ZOIDS ~Era Travelers~   作:Raptor

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ディガルド、お前らのその愚行を俺は絶対に忘れ

元の世界も、この世界も俺が救
必ず強くなって戻っ

俺は時代の旅人なんだ。
みんな、待っててくれ。

全てはガンダーラの為に………。

ガンダーラ王国守備特殊部隊 「女

(右下半分が破れている為解読不可)


第4話 海辺の村

 

 

空には雲ひとつなく太陽が輝いている。

今日もいい天気になりそうだ。

 

「おい、シュン整備が終わった、いつでも出れるぞ!」

 

岩の上に寝転んで日光浴をしていたシュンにアジトから出てきた整備兵の1人がそう伝える。

 

「ありがとうございます、今行きます!」

 

岩から起き上がり、下に敷いていたTシャツを着るとアジトへと向かった。

 

駐機場の一番前にはシュンのライガーゼロとサンドイエローで塗装されたモルガキャノリーが静かに出発の時を待っていた。

隣で整備されているということはケイトの乗るゾイドはあのモルガキャノリーなのだろうか。

別に何か偏見があるわけではないのだがライガーゼロの護衛がモルガとはなんか不安である。

 

するとそこにケイトがやってきた。

だが1人ではなく、褐色の肌の男性と何か話し込んでいる。

 

「ありがとう、いつも整備任せちゃって悪いな。」

 

「………なんてことない。」

 

ケイトはニカッと笑うとようやくシュンに気がついたみたいで大きく手を振って歩いてきた。

 

「おはようケイト、さっき隣にいたのは整備兵??」

 

「おう、シュンおはよ。あ、タケルのことか??あいつは超優秀な整備班の1人だ。俺の相棒をいつもメンテナンスしてくれるんだよ。」

 

本当にいつも明るくて元気なやつだなと感心してしまう。

でも今モルガのことを指差して相棒と言ったよな。

ってことは………。

 

「なあ、あのモルガキャノリー、ケイトのゾイドか?」

 

「あったりまえだろ。それともなにか、もしかしてモルガだと思って見くびってんだろ?」

 

ケイトにそう言われ思わず苦笑いが止まらない。

 

『まったく、図星なのですね。』

 

光の精霊には心まで読まれている。

 

「い、いや、そういうわけじゃないんだけどな。」

 

「いいさいいさ、最初はみんなそうやって見くびってくんだ。でも俺には実力と実績があるからな、すぐにそんなの挽回してやんよ!」

 

また笑うケイト。

よかった、そんなに気にしてないみたいだ。

 

シュンはホッと胸をなでおろす。

 

「………シュンと言ったな。」

 

急にした声にドキッとして振り返るとそこにはさっきケイトと話していた褐色の男性がいた。

 

「あ、う、うん。」

 

初めてケイトと会った時のようにその眼光はかなり鋭い。

ここの組織の人間はみんなそうなのであろうか。

 

「………いいゾイドだな。我もライガーゼロを見たのは初めてだ。」

 

彼は真紅に輝く瞳を細くしながら眺めるようにライガーゼロを見ている。

 

「………そういえば自己紹介が遅れたな。俺はタケル・ディアス、解放戦団の整備長を務めている。」

 

「よろしくなタケル。知ってるかもしれないけど俺はシュン・タキハラ。共和国陸軍少尉だ。」

 

ケイトの時と同じように右手を差し出すとタケルも握り返す。

 

「………珍しい名前だな。東の島の出身か?」

 

確かに珍しい名前であるが、なんでそれがわかるのだろうか。

 

「………なんで知ってるかって?実は俺もガイロス出身なんだ、兵士ではなかったけどな。」

 

「え、じゃあタケルも………。」

 

ガイロス出身ということは彼も時代の旅人なのだろうか。

そう考えると時代の旅人って意外と多いのかもしれない。

 

「………いや、俺は時代の旅人なんかじゃない。あの黒い闇に偶然吸い込まれただけさ。」

 

「え、それってどういうこと?」

 

「………まあ、詳しいことはまた後で話すさ、俺がシュンにあった要件はライガーゼロの爪にメタルziのコーティングを施したことを伝えるだけだからな。」

 

ふふっと静かにはにかみながらライガーゼロを指差す。

 

シュンもその先に目をやるといつもは金色の爪が見事に銀色に変わっていた。

通常の銀色とは違ったメタルzi特有の光沢を放っていた。

 

