ファイアーエムブレムif 白夜王族と暗夜王族の血を引く者 作:コッコ
カムイ達がアクアに連れられて来たのは無限渓谷の吊り橋だった。ここはガンズによってギュンターが殺された災厄な場所だった。
「ここが隠れ家がある場所か?」
「えぇ、この吊り橋の下にあるの」
セルスは唖然としてしまった。この吊り橋の下に好き好んで落ちるのは自殺志願者しかいないと思っているからだ。アクアは吊り橋へ行くと吊り橋を支えている縄の外に出るとそのまま飛び降りた。カムイは慌てて下を見たが意を決したのか
カムイも飛び降りてしまった。
「カムイ様!?」
「ジョーカー!俺達も行くぞ・・・」
そう言うとセルスは縄を飛び越えて下へと落ちていく。落ちる感覚が長く続き闇に覆われていたが突如、光に包まれて信じられない事に地上に出たのだ。セルスは立ち上がって周りを見るとカムイとアクアが話しているのが見えた。
「カムイ。無事か?」
「セルスさん。私は無事です」
カムイがそう言って微笑むとセルスは安堵した。その後、ジョーカーが遅れて到着し全員集まった所を見てアクアが話してくれた。この世界は透魔王国と呼ばれる場所で透魔王ハイドラと言う存在が支配していると言った。ハイドラの目的はこの世界を全て破壊する事でこの世界を支配しているのはその野望の第一歩でしかないと言う。
「何故その事を話さなかったアクア?」
「説明は後よ。今は奴らの目を逃れないと」
アクアはそう言うと移動しカムイ達もそれに続いていく。そして暗闇で覆われた洞窟まで来るとアクアがさっきの質問に答えてくれた。この世界の事を自分達の世界で話すと泡になって消えてしまうのだと言うのだ。しばらく洞窟を歩くと敵に遭遇して戦闘になるが冷静に判断して対処した為、被害は少なかった。
「それにしても暗い・・・」
セルスがそう呟くと洞窟の奥から蹄の音が聞こえてきた。カムイ達は警戒するとそこには死んだと思われたギュンターがいたのだ。
「ギュンターさん!」
「ギュンター!無事だったか!」
「はい。私がここへ落ちてきた時にアクア様に助けられたのです」
ギュンターの言葉にセルスは納得した。この世界へは渓谷を落ちてやって来たのだ。ギュンターが落ちてここへやって来たのは不思議ではないとセルスは思った。
「とにかく無事で良かった・・・俺は本当に死んだのかと思った」
「すまないな要らぬ心配掛けさせた」
ギュンターは笑うとセルスも笑う。セルスにとってはギュンターは血の繋がった父と育ての父に続く第三の父親のような存在だった。その人物が無事でセルスは本当に良かったと思っていた。