ある日の放課後、一夏はいつも通りに寮に帰ろうと立ち上がったところ金髪の女性が教室に入ってきた。
「貴方が噂の男子操縦者ですか?」
一夏はそう声を掛けられ目を向けると金髪の女性がいた。
「そうだが、何か用か?」
「いえ、どんな人物かと思って見に来たのですがあまりパッとしない人ですわね。」
金髪の女性はニタニタと笑いながらそう言ってきた。一夏はこいつ女尊男卑に染まった屑野郎だとすぐに分かった。
「あっそ。それじゃあ俺はこれで。」
そう言って一夏は帰ろうと立ち上がったら金髪はそれを遮るように前に出てきた。
「まぁそうおっしゃらずに。実はあなたにあるお願いがあってきました。」
「なんだよ。」
「わたくしと勝負しなさい。」
金髪女性にそう言われた一夏ははぁ?と言った顔を向けた。周りも騒然としていた。
「もう一度言います。わたくしと勝負しなさい。」
「断る。なんでお前と勝負しないといけないんだ?」
そう一夏が聞くと女性は憤怒の顔で答えた。
「理由なんて貴方が男のくせして神聖なISに乗っているからに決まっています!だからここであなたを叩き潰すためです。」
そう言ってきたため一夏ははぁー。とため息を吐いた。
「何ですかそのため息は!これだから男は嫌なのですわ。」
「うるさいな。兎に角俺は帰る。」
そう言って一夏は出ていこうとすると
「逃げるというのですか!これだから極東のサルは嫌なのですわ。すぐに嫌なことがあると逃げる。本当に愚かですわね。」
そう奴が言うとクラスにいた日本人や親日の人はいい顔にならなかった。それに気づかずに女性は続けていた。
「わたくし自身こんな極東には来たくありませんでした。こんなことならEUにこの学園を建ててほしかったわ。」
一夏はそう喋っている奴を放置して帰ろうとしたところを女性は気づいてすぐにそれを制止させた。
「待ちなさい!まだ終わっていないですわよ!いいから言うことを「さっきからうるさいんだよ」なっ!」
一夏は我慢の限界が来て懐からP250を取り出して女性の額に突き付けた。
「さっきからギャーギャー喚きやがって。そんなに喚きたかったら動物園とかに行け。」
そう言いながら一夏はP250を懐に仕舞った。
「・・・決闘ですわ。」
「はぁ?」
「決闘ですわ!あなたみたいな男ここから追い出してやりますわ!」
足を震えさせながらそう言ってきてもあまり迫力がわかなかった一夏はそのまま無視して帰ろうとしたところ入口に千冬が立っていた。
「待て。」
「なんか用ですか?」
「奴の決闘を受けろ。」
一夏はイライラが限界だったため語尾が悪くなり始めた。
「ここはあんたのクラスじゃない。だからあんたの指示に従う必要もない。」
そう言って出て行くと廊下にはシルヴィアが立っていた。
「天ノ川君、本当に申し訳ないけどあれの決闘受けてくれない?」
一夏はめんどくさそうな目で抗議した。シルヴィアは苦笑いで理由を答えた。
「あれが極東のことをバカにしたせいでクラスにいた生徒全員があれにムカついているのよ。もちろん日本人だけじゃなくて親日派の人たちもよ。だから」
そう言ってシルヴィアは
「潰してきてほしいの、あれを。」
そう言われた一夏はそう言う理由ならと引き受けることにした。そしてシルヴィアにあることを聞いた。
「途中棄権は?」
「向こうは決闘を申し込んできたのよ。そんなものは無いわ。」
そう言うことなら。と一夏は不敵な笑みを浮かべながら決闘を受けることにした。決闘は3日後に行われることとなった。
~3日後~
一夏はこの3日間に女性のこととISの情報を掻き集めていた。女性の名前はセシリア・オルコットと言いISはブルーティアーズと言うBT兵器搭載型のISらしく、射撃は得意でも近接は不得意らしいこと掴んだ。
一夏は自分が乗るISの準備をしていた。するとピットにシルヴィアと学園長が入ってきた。
「あれ、学園長にシルヴィア先生。何か用ですか?」
「実はさっき織斑先生が君用のISを持ってきたって言ってISを押し付けようとしてきたのよ。」
