~読者達のあいんくらっどコメディオン~   作:秋宮 のん

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今回はヴィオを主役にした学園モノにしてみました。


その30~33

 その30 ヴィオの愛倉学園 ~遅刻寸前の曲がり角~

 

「きゃうぅ~~~~!? 遅刻遅刻~~~っ!?」

 私はヴィオ。今日から愛倉学園の生徒になる転入生です。

 でも、転入初日にどうやら遅刻してしまったらしいです!

 おかしいなぁ? 起きた時はかなり余裕があると思ってたのにぃ~~!?

「でも、こうしてパンを咥えて全力疾走とか、前時代的な事をやってると、曲がり角とかで素敵な出会いなんて起きたり―――」

 

 ドガンッ!

 

 ぶつかりました。

「きゃあああぁぁぁぁ~~~~~っ!? 女の子が車に轢かれたぁ~~~っ!?」

 私の運命のお相手は轢き逃げ交通事故でした。

 

 くるっ、………スタッ。

 

 世の中、上手い事いかないよね~~………。

「轢かれた女の子が、空中で体勢を立て直して見事に着地したぞ~~~っ!?」

「すげぇっ! 無傷だっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その31 ヴィオの愛倉学園 ~まだ慌てる様な時間じゃない~

 

「ん?」

 着地した時、後ろに気配を感じ、振り返ってみると、赤い顔をした男の子が、気まずそうにこっちを見てました。

 わっ! 絶対着地する時、スカートの中見られた!?

 慌ててスカートを抑えて振り返ると、男の子は優しそうに笑います。

「女の子がそんな格好ではしゃぐのはいけないと思いますよ?」

「あ、あわわぁ………!」

「大丈夫です。俺も見えなかったから、セーフです」

 そう、優しく笑ってくれるイケメンさん。私がホッとしようとしたんだけど―――、

「おっ? マサ! 乳のデカイ白パン娘と何話してんだよ~~?」

「きゃああぁぁぁ~~~~!?」

「………、ナッツ………」

「よし、白パン娘、俺の挟め」

「なんですかこのストレートすぎる変態さんは~~~~~っ!!」

「ごめん………、俺の友達。大丈夫。有害な奴だけど、何かしようとしたら俺が君を守るから」

 そう言いながらマサさんがナッツさんをしっかり捕まえます。ナッツさん、なんかされるがままなんですが、本当に仲が良いみたい?

「って、遅刻寸前でした!? 急がないと先生に怒られちゃいます!」

「は? いやまだ全然余裕だろ?」

「何言ってるんですかそんな事………っ! ………。あ~~~~~っ!? 私の腕時計止まってました~~~~っ!?」

「「なんで携帯持ってないんだよ………」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その32 ヴィオの愛倉学園 ~ジャンル~

 

 慌てる必要がないと知って落ち着いた私は、転入生である事を伝え、お二人と一緒に登校です。

 それにしてもマサさん、とっても優しくて、まるでナイトの様にさり気無く私の事を守ってくれるイケメンさんで、ナッツさんは無神経だけどとっても親切で博識で、ワイルド系のイケメンさんです。

 こんな二人に転入早々挟まれてしまっている私は、注目の的になっています。恥ずかしい………。

「おはようございます。おや? そちらの方は誰ですか?」

 三人で歩いていたら、今度はメガネを掛けた、Sっ気のありそうな笑みを浮かべたイケメンさん、ゼロさんが―――!

「おいっ、お前等集まって邪魔だ………」

 クールな事を言っておいて、さり気無く私を横切る車から庇ってくれたロアさんと、次々とイケメンさんが集合していきます!? わ、私、こんなイケメンさんに囲まれ………っ! この先の学園生活! 乙女ゲーの主人公ルートだったんでしょうかっ!?

「ところでヴィオさん? アナタの制服赤いですけど………? 愛倉学園が、普通科の≪K.K.O(ケイリュケイオン)≫とエリート科の女学院≪K.O.B(血盟騎士団)≫の二つに分かれてるのは知ってますか?」

「えっ!? あれぇっ!?」

 私、≪K.O.B≫の生徒でした。

 女子しか、いません………。

 乙女ゲーの、主人公………?

 は、恥ずかしいぃ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その33 ヴィオの愛倉学園 ~真ヒロイン~

 

 分かれ道でイケメン四人とお別れです。

 なんで私はあんなところでイケメンさんに出会ってしまったのか?

 おかげで恥ずかしい目に遭いました。

 はっ!? もしかしてこれが最初の出会いで、再び出会い、乙女ゲーの運命にいざなわれると言う事でしょうか!?

 などと考え振り返ってみると………。

 

「おっはよう~~~! 四人とも今日も屯ってるね~~!」

「「「「フウリン」」」さん」

 突然現れたフウリンと呼ばれた天真爛漫少女に、マサさんもナッツくんもゼロさんもロアさんも、女の子にしか解らない微妙な変化で、皆嬉しそうな笑顔になりました。

「おはようフウリン。今日も元気いっぱいだね?」

「もっちろんだよ! マサん! 私はいつも元気なのです!」

「はっ! その癖落ち着きの無い奴だからな? またどっかで転んで怪我でもしてたんじゃねえだろうな?」

「ナッツん酷い! 私はそんなにドジっ子属性は無いので―――あ痛ッ!?」

「さすがフウリンさん。言われた傍から校門の柱にぶつかるなんてめったにできません。そこが可愛らしいのですけどね?」

「不本意な褒められ方なんですけど? ゼロ~~!」

「またこけるぞ」

「わわっ!? ………子供じゃないんだから手なんか繋がなくても平気だよ? ロア?」

 

「「「 (おのれロア、上手くやりやがったな………!) 」」」

 

「………ふっ(ニヤリ」

「?」

 

 ………。

 うん、解った。乙女ゲーの主人公は彼女だ………。

 




学園の敷地内に入る前からこんな状況のヴィオです。
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