歌の女神たちの天使 〜天使じゃなくてマネージャーだけど!?〜   作:YURYI*

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38.誰のもの

 

 

 

 

 

 

ふぅ…海未ちゃん家にやっとついた。

まさか途中で中学生たちに捕まるなんて…

しかも、サインくださいとか写真一緒にとってくださいとか私アイドルちゃうし。

 

てか、ほんといつかのパンフレットのせいでこんなに大変な目にあうなんて。もう、理事長のばか。しかも、私なんかのサインもらってどうするの?写真とって何になるの?

っと、そんなことより絵里はちゃんと高坂先輩とお話しできてるかな?心配だ。

 

さっきからこんなことを考えながら海未ちゃんの家の前を行ったり来たり。

最終的にはインターホンの前で立ち止まってウンウン唸っている。

 

って、このまま家の前で固まってたら不審者に思われちゃうな。

周りに誰もいないことを確認してからインターホンに手を伸ばす。

 

海未ちゃんちに入るのは2回目。

ほんとに大きな家だ。たしか、有名な日舞の家元だったっけ?

和風…というか、もうまさに和だよね。

この表札の園田って見るだけでもう雰囲気がすごい。

 

「みはね。さ、中へどうぞ」

 

「お邪魔しま〜す」

 

「あ、お茶を用意するので先に部屋に入っててください」

 

「わかった」

 

あー、心臓がいろんな意味でばくばくしてる。

この家にいる時点で緊張がすごいけど…

なんで。制服だって思うじゃん。なんで私服なの?かわいすぎでしょ!?

そんなことを考えながらも海未ちゃんの部屋についてしまった。

深呼吸をしてから入る。

…海未ちゃんの匂いがする。って、私のばかぁ。何考えてるの。

 

「みはね…あの、何してるんですか?」

 

「何もしてない!海未ちゃんがかわいいのが悪い!」

 

「って、何で私が怒られるんですか!?それに…かわいくないです…」

 

顔を真っ赤にして抗議してくる。

そーゆーところがかわいいってこと、何でわかんないかなぁ?

 

「まぁ、うん。その…お話って?」

 

「はい。ことりのこと…なんですけど」

 

「うん」

 

「この前、行かないでって言ったんですけどダメでした…それにもう…」

 

「海未ちゃんは優しいね。私は何も言えなかったのに。まぁ、まだどうなるかはわからないし、ね?」

 

「はい…」

 

「私は海未ちゃんの味方だからね」

 

「ありがとう、ございます」

 

「ううん。好きな子の味方なのは当たり前でしょ?」

 

「…っ!?」

 

「ほら、おいで?」

 

この前は同じことやって恥ずかしい思いしたけど、今度こそ…!

海未ちゃんは戸惑いながらも私の腕の中に来てくれた。

か、かわいい。めっちゃ嬉しい。

 

海未ちゃんの頭に手を伸ばそうとしたところ、携帯の通知が来たことを知らせるバイブの音がなる。

 

って、タイミング悪っ!

自分のだったらほっとくけど…海未ちゃんの携帯だ。大事な用だったら大変だし。

 

「はぁ…海未ちゃん、携帯なってるよ?」

 

「…はい」

 

すんごい残念そうな顔してるってことは、海未ちゃんも嬉しかったってことでいいのかな。

なんて都合のいい解釈をしてしまうのは、やっぱり浮かれているせいだろうか。

 

「みはね…」

 

「ん?なぁに?」

 

「あの…穂乃果が明日話したいことがあるから講堂に来てって」

 

明日…話しがある…?

 

「そうなんだ!行ってきな?」

 

「はい…!」

 

よし、笑顔になった!よかった、よかった。

 

「その…」

 

「ん?」

 

「今日、家に誰もいないんです。だから…泊まっていってくれませんか?」

 

…はい?

え、海未ちゃん家に泊まっていいの?

え、え、え?ちょ、え?

しかも、ふたりきり?なにそれ。

 

「い、いいの?」

 

「泊まっていってくれたほうが嬉しいです」

 

てか、毎回誰かの家に行くとこうならない?

