聞いてるのかはあえて聞きません」

 

「悪くは言われてませんよ。変わり者だとかなんだとか言ってますね…」

 

それ完全に悪く言ってますよね。まあなんて言われようと個人の勝手ですし良いんですけどね。さとり妖怪だと知られていないからその程度で収まっているけどもし私達の正体がバレていたらそれこそ風当たりは強くなってるでしょう…

 

いくら歩み寄っても妖怪も人間も…意思のあるものには踏み込んではいけない領域がある。

その領域に平然と入ってしまう私達は存在自体が既に禁忌のようなものだ。

もし彼女が、私の正体を知ったら……いえ、考えないことにしましょう。

私のメンタルが持ちこたえられそうにないです。

 

 

 

そんな感じに食事をしながら鬱なことを考えていると急に店内が騒がしくなる。いや、元から騒がしかったのがさらに騒がしくなったと言うか…勝負の始まる前の声援に近いものになっている。

一体なんでしょう?

 

「あの…何かあったんですか?」

 

様子に気づいた椛が近くにいたまともそうな鬼に聞く。

 

「萃香の姐さんがあそこの神と勝負するってよ!」

 

そう言われて萃香さんのツノを探す。

ここまで人がいるとツノを探した方が手っ取り早い。

 

案の定、萃香さんのツノは見つかった。同時にその隣で動く金髪も…

 

「隣の人は誰でしょうか?神様とか言ってましたけど…」

 

遅れて萃香さんを見つけた椛が隣にいる金髪の少女のことを不思議がる。椛はまだ若いから知らないんでしたっけ…90年近く生きていて若いって、感覚がおかしくなりそう…いえ、もうとっくにおかしいんでしたね。

 

「えっと…秋…の色彩司ってる方」

 

「静葉よ!いい加減覚えなさい!」

 

地獄耳のように私たちの会話に突っ込んできた。まさか聞かれているとは思わなかったのか椛がビクッと驚いていた。

 

だって影薄いですし穣子さんの方が最近よく会いますし…

 

「勝負って…喧嘩は外でしてくださいよ…」

 

椛が嫌そうに呟く。椛はこう言うところ初めてだったのでしょうか?まあ私も初めてなのですが…なんとなく酒の席での勝負といえば相場が決まってる気がするんですけど…

 

「喧嘩?ここは飲み屋だぜ嬢ちゃん!」

 

「飲み屋で戦うならあれしかなねえだろ?」

 

そう鬼達に言われて椛も「あ、」と気づいたようだ。

 

「まさか飲み比べ…」

 

神様って酒強いんでしたっけ…静葉本人が勝てると見込んで勝負に乗ったわけですし…相当酒に強いんでしょうね。

 

冬とかよく飲んでる光景見ましたし。

 

「……椛さん…ああ言うのと付き合うのは極力避けることをお勧めします」

 

「ええ…そうします」

 

素直に頷く椛の頭を軽く撫でる。まだこの頃は純粋なんですね…

最初は体を震わせていたがそれも一瞬だけ。すぐに気持ちよくなったのか目を細めて気持ちよさそうにしている。

ただ、あまり長く続けてもあれなのですぐに撫でるのを止める。

 

なぜか名残惜しそうな目で見られた。

なんででしょう?

 

 

 

 

 

 

 

お皿に残った料理があらかた片付き、お腹も丁度いい感じで満足できた。

萃香さんたちの戦いはまだ続いているらしく少し離れたところにいる私たちの方にも熱気がやってくる。

 

「さて、私はそろそろ帰りますね」

 

「あ、でしたら私も」

 

私がいないとこの先どうなるかわかったもんじゃないと気付いているのかすぐに身の回りを整え始める。

 

注文した料理の分のお代に色をつけてお皿の近くにおいておく。

 

「あの…私や萃香さんの分まで払わなくても…」

 

「おいしいものが食べられた気持ちですよ」

 

それに仲良くなれたわけですし…ちょっとした気持ちのつもりです。

それに萃香さんに悪いですけど勝手に帰るわけですからね。

「では…ご馳走様になります」

 

 

店員に帰ることを告げて店を後にする。

星々の光と炎に照らされ活気づいた天狗の里に足を踏み出す。

萃香さんに連れられて通った時とは随分と雰囲気が変わっていて新鮮な気分になります。

 

「そう言えば今日は休日だったんですか?」

 

「ええ、哨戒もありませんし剣術の練習をしていたところ文さんに連行されまして…」

 

ああ、なるほど……大変でしたね。

 

そういえば、ものすごく気になったことではあるが椛は天狗装束が普段着なのでしょうか。

剣術の練習してからここにきたと言っていましたからどう考えても正装でずっといるのは不自然というかなんというか…

 

「あの…普段着って持ってますよね?」

 

「いえ、基本的にこれと同じのが数着ありますけど普段からずっとこれですよ?」

 

 

まさか…そんな……

 

思わず驚愕してしまう。

柳君!とお母さん、もうちょっと年頃の女の子として育てようよ!

こんなに色気のない格好しか出来ないって…かわいそうですよ…まあこの時代の制度じゃこれでいいのかもしれませんけど…

 

 

「困らないですか?いつも同じ服着てて」

 

「哨戒の時のものと同じなら色々と手間が省けますし楽ですよ?それに機能的で使い勝手がいいですし」

 

なるほど…実用性優先ですか。

間違ってはいないのですけど…もうその考え完全に柳君から受け継ぎましたよね⁉︎お母さん何やってたんですか!

 

「母はそれで良いと?」

 

「母上は立場上家にほとんど帰ってこれなくて…」

 

急に表情が暗くなった。

これ、地雷を踏んでしまったかもしれないです。

迂闊でした…興味本位で言ってはいけないことを言ってしまいましたね…ああもう…

 

 

「あの…どうかしたんですか?」

 

私の様子を不審に思ったのか椛が顔を覗き込んで来る。

純粋に心配してくれているのでしょう。澄んだ瞳がこちらを見つめている。

 

「いえ、なんでもないです」

 

決めました。椛にも今度服を作って上げましょう。そうです…そうしましょう。

そう心に決めてその日は帰宅。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、久しぶりに私は柳君の家を訪れていた。ここにきたのはいつぶりでしょうか…確か改築の手伝いで行ったっきり…うーん思い出せません。

 

包みで大事に保護されたそれをちらりと見てそれを着た椛の姿を想像する。

お燐やこいしもすごく綺麗だと言っていたし多分大丈夫だとは思うのですが…気に入ってくれるでしょうか…

 

なんとなく不安になってしまうが、そのときはその時と気を切り替える。

意を決して家に踏み入れる。そう言えば自ら他人の家に行くのは今回が初めてでしたね。

では、初めての挨拶ということで気を新たに…

 

「こんにちわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人の考えは時に排他的に…残虐になることがある。

その考えの矛先に当てられた生物にとってはなんとも迷惑な話ではあるが…人間が力を持ち始めたこの世界では仕方のないことであった。

 

「では、始めようじゃないか」

 

とある一角で、野望を募らせた人々が動き出す。私がそれを知った時にはすでに手遅れでしたけど…

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