the past~高校生編~
三歳の時に読み書きが出来るようになった。
そんな私を人々は、
――天才だ――、――真姫は神童だ――、――羨ましいですわ――、と言った。
違う。
六歳の時には基本的な四則計算や簡単な漢字なんかは余裕で出来るようになっていた。
人々はまたそんな私に称賛を与えた。あまつさえには私を許嫁にするようにパパに頼み込む人まで出てきた。
違う。
何かが違う。
十二歳の時には昔から趣味程度にやっていたピアノで賞を取った。私としてはどうでもいいことだったが、その賞は全国的に見てもかなり大きな賞でそこで賞をとるのは並の人間にはできないらしい。その時のパパの号泣ぷりったら……今でも思いだし笑いをしてしまう。ほんとパパったらいっつも私のことを見てくれていた。そんなパパが笑わなくなったのもこのときだったかしら?その大会にはパパの上司にあたる学会でも有名なお偉いさんの息子も出ていたらしくて、パパはものすごく怒られたらしい。パパは何も悪くないのに。
おかしい。
十五歳の時には中学を一番で卒業した。私としては当然の結果だと思うのだけれど教師たちは私をまるで貴族のように扱った。何でもその学校は数年したら統合か廃校になるらしく、私のお陰で入学希望者が増えたとかなんとか……でもそのせいで教師達が妙にへこへこするものだから、勝手に「西木野真姫は教師を脅して奴隷にしている」とか根も葉もない噂が流れて大変だったわ。まぁ、友達いなかったし関係ないけどね、そういえばクラスの一人にいつも一人でいる男の子がいたけど今はどうなったのかしら?まぁ、いつも二番で私の尻を追いかけているようでなんだか気持ち悪かったけど。
違う。違う。
十六歳の時には、私は教師たちの執拗なまでの推薦を押切って、地元の音ノ木坂に入学した。何でもママの同級生が理事長をしているようで、立派でいい学校だから、という理由で半ば無理やり入学させられた。私としては別にUTXでもどこでも良かったのだけれど、それでもやはり自分のあまり知らない学校に行くのは緊張した。入学式の日、家を出ていこうとしたときにママが
「友達、できるといいわね」
と言った。そんなものできるはずない。そう思いつつ、
「……行ってきます」
と言った。寒かったからだろうか、私の頬はマフラーですっぽりおおわれていた。
入学式はまさに騒然としていた。無理もない。実際私も相当驚いていた。
――この学園はあと三年をもって廃校といたします――
理事長の突然の告白に生徒たちは呆然としていた。隣の席の子なんて
「そんにゃ~、かよちんひどくないかにゃ?」
「凛ちゃん式中だよ!、でも……寂しいね」
……重いのか軽いのかなんともわからない会話をしていた二人組は今なにをしているのだろうか。
違……うのかな?
そのあとの学園生活は私の想像を絶した。訳のわからい位喧しくてうるさい先輩に腕立て伏せをされては、能天気二人組とうるさい先輩のμ’sとか言うメンバーに入られて、アイドル部部長(自称)とか言っているこれたま違う煩さのある背のちっちゃい先輩や金髪の生徒会長や巨乳のスピリチュアルとか不思議紫先輩とどやどやして、結局九人の“μ’s”が誕生した。本当に今でも信じられないと思う。大和撫子の武道派女子が作詞を持ってきてくれたときはびっくりしたわ、人は見かけによらないものね。ゆるふわのおやつがどうたらこうたら言っている先輩の衣装センスは凄いの一言だったわ。私もないわけではないけどここまで曲のイメージに合わせてくると天才……じゃないわね。それだとあの人たちみたいだわ。高校の三年間はとても充実したものだった。とっても、とっても、だからだろうか。
――playback――
「ううっ……、真姫ちゃん大丈夫だからね?私達が着いているからね?」
「そうにゃ!真姫ちゃんは頭いいしこんな凛にも付き合ってくれたから、絶対にうかってるにゃ!うにゃ~~蹴散らすにゃぁぁ!!!」
「ちょっと二人とも落ち着いて!あなた達が一番焦っているわ。私は大丈夫だから、一旦落ち着きなさい。」
「「はーい(にゃ)」」
「もう……アリガトネ……」
「当然にゃ!真姫ちゃんは私達の友だちなんだから!応援するのが筋にゃ!」
「うんうん!そんだよ真姫ちゃん!私達は真姫ちゃんの見方なんだよ!」
本当にこの二人が友達で良かった。今の私はとっても充実している。もうこれ以上ないくらいーーーーーー。
だからだろうか
「いくよ?凛ちゃん、真姫ちゃん?」
「はいにゃ!」
「ええ!」
これは、当然の、
「「「せぇーの!!!!!!」」」
合格者番号
2・5・8・12……
結果なのだろう。
西木野真姫
T大学医学部志望
受験者番号
1
文が見づらいのは知っています。後日修正いたします。