「はぁ、出向かぁ」
「毎朝満員電車に揺られるのはきついわね」
「まあ俺がいなくても、いつでも好きな時に泊まってくれていいんで、
それはある程度回避出来ると思います、マンションは会社の目の前なんで」
八幡は二人に、申し訳なさそうにそう言った。
「そんな顔しないで、私達も申し訳ないと思っているのだし」
「いっそ出向の間だけ、近くにマンションでも借りて、二人で一緒に住む?」
にこにこと笑顔でそう言った志乃に、茉莉は冷たくこう言い放った。
「嫌よ」
「ええええええええ、茉莉ちゃん冷たい!」
「だってあなた、家事とか出来ないでしょう?」
「う………」
「そんな罰ゲームみたいな同居はごめんこうむるわ」
そう言われた志乃は、とても情けなさそうな顔でぽつりと言った。
「うぅ……いつか強くてお金持ちで家事が出来る男の人を捕まえてやる……」
「そこまでの相手だと、釣り合うには女性にもそれなりの格が必要になると思うのだけれど、
あなたにそんなセールスポイントがあるの?」
「あ、あるわよ!毎晩この胸で癒してあげます!」
そう言いながら志乃は、その豊満な胸をドンと叩いた。
「………そうね、不本意だけれど、それが有効な事は認めるわ」
細身でスタイルはいいが、あくまでも一般的なサイズの範囲に収まっている茉莉は、
微妙に不満そうではあったが、その点は認めざるを得なかった。
「で、他には?」
「ほ、他?えっと………じゅ、銃の撃ち方を教えてあげるとか……」
「一般人が銃を撃つ機会なんて、どれだけあると思うの?」
「えっと……ほら、謎の研究室が、極秘に開発していたウィルスが漏れだして、
街がソンビで溢れてパニックに……」
志乃は先ほど八幡に言われたセリフが頭に残っていたのだろう、おずおずとそう言った。
「ねぇ志乃、あなた馬鹿なの?それとも本来頭に行くはずの栄養が、
全部この胸に行ってるとでも言いたいの?」
「ひ、ひどい……」
「ひどいのはあなたの頭よ、最低限もう少し検討の余地がある意見を言いなさい」
「うぅ……」
「相手に求める前に、まずは自分の事をなんとかしなさい、私に言えるのはそれだけよ」
「は、はひ……」
そんな二人の会話を聞いて、八幡は、
黒川さんおっかねえ、と内心恐れを抱いていたのだが、
幸い火の粉が八幡に飛び火する事もなく、
一行はそのまま八幡のマンションへとたどり着いた。
「………え、ここ?」
「あ、はい、そうですけど……」
「いかにも高そうね」
「凄ぉい!本当にここにお世話になっていいの?」
「もちろんです」
「うわ、うわぁ……同僚に自慢したいから、写真を撮ってもいい?」
「SNSとかに上げなければ別に構いませんよ」
「そんな事しないって、直接見せて自慢するの!中はどんな感じなんだろう、楽しみだなぁ」
そう言いながら志乃は、マンションの外観をパシャリと撮影した。
「それじゃあ案内するね、志乃さん、茉莉さん、行こう!」
明日奈はそう言いながら、マンションの中へと入っていき、そのあとに志乃が続いた。
その後を、どちらかというと大人な二人が並んでついていった。
「八幡君、志乃がはしゃいじゃってごめんなさいね」
「いえいえ、気にいってもらえたみたいで良かったですよ」
「もしあの子が部屋を汚したら、私が責任をもって頭を殴っておくわね」
「え?あ、えっと、お手柔らかに……」
そしてたどり着いた八幡の部屋は、明かりが灯っていた。
隣の優里奈の部屋の明かりは消えている為、
おそらく優里奈が何かしているのだろうと思われた。
「どうやら優里奈がいるみたいだな」
「かな?ちょっとチャイムを鳴らしてみよっか」
