歌の女神たちの天使 〜天使じゃなくてマネージャーだけど!?〜   作:YURYI*

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47.二度目のラブライブーーー

 

 

 

 

 

 

 

「え?ラブライブの第二回大会?」

 

「はいっ!そうなんです!しかも、今回の大会は地区予選型で行われるので私たちにも大会に出れるチャンスがありますよ!」

 

またラブライブに挑戦できる。今度こそ…!

 

「でも、地区予選ってことはA-RISEとぶつかるんじゃ…」

 

「たしかに…でも、今度こそチャンスなのよ!」

 

にこ…そうだよね。誰とぶつかろうが関係ない。私たちは私たちの目指すところへ進むだけ!

それに、みんなの目がここ最近で一番輝いている。

 

 

「出なくてもいいんじゃないかな?」

 

えっ?

声のした方を向いてみると、穂乃果がいた。

 

「どういうことよ!?」

 

「だから、ラブライブには出なくてもいいんじゃないかなって…」

 

「えっと、理由は?」

 

絵里が優しく問いかける。

 

「私はみんなで歌って踊れればそれでいいかなって」

 

あぁ、そういうことか。前回のことも少なからず気にしているんだろう。

 

「ありえないんだけど!?」

 

その言葉を聞くなりにこが叫ぶ。

ちょ、にこ顔怖いから。落ち着いてください。ほんとに本気で。

でも、穂乃果を誰も攻めることなんてできなくて、各自もっとよく考えてみるということでこの場はお開きになった。

 

 

 

 

次の日の朝、私はいつもの通り教室で寝ていた。

なんだかひどく体が重いのはなぜだろうか。

 

時間はまだ5時半。こんな時間学校にいる人がいたとしたら、相当物好きだと思う。

 

「みはね!ちょっと話しがあるんだけど」

 

「に、にこ?」

 

「早く、ついてきて!」

 

突然のにこの登場に頭が全くついていけていない。なぜか腕を引っ張られ、半ば引きずられているんじゃないかって感じで廊下を突き進んでいく。

にこに無理やり連れてこられたのは屋上だった。

 

「どうしたの?」

 

「だから、話があって」

 

あきらかに震えてるじゃん。寒いなら教室でもよかったのに。

 

「なに?」

 

にこにブレザーをかけてあげながら話の本題を話すよう催促する。

 

「今日の放課後、穂乃果と勝負してくるわ」

 

「えー…っと?」

 

「私が勝ったらラブライブ!に出るっていう条件をつけて戦うの!」

 

あーなるほど。にこの本気は前回の時からわかっていたけど、朝早くに私に言いにきたってことは他のみんなには言わないつもりなのかな?

 

「そっか。場所は?」

 

「神田明神かしらね」

 

「ん。じゃあ今日の練習はなしだね。にこ…負けちゃダメだよ?」

 

「あったりまえでしょ!」

 

そのにこのかっこよすぎる笑みに見惚れてしまう。にこってたまにぶりっ子的なのするけど(それもかわいいけど)絶対このかっこいい姿をみんなに見せたら好きになっちゃうよね…

なんだか、今実際見ているわけでもないのに嫌だなって気持ちが大きくなって、私よりも小さいにこを両腕で包み込む。

 

「いきなりなによ」

 

「いやー。寒いなって」

 

「あっそう。にこにブレザー貸すからでしょ」

 

「風邪引いたら困るし。それにこうしてればあったかいしね」

 

なぜかにこは盛大なため息をつく。

 

「あんたもかなりたらしよね。みんなこんなやつに騙されちゃって」

 

「ははっ。好きな人にしかこんなことしないし言わないよ」

 

今この小さな彼女に私たちμ'sの未来が託されている。いや、最初の道が彼女なだけであって、もちろんみんなで未来を切り開くけどね。

 

「ばか。あんたにだけよ。こんな気持ちになるの」

 

「へぇ、どんな気持ち?」

 

意地悪してやろうと思って聞き返すが、にこの答えはとても私の考えを上回っていたようで…

 

「こんなにくっついていたいのも。もっと触れて欲しいって思うのも。なんだかいつも目で追って、無茶してると一番に助けてあげたいし。それに…」

 

近くにあった顔がだんだん近づいてきて気付いた時にはもう重なっていた。

 

「キスしたいのもみはねだけ」

 

「…っ!あんまかわいいことしないでよね」

 

今自分の顔がどうなっているのかがさむいせいで余計にわかる。

あつい。

 

「さ、そろそろ戻るわよ。あっつくなってきたし」

 

「にこのせいじゃん!」

 

「あーもーうっさい」

 

ふたりして言い合っているが下を見ると指が絡まってしっかりとつながっている。

こーゆー自然な関係をもっと深く築いていけたらいいな。

 

屋上でかなりの時間話していたのか校舎内には生徒がちらほら。

なんだか手を繋いで歩いているの、にこは嫌じゃないかな?