一夏ははぁ?と言った顔で見ていると千冬がピットに入ってきた。
「天ノ川、日本の倉持技研にお前用のISを用意させた。これに乗って勝負しろ。」
そう言って渡されたガントレットを一夏はそのまま資材置き場にポイと投げ捨てた。
「なぁっ!なにをするんだ!」
「俺はすでに専用機を持っています。あんなもの要りません。」
そう言って一夏は準備ができた自分のISに乗り込んだ。
「おい、ま「織斑先生。」が、学園長。」
そこには眉間にしわを寄せて明らかに怒っている状態の学園長がいた。
「彼にはすでに専用機が渡されていてます。それと貴女は1組の担任でしょうが。さっさとここから立ち去りなさい!」
そう怒鳴られた千冬はすごすごと退室していった。
「あれが
「まったくです。それでそのISが天ノ川君のですか。」
「えぇこれがおれのIS”A-10ThunderboltⅡ”です。」
A-10ThunderboltⅡ、一夏が束に頼んで作ってもらった専用機である。武装は実弾兵装が多く、極めつけは両肩に装備されたGAU-8アヴェンジャーと呼ばれる7砲身のガトリング砲だ。
「さてそろそろ行ってきます。」
「えぇ、あの馬鹿に痛い目を見せてやってきなさい。」
そう言われ一夏はアリーナに飛び出した。
アリーナに出るとセシリアがすでに立っていた。
「ようやく出てきましたか。てっきり逃げたのかと。」
一夏は文句を言わずに武装を展開していた。一夏の中でやることはすでに決まっている。目の前で喚いている金髪ドリルを叩き潰す。ただそれだけだと。
『それでは試合開始!』
アラームが鳴るとセシリアは空中に飛び上がり、ライフルを一夏に向けて攻撃を開始した。
「這いつくばりなさい!」
一夏はこれまで集めた情報を照らし合わせながら回避していた。
(代表候補生だからもっと強いと思っていたが、・・・・
そう思っていると脳に声が聞こえた。
[それでマスター、あいつどうやって潰すの?]
[地面に叩き落してフルバーストで潰す。クラスの人だけじゃなく束さんのことも馬鹿にしたからなあいつ。ベアトリクス、射撃補正は任せたからな。]
[了解よ、マイマスター。]
話しかけてきたのはこのISのコアの人格だった。一夏は名前をどうするかと思っているとふとアニメの雑誌に目がいき、そこにあったキャラクターの名前からとったのだ。
数分経ち、未だに一撃も喰らっていない一夏とビームを撃ちまくってしまったためSEがほぼ枯渇してきたセシリア。
「な、なぜ当たりませんの!わたくしは今年の代表候補生のエリートですのよ!」
そう言いながら攻撃してくるがまったく当たらなかった。
(そろそろ終わらせるか。)
そう一夏は思い、ブースターを吹かして一気に、接近した。
「なっ!イ、インタ「遅い。」ぐっ!」
近接攻撃を止めようとセシリアはナイフを取り出して止めようとしたがその前に一夏のケリが当たり、セシリアはアリーナの壁に叩きつけられ、墜ちた。
「まだ本気も出していないんだ。もっと楽しませろよ。」
そう言って一夏は武装を対物ライフルに持ち替えた。セシリアは攻撃されまいと避けようとしたがその前に一夏の攻撃が当たった。ライフルは攻撃を受け破壊され、一夏はセシリアの両肩や足を撃ちぬいていった。そしてセシリアのSEが無くなりかけたところで
「そろそろ飽きたし、終わらせるか。」
そう一夏が呟くと同時に対物ライフルを仕舞い、マシンガンを取り出し両肩のガトリング砲をセシリアに照準を向けた。セシリアはこれ以上はまずいと思い
「わ、わたくしの『棄権は認められないわよ。』え?!」
驚愕だった。本来これ以上の攻撃を受けると危険と判断した教師は強制的に試合を止めさせるし、生徒もこれ以上は無理と判断して棄権した場合はその場で受諾するはずだ。だが管制室にいるシルヴィアから言われたのはそれの拒否だった。
「な、なぜですの!こ、これ以上攻撃を受けたらわ、わたくしは!」
『あなた、自分があの時何て言ったか覚えてるの?』