「あ、それじゃあ私が!」
志乃はそう言って、チャイムを鳴らした。
『はい、こちら比企谷です』
「あ……えっと……」
志乃は特に何も考えていなかったらしく、そう声を掛けられて、あたふたしだした。
『どちら様ですか?』
「えと……えと……し、幸せのツボを買いませんか?」
志乃は頭が混乱したのか、突然そんな事を口走った。
『え?』
その瞬間に、茉莉が志乃の頭に拳骨を落とした。
「ぎゃっ」
「あなたね……」
「まあまあ、子供のした事ですから」
「は、八幡君が茉莉ちゃんの影響を受けてる!?」
拳を握ってぷるぷる震える茉莉を、そう宥めながら、
八幡はインターホンに向かって言った。
「悪い優里奈、俺だ」
『あ、八幡さんでしたか、今開けますね』
そしてドアが開いた瞬間、茉莉から逃れようと、志乃が入り口に向かって突撃した。
「茉莉ちゃん、もう勘弁して!」
「あっ、ちょっと待ちなさい!」
「きゃっ」
「うぷっ」
そして志乃は、ドアの向こうにいた優里奈に突っ込んでしまい、
その胸に顔を埋める形となった。
「やん、は、八幡さん、だ、駄目です、まだ心の準備が……」
「何を言ってるんだ優里奈……」
「え?あれ?」
そして優里奈はきょとんとしながら下を向き、
優里奈の胸から逃れ、何とか顔を上げた志乃と目が合った。
「あ、えっと………初めまして」
「あ、これはご丁寧に……って、え、嘘、やだ、あなたもしかして……」
志乃は呆然とそう言うと、じっと優里奈の顔を見た。
「うっ……や、やばいかわいい……」
「え?」
そして志乃は、優里奈に向かってこう尋ねた。
「あ、あの、料理は得意ですか?」
「あ、はい、得意ですけど……」
「お掃除やお洗濯は……」
「そちらも得意な方だと思います」
「ち、ちなみにお勉強の方は……」
「この部屋には成績のいい人がたくさん来るので、最近凄く上がりました!」
「があああああああああああああああん!」
突然志乃はそう言って後じさり、茉莉の胸に顔を埋めながら言った。
「ま、茉莉ちゃんどうしよう、この子、完全に私の上位互換だよ!女子力強者だよ!
互角に戦えるのは胸だけかもしれない!」
そう言われて茉莉は、しげしげと優里奈の胸を見た後、志乃にこう言った。
「そうね、その認識は正しいと思うわ」
「だよねだよね、うぅ……こうしていても、やっぱり茉莉ちゃんの胸とは感触が違……」
その瞬間に、茉莉は再び志乃の頭に拳骨を落とし、志乃は悶絶した。
「ぎゃっ!」
そう言いながら頭を抱える志乃を放置し、茉莉は優里奈に優雅に挨拶をした。
「初めまして、私は黒川茉莉と申します、これからたまにこちらにお世話になりますが、
ご迷惑をおかけしないように気をつけますので、宜しくお願いします」
「あ、そうなんですか、私は櫛稲田優里奈です、宜しくお願いします」
その挨拶が済んだのを見計らって、八幡は優里奈に言った。
「とりあえず事情を説明するから中で話すとするか」
「はい、今丁度洗濯物を片付け終わったところなので、お茶の用意をしますね」
「悪いな、頼むわ」
そして八幡達は、リビングのソファーに腰を下ろした。
そこに優里奈がお茶を持って現れた。どうやら事前にお湯は沸かしておいたらしい。
「おっ、早いな」
「はい、一応毎日このくらいの時間には、お湯を沸かしておく事にしてるんです、
八幡さんが来るのって大体このくらいの時間ですしね」
「さすが優里奈は気が利くな」
「そんな事ないです、私もお茶を頂いてますし」
優里奈の話だと、この部屋に誰も来ない日でも、
換気をする為に、優里奈は毎日一時間程度はこの部屋で過ごしているようだ。
