いじめられっ子の山田君が学校に帰って来たと思ったら筋肉モリモリマッチョマンの変態になっていた。

 小説家になろうに掲載されていた奴を多少加筆修正しています。ご注意ください。

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一週間で何があった。

 僕は学校でいじめられている。小学校の頃からずっと。高校になった今も続いている。

 

 机に落書きや暴力、カツアゲ、犯罪行為の代行などは当たり前。

 

 そんな毎日が嫌だった。

 

 だから変わる事を決意した。 

 

 

 そいつは突然学園に現れた。

 

 身の桁2m。肩幅も大きい。銃弾すら弾き飛ばしそうな程の分厚い大胸筋、丸太の様な腕に足。目つきもどれだけの悲しみを背負ったのだろうか・・・・・・とても冷たく鋭利な刃物の様な鋭い目つきをしている。顔立ちもまるでと言うか世紀末の住人その物だ。 

 

 何時も山田をいじめていた森埼は突然殴られ、危うく窓から校舎の外へ放り出されそうになったせいか恐怖で怯えている。取り巻きも同じだ。こんな世紀末救世主にケンカを売った覚えはない。あってたまるか。

 

「あ・・・・・・あの・・・・・・どちらさ――」

 

「オアタッ!!」

 

 誰だか森崎君は聞き返そうとしたが顔面に拳が突き刺さる。骨が砕ける嫌な音と血飛沫、歯が何本飛び散った。辛うじて息はあるが虫の息でピクピクと体を痙攣させている。

 

「お前だけは生かしてはおけん――ゆっくりと嬲り殺しにしてやる――」

 

 そう言って森崎君に歩み寄っていく謎の人物。

 

「ほ、本当に誰なんですか貴方!?」

 

「警察呼びますよ!?」

 

 クラスメイト達はなけなしの勇気を振り絞る。

 体が震えている。

 誰だってこんな紛争地帯をダース単位で渡り歩いてそうな筋肉の怪物を相手するのは恐い。

 

「それは私から説明しよう」

 

 そこで、教室のドアが開かれるそこから現れたのは年老いた外国人だ。屈強な2mを超える外国人の兵士を引き連れている。

 

「彼は政府から殺しのライセンスを得ている。つまり君達を殺すも生かすも彼次第だと言う事だ」

 

「あの、どちら様ですか?」

 

 誰かが代表して尋ねた。

 

「私はトラウママン――とある秘密組織に属する人間で君達に死刑宣告しに来た」

 

「「「「「「「はい!?」」」」」」」」

 

 クラスの気持ちが一致した瞬間だった。

 

「あ、あの、それよりもこの人は――」

 

「まだ分からないのか? 彼は山田 太郎だ――」

 

 教室が静まりかえった。虫の羽音が静まりかえるぐらいと言う比喩はこう言うことを言うんだな――ではなく、それよりも、この世紀末救世主が山田だと言うのか?

 

「ちょっと待て!! これが山田!?」

 

 誰もが信じられなかった。

 

「そうだ。何ならDNA鑑定しても構わんぞ」

 

「いやいや!! どう見ても人が変わったとかそう言うレベルじゃ――外見所か顔の骨格とか身長とか色々変わりすぎでしょ!?」

 

 このクラスメイトの言う通りである。

 鍛えてどうこうとか言う次元を超えている。

 別人みたいになったとかじゃなくて別人その物になっていた。

 

「彼はこの1週間の間に自らに鍛えに鍛え上げ、その合間を縫って数多くの組織を葬って来た。合衆国から勲章を貰っている。そんな彼の望みは君達を苦しめて殺す事だ」

 

「いや、全然説明になってねえから!? 本当に1週間で何があった!?」

 

 どうやらガチで一週間でここまで鍛え上げたらしい。

 サイタマ先生もビックリだ。

 

「さっきも話した通りだ。男は口でベラベラ語るよりも黙って行動で示せばいいのだ。楽な道と茨の道があるなら茨の道を進めと小学生の頃に習ったと思うが」

 

「んな渋くて格好いい教えを説く教師は小学校にいねえよ!?」

 

「てかソレ、キン肉○ンのアタル兄さんのセリフの引用じゃねーか!?」

 

 と、投げ槍な精神でツッコミを入れるがトラウママン大佐はフンッと鼻で笑った。

 

「ふん、これが日本のゆとり教育か。よし決めた。貴様達はどうせ死ぬ運命だ。なら生きたまま私が殺してやろう」

 

 えっとなった?

 ズカズカと取り巻きの屈強な軍人がいじめっ子達に歩み寄る。

 教室に更に増援として軍人が――

 

「ですが大佐――」

 

 山田君が引き留める。

 

「もう分かっただろう。山田 太郎。復讐は何も産まん。なに大丈夫だ。仮に死んでも自殺しても生き返らせる事は出来る。そうして我々は屈強な殺戮マシーンを産み出して来た。今迄も、そしてこれからも――」

 

「何か凄い事言ってるぞこいつ!?」

 

 そうこうしているウチに彼達は屈強な軍人に連れ出されていった。

 道中悲鳴と共に銃声が聞こえたが確認するのは恐かった。

 そしてただ一人、山田 太郎が残った。

 

 

 それから山田太郎との学園生活は地獄だった。

 たびたびアメリカの大統領や日本の総理大臣、イギリスの女王陛下やらがやって来て重要な使命を山田太郎に託しては去って行く。

 そして山田も一日で終わらせて帰ってくる。

 

 護衛なのかどうか知らないが、屈強な軍人達が学園に屯するだけでなく、授業にも関わってきて軍隊式で教えてくる。文句を言えば、必ず返ってくる言葉は「山田に出来てお前達に出来ない事はない!!」である。男女だろうがお構いなしに鉄拳制裁。自殺しようが重傷を負おうが治療して、生き返らせて授業を受けさせる。

 

 嘗て山田君にイジメをしていた生徒達は連れ去られたが暫く返ってくる事はなかった。

 

 帰って来たのは半年ぐらいだった。しかしマトモに帰れるわけもなく、外観は変わるぐらいは予想していたが彼達の場合、明らかに人種まで変わっていた。しかも山田と一緒に度々っテロ組織を壊滅しに言っているらしい。関係も改善して何よりだ。

 

 だがイジメを見て見ぬフリをした生徒達の地獄は続いていくのだった……

 

【終わり】   




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