打ち鳴らせ!パーカッション   作:テコノリ

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第12話 勉学は学生の義務ですから

「篤ー勉強教えろコノヤロー」

「それが人にものを頼む態度かっ」

 

 

 サンフェスが終わり、コンクールを目指した練習がこれから始まるのだが、その前に中間考査が待ち受けている。

 進学クラスだろうが普通クラスだろうが、文理が同じであれば試験の内容は一緒なので、このクラスに在籍している者なら超必死こいて勉強する必要はない。しかし推薦狙いのやつは定期試験の成績にかけているので、少しでも良い点を取ろうと躍起になり、俺に勉強を教わりに来るのが定番の事となっている。

 昨年までなら、部活の予定がみっしり詰まっていなかったので放課後にちょくちょく勉強会を開いていたが、今年はそうはいかない。それを伝えてあるから、俺が登校するなりこうして人が来る。

 

 

「で、何を教えろって?」

「現文なんだけどさ、ここの解釈がどうもわからなくて」

「あー。問題作成者と解釈違い起こすから、この問題集嫌いなんだよな」

「ええっ、マジかよー」

 

 

 作成者との解釈違いって嫌だよね。解説読んでも意味わかんないからどうしようもない。

 それだと教えるのに困るから、思考をトレースする方法をどうにかして身に付けて教えられるようになったけど。

 それから何人かの面倒を見て、ようやくSHRを迎えた。

 

 

「今日からテスト1週間前です。それに伴ってすべての部活動が活動休止となります。自主練習であっても校内では禁止ですので、部活をやっている人は気をつけてください。それではHRを終わります」

 

 

 っべー、マジっべーわ。部活ばっかでテストなんか全く気にしてなかったな。ということは、今日から部活ではなく勉強会の日々なわけで。

 今日は誰だったかな。カバンから手帳を取り出して日付を確認すると、そこに記されていた名前は……『幹部3人』。場所はあすかん家だ。例えそれがどれほど楽しみな予定だったとしても、数日前とかから行きたくなくなることってあるよね。

 め、面倒くせぇ。

 そうだ、バックレちまおう。放課後になったら捕まる前に逃げ出そう。滝先生SHR終わるの早いからな。行けるだろ。そしてどっかの喫茶店でティータイムと洒落こもう。これぞ放課後ティータイムだ。

 

 

 

 

 こんなことを考えながら、放課後になってしまった。Let’s放課後ティータイムだぜ! あの、朝にHTTのこと考えたら今日ずっと頭の中でメドレー状態なんですけど何事。てれててててててーれてれてててて 1,2,3,4 ごはん!

 荷物の詰込みは完了している。後は終わり次第かけだすのみ!

 

 

 

 

 スタートダッシュは完璧だった。

 

 それは今からでも陸上部にスカウトされるのではないかというほどに。

 

 

 しかし俺は愚かだった。あまりにも愚かだった。

 

 誰から逃げられるつもりだったんだろうか。俺の浅い考えなんか、俺の幼馴染なら簡単に看破できるのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 俺は今、お気に入りの喫茶店に来ています。一人で来ました。

 

 

 テスト範囲を一通り攫うために教科書や問題集の類はあります。

 

 それらを広げるためにある程度広い席を確保させてもらいました。

 

 お客さんはそれほど多いわけではないので、マスターも許してくれました。

 

 

 心地よいBGMを耳に入れながら、ミルクティーでまずは一息入れました。

 

 心身と頭がスッキリしたところで勉強に移りました。今日は社会科系がメインです。

 

 

 暫く参考書に意識を落としていました。

 

 ふと気が付くとカップが空になっていました。

 

 お代わりをもらおうと思って、今立ち上がりかけた所です。

 

 

 

 俺はとても驚いています。

 

 気が付くと、テーブルを挟んだ前に二人。隣に一人女の子がいました。

 

 信じ難いことでしたが、それは今日俺の幼馴染の家で勉強会を開いているはずの人たちでした。

 

 

 

 

 

 これはいったいどういうことだ!?!?!?

