比企谷八幡は選択する   作:calpass

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それでは第11話スタート!


比企谷小町はあなどれない

 

 

あ〜あ、まだ新学期だし奉仕部に参加できないのかー。早く小町も混ざりたいなあ。それにしても、大志くん大急ぎで職員室まで走ってったけど、何かあったのかなあ?まあいっか、小町は帰ってカーくんと遊ぼっと!

 

 

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「それで、あなたはどうやって小町さんにプレゼントを渡したいのかしら?」

 

 

「えっと、自分はきちんと面と面で向き合って渡したいです!」

 

 

「場所と時間はどーすんの?」

 

 

「うっ....大事なこと考えてませんでした。」

 

 

「おいおい、お前そんなんで大丈夫なのか?プレゼント渡す時、緊張してまた渡せないんじゃないのか?」

 

 

「じ、実は前回もそうだったんです。」

 

 

「マジかよ、お前の姉ちゃんあんなんなのに、お前は意外とチキンなんだな。」

 

 

「人のことを言えるのかしら比企谷くん?小町さんと違って、あなたは社交性もなければ、目も死んでいるじゃない?」

 

 

「おい、サラッと俺をdisり始めんな。」

 

 

「あははははー.....。ところで大志くんはさ、小町ちゃんのこと好きなの?」

 

 

おい、由比ヶ浜。さすがに大志が可哀想だからやめて差し上げろ。ここで言わせるとか公開処刑だry

 

 

「はい!自分は小町ちゃんのことが好きです!!」

 

 

「分かった大志、ここでお前を処分する。」

 

 

「ヒイイィィ!!」

 

 

「やめなさい比企谷くん。殺人未遂で通報するわよ。」

 

 

「おい、別にそんな物騒なことは考えていない。俺はただ社会的に抹殺するだけだ。」

 

 

「物騒なの変わんないし!!」

 

 

「はあ、あなたのシスコン具合には呆れたわ。川崎さん、この男があなたに近づかないよう、私が駆除するから安心して。」

 

 

「俺は害虫かなんかかよ。」

 

 

「あら?気づかなかったのかしら害虫谷くん?私のやり方次第では、あなたを社会的に駆除することもわけないのよ?」

 

 

「ちょっと2人とも落ち着いて?ね?」

 

 

「大志、俺がさっき言ったこと覚えてるよな?告白なんて浅ましい考えはやめろよ?」

 

 

「わ、分かってます!お兄さんに認めてもらうまで絶対にしません!」

 

 

「お前がたとえ何度も死に戻りしても、絶対に俺が認める未来はない。」

 

 

「はい!分かりました!!」

 

 

こいつ本当に分かってんのか?

 

 

「とりあえず作戦を考えましょう。」

 

 

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「なるほど。至極単純な作戦ね、あなたにしては珍しい上に意外と協力的なのね。」

 

 

「仕方ねえだろ、依頼は依頼だ。俺はやるべきことをしただけだ。」

 

 

「ヒッキー偉い!」

 

 

「そんじゃ、やりますか。」

 

 

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俺が立てた作戦はこうだ。

 

 

1.小町をここに呼び出す

 

2.プレゼントをその場で渡す

 

以上だ。

 

 

作戦をシンプルにしたのは、もちろん理由がある。まず俺はまだ大志の言葉を信じ切れていないからだ。俺たちの見守っていない状況でプレゼントを渡せば、万が一、本当に万が一、良い雰囲気に身を任せ告白し兼ねない。しかしこの奉仕部内で見守れば俺の監視もあり、大志はただプレゼントを渡すだけしかできない。俺たちが大志を見守るのは野暮なことだが、2人っきりの状況だと小町自身が大志に警戒してしまい、今後の人間関係に少なくとも亀裂を生む可能性もある。いっそのこと壊れて欲しいものだが、雪ノ下や由比ヶ浜に怒られるだけではなく、それを知った小町にも嫌われるかもしれない。俺にとっても苦渋の選択だ。

 

 

「とりあえず小町は呼び出した。幸いにもまだ学校の近くにいたようで、すぐに来てくれるらしい。」

 

 

「すみませんお兄さん、助かります。」

 

 

まあこれも依頼だから仕方ないが、大志が呼び出した場合小町が警戒してしまうだろう。学校終わりに男が呼び出すなんて答えは1つしかない。

 

 

「ところでヒッキーはどうやって小町ちゃんを呼び出したの?」

 

 

「もうお前は奉仕部みたいなもんだから、1回顔だして挨拶くらいししろ、雪ノ下も由比ヶ浜も会いたがってるって伝えただけだ。」

 

 

「そうなんだ!じゃあ後は待つだけだね!」

 

 

10分後

 

 

「こんにちはー!」

 

 

「あ、小町ちゃんやっはろー!」

 

 

「こんにちは、小町さん。」

 

 

「結衣さんに雪乃さん、こんにちは!って何で大志くんここにいるの!?」

 

 

