ファイアーエムブレムif 白夜王族と暗夜王族の血を引く者 作:コッコ
マークスの出会いから数年、カムイは変わった。カミラとレオンそしてエリーゼと出会い笑顔が増え白夜の事を完全に忘れた。カムイは自分は暗夜の王族でマークス達の兄弟だと信じて疑わなかった。現在カムイは外に出る為にマークスに剣術を教わっていた。
「やぁッ!」
「あまい」
カムイの剣はマークスに簡単に返された。カムイは幼い容姿から大人びた容姿へとなり鎧を纏った格好になっていた。カムイは訓練用の青銅の剣を諦めずにマークスに打ち込んだ。だが、それでも届かなかずマークスに青銅の剣を飛ばされた。
「終わりだ」
「参りました・・・」
カムイが負けるとマークスは微笑み手を差し伸べてカムイを立ち上がらせた。
「今日もマークス兄さんに打ち込めませんでした・・・」
「確かに打ち込めなかったが前よりも良くなっている。この調子ならすぐにでも北の城塞から出られる様になるだろう」
マークスは落ち込むカムイを励まし前よりも良くなったと言った。そこにカミラとレオンそしてエリーゼがやって来た。
「お姉ちゃん!」
「エリーゼさん」
エリーゼはカムイに飛び込み抱きついた。その様子をマークス達は見て微笑みを浮かべていた。実はカムイはマークスだけに剣術の教えを受けておらずセルスにも教えを受けていた。セルスの剣技はマークスと互角でそれを知っているカムイがセルスに頼み込み教えてもらっているのだ。
「それにしてもカムイ姉さん本当に剣術が上達したね。あのセルスに教えられたの?」
「はい。セルスさんにマークス兄さんがいない間は基本を教えて貰っていたのです。お陰で少しは上達しました」
カムイは嬉しそうにセルスの事を言った。カムイはセルスの事になれば嬉しそうに話すのだ。マークス達はまた始まったかと思いつつも笑って聞いていた。そのセルスは現在王都のガロンに呼び出されていた。セルスは王都に来るのは久しぶりで買い出しは殆どジョーカー達に任せっきりになっていた。そしてセルスはガロンの前にたった。
「お呼びでしょうかガロン王様?」
「うむ、実はお前に話さなければならない事がある・・・」
「話したい事?」
ガロンは頷いた。
「お前の出生についての話だ」
「ッ!?」
セルスは驚かされた。セルスは元から一人で常に持っていた刀で戦場に出ては持ち物を漁り生活の糧を得続けたのだ。そんなセルスの出生をガロンは知っていると言うのだ。
「心して聞け。お前の両親は暗夜の王子レウスと白夜の王女ツボミの間に生まれた両王族の血を引く者だ」
「・・・根拠は何ですか?それは昔の恋愛小説の話ですよね。冗談も」
「冗談ではない事実だ。お前は私の弟の息子だ」
ガロン王に弟がいる事も驚いたがそれ以上に驚いたのは自分の父がガロンの弟王子だとはセルスは驚愕した。ガロンは続ける。
「レウスはツボミと恋に落ち愛を育んだ末に駆け落ちしたのは分かるだろう・・・だが、その先が重要だ」
「その先・・・」
「駆け落ちしたのは良いが二人は僅か数日で白夜の忍びに見つかりレウスは殺されツボミは連れ戻された。だが、ツボミにはレウスとの間に子を宿していたそれがお前だ・・・」
「・・・」
セルスは黙ってガロンの話を聞いた。ガロンは思い出すように続けた。
「ツボミの子をどうにか下ろさせようと周りは説得したがツボミは縦には振らず遂にお前を産んだが難しい出産だった為にツボミも死んだ。白夜王スメラギは白夜の王族とは認めず農民の子供として農家の一家の一員とさせたがお前が真心がつく時には戦で村は滅んだ」
セルスは思い出していった。自分は一人ではなかった家族がいたが全員死んだ暗夜の兵によってだ。思い出したくない記憶がセルスを襲いセルスは頭を押さえた。
「大丈夫か?少し休憩するか」
「いえ続けて下さい・・・私は、俺は何者だったのかを」
「・・・分かった」
ガロンはセルスが続けてくれと聞き話を続けた。
「その時の戦には私が出ていたが一人のお前に阻まれた。その目はレウスにそっくりだが憎しみに染めた目だった。お前が私に斬りかかって来たが私は返り討ちにした。気絶したお前の目を覚まさせた時にはお前は後の記憶を失っていたが後でお前がレウスの子だと分かり拾う事にしたのだ。これが全てだ・・・」
セルスはガロンの話を聞いて全てを思い出した。自分は生活の糧の為に戦ったのではないいつの間にかそう思い残されただけで本当は仇討ちだった。自分は周りと違い容姿は暗夜だが村の皆は特に気にも止めず村の一員として暮らさせてくれた。戦に巻き込まれるまでは。
「・・・そうですか」
「すまなかったセルス。我が甥であるお前を辛い目に合わせた。レウスの忘れ形見よ・・・」
ガロン王が頭を下げた。今まで冷酷な暴君と知られるあのガロンがだ。セルスは首を振った、どんなに謝られても家族は帰ってこない死んだ皆は帰らないのだ。復讐も同じだとセルスは思った。
「もう良いんですガロン王様。俺は自分の事を知れてそれだけで満足です」
セルスはガロンに笑って見せた。何処かスッキリした言う感じだった。
「俺は俺の道を行き続けます。北の城塞にいる俺の家族側で貴方の恩を忘れません」