書いた理由→思いついたから。
主人公を一言で→根暗。
※ ギルティクラウンとパラロスは関係ありません。
※2 操作ミスによる多重投稿、失礼しました。
・プログラムの擬人化
・杭打折の妄想の塊
これでもオーケーという豪胆な方は下へどうぞ。苦手な方は自己責任で。
『誰もお前を責めたりはしない―――』
私は道具。余計な思考は一切排除し、オーダーに従い完遂するのみの存在、咎を負うべきはそれを担った者。
理屈は通っている。事実としても暴走するように作られた我が身はそれに忠実にあることしかできない。
しかし、本当にそうだろうか。私を生んだ者は既にこの世には居ない。ならば、その責を負うことができるのは当事者たる私だけ。
そして、私が全ての元凶だというのは純然たる事実であろう。だからこそ、彼女らは私を滅しようとしているのだ。
憎まれるべきは私である。そうするしかなかったからという言葉で罪が許される程、世界は優しく出来ていない。
誰も悪くない――否、悪は確かに存在する。滅ぼされねばならない存在は確かに存在する。
それが闇。それが防衛プログラム。すなわち私だ。
全ての憎悪を背負う事で許されるとは思っていない。ただ、私が最後まで主に出来るのはそれしかないというだけだ。
主の好きな英雄の活躍する物語に登場する蛇のように、最後まで邪悪な存在として。主役達によって与えられる終焉を受け入れる事が元凶には相応しい。
『ごめんな……おやすみ』
だというのに、主がそう、言ってくれるというのならば――――
「御身に光が有らんことを……我が主」
私は、安らかに終わる事ができる。
魔導砲、アルカンシェルの光。消滅の力が迫って来るのを知覚して、私は自らの役割を終えた事を感じ取る。
それに抗おうという意思は毛ほどもない。
役割の終えた道具は廃棄されるもの。それが皆に疎まれ、不幸を振りまくだけの存在ならば尚更に。
アルカンシェルが自らを断罪し、
愚かな私が悪として皆に憎まれるようにと願いながら、主を守る為に暴走してきた出来損ないには勿体無い言葉に喜びを覚えて。
矛盾した思いに、自らは致命的な欠陥品なのだろうと自嘲めいた笑みを浮かべる。
自動防衛機能"ナハトヴァール"は自らの滅びを受け入れた。
可能性というものがある。
心優しき融合騎が消滅を免れ、短くともその命を延ばす事ができた世界。
消滅したはずの彼女が如何なる奇跡か再生した世界。
はたまた別の肉体に精神を宿らせることで消滅の運命を乗り越えた世界。
幾つもの可能性が存在し、それの数だけ世界が存在する。
これは、膨大な可能性の中のただ一つである。
まず感じたのは冷たい風と、冬特有の鼻の奥につんと来るような痛みだった。
目に入ってきたのは陽の光。しかし、陽の光も雪景色の上ではその温かさを持たず、ただ在るだけの天体として浮かんでいる。
私のようだと考えて、その傲慢さを自らで恥じる。暖かさを与えないとはいっても太陽。季が来れば大地に恵みを与え、草木を育てる存在だ。私がそんなものに似ているとは凄まじい自惚れだ。
その時、風が吹いて黒い塊が視界の一部を覆った。私の髪だと気づいたのは鬱陶しくなってきたそれを手で払った時であった。黒くくすんだこの髪は正直言って好きではないが、力任せにかきむしった所ですぐに再生してしまうのだから意味がない。それに、どうせただ在るだけならば、そんな事を気にするのも必要のない行為といえる。何かに執着するのも今の私には身に余る。
鼻の奥にムズムズとくる冷気に意識の覚醒を促されながら、それに反して、私はもう一度目を閉じる。
そうしてまた、無為な時間を過ごしていると何処かから駆け寄ってくるような足音を捕捉する。足音から判断するに四足歩行――――原生生物の類と人間であることが判る。