 

 落ち着くためにもお代わりを貰いに行きたいのだが、隣に人がいるので動けない。それに三人とも集中しているから誰にも事情が訊けそうにない。ど、どうしよう。

 なんとなく隣を見やると晴香が英文法の並べ替えに苦戦していたので思わず助け船を出す。

 

 

「そこ違う。この場合のhadは過去完了じゃなくてただの動詞の過去形」

「でもそしたら単語一つ余るんだけど」

「問題文よく見ろ。不要語一つあるって書いてるぞ。それに、hadを過去完了で使うんだったら前の文と繋がりがなさすぎる」

「えっと、本当だ。ありがとう」

「感謝すんならそこ通してくれ。お代わり貰いに行くから」

「あたしもよろしく」

 

 

 教えてから席を立とうとするとあすかが自分のカップを差し出してきた。

 視線は問題集に落ちたままなので、説明を貰えるのはまだ先だろう。

 

 

「何」

「ブレンド」

 

 

 晴香と香織のカップにはまだ液体が入っていたので、取り敢えず二人分のカップを持っていく。

 

 

「こっちミルクティーで、こっちがブレンドお願いします」

「はいよ。頑張ってるね。テスト勉強?」

「はい。ちょっと聞きたいんすけど、あの三人いつ頃来ました? 俺全く気付いてなくて」

「君が来てから三、四十分ぐらい後かな。迷わず君の所行ってたよ」

 

 

 今日はすぐに集中できたからなあ。それだけ経ってたら気付かねえや。

 溜息をついて飲み物が出来るのを待つ。この店のマスターは初老の紳士という言葉がよく似合う。上品でスマートだけど、とても気さくな性格なので偶に今みたく雑談をする。店の雰囲気も良いし、淹れるコーヒーも紅茶も美味しいので部活が無ければ大体来ている。俺もこんな風に年をとれたらいいな。

 

 

「お待たせ。ミルクティーに砂糖入れておいたよ」

「ありがとうございます」

「それと、サービスです」

 

 

 言葉と共に差し出された皿の上に乗っていたのはフルーツサンド。勉強しているから片手で食べやすい物をチョイスしてくれたんだろう。マスターマジイケメン。

 お礼を言って席に向かうと、三人は休憩に入っていた。

 

 

「ほいブレンド。そしてこっちがマスターからのサービスです」

「ありがとう、篤。それでね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「奇遇だな。俺もあすかに聞きたいことがあるんだよ」

 

 

 互いに笑顔且つ相手に有無を言わせぬ口調で話す。ここで引いたら負けだ。引いてなるものか。誰にも教えていない安息の地を侵害された恨みはでかいぞ。

 

 

「私が先でいい?」

「先に話していいか?」

 

 

 俺達の間に火花が散った。

 晴香さんと香織さんは止める気ないんですね。だってフルーツサンドどれにしよう、とか言ってますもん。香織スイーツ好きだからなあ。長引くと全部食われてたりして。マドンナにしてはよく食べますからねこの人。

 そんなことは置いておいて、まずはあすかをどうにかしなくてはいけない。

 

 

「どうして逃げようと思ったの?」

「どうしてここがわかったんだ?」

 

「………………」

「………………」

 

 

「「最初はグー、ジャンケンほい!!」」

 

 

「なんで!?」

 

「勝った」

「クッソ負けた……」

 

 

 負けた。結局運で負けた。

 俺とあすかの間には互いが火花を散らした場合のルールが存在する。俺達はどうにも対峙した時に譲れない性分であり、さっきみたいになるため、言葉が二回重なったらジャンケンで順番を決める。ルール制定はうちのおかん。

 

 あすか恐いなあ。大方今日の勉強会バックレようとしたことなんだろうけど。しかしそこまで怒られる謂れが無いように思えるのだが、まあ怒られればわかるさな。うん。

 

 

「さて、私が勝ったことだしバックレようとした理由を聞かせてもらいましょうか。こーんな美女三人を放っておく理由なんて、そうそうあるとは思えないけど」

「約束破ろうとしてごめんなさい面倒くさかっただけですすみませんでした」

「あんた本当にそういう欲望に忠実よね……」

 

 

 お前が今更呆れるなよ。俺がどんなやつかなんて一番知ってるだろうに。

 でも、と含んでいた分のサンドイッチを飲み込んだ香織が口を開く。

 

 

「連絡の一つくらい、してほしかったかな。あすかはすぐに色々わかったみたいだけど、私と晴香は何が何だかさっぱりわからなかったから」

「ごめんなさい。以後気を付けます」

「まずバックレようとしないでよ」

「香織には素直ね」

「当たり前だわ、マドンナだぞ」

 

 

 香織が照れ、晴香とあすかが呆れる。だから俺はこういうやつだっつーの。まあいい。彼女らの聞きたいことには答えたつもりだ。

 よって次は俺のターン! ついでにもぐもぐタイムにも突入する。どうして俺の行先がここだとわかったんだ。誰にも教えてないのに。

 

 