若干怒声を含ませながら聞かれ、セシリアはあの時のことを必死に思い出そうとした。そして
「決闘ですわ!」
そう言ったことを思い出した。だが意味が分からなかった。
『決闘と言うのはね、互いのプライドを賭けた戦い。つまり死ぬことだって構わない覚悟で戦うことなの。それなのに貴女、そんな覚悟を持たずに決闘を口にしたのよ。』
そう言われ、セシリアは自分が口にしたことに後悔した。そしてセシリアはとにかく攻撃されまいと必死に考えたが一夏は容赦なく攻撃を加えた。地面には大量の薬莢が落ちた。
管制室では真耶が必死に一夏を止めようとしていた。
「あ、天ノ川君それ以上はオルコットさんが死んでしまいます!止めてください!」
真耶は一夏を止めようと教員を送ろうとしたが
「え!なんで操作を受けつけないんですか?!」
そう、管制室にある機械はすでに何者かのハッキングによりマイク以外の操作を受け付けていなかったのだ。その為一夏の攻撃は止まらずセシリアが居たところに大量の土煙が立ち上っていた。
「ふむ、そろそろ止めますか。」
そう言ってシルヴィアはマイクを持った
「天ノ川君、そこまででいいわよ。」
そう言うと一夏は攻撃を止めた。そしてセシリアが居たところに舞っていた土煙が晴れるとそこにはボロボロになったセシリアが倒れていた。
一夏はそんなセシリアを放置してピットに戻った。
「いやはや凄まじいですね彼。」
「まったくです。これではクラス代表は任せられませんね。」
そう言って学園長とシルヴィアが出ていこうとすると
「学園長、天ノ川のISは危険すぎます。取り上げる許可を!」
そう切り出したのは千冬だった。だが学園長は
「取り上げる?彼が勝てたのはISの性能ではなく彼の実力だと思いますよ。兎に角彼からISを取り上げる許可は出しません。」
そう言って二人は出ていった。千冬は苛立ちから壁を思いっきり殴った。
(あいつは私の弟だ。絶対にそうだ。なら私の言うことを聞くのが当たり前なのに!)
そんな自分勝手な考えを持ち始めた千冬を監視カメラ越しで見ていた人がいた。
束side
あいついっくんのこと調べようとするな。ふん、そんなことさせないもんね。お前なんかにいっくんを渡さない。お前がいらないからと捨てたのなら私が貰う。たとえ返せと言われてももう返さないもんね。いっくんは私と鈴ちゃんの旦那様だもの。
「束お母様、これを見てください。」
「うん?何々。・・・・おぉーー!クーちゃん喜んで!もうすぐもう一人のお母さんがあそこに来るよ!」
「本当ですか!あぁ、早くお会いしたいです!」
「そうだね、早く会いたいよ、
束side end
一夏がピットに戻り廊下に出るとシルヴィアと学園長がいた。
「お疲れ様、天ノ川君。」
「凄い戦いでしたよ。」
「いえ、それほどでも。」
一夏は照れながら頭を掻いていた。すると向こうから箒が歩いてきた。
「一夏、なんだあの戦い方は!篠ノ之流はどうしたんだ!」
そう言われた一夏はまたこいつかとため息を吐いて寮に向かって帰っていった。
「ま、待て!」
そう言って箒は肩を掴もうとしたが一夏に腕を掴まれそのまま背負い投げをされ背中から落ちた。
「グぅ!な、なにを・・・っ?!」
箒の目の前には銃を構えている一夏が見えていた。
「二度と俺に近付くな。」
そう言って一夏は銃を仕舞い寮に帰っていった。
そのころ門の前にツインテールの女の子がやってきた。腰には紐付きのグルカナイフが二つあった。
「ここに、あの女が。」
そう言うと女の子はグルカナイフの柄をギュッと握りしめた。
「仇は取るからね一夏。」
次回予告
セシリアを倒した一夏。クラスに入るとみんなから感謝をたくさんされているとセシリアがやってきて謝罪をしてきた。だが一夏はそれを無視して追い返した。そして先生が入ってくると転入生のことを伝え、中にいれさせた。入ってきたのは一夏の大切な人で幼馴染だった。
次回
想い人との再会~会いたかったよ、一夏!~