お兄ちゃんに挨拶はないのかな?お兄ちゃん寂しい。

 

 

「こ、小町ちゃん!実はこの間の誕生日会の日に、その、プレゼント渡しそびれちゃって....受け取って下さい!」

 

 

「えっ!?もしかして大志くん、それで奉仕部に依頼してここにいるってこと?」

 

 

「う、うん。どうしてもタイミングとか見つからなくって、お兄さんたちに協力してもらったんだ。」

 

 

よし、ここまでは順調だ。さすがに大志も俺たちのいる場所で告白なんてことしないだろう。

 

 

「なるほどー、奉仕部に依頼したのは小町的にポイント低いけど、とりあえずプレゼントありがとー!あと小町からも一言大志くんにお願いがあるんだけどいい?」

 

 

「??え、僕にできることなら....だけど。」

 

 

「小町ね、その。大志くんのことがずっと前から好きでした!小町で良かったら付き合って下さい!」

 

 

は!?は!?はあああああああああああああああああああああああああああああ!?どういうこと?え?小町ちゃん正気?ははーん、これドッキリだろ?お兄ちゃんを騙すためのドッキリだろ?エイプリルフールはもう過ぎてるぞ?

 

 

「どうしようゆきのん、あたしもこの状況にビックリしてるんだけど、ヒッキーの顔が......しかもキョドッてるし....」

 

 

「そ、そうね。私も2つの意味でこの状況に相当驚いてるわ。比企谷くん大丈夫かしら?」

 

 

「え!?は、はい!俺もずっと前から小町ちゃんのことry」

 

 

「ごまぢぃぃぃぃぃ!!嘘だよな?嘘だよな?これドッキリかなんかだよな?嘘だと言って!お兄ちゃんのためにも嘘だと言って!このままじゃお兄ちゃんアイデンティティクライシスするから、お兄ちゃんが生きてる意味無くしちゃうから!!」

 

 

「お兄ちゃんちょっと黙ってくれる?結衣さん、雪乃さん。非常に申し訳ないですけど、ゴミいちゃん連れて一旦どこかで待機して頂いても良いですか?小町の都合で本当に申し訳ないです!」

 

 

「そ、そうね。小町さんのためにもここは一旦退散しましょう。比企谷くんも精神衛生上良くないわ。」

 

 

「そ、そうだね。ここにいるのは野暮だしね....ヒッキー行くよ!」

 

 

「やめろおおおおお、お前だぢ離じでぐれええええ!!ごまぢぃぃぃぃぃ、ごまぢぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 

こうして、俺の妹は大志、いや羽虫に奪われてしまった。死にたい。

 

 

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「ヒッキー大丈夫?....そんな訳ないか...あはは。」

 

 

「あの、比企谷くん。気持ちは分かるけど、人目もあるからそろそろ泣き止んでくれると、有難いのだけれど。」

 

 

「ごまぢぃぃぃぃぃ、ごまぢぃぃぃぃぃ......。なんでお前ら俺を連れ出したんだ....。」

 

 

「すみませんお待たせしました。」

 

 

「ごまぢぃぃぃぃぃ!あれ本当はドッキリだよな?今ならまだお兄ちゃん許すぞ!!」

 

 

「ごめんねお兄ちゃん。小町は本当に前から、大志くんのことが好きだったんだ。それでね、大志くんと付き合うことになったんだ。でも小町は今までと同じでお兄ちゃんのこと大好きだからね?でももし大志くんに何かしたら.....分かってるよね?」

 

 

「」

 

 

「ヒッキーが....壊れちゃった....」

 

 

「小町さん、あなたこの男に恨みでもあるのかしら?」

 

 

「そろそろ妹離れしないと、お2人のためにもなりませんからねえ。こんな兄ですが、これからも好きでいて下さいね?」

 

 

「え、ちょ、小町ちゃん!?」

 

 

「こ、小町さん?わ、私は別に比企谷くんのことが好きだとは....」

 

 

「ほほーん。小町は友人として頼んだだけですよ?別にそういう意味で言った訳じゃありません。お2人のお気持ちも分かった所ですし、大志くんと帰りますのでお兄ちゃんのことよろしく頼みます!今小町が何言っても通用しないと思いますので....」

 

 

「ゆきのん、どうしよっ....か。」

 

 

「そ、そうね。とりあえず今日は比企谷くんを慰めることに集中しましょう。もう心ここにあらずって表情ですし。」

 

 

「ごまぢぃぃ.....」

 

 






なんと小町ちゃんと大志くんが付き合うというオチでした笑 それにしても小町ちゃんも策士ですね。ガハマさんとゆきのんのためにも妹離れするよう大志くんと付き合うとは.....笑 もちろん小町ちゃんは大志くんのことが本当に好きです!八幡が異常なシスコン具合だったので、今まで大志くんへの気持ちを抑えてたって意味です!

小町ちゃん、侮れない。

それでは次回もお楽しみに!


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