ファイアーエムブレムif 白夜王族と暗夜王族の血を引く者   作:コッコ

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氷の部族

カムイ来てから更に数日がたち、新たな同居人ジョーカーはギュンターに使用人としてのスキルを鍛え抜かれ今まで食堂の台所から食器を割ったり掃除の時に水入った桶を蹴って溢していたが少しは家事が出来るようになった。後は慣れだなとセルスは本を読みながら考えているとギュンターがやって来た。

 

「セルス。今回ジョーカーに続いて使用人が増えるぞ」

 

「今度は誰だ?」

 

セルスは読んでいた本を閉じて机に置くと外から二人の髪の色が違うメイドが入ってきた。二人はカムイと同年齢と思われ緊張した様子で此方を見ている。

 

「氷の部族から来たフローラです・・・」

 

「ふ、フェリシアです!」

 

フローラは落ち着いて挨拶をしたがフェリシアは結構慌てている。セルスは取り合えず挨拶を仕返した。

 

「俺はセルスだ。あと、フェリシア落ち着け・・・」

 

「はぅ、すみません・・・」

 

セルスはこれでは自分が悪いように思えた。フェリシアは落ち着いたが今度は落ち込んでしまった。セルスはギュンターに目をやり此処に残るように合図した。

 

「じゃあ、取り合えず仕事に関してはお前達と同僚のジョーカーに聞いてくれ多分廊下を掃除のしてるから」

 

セルスはそう言うとフローラとフェリシアは部屋を出た。そしてセルスは素早くギュンターを睨み付けた。

 

「どう言う事だギュンター・・・氷の部族とは暗夜王国に従う部族だろ?」

 

「彼女達は人質だ。この北の城塞に使用人として遠回しに言うと人質の幽閉をしたのだ」

 

セルスは溜め息をついた。ここ最近、人手が増えるのは良いが訳ありの者達しかいないのだ。その内ここは人材の墓場と呼ばれるのではとセルスは思った。

 

「ギュンター・・・こうなっては致し方ないだが、彼奴らの面倒はお前が見ろギュンター。目付けのお前ならカムイ様の次いででも見張れるし育成にもなるからな」

 

「また人に押し付けるのか?」

 

「違うな・・・俺は人と関わった事はほとんど無い。教えていて何処で反抗心を生むか分からないし人にあれこれ教えるのも苦手だ」

 

セルスは窓の外を見ながら言った。セルスは本当にガロン王と以外では人にまともに接した事はなかった。一人広い城塞で過ごして今まで人と一緒に住むなんて夢にも思わなかった。

 

「だが、何時まで逃げ続ける?此処にいる者達は逃げず運命に立ち向かっている。それでもお前は・・・」

 

「ギュンター!・・・もう良い一人にしてくれ」

 

セルスはギュンターに出ていくよう言うとギュンターは出ていった。セルスは一人椅子に座り考えていると扉が開いたような音が聞こえたので振り返った。そこにはカムイがたっていた。

 

「どうしましたカムイ様?」

 

「あのねジョーカーさんが呼んでるの!ご飯が出来たからて、わたしセルスさんに教えに来たの!」

 

カムイが無邪気な笑みを見せて言った。カムイはここ最近、笑顔を見せる様になり他の者達にもその笑顔を見せる様になった。だが、それと同時に記憶が抜けていっている様で白夜の事を忘れつつあった。セルスは気の毒だが好都合とも見ていたそれは、カムイが白夜の事を完全に忘れて暗夜の王女として暮らせばもうカムイは悲しまないと思ったからだ。

 

「わかりました。自分は新しく入ったフローラとフェリシアを連れてきますので先に行ってて下さい」

 

「わかりました!」

 

カムイは走っていく姿を見てセルスは立ち上がるとフローラ達の元へと歩いていった。しばらく歩くと何が割れた様な大きな音が食堂で聞こえ走ってきてみるとフェリシアが転けていた。その周りには皿の破片や食べ物の残骸があった。

 

「はわわわ、すみません!お皿を割ってしまいました!!」

 

フェリシアは立ち上がり頭を何度も避けている。

 

「大丈夫かフェリシア?怪我は?」

 

セルスは叱り付けるよりもまずフェリシアの身を心配した。あれだけ転んだのだ怪我をしててもおかしくないとセルスは判断しフェリシアに近づき様子を見た。特にフェリシアは怪我は無くセルスは安堵した。

 

「フェリシア!」

 

そこへフローラが慌てて走ってきた。フローラは今の状況を見て青ざめた。フェリシアがセルスの前で皿や料理を落としているのだ罰を受けても可笑しくないと思ったのだ。

 

「申し訳ございません!罰は私は受けますからどうかフェリシアには!!」

 

「大丈夫だ別に初日でミスをしても起こりはしないさ。いきなり家事をやらされているんだ。すぐに上達しろとは言わない」

 

セルスはそう言うと皿や散らばった料理を拾い始めた。二人はその様子に慌てた。

 

「セルス様!それは私達が!!」

 

「いや大丈夫だそれに様を付けなくても良い。一様、元城主だがお前達と同じ使用人だと思ってくれ」

 

セルスは笑うと落ちていたお盆に拾った破片と料理を乗せた。セルスはふと考えると何故フェリシアが料理を運んでいたのか気になった。

 

「ところで何故料理を持っていた。この城塞はカムイ様も含めて食堂で食べるはずだが?」

 

「はい。ギュンターさんがセルスさま・・・さんが一人にしてくれと言っていたのでお料理をセルス様の部屋へ運ぶように仰せつかりましたので」

 

ギュンターはどうやらカムイと入れ違いでフェリシアに頼み自分の料理を運ばせていたのだ。つまりフェリシアが落としたのは自分の分の料理だったのだ。

 

「なるほど・・・つまり俺への料理か・・・・」

 

「すみません・・・」

 

セルスの食事はこの時の出来事が原因でしばらく夕飯には手をつけられなかった。

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