そして日によって、一人でネットをしながらお茶をしたり、
勉強をしたりしているらしい。
「そうか、でも一人だと寂しくないか?」
「はい、寂しいです、なのでちょこちょこ顔を出して下さいね。
知ってますか?八幡さん、私、もうすぐ夏休みに入るんですよ?」
「え、あ、お、おう……」
その、ストレートに休みで毎日寂しいアピールをする優里奈に、
八幡は苦笑しながらそう返事をした。
「それで事情というのは……」
「今度こちらの二人が、自衛隊からうちに出向してくる事になってな、
その間、帰るのが面倒臭い時とかに、この部屋を自由に使ってもらおうと思ってな」
「あ、そういう事ですか、自衛隊の方だったんですね、うわぁ、格好いいなぁ」
「さっき自己紹介してたと思うが、こちらが黒川茉莉さん、そしてこちらが栗林志乃さんだ」
「宜しくお願いします」
「宜しくね、優里奈ちゃん!」
志乃は先ほどの醜態を忘れたように、元気にそう言った。実にポジティブである。
「ちなみに優里奈ちゃん、二人の着替えとかは、例の場所にしまっておく事にしたから」
「分かりました、ネームプレートを八幡さんに書いてもらわないとですね」
「また俺が書くのか……」
明日奈にそう言われ、優里奈はつまりはそういう事なのだとすぐに理解したようで、
特に疑問を差し挟む事なくそう言った。その直後に優里奈は、八幡に言った。
「でも明日奈さん、多分この事を覚えてないんじゃないかと思うんですけど」
「ん、どういう事だ?」
「だって多分明日奈さん、酔って記憶を無くしてますよ?」
「え?」
「嘘?」
「本当に?」
「だってほら、私がこんな事を言ってるのに反応しないじゃないですか」
「た、確かに……おい明日奈、おい」
「ん、八幡君どうしたの?私は元気だよ?」
その微妙におかしい返事を聞いて、
八幡は、優里奈の言ってる事は本当かもしれないと思い始めた。
「何でそう思ったんだ?」
「うちの兄が泥酔すると、こんな感じだったんですよ、
今日八幡さんと明日奈さんが飲みに行く事は知ってましたしね」
「そういう事か……」
「とりあえず起こしますか?」
「出来るのか?」
「兄と同じなら、多分……」
「やってみてくれ」
「はい」
そして優里奈は、ニコニコしている明日奈の目の前で、パチンと手を叩いた。
いわゆる猫だましである。
「きゃっ」
「そして、こうです!」
そう言いながら優里奈は、明日奈の頭にチョップをした。
「い、痛い!」
「明日奈さん、私です、優里奈です、
八幡さんが女の子に言い寄られてまごまごしているので起きて下さい」
「ちょっ、おまっ……」
その突然の言葉に、八幡は思わずそう声を上げた。
「えっ?えっ?ど、どこ?八幡君は今度は誰にアタックされてるの?」
「私です」
「ゆ、優里奈ちゃんが?って、あれ、優里奈ちゃんも合コンに参加したの?」
「戻りましたね」
「えっ?こ、ここって八幡君のマンション?いつの間にここに?」
「うわ、本当に記憶無かったんだ?」
「今度は誰にって言ったわよね……」
そんな明日奈の様子を見て、茉莉と志乃は半ば呆れた顔をし、
それを聞いた八幡は思わず目を背けた。
「これぞ必殺、テレビが壊れた時は叩けば直る戦法です!」
だが八幡は、そう宣言した優里奈に突っ込まざるを得なかった。
「今時そんなテレビ無いだろ!どこから学んだ知識だよ!」
「YOUTUBEにアップされてる、ドリフのコントで学びました!」
「お前、そういう古いお笑いが好きだったのか……」
「はい、今度一緒に見ましょうね、八幡さん」
