歌の女神たちの天使 〜天使じゃなくてマネージャーだけど!?〜   作:YURYI*

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21.みはねのこたえ

 

 

 

 

 

好き、ね。

まさか、みんなに好きとか…言われるなんて思っていなかった。

ため息をつきながら横をみる。

隣で歩く絵里ちゃんは、スキップでもするんじゃないかってくらいにご機嫌だ。

 

「なんだかご機嫌ですね」

 

「ええ、みはねと一緒にいるだけで嬉しいもの」

 

嫌味をこめて言ったのに、満面の笑みでそんなこと言われてしまえばなにも言い返すことなんてできない。はぁ、なんでこんなにかわいいかな。

 

絢瀬絵里。

金色の髪に空のように真っ青な瞳。それに、ただ金髪なだけじゃなくてきちんと手入れもされていてさらっさら。誰もが見惚れてしまうほど整った顔立ちをしている。それだけでなく、スタイルもずば抜けていいのだ。

容姿が完璧なだけでなく、頭も良くて運動神経もいい。初めの頃は生徒会長という責任のせいか、きつい顔をしていることが多く冷たい印象だったが、μ'sに加入してから柔らかくなったその表情。もともと優しい人なのだが、ようやくそれに気づいた生徒たちが一生懸命話しかけているのを最近よく見かける。

 

と、まぁ。なにを言いたいのかというと、私と釣り合ってなさすぎる。

今こうして隣に立っていることさえもが驚きなのだ。

そして、それは絵里ちゃんにのみ言えることではない。

μ'sのメンバーはみんなレベルが高い。それぞれがそれぞれのいいところがある。

ほんわかしているところ、元気なところ、ツンデレなところ、表情が豊かなところなど、言い出したらきりがない。

 

それに対して、どこにでもいるようなそこまで明るくない赤系のブラウンの髪に真っ黒な瞳。どこからどう見ても凡人の私はμ'sのみんなとは不釣り合いだ。

 

なんて、そんなことを言ったらまた隣にいる生徒会長様に怒られてしまうんだろうけど。だって、事実なんだもん。

 

 

 

「あら、入らないの?」

 

考え事をしてたらいつの間にか部室についていたようだ。

 

「ごめん、入る入る」

 

ドアをゆっくりと開ける、が、いつもと違う雰囲気に少しだけ困惑する。普段ならわいわいと楽しそうに話しているのに、きょうはなぜだかお通夜状態。

あの三バカトリオですらも静かに座っている。

 

とりあえずこういう時は。

 

「希。これ何があったの?」

 

「え、ウチに聞くん?」

 

「ええ!なんでみはねちゃん希ちゃんのこと呼び捨てにしてるの!?」

 

質問に対しての答えは返ってこず、そのかわりに穂乃果が大きな声で質問をしてくる。

 

「べつに。深い意味はないよ?それに穂乃果のことも呼び捨てにしてるし」

 

「そ、そうだよね」

 

また沈黙。こういう空気はそこまで好きじゃない。

どうしよう、と困っているところに助け舟が来た。

 

「ねぇにこ。これからどうするの?」

 

絵里ちゃんは後から入って来てその場に立っていたが、自分の席に座りながらにこに問いかける。

 

「なにって。みはねに返事を聞くしかないでしょ?」

 

「返事?なんの?」

 

「はぁ…あんたほんとダメね。私たちはみはねのことが好き。付き合いたいって思っているんだけど…?」

 

つ、付き合う!?私が、誰かと…?

 

「な、なにそれ…」

 

「よーく考えなさいよ。あんたの返事一つで全てが決まるんだから」

 

そうだ…断るってことは、相手を傷つけることになる。

でも、私は…私と付き合っても誰も幸せになれないと思う。

 

「私は…でも」

 

「ねぇ、みいちゃんは私たちのこと好きだよね?あの言葉は嘘じゃないでしょ?」

 

ことりちゃんの言葉が胸に刺さって息がつまる。

 

「そ、うだよ。嘘なんかじゃない」

 

あの言葉は嘘ではない。そんなに軽い気持ちで好きだなんて、すくなくとも私は言わない。いや、言えない。

 

「だったら…!」

 

「まぁ、ことり。みはねの話も聞きましょう」

 

海未ちゃんは優しくことりちゃんを制すると、じっと私の目を見た。これは、私にちゃんと自分の気持ちを言えということだろうか。

そうだ。ちゃんと私もみんなに答えないと。

 

「私は、みんなのことが好きだよ。でも、全員のことが好きだから、全員と付き合う。そんな簡単なことじゃないでしょ?だからーーー」

 

 

付き合えない。その言葉がなかなか喉に突っかかって出てこない。

苦しい。こんなにも好きなのに、みんなのことが大切なのに、突き放そうとしている自分がいやだ。

 

「好き。μ'sが大好き。みんなが大好き…!この気持ち、どうしたらいいの…?みんなのことを考えると、胸が苦しくなる。こういう時は、どうすればいい?」

 

少しだけ弱い自分。こんなのダメだってわかってるのに、きっぱりと断ることができない。きっと、私の中に断るなんて気持ちが少しもない。

 

「みはね」

 

絵里ちゃんはいつの間にか私の前に来ていて、そっと頰に手を差し出して来た。ひやり、と少しだけ冷たい手が触れる。

 

「みはね。私たちはそれを覚悟で気持ちを伝えたの。だから、そういう道もあると思うのよ」

 

「そうだよ!みんなおんなじ気持ちだよ。だから、べつにそんなに気にしなくてもいいんじゃないかなぁ?」

 

「うん。みいちゃんがちゃんと平等にしてくれれば問題ないよね」

 

絵里ちゃん。穂乃果、ことりちゃん。

そんなんで大丈夫なのだろうか。私に、みんなを幸せにすることはできるのだろうか。

 

震える手を前に出せば、いつの間にか私を囲んでいたみんなに手を掴まれる。

大丈夫。言葉にしなくてもその想いが伝わってくるから不思議だ。

 

「みんなのこと、幸せにしたい。みんなと、笑っていたい…!」

 

この気持ちは本物だ。だから、

 

「それでも、いいかな?」

 

 

ぴったりと重なる答えに自然と笑顔になる。

さっきまで静まり返っていた部室は今までで一番騒がしいかもしれない。

笑い声や謎の叫び声、これでもかってくらいに輝いている。

 

 

そんな中、さらに朗報が。

μ'sのランキングが19位になっていたのだ。

ラブライブの出場権は20位以内のチームのみ。このままいくと私たちはラブライブに出場することができる。

 

「やったぁ!このままいけば、ラブライブだよね!」

 

リーダーの穂乃果を始め、メンバー全員が喜ぶ。

まぁ、このままいけばの話だが。

 

「よし、文化祭でも盛り上げてこのままラブライブに出場するぞー!」

 

『おー!』

 

 

みんなの気持ちが一つになって、やる気が高まる。

 

そんな私たちに、小さな亀裂が入っていることなんてまだ誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




急いで書いたので誤字脱字があるかもしれないです。

昨日まで風邪をひいて死んでました。
最近寒波が日本を攻めまくっているので、皆さまお身体にはどうかお気をつけください!
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