「また救えなかった・・・!」
私、暁美ほむらはまた鹿目まどかを救うことが出来なかった。
時間を戻す力をもっていながら何度やっても成功しない。でも、やるしかないんだ。まどかを救えるのはこの世界で私だけなのだから。そうして私は想いをより一層強くする。
「次こそは救って見せるから」
「無理だよ」
突如、私しかいないはずの病室に男の声がした。今までこんなことは一度もなかった。
驚きも含めて私はそいつに聞く。
「誰!」
私が聞くとそいつは答えた。
「僕かい?僕は君たちの一つ上の次元から来た存在さ」
「・・・何を言っているの?」
そいつの言っていることはあまりにも常識外なことだった。しかし、魔法少女やインキュベーターなどといったものを見てしまった私にはそんなこともあり得るような気がしていた。
「まあ、僕のことは置いといて、だ。君はまた鹿目まどかを救うことはできないんだよ」
「なぜあなたにそんなことを言われなければならないのよ!」
なぜ見ず知らずのおとこなんかにまどかと私のことをとやかく言われなければならないのか。
「あなたに何が分かるっていうのよ!」
そうして答えられた答えに私は驚愕した。
「それは僕がこの先の結果を見ているからだよ」
「まさか・・・あなたも!」
「ああ、違う違う。最初に言ったでしょ。僕は君たちの一つ上の存在だって」
「意味が分からないわ」
「まあ、その辺は説明面倒なんで省略するよ。それで、どうする?鹿目まどかが救えないのに君はまた同じことを繰り返すのか?」
そんなことわからない。
「それでも、私はまどかを救って見せる」
「そうかい。それじゃあがんばってね。暁美ほむらさん」
「いわれなくてもわかっているわよ」
そう言って振り返るとそいつは消えていた。
結果から言うとやはりあいつの言う通り私にはまどかを救うことが出来なかった。
「どうして・・・!どうしてなの」
結局あいつの言う通りになってしまった。私は止められなかった。まどかが円環の理になるのすら止められなかった。
そうして私が一人打ちひしがれているとあいつはやってきた。
「だから言ったのに。人の忠告を無駄にするなんて」
「なん・・で。あなたがここに・・・」
「ん?そりゃ面白そうだったから」
その答えに私の腹は煮えくり返りそうだった。
「ふざけないで!」
「え~。別にふざけてるわけじゃないんだけど」
「じゃあなんだっていうのよ!」
「・・・野次馬?」
「なによそれ!?」
なんだというのだこの男は。人のことをバカにするのもいい加減にしろ!。
「いや、だって僕が干渉したら面白くなくなりそうなんだもの。いや~今回も名言たくさんできたね」
もういやだ・・・!なんなんだこいつは・・・・
「もういや・・・!」
そうして私のソウルジェムが黒く濁り始めた。
「あーこりゃあ、そろそろ限界かな。」
「・・・・」
「あ、はい。わかりました。ではそんな暁美ほむらに大チャンスです!!円環の理になってしまった鹿目まどかですが、一応救う方法は存在します。どうします?」
その言葉を聞いてしまうと、私の心は少しだけ持ち直した。話だけなら聞いてからでも遅くないだろう。
「・・・話だけなら」
「分かりました!方法は単純!私と契約しましょう。あ、もちろんホワイトの契約ですよ。どこぞのインキュベーターよりかはよっぽど。契約内容はあなたが私の言うことを一度だけ何でも言うことを聞くというものです。どうです。お得でしょう?」
「本当にそれで、まどかを救えるの?」
それだけでまどかを救えるなら安いものだ。
「まあ、少なくとも魔法少女にならないようにすることはできます」
「なら、それで構わないわ」
私が望むのまどかの幸せには魔法少女はあってはならないのだから。
「よし!契約完了!それじゃあさっそく」
そうして私の視界は暗転した。
「ここは・・・」
「あ、おきました?」
私があたりを見回すとそいつはそこにいた。
当たり前のように。
「そう。あなたがここにいるということは夢ではなかったということね」
「もちろん。契約も生きてますよ」
「それで、まどかはどうなったの?」
「それは学校に行けば分かりますよ。時間は君が転校する時期にしてあるから。ちなみに鹿目まどかは魔法少女になれなくなったから安心してね」
「そう」
「あれれ、折角叶えてやったのに、つれないなぁ」
「あなたとなれ合うつもりはないわ」
「あ、そう」
「それじゃあ」
「うん。またねー」
そういうとそいつは消えていった。
そして私はもう何度目かの転校生になった。
そうしてこの世界がどうゆう風に改変されたかを確認するためにまどかを見る。
見たところはいたって普通だった。
だが油断はできない。今までさんざんインキュベーターに苦い目にあわされたのだ。この程度で油断する私ではない。
そうして何事もなく一日が過ぎた。もちろんまどかたちに話しかけた。しかし、まどかに変化はなかった。
特に何事もなく終わった一日目。久しぶりの平穏に私は安心した。
・・・そういえば、今日はインキュベーターの姿を見ていない。いつもなら一時間おきに代えのインキュベーターがくるはずなのに。どうゆうこと・・・?