「私の推理と香織の知識で。あんたの好み的なところは晴香の助言で。三人の協力プレイってことよ」

「何を言ってるのかよくわからないので、わかりやすい説明を頼む」

「勉強会はあたしンちでやる予定だったから家には帰ってないでしょ。となると、それなりの時間あまりお金を掛けずに滞在できて静かな所に行くはず。そうすると学校か図書館か喫茶店になるけど、教室覗いた時にいなかったから学校は無し。図書館は遠いからこれも却下。よって通学路辺りの喫茶店にいると推測しました」

 

 

 あすかは自分の分の説明は終わったと言わんばかりに香織の方に視線を送る。ここからは香織の活躍ということなんだろう。

 

 

「それで私がいくつか候補のお店を挙げて、その中から誰も篤と行ったことが無いお店を選んでみたの。そこからは晴香の活躍」

「え、私? あすかが無駄骨だった時の時間が勿体無いって言うから、グルメサイトで雰囲気を見て篤が行きそうなお店はここかなーって思ってきたら発見しました」

「ご説明ありがとうございました」

 

 

 どうやらこの人等を撒こうだなんて二度と考えないのが良いらしい。ああ、俺の平穏が遠のいてゆく。

 知り合いにまったく会いたくないときってあるだろう? そんなときのためにこの店は誰にも紹介してなかったんだが、この件で知られてしまった。今度新規開拓しよう。ちょっと足伸ばしてでもいいから。

 

 休憩が終わり、シャー芯が紙と擦れる音や参考書のページを捲る音がよく聞こえるようになった。俺は内容を確認し終わった政治経済の本を閉じて、今度は日本史をやろうとカバンを漁る。十分間テストはどーこだ。

 お目当ての問題集と勉強用ノートを取り出したところで正面のあすかと目が合う。勉強に対しての集中力が半端ないこいつが意識を他にやることはほとんどない。だからこれからどうなるか、ある程度察しはつく。

 

 

「篤、ここなんだけど」

「だから俺数Ⅲ取ってないっての。ちょっと時間くれ。どこよ、詰まってんの」

「考え方がいまいちわからない。答え見ても微妙」

 

 

 最初に言ったことだから忘れている人がほとんどだと思うが、俺が所属しているのは文系クラスであすかが所属しているのは理系クラス。文系は授業でも講習でも数Ⅲはやらないんだ。受験で特に必要ないし。ⅠAⅡBが出来れば十分。

 しかし理系の方々はそうはいかない。受験で必要なくても定期テストではやるし。理系トップの実力であるあすかに勉強を教えられる奴なんてそうそういない。そんなこいつでも当然詰まることはあるわけで。そんな時には俺が教えているのだ。勿論独学で学んでいる。表面をなぞって試験のための理解なら辛うじて出来るようになったのだが、そもそも興味の無い分野なので学問的な理解はできそうにない。

 出来る限りの理解で説明してやると、納得してくれたようで再び集中し始めた。

 

 俺も先ほど取り出した問題集に意識を落とす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 日が傾いてきて店内の照明が付いた。それによって意識が引き戻される。区切りもいいところだったので、開いていたものを閉じて腕を前に伸ばした。

 その時ふと気付く。あれ、晴香と香織いねえ。あすかだけが残っていた。いつでも出られるようにだろうか、単語帳を開いているだけだ。

 

 

「お前だけか?」

「二人は帰ったよ。電車の時間とかあるしね」

 

 

 ああとかなんとか適当に相槌を打って店を出る。ずっと同じ姿勢でいたから体が痛い。酸素も足りていなかったのか、大きな欠伸が数度でる。

 

 

「眠いの?」

「いや、そうじゃないはず。多分酸素足りてないだけ。それよか腹減った」

「今日の晩御飯はなんだろうね」

「なんでお前がうちの晩御飯楽しみにしてんの」

「いつでもおいでっておばさん言ってたから」

「にしても突然すぎねえか」

 

 

 田中家は母子家庭であり、あすかの母親は仕事で忙しいのでこいつが晩御飯を作っている。しかし部活や勉強が大変でなかなかそれが難しいことがあるので、そういう時はうちに来て一緒に食べることがあるから別におかしなことは言ってないのだが、それが突然のことだと俺の分がいくらか減るのだ。解せぬ。

 学ランのポケットに突っ込んでいたスマホを取り出し、家に電話を掛ける。

 

 

「あーもしもし。あのさ、夜ご飯もう作ってあんの?……そうじゃなくて、あすかが来るから。……はいはい、ちょっと待って。あすか、何食いたい?」

「じゃあ、しょうが焼きで」

「しょうが焼きだと。……うん、もうちょいで着く。……あーい」

 

 

 おかんとの電話を切り、携帯をポケットに入れる。

 うーん。なんで隣を歩いているやつはニマニマしているんでしょうかねぇ。

 