べつに嬉しいからいいんだけど、私浮気者みたいじゃん?って一人に決められてない時点でダメ人間だ…

でも、みんな同意の上で付き合ってるんだから…私にできることは全員をちゃんと幸せにすること!よし、大丈夫。うん。

 

「ご飯でも食べますか?それともお風呂にしますか?」

 

そんなよく聞くフレーズを聞いて少しだけ調子に乗る。

 

「じゃあ、海未ちゃんで。なーんてね」

 

破廉恥です!とか言ってひっぱたかれたりして。ま、そんなことはしないと思うけど。

 

「…いいですよ。私もみはねがいいです」

 

ほらね?って、ん…?いいって言った?

 

「え、ちょ、ん?」

 

「みはねと…キスしたい、です」

 

「ちょ、ちょっとま…んっんんぅ」

 

目の前は大好きなかわいいかわいい海未ちゃんの顔。

唇には前にも触れたことのある柔らかい感触。

キス…されてる?

 

「みはねからはしてくれないんですか?」

 

少し熱っぽい潤んだ瞳で言われてしまえば、私の余裕なんてすぐになくなる。

 

「い、いいの?」

 

「当たり前じゃないですかっ」

 

聞き直したのがいけなかったのか、恥ずかしげに顔を染めてそらされた。

あ、え、そこで顔赤くなるのか。

 

「じゃあ目を閉じてくれるかな?」

 

素直に目を閉じてくれたその整った顔を、私の顔の真正面に来るように動かす。

ほおを紅潮させて目を閉じている愛しの彼女にそっと口づける。

 

「嬉しいです」

 

「よかった。海未ちゃんかわいい」

 

もう一度キスすると、海未ちゃんは少しだけ困った顔をした。

 

「その…みはねの一番って誰ですか?」

 

「私の一番…好きな人ってこと?」

 

「そうです」

 

唐突な質問に戸惑いと疑問を抱きつつ、真剣な海未ちゃんに答えねばという思いが生まれる。

 

うーん、一番好きな人。みんな同じくらい好きだけど、そんな答えじゃ許してくれないんだろうな。

 

「なんて言えばいいのかな。この前希にみんなの好きなところ聞かれたけど、それと同じようなものかなぁ」

 

「どういうことですか?」

 

説明できるかな?いや、自信はまったくないが、今頭に浮かんだことを素直に言葉にする。

 

「この前希に、みはねはえりちのこと大好きやからなぁって言われたんだ」

 

「確かにそんな気がしますね」

 

自分ではよくわからないんだけど、周りから見るとそう見えるのかな…

 

「うーん。それで、考えてみたんだけどね。みんなそれぞれ違うんだよね」

 

「はい?どういうことか聞いてもいいですか?」

 

私の言ったことに首をかしげる海未ちゃん。その反応が正しいよね。だって、自分でもよくわかっていないんだから。

 

「うん。まぁ、実はよく考えてもわからなかったんだけどね」

 

「そうなんですか?」

 

私は、本当に意味がわからないといった顔をしている海未ちゃんにうん、と一つ頷いてまた続きを話し始める。

 

「希に絵里のことが大好きだって言われた時、本当にそうだなって思ったんだ」

 

「そう…ですよね。私から見てもみはねにとって絵里は特別な人に見えます」

 

「んー…うん。確かに絵里は私にとって特別だよ。絵里のためならなんでもできるっていうか、絵里と一緒にいられるならなんでもできる、なんでもしたいって思う」

 

海未ちゃんは少し悲しそうな顔をしたが微笑んでくれた。

ここまでは希にも話したことだ。

 

「でも、かといって絵里だけが特別ってわけじゃないと思うんだよね。希と話してて、希にはずっと笑顔でいてほしいなって思ったんだ」

 

「笑顔でいてほしい、ですか」

 

「うん。これってさ、やっぱりちゃんと希に恋してる証拠だと思うんだよね」

 

「そうですね。私もみはねには笑っていてほしいなって思います」

 

そう言ってふわりと笑う彼女の姿に自分の鼓動が早くなっていくのがよくわかった。

 

「うれしいな」

 

