「
声が聞こえたので目を覚ますと、上からこっちの顔を覗いて微笑んでいる清姫と目が合った。場所は――よし、無人島とか荒野のど真ん中じゃない、いつものマイルームだ。
「おはよう清姫、わざわざ起こしに来てくれたの?」
「はい、一日の初めにマスターへ最初に声を掛けるのは、私(妻)の役目ですから」
「そっか、ありがとね」
寝転がったまま頬に触れると、清姫は恥ずかしそうにしながらも嬉しそうだ。嘘を吐けないとか無理ゲー、ストーカー超怖い、女同士なんだけどと色々問題アリアリな彼女だが、案外慣れてしまえば可愛いものだ。
ちなみに現在の体勢は清姫膝枕に頭を置いている状態である。着物越しに感じるちょっと高めの温もりが気持ちいい。しかしどうやって音もなく侵入、寝ていたとはいえ気付かれずに枕をどかして膝枕に移行したというのだろう。
「これくらい、淑女の嗜みです」
「そんな淑女はいない。清姫、アサシンクラスの適性もあるんじゃないの?」
「それだと朝から晩まで旦那様を影に日向に見守れますね」
「ごめん落ち着かないから勘弁して」
「もう、いけずです」じゃないよ、常に視線浴びせられるとか私のNPがマッハだよ。バーサーカーで良かった、精々ストーカーされるくらいだし。……あれ、ストーカーってされるくらいで済ませていい話だっけ?
とりあえず着替えを済ませ、二人で食堂へ向かうことにする。並んで歩くカルデア内は、年が明ける前と比べれば随分静かになったものだ。前は四十六時中誰かが騒いでるような状態だったからなあ。
「寂しいですか、マスター?」
清姫がこちらの顔を上目遣いで覗き込みながら聞いてくる。何それあざと可愛い、ではなく、
「うん、そうだね。また会えるとは思うけど、急に人が減るのは思ってたより来るなあ」
マシュ相手だったらもう少し強がった言い方をするが、清姫相手には嘘が吐けないため、自然と弱気な本音が出てしまう。
「大丈夫ですよマスター、私はいつまでも貴方のお傍にいますから」
自分はここにいると証明するかのように、清姫は手を握って身を寄せてくる。サーヴァントは過去の英霊の写し身、それでもそこにある温もりは本物である。
「……うん、ありがと。正直、清姫や皆が残ってくれたのは、凄く嬉しい」
手を握り返す。正直かなり恥ずかしいこと言ってる自覚はあるけど、何故か止まらない。
「あはは、何だかネガティブだね私。こんなんじゃマスター失格だよ」
「いいえ、そんなことありません。昨年は休むことなく特異点の探索、年が明けてからも魔術協会等の調査対応に追われていたのですから、疲れているのも無理はありません。
寧ろマスターは十分頑張ったのです。私に甘えて十分に休んでください」
「わぷっ」
小柄な清姫に頭を抱えられて抱きしめられ、いい子いい子と頭を撫でられる。あの、通路の真ん中でこれは恥ずかしいんだけど……嬉しいけどさ。
しかし清姫、相変わらず立派なものをお持ちで……本当に十三歳なのだろうか。などとある部分のふくよかさを堪能していたら、
「もう、旦那様は朝からえっちいですね。朝から……きゃっ」
と言って、顔を赤らめる清姫。
「いや私女だから、朝とか関係ないから」
寧ろあったら怖いよ。何、そのうち私TSでもさせられるの?
「魔術でしたらそれくらい可能でしょうし、そうすれば私と旦那様の子供が……ふふふ」
「マジュツッテスゴイネー」
いつか本気でさせられそうで怖い。まあどっかの誰かが悪ノリしないことを祈ろう。……そういえば、
「ふと思ったんだけど、清姫ってどんな風に過ごしたいの?」
「というと?」
「いや、よく私のこと旦那様って言うけど、理想としてどんな生活とか関係がいいのかなーって」
「それを聞かれるとは、まさか旦那様からの愛の告白……!?」
「いや、ただの興味本位だから」
「……いけずです、嘘じゃないとはいえその発言はあんまりにもいけずです」
むうと頬を膨らませながら睨みつけてくる。そんなことされても可愛いだけなんだけど。衝動に駆られて頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細める。
「んっ、マスターは撫でるのが上手いのでつい許してしまいます……もう少し、乙女心を配慮してくださいね」
「善処します」
乙女が乙女心を考えるって、もうよく分かんないねこれ。
「しかし理想の生活、ですか……マスターの寵愛を受けるのに一生懸命で、考えていませんでした。
そうですね、まず第一に嘘を吐かないこと」
「まあそうだよね」
「そして、互いに尊重し合える……夫も妻も子も、好きなことも嫌なことも全て愛せる。そんな家庭が出来れば、と」
「……それは」
簡単なようで、とっても難しい。あの影が言っていた、「嫌いなとこも全て愛してもらおうというのは傲慢だ」と。清姫はそれを体現したいのだろう。
嘘を吐かないというのは、隠し事が出来ないということ。逆に言えば、相手の良い部分も悪い部分も受け入れようという心構えなのかもしれない。
狂化している彼女の考えがどこまで及んでいるのかは分からないし、清姫と周囲の人間はおぞましいものを抱え込むことになるのかもしれない。でも、
「……叶うといいね、そんな家族」
私は、そんな彼女の
「――はい、マスター。なので旦那様には全面協力してもらわないといけません。具体的には結納の日取りとか」
「段取り飛ばしすぎじゃないかなあ」
まあそんなこんなで、年が明けても私と彼女は相変わらずです。
twitterで清姫の画像を見ていたらふと書きたくなったので書いてみました。ちなみに現在夜勤の仕事上がり、そしてもうすぐミーティングです。地獄の合間に何してるんでしょうね自分……書きたくなったから是非もないネ!(白目
とりあえず、清姫可愛い。数時間で仕上げたものなのでクオリティはお察しですが、良かったら読んでやってください。
え、アリアの方はどうした? やだなーちゃんと書いてますよ? 筆の進みは悪いですが。い、息抜きですよ! 息抜き!(マテ