 

「お前がいきなり来ると俺の分の飯が減るんだよ」

「いいじゃん。ダイエットダイエット」

「絶賛育ち盛りの男子高校生なんですけど、俺」

「それにしては、私と身長あんまり変わんないよね」

 

 

 うっせ。これからもっと伸びるんだよ。今だって5cmは差あるからな。俺を僅かに見上げ、身長を測るように伸ばしてくる手を払う。

 

 

「そういや、なんで俺を問い詰める時お前あんなに怒ってたの?」

「別に怒ってなんかないって。私に唯一勉強教えられるあんたがいなくなったら、あの人から何言われるかわかんないってだけ」

「……あそ。俺、あすかのユーフォ好きだし、聞けなくなるのは困るな」

 

 

 あすかが『あの人』と表したのはどこかの他人などではなく、母親のことだ。他人の家の事情をモノローグとはいえ好き勝手話す趣味はないので、ここでは割愛させていただく。時期が来たら話さざるを得ないかもしれないけど。

 辛気臭くなったのを察したようで、俺の心からの言葉にボケで返しやがる幼馴染。

 

 

「ヤダ告白? ダメダメ、私のお相手はユーフォニ・アムさんただ一人なんだから」

「誰がお前に告白なんぞするか。つか俺彼女いるっつーの。理由挙げるの、普通そっちじゃね」

「浮気は男の甲斐性って言うじゃない。まああんたはそんな器用なこと出来ないと思うけど」

「出来ねえしする気もねえし、その価値観結構古いぞ」

 

 

 くだらない話をしていると俺の家の前まで着いた。あすかは一度自分の家に帰って着替えてから来るらしい。制服のままだとあんまり落ち着かないもんな。

 

 

 

「ただまー」

「おけーりー。あすかちゃんは?」

「一遍帰ってから来ると」

「あそ。あんたね、あすかちゃん連れてくるのもいいけど、偶には彼女連れてきたって」

「へーへー、そのうちまた連れてくるよ」

 

 どうして母親というのは若干気恥ずかしいことをずけずけと言ってくるものなんだろう。思春期男子高生が家にホイホイと女の子呼べるかってんだ。家族に自分の恋人を紹介するのは結構覚悟がいることだと、俺は思っている。もし別れたら、なんか七面倒くさそうだし。別れないけどね? 恋人は生涯で晴香だけだと、今現在はそのつもりであります。

 自室へ行き制服を脱いで、ジャージに履き替える。もう少し寒い時期だったらTシャツの上にフリースでも羽織るんだが、もういらないだろう。弁当箱とポケットから出したハンカチを持って洗面所に向かう。

 洗濯籠にハンカチと脱いだ靴下を入れて居間に出ると、あすかはもう来ていた。おかずの盛り付けをするおかんと米をよそうあすかと弁当箱の中身を出す俺。我が家のそれほど大きくない台所に三人も入るとホント狭い。

 自分のすべきことを終え、さっさと台所から退散しようとしたら食器の配膳を仰せつかった。俺が基本的に女性に逆らえないのは、家での待遇も関係しているんでしょうかね。

 

 その後、適当なテレビ番組を流しながら三人で晩御飯を食した。あ、うちのパパンがいないのはまだ帰宅していないだけです。

 

 

 

 

 

 部活からはちょっとだけ離れていられるテスト期間。こういった時間も、ひょっとしたら大事なのかもしれない。

 

 

 

 

 後日、新学期最初の定期テストは粛々と行われた。成績は文系一位が俺。理系一位があすかだった。

 

 テスト結果が張り出されるなんてことは無いが、人の口に戸は立てられぬと昔から言われるように噂のようなものはやはり耳に入ってくる。今回よく聞こえたのは、吹奏楽部員に成績が下降した者がちらほらいるということ。

 

 

 はてさて、俺達は何事もなくコンクールに臨めるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




完全オリジナル回でございました。タイトルは短編集第二弾からとりましたがね。
大学受験が身近な環境に身を置いていたので勉強回は書きたいなと思っていました。いかがでしたでしょうか。



さてさて話が変わりますが、ここから先は読まなくても構いません。私が先日参戦いたしました『LAWSON presents TrySail Live Tour 2019 "The TrySail Odyssey"』の札幌公演の感想です。どうせなら前回更新分に書けば良かったのですが、すっかり忘れていました。2週間近く前のことになりますが、思いつくまま書いていったらとんでもない文量になったのでまとめます。

TrySail、最高。



今日は群馬公演ですね。参戦する方々、楽しんできて下さい。

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