「それは別に構わないが、さっきのセリフはその……いや、まあいいや」
八幡は、優里奈の笑顔に気圧され、そう言葉を濁した。
そして八幡は、明日奈にこう尋ねた。
「で、明日奈、どこまで覚えてる?」
「よく分からないけど、モーツァルトミルクも、
あとカルピスサワーも美味しかったよ」
「その辺りか、明日奈の限界は三杯くらいという事か……」
「え?え?何が?」
「実はな……」
そして明日奈は、今日何があったのか説明され、
その事をほとんど覚えていなかった為、ショックを受けた顔をした。
「ほ、ほとんど覚えてないよ……」
「ほとんどって事は、少しは覚えてるのか?」
「うん、八幡君が腕相撲をしていた事と、二人をこの部屋に招く事にした事は覚えてる」
「そうか、じゃあこの二人の着替えをこの部屋に常駐させるって話はそれでいいんだな?」
「あ、それは問題ないよ、分かってて言ったから」
「それなら問題ない」
それで話が纏まったと思ったのか、優里奈は二人を寝室へと案内し、
そこで色々と説明を始めたようだ。
その間八幡は、明日奈が頭痛がすると言い出した為、その頭をなでていた。
「大丈夫か?」
「うん……でもまさか、私がこんなにお酒に弱いなんて思わなかったなぁ」
「まあ初めてだったせいかもだし、まだ何ともだけどな」
「まあ、今後は絶対に八幡君がいる時しかお酒は飲まない事にするよ」
「そうしてくれ、その方が俺も安心だ」
その時風呂場の方からチャイムが聞こえた。
どうやら優里奈が風呂をわかしておいてくれたようだ。
「それじゃあ明日奈、先に風呂に入ってこいよ、
もし一人が寂しいなら、黒川さんと栗林さんを誘ってもいいしな」
「そうだね、うん、そうする」
明日奈はそう言うと、寝室から二人を引っ張り出し、浴室へと向かった。
そして残された八幡と優里奈は、ソファーでのんびりと会話していた。
「そういや成績が上がったみたいだな、えらいぞ」
「ありがとうございます、これも雪乃さんやクルスさん、
それに紅莉栖さんのおかげですね」
「幸い教師役には事欠かないからな。で、夏休みか……」
「はい、夏休みです」
「何か予定はあるのか?」
「いえ、特には……あ、でも、アスカ・エンパイアをやってみようかな、なんて」
「そういえば前、興味がありそうにしてたよな」
「和風なのが好きなのと、妖怪とかに興味があるので」
「そうか、まあいいんじゃないか?他にもどこか行きたい所があれば、
いつでも俺が連れてってやるから、気軽に言うんだぞ」
「いいんですか?はい、分かりました!」
(スリーピングナイツがまだアスカ・エンパイアにいるはずだ、
それとなく優里奈の事を頼んでおくか)
「それじゃあ私は、何か軽い物でも作ってきますね、
そろそろ小腹がすく時間だと思いますし」
「そうか?それじゃあ頼むわ」
「はい」
そして風呂から上がった三人は、優里奈の料理に舌鼓をうった後、
仲良く四人で寝室へと消えていった。どうやら優里奈も今日はこちらに泊まるようだ。
「さて、俺もアルコールのせいでいい感じに眠くなってきた事だし、
今日はこのまま寝るとするか……」
八幡はそう呟き、そのまま眠りについた。だが八幡は、この時気付いていなかった。
明日奈は完全に覚醒した訳ではなく、酔っている事に変わりはない事を。
そしてその数時間後、八幡は、自分の体が浮いたように感じ、慌てて目を開けた。
「な、何だ?地震か?」
「あっ……」
「しまった、気付かれちゃった……」
そこには八幡を持ち上げようとする複数の女性の姿があり、
四人はばつが悪そうな顔をして、八幡をそっと下におろした。