それから一か月。様々な場所を探した。これまで魔女が出現した場所。魔法少女にゆかりのあった場所、などなど。しかし、そこには魔女もいなければインキュベーターすらいなかった。
「どうなっているというの・・?」私は不安を覚えずにはいられなかった。なぜならあれだけ苦しめられてきたワルプルギスの夜すら現れなかったのだ。おかげでせっかく集めた武器が無駄になってしまった。
そしてその夜。私の家にそいつは現れた。
「やあやあ、一か月ぶりだね。暁美ほむらさん。どうだい、気に入ってくれたかな?」
「どうゆうこと。まどかを救ってくれたことには感謝するけれど、インキュベーターや魔女すらいないじゃない」
「簡単だよ。僕が鹿目まどかの願いを代行しているだけだ」
「なっ・・・そんなことが可能だというの・・・」
「僕と君たちでは存在の格が違うんだよ」
「それで、どうして私の前にわざわざ現れたの。そんなことしなくてもあなたならなんだってできたはずよ」
「だから言ったじゃないか。僕はホワイトだよ。そんなことしたらブラックじゃないか」
「・・・それだけ?」
「・・・何が?」
「だから!そんなことのためだけに私の前に姿を見せたというのかと聞いているのよ!」
「うん。そうだよ」
「・・・そう・・・」
「もう気が済んだかな。僕としては君とのおしゃべりもそろそろ飽きてきたのだけれど」
「え、ええ・・・問題ないわ」
「それじゃあ、さようなら。暁美ほむらさん」
「ええ、さようなら」
そういうと、彼は私の前から姿を消した。
それから六年後、私達は無事に成人した。
不思議なことに私の時間停止の魔法も時間がたつと次第に使えなくなっていった。
しかしそれも使う必要もないものだから気にしなかった。あれから彼は私の前に姿を現さなかった。
まどかやさやか。杏子や巴マミもだれ一人死ぬことなく無事に生活している。しいて言うなら上条恭介の指は手術によって治ったというところだろうか、もちろん中学校に在籍していた間は治らなかった。
しかし、高校生活が始まってしばらくしたころ、上条恭介の手のことで以前から色々と探していた美樹さやかがどこからか治療法を持ってきたのだ。
本人はかたくなにだれから聞いたのか教えてくれなかったが、十中八九、彼だろう。
そう思うと少し胸が痛い。私だけではなく、世界中の人すらすくった彼。今となっては名前を聞いていなかったことを後悔している。
しかし、過ぎてしまったことを気にしても仕方がない。
今の私には未来がある。
まどかが居るこの日常こそがあの一か月を何度も駆け巡った私が渇望してやまなかったものなのだから。
だからこそ、次彼に会ったときは私の想いを伝えよう。私を救ってくれた彼に「大好き」と。
続きわ気分次第!じゃあな!!