「………これなら道中バイオゾイドと遭遇してもいくらか戦える。」

 

「ありがとう、タケル。」

 

「………なに、礼はいらないさ。」

 

タケルはそう呟くと静かにその場を去って行った。

 

「さあ、準備ができたら出発しようぜ。」

 

ケイトはそういうと足早にモルガへと向かっていく。

 

同じようにシュンも愛機の元へ向かった。

 

 

「あ、中佐。」

 

ライガーゼロの近くまで来ると足元にオスカーが立っているのが見えた。

 

「シュン、気をつけて行ってこい。スチュアートのことは俺がしっかり診ておく。」

 

オスカーが言う通りスチュアートは依然として目を覚ましていなかった。

医療班と呼ばれる方達が治療をしてくれているが意識がいつ戻るかは定かではない。

 

「はい、お願いします。」

 

シュンは小さく一礼するとコックピットに乗るためのタラップに乗った。

そのまま上に上がると主人を待っていたライガーのコックピットへと飛び移った。

 

「では行ってきます。」

 

通信スピーカーを外部に切り替えると、シュンはライガーゼロを前に進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

オスカー達と通ってきた渓谷を抜けると案内役のケイトから通信が入る。

 

「このまま東に向かうぞ、ちっと遠回りだが砂漠の中を突っ切った方がディガルドのテリトリーを避けて通れるからな。」

 

ライガーゼロのメインモニターに地図を映し出すと確かに東の方角にはメレーナ砂漠のと名のついた砂漠が存在していた。

 

「あれ………?」

 

だが、シュンはそこで疑問を覚えた。

もちろん砂漠の名前なんかではない。

 

「なんでこの世界の地図がライガーに映し出されるんだ?」

 

データを取得した覚えはないし、GPSがこの世界に対応しているとは考えにくい。

 

タケルがやってくれたのかとも考えたのだがそれだったらきっとさっき教えてくれているはずだ。

 

1人でボソボソ呟き考えてると先ほどのケイトとは違う声が聞こえてくる。

 

『迷子になりそうなシュンのためにやっておいたのですよ。』

 

「え、おまえそんなことできるのか!?」

 

声の主は光の精霊である。

だけど一体何をしたというのだろうか。

 

『私を見くびらないで欲しいのですよ。ライガーにちょっとだけこの世界の知識を教えたのですよ。地図や方角、さらには地形の特徴まで。彼はシュンと違って物分かりがいいので助かったのですよ。』

 

別に見くびっていたわけではなかったがそんなことができるとは思わなかった。

 

「おいシュン、さっきから何ブツブツ喋ってんだ?」

 

思わず口に出していたことが予想外聞こえていたみたいでケイトは不思議そうに尋ねてきた。

 

「あ、いや、独り言だよ独り言。」

 

そう言いながらも足を進める。

 

「まあ、それならいいけどな。でもこれから砂漠だからよ。」

 

すると目の前には砂の海が広がっていた。

 

「おお。」

 

シュンは初めて見る砂の海に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足をゆっくりと踏み出す。

 

しかし忍び足で歩いている訳ではない。

 

ただ歩くだけだ。

 

「よいしょっと……。」

 

そう言ってまた一歩踏み出す。

 

しかし新しい一歩を踏み出すたびに足がくるぶしのあたりまで地面に沈みこむ。

 

「なかなかうまく進めないなぁ。」

 

初めて歩く砂漠、思いのほか歩きにくい。

 

「おい、シュン大丈夫か?」

 

横を並走するモルガが心配そうにこっちを見ている。

 

「ケイト悪いな、心配かけて。」

 

「いいって、気にすんなよ。」

 

高速ゾイドのライガーゼロがモルガと並走とは………。

 

こんなこと言ったらまたケイトが怒るだろうから言わないがなんとも情けない。

 

はぁ、とため息をついてモニターに映ってる計器類に目をやる。

 

「もうすぐで砂漠を一旦抜けれそうだね。」

 

「そうだな、シュンがもっと早く走れればこんな砂漠一瞬なんだけどな。」

 

ケイトはにししっと笑いながら皮肉げにシュンにそう言った。

 

「まあ、今回が横断じゃなくて助かったよ。横断だったら砂漠で野宿になるとこだったからな。」

 

砂漠で野宿というのも意外と楽しそうな感じがするな。とシュンは考えてしまう。

 

