サクラ大戦 降魔世界大戦 乙女の血は紡がれて 第二部 血塗られた手は誰がために 作:魯竹波
「わ、悪いが、もう一度、言ってくれるか?」
グリシーヌ「何度も言わせるな!
哀しくなるではないか
ロベリアが亡くなったのだ……………何者かに殺されてな。」
どうやら、聞き間違えではなかったようだ。
そして母さんの方を見ると、やはり悲しげな表情…………。
ロベリアおばさんが死んだのは本当のようだが……………殺された?
あり得ない。 アルベールを殺すなら、強盗目的なんかが動機としてはあり得る。
しかし、ロベリアおばさんは訳が違う。
金は基本的には持ち歩かない。
最近出来たカード(クレジットカードのような物)を持ち歩いている。
巴里の悪人という悪人に先駆けて取り入れたのは巴里の悪人の間では常識。
しかも、カードはパスワードが判らないと使えない代物だ。
つまり、強盗目的ではない。
そしてそもそも、ロベリアおばさんは巴里の悪人という悪人全てから尊敬されている。
恨みがあるような奴の話は訊いたことがない。
だとすると、道場破りのような感覚で殺した………………いや、アルベールを殺した奴もかなりの手練だろう。
とすると、2人を殺したのは同一犯と見るべきだ。
2人の共通点は………………華撃団の関係者だ。
ロベリアおばさんは退いたとは言え、巴里華撃団の関係者だった。
ならば、犯人は巴里華撃団の敵対組織。
巴里華撃団は胡散臭く、謎に満ちている組織だ。
唯一判っているのは、敵対組織は人間のものではないということ。
「どうせ、人間ではないんだろ?
ロベリアおばさんを葬ったのは。
ロベリアおばさんとアルベールの強さを考えるなら、ロベリアおばさんの殺害とアルベールの殺害は同一犯による仕業の可能性が高い…………。
となると、巴里華撃団の関係者だから殺されたと見て間違いないだろう
2人がそろって殺される理由はそれ以外に考えられない。
巴里華撃団の殺人事件がこれから起きるか、あるいは現在進行形で起きているんじゃないか?
それで、すまないがロベリアおばさんとアルベールの死体の状況を知りたい。」
グリシーヌ「なるほど。 流石はあの男の息子だな。」
エリカ「エリカ、よく分かりませんでした
けど、類くんは凄いということは分かりました!」
「母さん……………………はぁ。」
この程度は分かってくれよ……。
グリシーヌ「アルベールの死因は刺殺だった。
ロベリアは……………まだ遺体を見ていないので判らん。」
「………………そうか。」
グリシーヌ「ただ、頭部の損傷が酷いから、撲殺と見て良いとのことだった。」
「………………なるほどな。
同一犯の可能性は低いと、警察なら見るだろうな。」
警察は犯罪者としてのロベリアおばさんしか知らないからな
グリシーヌ「一つ、言い忘れていたことがある。
ロベリアもアルベールも、後ろから受けた傷が致命傷に繋がったようだ。」
…………………………これは大きい。
アルベールも、ロベリアおばさんも、背後から奇襲されたからと言って一撃で死ぬほどヤワじゃない。
犯人は……………間違いなく、複数による犯行だ。
はじめに一人が引きつけ、もう1人が隙を突く。
それならば、ロベリアおばさんもアルベールも、殺せる可能性がある。
ただし、先程の前提条件であるかなりの手練という条件が崩れないならばだが……………。
「……………………となると、犯人は複数だ。
一人がロベリアおばさんやアルベールを引きつけ、勝敗が決して油断した隙を突いて残りが奇襲する。
これなら多分ロベリアおばさんもアルベールも殺せる。」
グリシーヌ「……………………そうか。
ところで明智類。 貴公…………犯人が人間じゃないと言っていたな。
そこで、だ、貴公も巴里……」
「断る わざわざ火中の栗を拾いに行くような暇人じゃねえよ」
巴里華撃団への加入か。
魂胆見え見え過ぎて笑っちゃうね
グリシーヌ「だが、アルベールはまだしも、ロベリアには実の母親以上に可愛がってもらっていたではないか」
エリカ「えーっ! グリシーヌさん、エリカの類くんへの愛がロベリアさんのそれにまけるって言うんですかー!」
グリシーヌ「いや、そうではない エリカ
これは言葉のあやというものでな
だから話の腰を折るな!」
母さんいい仕事してるぜ ははっ
「まぁ、それはそうだが………………。」
エリカ「類くん、そこは否定するところですっ!」
「悪い悪ーい(棒読み)」
エリカ「もぅーっ!」
グリシーヌ「………………それにこのままではジルベルトをはじめとする巴里華撃団のメンバーにもこのままでは危害が加えられる恐れがあるのだ。
どうか、貴公の力を貸して欲しい この通りだ!」
金髪おばさんは頭を下げた。
見ものだろう。 公爵家の当主が頭を下げる光景は。
「ロベリアおばさんには確かに可愛がってもらった。
だが、ロベリアおばさんは果たして仇討ちを望むような質か?
違うだろう?
それに、事件解決の力になる奴なら、父さんがいる。」
グリシーヌ「どうしても……………イヤなのか?」
「いや、巴里華撃団が厭という訳ではない。
だが、サンテ刑務所内の居心地がいいだけだ。」
だが、俺はふと思った
それさえ、危ういのかもしれない。
凱旋門支部長と前隊長の息子となれば、狙われるリスクがある。
敵が人間じゃないとなれば、あるいはこのサンテ刑務所まで犯人が来ないとも限らないしな…………。
グリシーヌ「……………………そうか。」
エリカ「…………………類くん。」
「…………………だがな。」
グリシーヌ「え?」
「犯人は人間じゃねえんだろ?
それに、俺はよくよく考えたら、凱旋門支部長と、前隊長の息子だ。
関係者って見られてもおかしくない。
降りかかってくる火の粉は振り払わねえとな。
サンテ刑務所内に侵入してこないとも限らないし。
だから、入ってやる。 入って、ロベリアおばさんとアルベールを殺した奴をぶちのめしてやる。」
エリカ「類くん……………!!」
グリシーヌ「そうか……………そうか!
感謝するぞ 明智類!」
こうして、俺は巴里華撃団花組という謎組織に加入することが決まった。
同時刻 巴里某所
?「………………という訳で、明智類を出獄させるのに成功しました。」
???「ご苦労。 ロベリア=カルリーニ。
奴は何かを勘づいているようだったからな。
よく始末してくれた。
そして、明智類を出獄させるいい餌になったよ はははっ。」
??「よろしいのですか……………?
明智類の霊力は決して高いとは言えませんが、霊子甲冑に載るには充分な値を示していますが。」
???「まぁ……………よい。 どのみち巴里華撃団は苦労するだろう
明智類はそれだけ、扱いづらい男だ。
グリシーヌ=ブルーメール。
あの女は感情のあまり、視野が狭くなる奴だ
しかも、明智類には冤罪とはいえ、強姦の罪状もついてる。
花組の乙女達が果たして彼を受け入れるかどうか。
果たして、貴様に使いこなせるのか まさに見ものだ。」
その男は高らかに笑った