「他の人のも気になります。花陽や凛、真姫のことはどうなんですか?」

 

「え、と。花陽はなんかこう守ってあげたい。凛は私の前では女の子でいてほしい。真姫ちゃん…もっといろんな表情、感情を見せてほしいかな。もちろん私の前だけでね?」

 

「ふふっみんな愛されてるんですね」

 

「もちろん!」

 

「じゃあ…ことりや穂乃果は?」

 

二年生のこの二人。出会ってからいろんなことがあったよね。

 

「ことりちゃん。ことりちゃんは…ずっとそばにいて欲しい…。高坂先輩は、私のことをもっと見てほしい。あはは…私、わがままかな」

 

もうどっちも無理かもしれない。

でも、やっぱり諦めきれなくて。諦めたくなくて。

海未ちゃんのほうを見るとなんとも複雑そうな顔をしていた。

 

「…私のことも教えてほしいです」

 

希は自分のことは聞いてこなかったけど、やっぱり海未ちゃんは聞いてくると思ってた。

そんな海未ちゃんを見て、私の中でとある感情がどんどん大きくなっていく。

 

「…め……たい」

 

「なんですか?」

 

「海未ちゃんのこと、独り占めしたい。私だけの海未ちゃんでいてほしい」

 

海未ちゃんはやっぱり顔を真っ赤にさせていて。

押しに弱くてすぐ赤くなっちゃうところも大好きで、愛おしくて。

 

「私も本当はそう思ってます」

 

「そうだよね。ごめん。でも、ふたりきりの時は海未ちゃんだけのもの」

 

その言葉だけで嬉しそうに笑ってくれる。

私はみんなから幸せをもらってばっかだ。

 

「みはね。私はみはねだけのものですよ。いつでも」

 

「そんなこと言われたら調子乗っちゃうよ」

 

「みはね。もっとこっちへ来てください。今だけでもみはねと…」

 

今だけじゃないよ。

それを伝えたくて海未ちゃんを押し倒し、そのまま強引に唇を奪う。

海未ちゃんはまだ理解できてないのか少しの間固まっていたが、しばらくすると理解できたのか徐々に顔が赤く染まっていった。

私にしか見せてくれない顔。

大好き。もう本当にどうしようもないほど好き。

 

「ね、もっといい?」

 

「はいっ…ぁ」

 

今度は優しく触れるだけのキスをしてから海未ちゃんの首元に顔を埋める。

首元で息を深く吸い込むと、海未ちゃんの香りがした。

なんかもう、理性とかなくなりそう。

ちゅっと軽くキスを落として様子をうかがう。何をどう思ったのか海未ちゃんは顔を斜め上にあげて白くてきれいな首筋をあらわにした。

 

いいのかな?

確認をすることもなく首筋にキスを落としていく。

海未ちゃんって普段髪おろしてるから、別に大丈夫なんじゃ…?

うーん。まぁ、大丈夫だって信じよう。

もう一度首筋…少し考慮して後ろのほうにキスをすると、今度は軽く歯を立てる。

くすぐったいのかぴくりと体を震わせる反応がかわいくて我慢できなくなってきた。

キスをしている場所をきつく吸う。

 

「…っ」

 

少し痛かったかな?名残惜しいけど顔を離す。

さっきのところを見てみると、白い肌にくっきりと残る赤。

やば、にやけが止まらなくなりそう。

 

「ごめん。つけちゃった」

 

「い、いえ!嬉しいです。そ…その!私のこと、海未って呼んでくれませんか?」

 

「え、えぇ!?呼び捨てでいいの?」

 

「はい…そのほうが恋人らしいかと…」

 

「そ、そっか。うん。わかったよ、海未。こ、これでいい?」

 

「はいっ!みはね」

 

その後は一緒にご飯を作って食べて。

…二人でお風呂に入って、一緒に寝ました。

うん。恋人同士なら普通のことだと思う。

 

夜に海未ちゃんが隣にいることに意識しすぎて寝れなくなったのはまた別の機会にでも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





春休みだー!!!
って言っても宿題やってバイトやって寝て終わりそう。笑

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