宝具:
その空間から指定した人物を弾き出す(キック)。弾き出された者は何も無い、無の異空間をソロで彷徨い続けることになる。
もし来たら反英雄ですかね?やった事的に
あの後、アイルーが二足歩行だけでなく喋ってることに遅れて驚いたマスターたち。
沖田やマシュがビビったのを見て「あぁっ!そういえば!?」って感じに驚くあたり、マスターも順調に染まっていると見える。
本人は否定してたが最早手遅れの段階だろう。
『さて、約1名心に深い傷を負ってしまったようだがこれは世界を救う旅である人理修復。
心を暖めるのでは無く、心を強靭にするハートフルボッコストーリーなのでこの程度なら我らがマスターはすぐに立ち直るだろ』
「よく分かりませんが容赦ないですね」
『なぁにお前も直ぐに分かるさ。
俺はアイクが来たことで剥ぎ取りなんかは任せられるから、これからはなるべく剥ぎ取るのを抑えるようにしよう。』
「あっ、そこは絶対じゃないんですね。」
『仕方ないじゃないかマシュ・・・。
自分の「爪」がのびるのを止められる人間がいるだろうか?いや、いない(反語)
誰も「爪」をのびるのを止める事ができないように、持って生まれた「性」というものは誰もおさえる事ができない。
どうしようもない・・・困ったものだ』
「なにやら危ないモノを感じる・・・」
あ、ホントに直ぐに立ち直ったなマスター。
あの殺人鬼の考えは理解できないが、ハンターにとって狩りと剥ぎ取りは食事と同レベルで必要なことだと思った。
それはさておき、農場だがなんか借りた部屋にアイルーたち入れてたらいつの間にか部屋が極小規模の固有結界になってた。
広さとしては学校の平均的な運動場くらいしかなかったが中には普通に水が流れてたり土があったり蜂箱が置かれてた。
あれ?ここ確か室内だったよな?
どっから水ひいてんだとか蜂どっから蜜とって来てんだとかツッコミどころは多いがもうそういう物だと納得するしかあるまい。
そしてエミヤは「ネコが・・・固有結界を展開・・・身体は、土で出来ている・・・」とかブツブツ呟きながら座り込んでた。
土で出来た身体とかエルキドゥかよ。
プライドだね、分かるとも!
勿論念願だった「魂のNDK反復横跳び」をしてやった。
双剣振り回すくらい元気が出たようで何よりです。
それから俺自身にも変化があったらしい。
変化と言っても新しく俺について見れるデータが増えただけで俺としては今更だが。
クラススキル、その名は「アタリハンテイ力学B」。
アタリハンテイ力学。
モンハン世界に限らないがとにかく摩訶不思議な力。
明らかに当たって無いのにダメージを受けたり、逆に明らかに尻尾を武器が通り過ぎたのに尻尾は切れてなかったり、死んだモンスターの体をすり抜けられたり、光や音を盾で防げて尚且つ(恐らく)物理的な反動を受けたりetc…
等々、とにかく不思議な現象を説明するのに便利なゲフンケフン、必要なものである。
効果は勿論ハンター世界の法則にこの身を当て嵌めるスキルである。
だが流石に全てでは無いため、ランクは大幅に下がってBランクとなった。
そりゃそうだ。大剣がカルデアの壁に振り下ろしてもすり抜けるとかなったら俺も困るわ。
スキルについて質問してきたダヴィンチちゃんには具体的な例として、恐らくアタリハンテイ力学の一種だと思われる「どんなに高いところから落ちても絶対に無傷」というのを説明したが流石に信じてもらえなかった。
確かに普通の英霊でもそれくらい出来そうだがハンターのは次元が違うのだ。
たとえばモンスターの攻撃で高く舞い上がって、頭から地面に落ちてもダメージはあくまでモンスターからの攻撃分のみ。首の骨折れてないのか?
しかも直ぐに走ったり武器振ったりしていて行動に影響もない。下手したら記憶喪失になっても可笑しくないレベルである。だが問題ない。何故ならハンターだから。
とにかく受け身も取らずに地面にぶつかってもハンターに落下ダメージは無いのだ。
他には沖田が農場に居たメラルーを切ろうとして逆にアイクに負けたということもあった。
なんでも生前の死に際には黒猫すらも切れなかったが逆に死んだ後なら切れるんじゃない?と考えて生前の思い残しを無くそうとしたらしい。
メラルーからしたらとんでもなく迷惑な話だが。
それを見た偶然近くにいたアイクがドトン・ジツで地面にもぐり、背後から爆弾を投げつけた。それを斬った沖田だが爆発の煙を吸ってむせ、そのまま吐血して倒れたらしい。情けない・・・
だが流石レベルMAXのオトモ。的確に相手の背後をとって攻撃するとはな。この動きを俺たちハンターでは無くモンスターにやって欲しいものだ。
モンスターに張り付いて攻撃してる時に後ろから爆弾を投げてくるのはほんとにやめて欲しい。それもスタンとった時に限って。
沖田さんは自業自得なのでマスターに怒られてた。
うちのサーヴァントマスターに怒られ過ぎじゃね?
とまぁ平和に過ごしてたがやはり特異点が発見されれば行かなければならないわけで。
「という訳で今回の特異点は一世紀頃のローマだ。申し訳ないが聖杯の在処や特異点の状況も分からない。何分、観測が上手くいかなくてね」
『いざとなれば俺がフォローしてやるから安心しなロマニ!』
「僕達は君のフォローが一番不安なんだけどね・・・というか君の背負ってる物はなんだい?槌?楽器?」
『ん、これか?これは狩猟笛と言ってな、まぁ音で仲間や自分のサポートをしながら戦う武器種だ。
今回は敵も殆ど人間だからな、俺はサポートに回ろうと思ったんだよ。詳しくは向こうで実際に見せよう』
「むむっ!これは早速沖田さん大活躍の予感です!マスター!戦闘は私にお任せ下さコフッ!?」
「あぁ、沖田はタオルを持ち歩いとかないと・・・ほら顔だして、拭いてあげるから」
「なんとも頼りない前衛だな・・・」
『お?お?それならエミヤさん弓捨てちゃいますか?真のアーチャーらしく剣振って前衛デビューですか?』
「そいつはおめでたいな。お前の頭がだが」
「全く話が進んでいません・・・ドクター、早く話の続きをお願いします」
そうだったそうだった、俺たちこれから世界救う冒険に出るんだった。こんな所で荒ぶる鷹のポーズしてる場合じゃねぇな。
「あぁ、すまない。ではレイシフトを開始しようか。今回も前回同様、まずは拠点を設置してくれ。
それからフランスの時のようにサーヴァントが召喚されているかもしれないからなるべく仲間にしてね。もちろん友好的なサーヴァントが良いけど。
それじゃあ、今回もあまり無理はしないようにね!行ってらっしゃい!」
よし、礼装のおかげでもう一つの装備と途中で変えることもできるし、基本サポートに回るつもりだからフランスよりは楽に行けるか?
しかし魔神柱からは何が剥ぎ取れるのだろうか・・・マスター時代なら再臨素材だったがハンターである今はモンスターとしての素材が欲しくなっている。
レフは犠牲になるのだ・・・剥ぎ取りの犠牲にな。
テスト期間だからか、モンスターが居ない特異点だからか文にハリが無いと言うか、モチベーションが足りないですね・・・。
あぁ、第七特異点が俺たちを待ってる。