「とりあえずここを抜けたら少し急ぐぞ、日暮れまでにはリアン村に着きたいからな。」

 

ケイトはそう言うと並走させていたモルガのスピードを上げて先を行く。

シュンも置いていかれないようにその重たい脚をなんとか進める。

 

だがシュンが頑張って進んでることもつゆ知らずどんどん進んで行くモルガ。

追いついたのは砂漠の出口であった。

 

 

「やっと追いついたよ、それにしてもモルガは砂漠にもってこいのゾイドだよね。」

 

「おお、やっと来たか。まあな、この駆動システムならほとんどの悪路も走れるし、さらにはこのサンドイエローの塗装は砂漠での迷彩塗装の役割も果たしてるからな。」

 

「なるほどねぇ。」

 

アジトの周りはほぼ砂漠だからみんなのゾイドはサンドイエローで塗装されていたのだろう。

そう考えると納得である。

 

「さぁ、こっからはちょっと早足で行くぞ。日が暮れるまでにはリアン村の近くまで行きたい。」

 

「おっけ、じゃあ俺も全力で飛ばしてくよ。」

 

そう言って操縦桿を押し込む。

砂漠では思うように行かなかったが、平地ならなんてことない。

 

だけど全力で走ったライガーゼロにモルガでついてこれるだろうか?

 

「まあ、走ってみてから考えるか。」

 

先ほどと違い軽快な走りを見せるライガーゼロ。

どことなく気持ちよさそうに走っているようにシュンは感じた。

 

しばらくしないうちにそのスピードは最高速度まで到達する。

ケイトはどうしているかなと思い後方モニターを見る。

モルガの最高速度は時速200キロほど。背中のグラインドキャノンのことも考えるとマイナス10キロ20キロってところだろう。

ライガーゼロの最高速度は約時速300キロほど。

もちろん追いつくことなどできない。

 

しかし。

 

「あれ?」

 

後方モニターにはケイトのモルガキャノリーの姿は見えない。

 

「早すぎて置いて来ちゃったかな………えっ!?」

 

置いてきてしまったかと思い横を向いた時だった。

シュンは目線の先に映る光景に驚きを隠せなかった。

 

「嘘だろ、なんでモルガがライガーと並走できるんだ………。」

 

スピード計を見ても決してライガーゼロが遅いわけではない。

 

「なんだシュン、俺のモルガにびっくりしてんのか?」

 

通信モニターにケイトの顔が映る。

その表情はなんだか満足げだ。

 

「言っただろ、俺には実力と実績があるって。」

 

「いや、確かにそう言ったけどさ、それでもライガーに追いついてくるなんてありえないよ!」

 

「まあ、このモルガは特別製だからな。シュンはロクロウ社を知ってるか?」

 

「ロクロウ社………?それってあのガイロス帝国のゾイドを中心としたチューンナップパーツ専門店のこと?」

 

共和国にいた時、聞いたことがあった。

 

なんでも軍の規定外部品を使ったモルガに乗って高速輸送を行う部隊があり、大陸間戦争の終結とともにその隊長がノウハウを生かし先輩の小さなパーツ専門店を大きくしたとかなんとかで。

 

帝国にいたことはないが、合同作戦時に今では帝国では一番人気のあるチューンナップメーカーだときいた。

 

「そうだ、このモルガはロクロウ社の内部パーツでフルチューンしてあるんだ。ロケットブースターを使えば時速400キロまで出るとも言われてる。まあ、怖くて出したことないけどな。」

 

 

「マジかよ、倍の速度が出るってやばいな………。でもなんでこの世界にロクロウのチューンナップパーツが?」

 

素朴な疑問である。

 

ケイトは時代の旅人ではないと言っていた。

だが、幾千の時を超えてこの世界にロクロウ社のパーツが流通しているとは考えにくい。

 

「タケルさ、あいつは元ロクロウ社のパーツ設計担当だったんだ。シュンと同じように時空の渦に飲み込まれてこの世界にやってきたんだとよ。設計図がほぼ頭に入っているらしくてな、この世界にある素材やパーツで俺たちにロクロウのパーツを提供してくれてるのさ。」

 

確かにさっきタケルもそんなこと言ってた気がする。

それにしても設計図が頭に入っているなんて………。

 

『誰かさんとは大違いなのですよ。』

 

