ファイアーエムブレムif 白夜王族と暗夜王族の血を引く者 作:コッコ
翌日、朝と言っても暗夜は常に暗い為セルスは通路のランタンに光を灯していた。同居人が二人も増えて今のまま暗いと何かしら怪我をするかもしれないとセルスにとっての最大限の気遣いだった。
「さて、あの子の様子も見てくるか」
セルスはカムイが寝ている部屋に出向いた。万が一に夜中に起きて外に出られたらいけないので鍵を掛けいた。セルスは鍵を開けると扉を開けた。案の定カムイは起きていて部屋の隅に縮こまって此方を見て震えていた。
「気がついたかい?大丈夫だよ僕はセルスこの北の城塞の主をしている」
セルスは笑顔で挨拶したがカムイはまだ震えていた。セルスは無理はないと思った。カムイは父親を殺されのだ目の前でだ。そんな光景を幼いカムイが見れば嫌でも警戒する。
「まぁ、何だ。お腹は空いてないかい朝食を作ってあげるけど?」
セルスは屈んで笑顔でカムイに接し続けた。そんなセルスを見てカムイは少し信用してくれたのか、それともお腹の音を鳴らして食欲に耐えきれなかったのか頷いた。セルスはその反応を見ると立ち上がり微笑んで手を伸ばした。
「じゃあ、食堂に行こうか。ギュンターも待っている」
カムイはセルスの手を取るとセルスはゆっくりとカムイを立ち上がらせて手を繋ぎながら食堂に向かった。その間カムイは周りもキョロキョロと物珍しそうに見渡していた。そして食堂に着くとギュンターが座って待っていた。
「遅くなったねギュンター」
「随分と遅かったな」
「色々あってね。カムイ様そこへ座って待ってて下さい」
セルスはカムイ座るように言うと調理台へと歩いていった。数分後、良い臭いが漂うなかセルスが両手に料理を持ってやって来たのだ。
「さぁ、食べてくれ。今は食材を切らしててこんな粗末な感じの料理しか出せないが無いよりましだろ」
セルスは自分の分も持ってくると座り手を合わせた。その姿にギュンターは首を傾げた。
「いただきます」
「むぅ、いただきます・・・」
ギュンターもセルスに合わせて手を合わせカムイもそれを真似した。
「何故、白夜の食事の挨拶を?」
「俺ははっきりと出身が分からないだが、いつもこんな感じで挨拶をしているぞ?」
セルスはギュンターの問いに応えると朝食を食べ始めた。ギュンターも食べ始めそして朝食を全員が食べ終えた。
「ギュンター家事は出来るか?」
「あぁ、出来るが・・・」
「今日から俺達はこのカムイ様の臣下だ。カムイ様の身の回りは俺達がやるのが当然、ギュンターも年長者だからってサボらずに家事を手伝って貰うよ」
セルスの言葉になるほどと納得した。ガロン王がギュンターも残したのはカムイの世話及び目付けとして送られたのだ。ここにいる限りは暗夜王族として育てられるカムイの世話をするのは当然の事だった。
「わかった。最初は何をすれば良い?」
「そうだな、まずはカムイ様の部屋を用意しないとな。流石あの何も無い部屋に何時までも押し込める訳にもいかないし家具も確か倉庫にあったはずだ」
セルスはカムイの部屋の用意をするとギュンターに言った。確かあの部屋は王族としては不自然だとギュンターも思った。セルスは朝食の片付けを済ませるとギュンターと共に倉庫へと向かった。カムイにはあの何も無い部屋にしばらくいて貰ってだ。倉庫は綺麗に磨かれていた城内とは別に埃まみれで手入れはされてはいなかった。
「何故ここだけ?」
「結構、怖いからだ」
倉庫は薄暗く一人では確かに心細いと思った。セルスは足を進めると次々と物を退かしていった。
「これ全部を外には出すよ」
セルスの全部とは本棚とクローゼットと化粧台と机そして筆記用具等だった。筆記用具以外は重いものばかりでギュンターはこれは先が思いやられると思った。