ジャバウォック島でのアフターストーリー。

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日向「...はぁ」

 

ザザーッザザーッ

『絶望の残党』として15人で暮らしていくことを決意した日向達

ザザーッザザーッ

『超高校級の希望』として皆を引っ張る覚悟を赤い瞳に宿し

ザザーッザザーッ

人前では悟られないように海辺で1人ため息をつく『カムクライズル』ならぬ『日向創』はじっと水平線の彼方を見つめていた

 

小泉「やっほ、日向」

 

日向「ん?小泉。どうした?」

 

小泉「いや、ちょっとね。隣座ってもいい?」

 

日向「おう」

 

ため息を聞かれていないだろうか、心に宿るわだかまりを察知されてないだろうか、そんな不安感を抱えつつも自然に振る舞う。

 

小泉「『超高校級の希望』ってさ、」

 

日向「え?」

 

小泉「感情までが完璧になる訳じゃないんだ ね。」

 

日向「...」

 

小泉「何悩んでるか、当ててあげよっか。...七海ちゃんの事でしょ?」

 

日向「...よくわかったな。」

 

まさか当てられるとは思わなかった。これから世界中を敵に回し、『絶望の残党』として生きていくことよりも『七海千秋』という失われた一個体のことの方を気にかけている自分が自分でも信じられないくらいだったのだから。

 

小泉「ったく。男ならシャンとしなさいよ。」

 

日向「悪い」

 

小泉「...好きだったの?七海ちゃんのこと」

 

日向「わからない。でも、特別な何かは感じて たと思う」

 

予備学科時代に唯一仲が良かったという『だけ』かもしれないが、今自分がここにいるのは七海のおかげだ。コロシアイゲームを切り抜けられたのも七海のおかげだ。『カムクライズル』としてだけでなく、『日向創』として希望を感じられるようになったのも七海のおかげだ。お礼を言っても言い足りないほどの恩を感じているが、恩返しをすることは二度と叶わない。そんな事実は日向にとって耐え難いものであり、覆せないものだ。

 

小泉「あのね、こんなおとぎ話があるんだ。」

 

日向「ん?」

 

小泉「ある所に、男女が共同で暮らす島がありました。」

 

小泉「その中で、ある少女は恋をしていました。でも、その意中の相手には好きな人がいます。それはそれは素敵な女性が。」

 

日向「...」

 

小泉「でも、その少女は諦められません。毎日ひとりで悩んでいる意中の少年の助けになってやれないか、寄り添ってあげられないかと感じています。」

 

日向「...」

 

小泉「好きで好きでたまらないその人の横顔を眺めながら、その少女はシャッターを切るのでした。おしまい。」

 

日向「...小泉」

 

戸惑いを隠せず、名前を呼ぶのがやっとだった。どう言葉を紡ぐべきだろう、何をいえばいいんだろう。『超高校級の思考』を働かせてもその答えはちっとも出てこなかった

 

小泉「七海ちゃんはいい人だったし可愛かったし何より立派だった。忘れることなんてありえない。」

 

日向「ああ」

 

小泉「...でもさ、日向」

 

日向「なんだ?」

 

小泉「そんな七海ちゃんのことが大好きな日向のことをそばでみてる女の子のことも、気にかけてやってほしいんだ。」

 

日向「...」

 

小泉「苦しい時でも辛い時でも、どんなに日向が嫌な奴になったとしても、その子は絶対日向のことを嫌いにならない。ずっと愛し続けると思うんだ。」

 

日向「小泉...俺は...」

 

小泉「『片思いが幸せ』って感じられるほど愛しちゃってるからさ。あはは。」

 

ギュッ

 

小泉「...えっ?」

 

どうすればいいかなんてわからなかった。ただ衝動的に、小泉の、自分よりひと回り小さい体を強く抱き締めた。

 

小泉「そ、その、日向さん?」

 

日向「なんだ?小泉」

 

小泉「なんで抱きしめてらっしゃるのです?」

 

日向「俺がそうしたいと思ってるからだ。」

 

小泉「そ、そうなんでしゅか...」

 

キャラ崩壊なんてもんじゃない。あわてふためき顔を真っ赤にして腕の中で縮こまっている姿はさながら小動物のようだった。

 

日向「なあ、小泉」

 

小泉「...真昼って呼んで」

 

日向「なあ、真昼」

 

小泉「なに?」

 

日向「二人の女を同時に愛そうとしている男がいたらどう思う?」

 

小泉「最低のクズね」

 

日向「ははっ。そうだな。」

 

小泉「でも。愛される方は嬉しい...と思うよ?」

 

日向「全然似てないな(笑)」

 

小泉「えー!結構自信あったのにな」

 

日向「七海千秋、小泉真昼両名を愛し続けることをここに誓います!」

 

小泉「ば、バカッ!声がでかいよ!」

 

日向「大丈夫だよ、だいじょ...うぶじゃないかも」

 

小泉「ええっ!?」

 

『超高校級の聴覚』で気配を探り、近くの草むらから反応があった。その数は推定...13人

 

澪田「ヒャッホーイ!カップル爆誕っすね!めでたいっす!」

 

豚神「...いいカップルだ。」

 

田中「ふははははっ!!これが運命というものか!」

 

辺古山「まあ、なんだ。おめでとうといっておこう。」

 

九頭竜「へぇ。面白そうじゃねーか」

 

左右田「リア充爆発しちまえッ!」

 

ソニア「おふたりはマカンゴを見せあう仲になったのですね!」

 

花村「二人の情事を思うとヨダレが止まらないよ!ジュルリ」

 

弐大「がっはっはっ!めでたいのう!」

 

終里「なあ、結婚式とか挙げるときには呼べよ!食いもんな!食いもん!」

 

罪木「ふゆぅぅぅ。こっちまで照れちゃいますぅ。」

 

狛枝「すばらしいよ!二人の希望が合わさって今まさに輝いている!僕のようなゴミクズがこんな場に立ち会えるなんて、なんて幸運なんだ!」

 

西園寺「おねぇ。日向おにぃ。おめでと。」

 

小泉「」

 

日向「」

 

恥ずかしさやら何やらでもうノックアウト寸前。真昼を抱えながら『超高校級』の力をつかいまくってその場から立ち去った。顔の赤味はまだ引きそうにない。

 

???「日向くん、おめでと。私も嬉しい。私はゲームしながら待ってるから、小泉さんとお幸せに。こっちに来たら、愛情たっぷり注いでほしい...と思うよ?」

 

日向「...はは。大変だなそりゃ。」

 

狛枝じゃないけど、

まさにこれが『希望』ってやつなのかな。

 

おわり

 


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