いつものようにバカにしてくるがここはあえての無視である。

いつもいつも相手にしてられない。

 

『あー、無視したのですよー。酷い男なのです。』

 

はいはい。そう空返事をしようとした時だった。

 

 

いきなり目の前の地面が吹き飛び砂が舞う。

 

「攻撃、ディガルドの奴らか!?」

 

目の前の土煙が晴れ、視界がクリアになる。すると前の岩場に鋼色に輝くゾイドがシュン達を睨んでいた。

 

「バイオラプターだ、シュン。」

 

「はぁ、せっかく迂回してきたのに結局戦うのかよ、全く。」

 

これではせっかく苦労して砂漠を越えてきた意味がない。

思わずため息が、でてしまう。

 

「でも幸い偵察部隊だ。俺たち2人で倒せない数じゃない。」

 

ケイトの言う通り敵の数は三体だ。

これなら2人で倒せない数じゃない。

 

「シュンは左のまとまった2体を頼む。」

 

「わかった。行くよ、光の精霊!」

 

『全く、さっきまで無視してたのに………。まあ、こうなった以上仕方ないのですよ。敵は2体ですがバイオゾイドなのです、油断はして欲しくないのですよ。』

 

光ののその言葉を聞いてシュンはスロットルを引きしぼる。

ダウンフォーススタビライザーが展開し、イオンブースターが火を噴く。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

バイオラプターの首筋に爪が食い込むと一瞬にしてその首は宙を舞う。

 

走った勢いを殺して反転するとライガーゼロは本能のままに雄叫びをあげる。

 

「すっげぇ、これがメタルziの力………。」

 

ストライクレーザークローの時の切れ味も鋭かったが、比べ物にならない切れ味だった。

 

『何感動してるのですか。これでもコーティングなのですよ。』

 

光の精霊の言う通りだった。

コーティングでもこの威力なのだ、武器全てがメタルziでできていたらどんな威力なのだろうか。

というかそんな武器を持つゾイドがこの世界にいるのだろうか。

もしいるのであれば一度でいいから会ってみたいものだ。

 

『シュン!何ぼさっとしているのですか!!』

 

そんなことをぼさっと考えていると光の精霊から檄が飛ぶ。

はっと気がつくと眼前に火球が迫っていた。

 

「やっべっ!!」

 

慌てて横っ飛びでかわす。

 

ライガーゼロの運動神経が良くて命拾いした。

 

『ここは戦場なのですよ!言ったではないですか、油断するなと!』

 

光の精霊は強い口調でシュンにそう言う。

 

「ご、ごめん。」

 

『次の攻撃が来るのですよ、謝ってる暇なんてないのですよ!』

 

真横に火球が着弾する。

 

「くそ!そんなことわかってるよ!!!」

 

スロットルを目一杯引いて加速させる。

それを迎撃するかのように向かって走ってきたバイオラプターに今度は飛びかかる。

 

バイオラプターは防御のために爪を振り上げるが、メタルziの攻撃を防げるわけではなくあってなく崩れ落ちる。

 

「はぁはぁ。」

 

気がつくと息が上がっていた。

たった2体だと言うのに恐ろしく疲れていた。

 

「そうだ、ケイトは?」

 

モルガで戦う姿を確認しようとあたりを見回すとそこには白い亡骸のあたりに鎮座する仲間の姿を確認できた。

 

「さすがはライガーゼロだな。その運動性能には惚れ惚れするよ。」

 

近くまで歩み寄るとケイトは通信越しにそう言ってきた。

 

「ケイト、これどうやって倒したの?」

 

よく見るとバイオラプターの亡骸は上半身部分が粉々に砕け散っていた。

 

「ん?まぁ、いつもの感じだよ。説明するのは億劫だから実戦で見てくれ。」

 

彼は苦笑いしながら頬をポリポリとかく。

 

一体どんな倒し方なのだろうか。

 

「とにかくここにいるとディガルドの奴らが来る可能性がある。先を急ごう。」

 

ケイトが走らせたモルガに続くようにゆっくりとライガーゼロを歩かせ始めた。

 

 

 

 

しばらく歩き小さな丘を越えると見渡すかぎりの大きな海が広がっていた。

 

「海だぁ…………。」

 

その光景を目にして思わず呟いてしまう。

 

島国出身であるシュンは懐かしいその景色に故郷を重ねていた。

 