「お、お前ら一体何を……」
「ま、枕が欲しくて、その、八幡君を寝室に運ぼうかなって……」
明日奈がもじもじしながらそう言ったが、
その顔は赤く、まだ酔いが覚めていないように見受けられた。
「おい明日奈、まさか俺を枕にしようと……?」
「ちょ、ちょっとした冗談だよ、ただいつもよりもちょっとふわふわして楽しいから、
いつもやりたくても出来ない事が出来るような気はしてたけど、でも冗談、冗談だから!」
「ええい、まどろっこしい、男なら彼女の願いは素直に叶えてあげなさい!」
突然横からそんな声が聞こえ、八幡の体は力強い腕に持ち上げられた。
まさかの逆お姫様抱っこである。
「うわっ、栗林さん、ちょ、ちょっと!」
「ついでにおこぼれをもらおうなんて考えてないよ、うん、本当に」
「うわ、ま、待って下さいって、黒川さん、助けて下さい!」
「大丈夫よ、痛いのは最初だけだから、チクッとした後は、直ぐに気持ちよくなるから」
「チクッって何だよ、意味が分からないぞ!おい優里奈、こいつらを何とかしてくれ!」
「ごめんなさい八幡さん、私にもそろそろ、大人の社会勉強が必要だと思うんです、
黒川さんに色々と説得されて、私、その事に気付きました」
どうやら一番の常識人である優里奈は、既に黒川に懐柔されていたようだ。
「だ、騙されるな!こんなのは大人の社会勉強でも何でもない、うわ、こら、は、離せ!」
「離してもらいたかったら私に腕相撲で勝ってみなさい」
「そんなの絶対無理じゃねえか!!!!!」
「ああ~もう往生際が悪い、鹵獲品をどうしようと私の勝手よ、
自衛隊にはそんな規定は無いんだから」
「人を戦利品扱いするな!」
「は~い、お一人様、ご案内~!」
そして八幡は寝室に運ばれ、バタンとドアが閉じられ、
ベッドに投げ出された八幡は、言葉通り四人の枕にされた。もちろん抱き枕である。
「う、動けねえ……」
「ほら、じたばたすると、触っちゃいけない所に触る事になって、
責任をとらさせる事になるわよ」
「ぐっ……」
「さて、両手と両足を四人で分けてと、それじゃあ明日も早いし、寝るとしますか」
八幡は四肢をガッチリ固められ、まったく動けない状態で朝を迎える事になった。
幸いかなり眠かった為、八幡は諦めにも似た気持ちで早々に意識を手放し、
一応睡眠をとる事は出来たのだが、
翌朝右手と左足が痺れ、最初はまともに立ち上がる事が出来なかった。
ちなみに志乃と優里奈が抱きしめていた場所であったが、痺れた理由は謎である。
何かに挟まれて、血行が悪くなったのかもしれないが、とにかく理由は謎であった。
そして八幡は、解放されると同時に四人を正座させ、
その頭に拳骨を落とし、これでこの話は終わりとなった。
「ご、ごめんね八幡君、私、酔ってたみたいで……」
「私も酔って調子に乗ってたみたい、ごめん!」
「私は全然酔っていなかったけど、酔ったフリをしてしまったわ、ごめんなさい、
ってそんな顔しないで、怖い、怖いから……きゃっ!」
「私も全然酔ってなかったですけど、この場の空気に酔ってました、ごめんなさい……
って八幡さん、目が獣の目になってますよ、あ……やんっ!」
八幡は、まったく反省していないと思われた約二名に追加で拳骨を落とし、
ため息をつきながら言った。
「まあ実害は無かったし、今回は不問にしますが、今後は全員気をつけて下さいね、
それじゃあいい時間なんで、出かける準備をしましょう」
「「「「は~い」」」」
そして四人は仲良く着替えを始め、八幡はそちらを見ないように慌てて外に飛び出し、
リビングに戻った後、深いため息をつくのだった。