ファイアーエムブレムif 白夜王族と暗夜王族の血を引く者 作:コッコ
風の部族に囲まれたカムイ達の前でセルスは臨戦体制に入る。罠で風の部族の仲間を傷つけたのは悪いが武装した限りは戦闘になるとセルスは感じたからだ。
「セルスさん武器を下ろしてください!」
「カムイ!・・・わかった」
セルスは武器を下ろす様に言われた事に反論しようとしたがカムイに従う事にした。ここで下手に武器を持つよりできるだけ話し合いで済ませれるかもしれないと思ったからだ。
それにカムイの性格を考えて反論しても武器を下ろす事になるとも考えたからだ。だが、風の部族の兵士達は恨みがましい目でカムイ達を見ていて今にも襲い掛からんとしていた。
「皆さん話を聞いてください!確かにあなた達の仲間を傷つけてしまいました。それは事実です申し訳ありませんでした。でも、あれはマクベスと言う暗夜の軍師が仕掛けた罠だったんです!私達に風の部族への敵意はありません!」
カムイは必死に謝罪と説明をする。
「何だと!?今更、そんな言葉が信用できるか!」
「処刑だ!処刑だ!」
カムイの想いは通じず部族兵は怒り心頭で処刑と叫んだ。セルスは明らかに危険な方向に行っていると嫌でも感じた。
「こ、こんなに怒っている皆さんを見た事がありません・・・あ、あのっカムイ姉様っ。残念ですけど・・・この状態では話すら聞いてもらえそうにないと思います」
サクラの言うとおり確かにこれでは話にならずに戦闘になって更に誤解を生んでしまう。だが、ここでサクラが提案を出した。
「誤解を解く為に、部族長のいる烈風城に行ってみては・・・どうでしょうか・・・?」
「烈風城?」
「は、はいっ。そこに、風の部族の族長さんがいらっしゃるって聞いた事があるんです・・・族長さんにわかってもらえれば皆さんも敵対するのをやめて下さるかも・・・」
サクラの提案にセルスは良い考えだと思った。だが、問題があったどうやって族長と会うのかと言う事だった。
「そうね・・・幸い、風は止んでるわ。今なら暴風に守られているあの城に辿り着けるかも。けれど、話した所でわかってもらえると限らないわよ」
「確かにな・・・だが、行ってみなければ結果はわからないぞ。俺は行くに賛成する」
「・・・はい。私も烈風城に行って話したいと思います。私達には多くの味方が必要です。その為には・・・地道に信頼を積み重ねるしかありません。行きましょう烈風城へ」
カムイは烈風城へ赴く事を決めると部族兵に囲まれつつも足を進める。そして、烈風城の前まで来ると城から一人の剃髪で半裸の男がやって来た。
「・・・お前達か。この私に会いたいと申したのは」
「・・・はい。私はカムイと申します。あなたが、風の部族の長ですね」
「いかにも。私が族長のフウガである。民達より、話は聞いた・・・お前達は暗夜にも白夜にも属さず両国の破滅を狙っているそうだな?その手始めに・・・我が同胞を襲ったと」
「まさか・・・!一体誰がそんな事を・・・!」
フウガはどうやら何か勘違いをしているらしく両国の破滅を狙ってその手始めに風の部族を狙ったと思っているらしい。その話を誰が流したのかはセルスは気づいていた。
「・・・マクベスか」
セルスは不機嫌にマクベスの事を口にするとカムイは驚きの表情をするがすぐに弁解する為にカムイは発言する。
「私達は両国の破滅など、考えていません。本当に企んでいるのはむしろ、あの国の王・・・!」
「!駄目よ、カムイ!」
「!!」
カムイは危うく透魔の事を言ってしまいそうになった。セルスはこのやりにくい状況にどう弁解するかを考える。
「・・・なんだ?」
「いえ、何でもありません。でも、真の敵は、別にいるんです・・・これだけは、信じてください・・・」
「真の敵だと・・・?お主、血迷ったか」
フウガは厳しい表情でカムイを睨む。フウガが疑うのも無理はないとセルスは思う。カムイとフウガの話し合いはカムイの不利に動きこのままでは捕まって処刑される可能性が出てきた。万策が尽きたとセルスが思った瞬間、大きな声がその不利を覆す事になった。
「フウガ殿、待ってくれ!」
その声によって場の空気は変わるのだった。