 

「ねぇ、手繋いでていいの?」

 

「は?繋ぎたくなかったらとっくに振り払ってるわよ」

 

え、振り払われてたかもしれないの?なにそれ悲しい。

 

「そか。あ、もう教室ついちゃったね」

 

「そうね。送ってくれてありがと」

 

目をそらしながらお礼を言われても…

そう思ってにこの顔をつかんでこっちを向かせる。

ぷっなんだかへんな顔。

 

「なによ」

 

笑っていたら睨まれてしまった。

 

「なんでもない。バイバイ」

 

ちゃんと目を見て言う。すると、にこの後ろの方になにやら見覚えのある顔が二つ。

 

「わしわしMAXやー!」

 

「ぎゃぁぁぁぁああ!」

 

「ふふっみはね、にこ。おはよう」

 

希とにこは仲良いなぁ。絵里なんか慣れてるのか、そんな二人を温かい目で見守っている。あ、また捕まっちゃってるよ。

横からくいっと制服の裾を引っ張られる。

 

「朝から随分とラブラブなのね?」

 

隣を見ると、そこにいるのは笑顔の絵里。

笑顔…待って、笑っているけど目が笑ってない…!気付いた時にはもう遅かった。

肩を思い切り押され壁に押し付けられる。

絵里の長くてすらっとした足は逃げられないようにか私の足の間、いわゆる股ドン?をしている。あごを持たれ上にあげられると背の高い彼女と目があった。

 

「え、り…?」

 

その言葉にはなにも答えてくれず、顔がどんどん近づいてくる。

キスされる…と思ったが、絵里の顔は私の耳元に持って行かれた。

 

「期待した?…今したらお仕置きにならないじゃない。だからしてあげない」

 

なんともSっ気の強い発言だったような気がしたが、いつもより低く甘い声で囁かれたせいか顔に熱が帯びてくる。

 

「ほら、ちゃんとお願いできたらしてあげるわよ?」

 

なんだか絵里に耳元でなにか囁かれるたびに頭の中がぐつぐつと沸騰するような感覚に陥ってぼーっとしてしまう。

その熱をなんとか逃したくて、どうしようもできなくて顔を絵里がいる方とは逆に向ける。うるさい心臓を落つけようとするたびに存在を示すかのようにばくばくと高鳴っていく。思わず熱い吐息が漏れてしまい、ここが学校だということを思い出し余計に熱がこもる。

 

「絵里…いいか、げんに」

 

「求めているのはどっちかしら?」

 

確かにこのままいくと、キスを懇願してしまいそうだ。でも、ここで、求めたら。

 

「だめ、だから。…っ」

 

どうしようもできなくて。本当にどうすればいいのかわからなくて。ただ、今絵里の思い通りの行動はしてはするもんかという気持ちがあって…じわりじわりと瞳に涙がたまっていく。

こんな意地悪しなくたっていいじゃんか。

我慢の限界がきて、絵里の体を力の限り押す。

突然のことにびっくりしたのか絵里は尻餅をついてしまった。

いつもならすぐに謝って手を差しだすくらいのことはできるはず。しかし、今の私の頭ではなにもすることがてきない。

 

「…っ」

 

どうしよう。どうすればいい?考えようとすればするほど頭の中がこんがらがってくる。

 

「みはね?どうしたん?」

 

希が私たちの異変に気づいたようだ。

 

「って絵里!何やってんのよ」

 

廊下に尻餅をついている絵里をにこが起き上がらせる。

その様子をぼんやり見ながら私は希に優しく抱きしめられることしかできない。

 

「大丈夫だからね」

 

そう言いながら優しく頭を撫でられ、背中を一定のリズムで叩かれる。希の胸に顔を埋めしばらくそうしていると、不意に顔をもち上げられた。

 

「落ちついた?」

 

「うん。希ありがとう」

 

また優しく頭を撫でると一つ優しいキスをくれた。

それだけでさっきまでの熱が嘘みたいに冷めていって、ぽかぽかと暖かい気持ちになる。

 

「で、えりち?いったいみはねになにしたん!」

 

希は絵里が何かしたと思っていて怒る。

 

「ちがっ絵里は悪くなくて…!」

 

絵里はにこに頭を叩かれて、見るからにしょぼくれていた。なんだかさっきまでの様子と違いすぎて笑いがこみ上げてくる。

 

「ごめんなさい。調子に乗りすぎたわ」

 

「あんた、壁ドン禁止ね。天然たらしが余計なことするんじゃないわよ!このポンコツ」

 

「ウチらのかわいいみはねをいじめちゃあかんよ?次いじめたら…わかってるよな?」

 

「はいぃ。ごめんなさぃ」

 

どんどんと小さくなっていく絵里。

 

「私は大丈夫だから、二人ともその辺にしてあげて」

 

希の腕から出て絵里の前まで行くと、さっきまで希が私にしてくれていたように綺麗な金髪を撫でる。

 

「ごめんなさいみはね。あなたのこと大好きなの…」

 

「わかってるよ。だから気にしないで」

 

きっといつもの絵里と違いすぎてびっくりしただけ。怖かったけど、その、かっこよかったとか思ってしまっている私もいるわけで…

本当に食べられちゃってもいいかもとか思ってたし。これから先はそうなる前に反撃しないと危険だな…

 

いや、その前に自分の体が自分の体じゃないみたいだ…うまく気持ち、感情が制御できない。今まではちゃんと隠すことができてたのに。

いや、気のせい…かな…?

 

 

あぁ、なんだか頭がいたい。

 

 

 

 

 

 

 




屋上にはいってもいい高校が羨ましい。


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