サクラ大戦 降魔世界大戦 乙女の血は紡がれて 第二部 血塗られた手は誰がために 作:魯竹波
彼女 ロベリア=カルリーニは、隊長・アルベール=ライラックを喪い、悲しみに包まれたシャノワールを後にした。
ロベリア「ああいう空気はどうも好きになれないね。
アルベールという奴はどうも胡散臭いとこがあったし、アタシは嫌いだったからな。
……っと!!」
彼女がシャンゼリゼ大通りに向かって、歩いていると
上空から、甚大な量の妖気、そして殺気が降り注いだ。
?「チッ……………。」
空から降ってきたソレをスレスレで避ける。
ソレ はコートを被った覆面の男だ。
ロベリア「まったく、危ないお遊びがお好きな奴がまだいたとはねぇ…………。」
?「………………ほぅ 伊達に年は食ってないようだな
ロベリア=カルリーニ?」
ロベリア「へぇ アンタか。
巴里花組の隊長を殺ったのは」
?「そうだ。 まぁ、どのみちお前も同じ目に遭うさ。」
ロベリア「巴里の悪魔 この代名詞に聞き覚えはないって訳かい。」
?「パイロキネシスが使えた って話か?」
男は拳でロベリアに猛襲をかけた。
ロベリア「ふん この程度でアタシを殺ろうとは、このアタシも随分と舐められたもんだ。」
突き出された拳に向かって右手を軽く添え、受け流すと、ロベリアの持つ鎖が男の腹へと向かう。
ロベリア「このアタシに手を出そうとしたこと、あの世で後悔しな!」
?「ふふふ。
お前を殺すのは何も俺一人でとは限らないだろう?」
ロベリア「?!」
背後に殺気・妖気が突如出現する。
ソイツ はロベリアの頭に鈍器を思いっきりぶちまける。
ロベリア「アタシもとうとうヤキが回ったか……………。」
ロベリア=カルリーニ、 かつては 巴里の悪魔 と呼ばれた彼女の最期の言葉がそれとなった。
翌日 シャノワール
エビヤン「ごめんください。」
グリシーヌ「おお、エビヤン警視。 貴公自ら来るとは珍しいな。
何かあったのか?」
エビヤン「ええ、 実は…………………。」
警視に昇格しており、定年をとうに過ぎた今も尚警察を続けているエビヤン
彼は、ロベリア=カルリーニの死を告げた。
グリシーヌ「?! 今な、なんと言った?
すまぬが、もう一度、言ってはもらえんだろうか?」
グリシーヌの身体は震えている。
エビヤン「よく聞いてください。 ロベリア=カルリーニ
彼女が、昨夜、遺体で発見されたのです。」
グリシーヌ「嘘だ! 嘘…………なのだろう?
エビヤン警視! 嘘だと言ってはくれぬのか?」
エビヤン「ええ、何しろ頭を強く損傷していたもので、断定こそ出来ませんが、十中八九、発見された遺体はロベリア=カルリーニのもので間違いないはずです
…………………ああ、 サフィール……………我が青春………」
かつてロベリア≒サフィールに告白し、見事玉砕した過去をもつエビヤン警視は、悲痛な面持ちでシャノワールを出て行った。
直後、グリシーヌの身体は、崩れ落ちた。
エリカ「?! ど、どうしたんですか?!
グリシーヌさんっ!」
グリシーヌ「エリカか………………。
ロベリアが、ロベリアが……………死んだ」
エリカ「ええっ?! う、嘘…………ですよね?
嘘って言ってください! グリシーヌさんっ!」
グリシーヌ「直ちにいかねば 直ちに奴に来てもらわねば…………。
巴里華撃団に!
エリカ、直ちに参ろう サンテ刑務所に!」
エリカに支えてもらいながら、かつての戦友の死という衝撃に震える足で立とうとするグリシーヌだった。