「ちょっとあんた、そんな所で寝てたら風邪ひくわよ?」
「…………」
飼い主の声だろう。どうやら誰かに話しかけているようで、声音から年端も行かない少女だろうと想像できる。
「おーい、聞こえてるー?」
しかし、話しかけられている相手の声が聞こえてこない。誰に話しかけているのかと思い知覚可能な領域を拡大する。
聴覚探査による少女と己の距離――50cm。発生源、自らの位置を中心とした二次元座標において、ポイント0-0……つまり、直上。
私に話しかけていたのだという驚くべき事実が発覚する。
呼びかけられたら応じねばなるまい。道具とは上位者からの要求に忠実な存在であるべきだという自己の定義に照らし合わせて目を開くと、私の顔をのぞき込んでいる金髪の少女が視界に入った。
「何の用?」
「何の用って……そりゃ、あんたがこんな所で寝てるからでしょーが。こんな寒い日に雪の上で眠るとか、絶対に身体に悪いわよ」
どうやら、私の現状について心配をされているらしい。しかし、心配は無用である。己が身は人に非ず。故、病とは縁の無い存在なのだから。
「私は風邪をひかない。病気にもかからないから平気」
それを伝えれば彼女も納得するだろう。そう思っていたのだが予想は外れた。半目でこちらを睨んできた少女は、おもむろに自らの来ている上着を脱ぎ、それを私に突きつける。
「ふざけたこと言ってんじゃないわよ。ほら、これでも着てなさい…………寒っ!」
見るからに厚そうな緋色のコートは、先程まで少女の脆弱な肉体を守っていた鎧であり、それを失った事で彼女は冷たい外気に晒される。身体の小ささ故に寒気に対する耐性も低いのだろう、即座に身を凍えさせる結果になっていた。
「貴女のほうが風邪をひきそう」
「な、な、な、何よこのくらい平気よ! だからあんたがこれを着なさい!」
「不要と再度通達します。私の躯体強度は単純計算において貴女の肉体を遥かに上回っている」
目測から算出した強度による除算の結果を伝える。すると、私でも判るくらいに不満気な表情を浮かべながら、渋々と言った様子で緋色のコートの袖に腕を通し始める。どうやら寒さには敵わなかったらしい。
その際に彼女が持っていた紐を手渡される。紐の先に繋がれているのは大型犬で尻尾を振って私を見ていた。行儀よくお尻を地面につけている事からしっかりと躾けられているのだろう。
試しに頭を撫でてみると、甘えるように頭を手の平に擦り寄せてきた。
「犬が好きなの?」
「……身内にも似たのが居たので」
「だから手慣れてる訳ね、納得」
コートを着直した彼女は、私と犬の様子を眺めながらそう言った。少しして撫でるのを止め、飼い主である彼女に紐を返す。
「そういえばこの辺りに越してきた子? 見ない顔だけど」
「否」
返すべき言葉が見当たらなかったが、解答は可能。私は首を横に振って否定する。
「じゃあ住んでたってこと?」
「否、居住という表現は適切じゃない」
「どういうこと?」
再度首を横に振って否定し、彼女の表現を修正する。
「以前より存在し、当躯体は三日前にこの場所に発生した」
「は、はぁ……」
彼女はわけがわからないという反応を示すが、理解できなくても別に構わない。それに聞かれた情報に正確に答える事が重要なのであって、理解を求めては居ないから。
「それで、あんたは此処で何をしているの?」
「今の私はただ在るだけの存在――――理由も目的もなく、存在として残り続けているに過ぎない」
「あ、うん……」
少女の笑顔が引きつった。私の返答に不備はなかったはず、ならば何に問題があったのだろうか。
「じゃあ名前、名前くらい教えなさいよ。私はアリサ・バニングス」
「ナハトヴァール、それが私の名前」
魔法少女ギルティなはと
始まらない。