俺と桃子さんは気まずい雰囲気で対峙している。
士郎さんとのプレイ時間が終わったため、俺のエロチートが解除されて士郎さんから俺に変わったためだ。
すげぇ気まずいです。
何せ先ほどの情事を全て見ていた男が急に目の前に現れる、これほど気まずいことは今までなかったです。
とりあえず、
「すんませんでした。一応、士郎さんには全て話していたとはいえあんな能力を使ってしまって!」
俺は土下座しそうな勢いで頭を下げる。
ここで桃子さんの機嫌を損ねると、公園でダンボールハウスの建築に勤しまなければならないからだ。
「士郎さんはどこにいったの!?」
「あっ、士郎さんは幽霊状態に戻ってます。俺の設定が甘くてその、アレが終わったら能力が解けてしまったので・・・」
「そう、士郎さんはまだそこにいるのね?」
「ええ、何か放心状態ですけど。」
しまったなぁ、エロチートでエロプレイしたはいいけどその後の展開を設定してなかった。
やっぱりいきなり本番は難しいな、今後は気をつけないと。
「そう、こちらこそごめんなさい。私達家族の為に力を使って頂いたのに気まずい思いをさせてしまって。今回のことは事前に士郎さんから聞いて私自身納得しているので、その、さっきの場面は誰にも言わないでくださいね?」
「ええ、それはもう!ところで体の調子はどうですかね?私の能力確認で悪いですけど効果、出てますか?」
「それはもう!昨日まであった疲労が全て吹き飛んでしまっているわ!おまけに荒れてた肌がこんなにきれいになるし、今後もお願いしたいぐらいよ。」
よかったよかった。初めて行使したわりにはちゃんと効果が出たみたいだ。さすがは神様のチート能力、この分だと才能のほうも楽しみだな。
「その辺は士郎さんが許可してくれたらでお願いします。能力を使うとどうしても大なり小なりエロいことになりますので・・・」
「ふふっ、そうね。今は見えないけどお願いしてみるわ。」
そういって俺は桃子さんとホテルをチェックアウトし、高町家に帰るべく部屋を出た。
士郎さんはそんな俺達の後を着いてきている。
ただ、昨日より若干顔に疲れが見えるのは搾り取られすぎたせいなのだろうか?
そして帰ってきました、高町家に。
一応道すがら桃子さんに俺が居候してもいいのか聞いてみると、人手が増えるのは大歓迎とのこと。
まぁ事前に士郎さんにはお手伝いしますとは伝えていたのでこちらとしても問題ない。
ふっふっふっ!桃子さんに料理指導してもらって俺は主夫を目指す!
ほら、いずれは管理外世界で旅とかしようと思ってるから、その時は美味しい食事をしたいしね。
「「ただいま~」」
桃子さんはそのまま晩御飯の準備のがあるとの事で着替えに寝室へ、俺は特にやることが見当たらないためリビングへ移動した。
リビングには恭子さんとなのはちゃんが一緒にテレビを見ていた。ちなみに美由希さんはトレーニングで走りこみに行ったそうだ。
「ただいま、でいいのかな?居候になった江口帝ですよろしく。」
なんとなく挨拶してしまった。
昨日はごたごたもめていたのでもう一度というわけだ。
「帝お兄ちゃんお帰りなさい!」
「昨日は申し訳なかったです。私は高町恭子、居候の件は聞いていますので、今後共によろしくお願いします。」
まあ無難に挨拶も終わり、なのはちゃんが寄ってきます。
「帝お兄ちゃん、お父さんはどこにいるの?」
「士郎さんか?そこのソファーに座ってテレビを見ているよ。」
「ありがとう!お父さんにいっぱい聞いてほしいことがあるからお話ししてくるね!」
そういって俺が指差したソファーになのはちゃんは座って、今日あったことなんかを一生懸命話しています。
士郎さんはそれを聞きながら機嫌よくうなずいているのでまぁいいのだろうか?
なんか俺が霊能力者の修行でもすれば士郎さん達が俺抜きでお話しとかできるようにならないだろうか・・・
と考えつつ恭子さんに話しかける。
「恭子さん、夕飯が終わってから時間あるかな?ちょっと士郎さんを交えて話があるんだけど。」
「ええかまわないけど・・・
父さん、成仏してないよね?まだここにいるわよね?」
「うん、さっきも言ったようにそこのソファーでなのはちゃんの話を嬉しそうに聞いてるよ。取り合えず今後のことを夕食後に道場で話そう。」
そういって桃子さんの夕食ができるのを待ったのだった。
主人公気まずすぎです。
夫婦の情事を体験した上に事後の場所に現れる・・・
作者なら本気で土下座しています。
士郎さんは幽霊のまま現存しています。
まだまだ家族が窮地から脱したわけではないので見守る為に残りました。
あと少し今後の方針を書いたら一気に無印前までキングクリムゾン予定です。