ファイアーエムブレムif 白夜王族と暗夜王族の血を引く者 作:コッコ
北の城塞の主
暗夜王国領北の城塞。
そこは北への備えの為に暗夜王国が強固な城塞を建てたのだ。
だが北への驚異が無くなると無意味な物となり忘れられていくかの様にボロボロになり寂れていった。
そんな北の城塞には一人の主がいた。その主は少年で一人ランタンの明かりを頼りに見回っていた時、少年がふと外を見ると馬車が一台北の城塞に来たのだ。少年は外へと足を運んだ。
「来たかセルス・・・」
外には馬車一台とその側に黒い鎧を着込み豪華なマントを着た年配の男と同じく黒い鎧を着た男が立っていた。
「久しいな。お前を戦場で拾い上げここに住まわせてからまったく会ってはいなかったからな・・・」
「いえガロン様。貴方は暗夜の王であり私の様な者に気に掛ける時間は無いのですから・・・」
セルスは頭を下げて臣下の礼を取った。ガロンはそれを見て不適に笑った。
「良い・・・それよりもこやつを北の城塞に住まわせろ」
ガロンはそう言うと側にいた騎士が馬車から気を失った女の子を引っ張り出した。その女の子は綺麗な銀髪で長い耳が特徴的だった。
「何故ですか?」
「お前には知らなくても良い事だ。そこにいるギュンターもこの北の城塞に住まう。後の事はこのギュンターに聞くのだ」
ガロンはそう言うと馬車に乗り込み北の城塞から立ち去った。残されたセルスとギュンターそして女の子は静粛に包まれていた。
「何をしている。早く中に案内しないか」
「すみません。ではどうぞ中へ・・・」
セルスとギュンターは中へと入った。ギュンターは中を見て驚いた。所々丁寧に掃除され調度品も完璧に磨かれていたのだ。
「これを全てお前が掃除したのか?」
「はい、他にやる事が無かったのです。今までここに一人で住んでいたのですから」
セルスはそう言うと一つの部屋を開けた。部屋も綺麗に整えられているが家具がベット以外まったく無かった。
「ここにその子を」
「あぁ・・・」
セルスに言われギュンターは女の子をベットに寝かした。セルスは女の子の上に布団を掛けると落ち着いた様に眠っていた。
「この子は何ですか?」
「この娘はカムイと言い白夜の王女だ」
セルスは驚いた顔をした。セルスは別に北の城塞を出れない訳では無く外の状況は常に把握していた。現在は白夜王国と暗夜王国が停戦する為にシュヴァリエ公国で両王の会談が行われると聞いていたがまさかとセルスは考えた。
「ガロン王様はスメラギ王を殺した・・・」
「なるほど・・・つまり生き残ったこの子カムイは捕虜ですか?」
「いや・・・このカムイは暗夜の王族として育てられる事になっている」
セルスは特に驚かなかった。捕虜ならとっくに牢屋に入れられ幽閉の日々を送る事になるだろう。だがここ北の城塞に来たのだ。何か優遇されるのだとセルスは思っていた。
「はぁ、わかりました。カムイと貴方は今日からこの北の城塞の住民です。では改めて私はセルスこの北の城塞に住まわされ主としてこの北の城塞を守りし者です。」
「ギュンターだ」
こうして北の城塞の主と騎士そして王女の生活が始まった。