『全くいい歳して子供みたいに………。』

 

光の精霊にそうつっこまれ恥ずかしそうにするシュンであったが

 

「うっひょぉぉぉぉぉ!海だぁぁぁ!」

 

もっとはしゃいでる子供みたいな人がいたのでホッと胸をなでおろす。

 

『………………………………………………。』

 

これには光の精霊も何も言えないみたいだ。

 

これにはシュンも苦笑いである。

 

「リアン村まであと少しだ、あそこに見えるだろ?」

 

ケイトにそう言われてモニターを確認すると海岸線の先に家のようなものがちらほらと見えていて、さらにはアジトにもあった天空の心臓も見える。

 

「早く村まで行って海で休憩しようぜ。」

 

「そうだね。」

 

少しも歩かないうちに村の入り口へと到着した。

 

「ねえ、ケイト、急にきちゃったけど大丈夫なの?」

 

「ん?ああ。この村には俺の知っている人間がいるから大丈夫だよ。ほら、お出迎えだ。」

 

そうケイトに促されて正面を見ると前方の空から何かが向かってくるのが見えた。

 

徐々に近づくその機影はシュンにとっても馴染み深いものだった。

 

「あれは………プテラス………?」

 

プテラスとはヘリック共和国が運用している

プテラノドン型戦闘機ゾイドである。マグネッサーシステムによるVTOL機能を持っている為、長大な滑走路を必要とせず、いかなる場所でも離着陸と長時間のホバーリングが可能である。後継機のレイノスが登場するまで長い間、共和国軍の主力戦闘機を務めた。

 

 

ケイトのモルガと同じようにサンドイエローで塗装されたプテラスはシュン達の目の前でスピードを落とすと静かに地面に着地する。

 

よく見ると脚部にはボマーユニットのウエポンベイ・ミサイル拡張ユニットが装備されており、背部には大型のレドームが付いている。

さしずめ爆撃機に改造されたプテラスといったとこだろう。

 

キャノピーが開くと縄ばしごが宙を舞い、やがて地面に到達しピシッと音を立てた。

 

「あらケイト、遅かったじゃない?」

 

コックピットからひょこっと顔をのぞかせたのは女性だった。

 

「すまねぇな、レイ姐。途中でディガルドとドンパチやっちまってな。」

 

 

いつの間にか外に出ていたケイトは縄ばしごを降りてくる彼女に向かってそう言う。

 

「あら、そうだったの?それは災難だったわね。それにしても珍しいお供を連れてるじゃない。この世界でライガーゼロなんて代物中々お目にかかれないのに。」

 

「これがオスカーの言ってたお客さんだよ。おーい、シュン!早く降りてこいよー!」

 

ケイトは子供っぽく手を振ってシュンを呼んだ。

シュンはライガーゼロを屈ませてキャノピーを開ける。

軽やかに飛び降りるとケイトとその女性の前に立った。

 

「初めまして、俺シュン・タキハラと言います。」

 

シュンはいつものごとく手をさしのばす。

 

第一印象はすごく背が高いと感じた。

並んでいるケイトが小さいからかもしれないが、自分よりも大きいのではないかと錯覚してしまう。

肌はとても白く、この砂漠では不思議なぐらいだった。

煌びやかなその緑色の髪は赤いリボンで結わいていた。

 

「シュン初めまして、私はレイ・エルファリア。解放戦団の諜報員を担当しているわ。」

 

レイはシュンの差し出した手をゆっくりとでも力強く握った。

 

「よろしくね、時代の旅人さん。」

 

レイはニコッとしながらいたずらっぽくウインクをする。

その仕草に思わずドキッとしてしまった。

 

「オスカーから話は聞いているわ。付いておいで。」

 

そう言われてシュンとケイトはリアン村の中へと入って行った。

 

 

 






ケイトとともにアジトを出発したシュンはバイオゾイドとの戦闘を行いながらも目的地のリアン村にたどり着いた。

リアン村で目的のミズハと会うことができたシュンだったが、先日戦闘したバイオゾイドの追っ手が迫っていた!!

リアン村での被害を最小限に抑えるためにはシュンはケイトとともに迎撃にでる。

そこでシュンはケイトの戦い方に度肝を抜かれるのであった……。


次回 ZOIDS EarTravelers

第5話 『リアン村の看板娘』


その重みを君は誰よりも知っている。
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