リリカルなのはvivid もう1人の聖王のクローンの人生   作:紀野感無

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今回から本格的に無限図書編には入れます。

ただ…なぜかシリアスが多くなってきているのです。
なんででしょう。




22話

「さて、みんな〜たべながらでええから、ちょう聞いてな」

 

私はとあるホテルの屋上にいる。ご飯食べているが集まっているメンツがなかなか豪華だ。

 

八神司令こと母さんに元世界チャンプのジークさん、インターミドル都市本戦の上位入賞者であるミカヤさん、ハリーさん、ヴィクターさん。そしてハリーさんの取り巻きのいい子ちゃん3人組、初等科トリオ、ミウラ、アインハルト、ノーヴェさんが一堂に集まっていた。

 

「みんなも知っての通り、今日の試合を戦った2人には少し複雑な因縁がある。『黒のエレミア』の継承者ジークリンデと『覇王イングヴァルト』の末裔アインハルト、2人をつなぐのは聖王女オリヴィエ。かつて戦乱の時代を一緒に生きたベルカの末裔が今この時代にまた集まってる。それにこの場には雷帝ダールグリュンの血統ヴィクトーリアがいるし、ここにはおれへんけどもう1人---旧ベルカ王家直系の子がいる。

これが偶然なのか何かの縁や導きの結果なのかはわからへん。

そやけどこれはあくまで老婆心というか大人側の心配としてなんやけど」

 

「老婆心て…母さん独身なのにもう持ってるのか。もしかしてもうしょうみ……」

 

ガスッ!

 

「ユーター?何か言ったか?」

「い、いえ、何も言ってません」

「ならいいんや♪」

 

こ、怖い…ナ、ナイフが頬を…。

やりすぎだよ!みんなが引いてる!

 

「コホン、これだけ濃密な旧ベルカの血統継承者達が一堂に会するゆーんはちょっぴり気にかかるところなんや。インターミドル中の大事な時期や…みんなが事件に巻き込まれたりせえへんように私たちも守って生きたい。ウチとしてはユタのこともあるしな。

そのためにもアインハルトやジークリンデ、ヴィヴィオちゃんやユタが過去のことを話し合う会に私も参加させてもらいたいんよ」

 

え…やだな。私としては聖王女オリヴィエのことに関しては割り切ってるんだけど。

 

「同じ真正古代ベルカ継承者同士、生きたい場所や資料があるなら私も全力で協力するよ」

 

「「「はい」」」

 

 

『………』

「ん?どしたのプライド」

『いえ、誰かに監視されてる気がしまして』

「ふーん…ってえ?マジ?」

『気のせいかもしれませんが』

 

まあ、本当に誰か見てるとしたら母さんやジークさん達のストーカーだろう。気にする必要もあまりない気はする。

 

 

 

 

「クラウスとオリヴィエは、共に仲の良い友人でした。そして、共に鍛錬し合うライバルでもありました。彼女の紹介で『エレミア』ともあい、良き友人になれました。それは戦乱の世の中でほんの束の間の、だけど永遠のようなとても平穏で幸せな日々だった。あの頃は…本当にそう思ってました」

 

「やっぱりウチのご先祖様と知り合いやったんやね。名前は覚えてる?」

 

「ヴィルフリッド・エレミア----『リッド』と呼ばれていることもありました」

 

「ジークはその人のこと覚えてねーのか?」

「申し訳ないんやけど…個人の記憶はほとんど残ってへんから」

 

ハリーさんが聞くとジークさんは申し訳なさそうにいう。

 

「あの、なんだかすごい話を聞いちゃってる気がするんですが……」

「貴重なお話ではあると思うんですが…」

「大丈夫!わたしたちもあんまり変わりません!」

「いろいろ聞かせてもらいましょう」

「そやねー」

 

別のテーブルではミウラ、りおちゃんにコロナちゃん、エルスさんやミカヤさんがそんな感想を抱いてる。

多分私が同じ立場でも同じ感想を抱いてると思う。

 

「ともあれ、クラウスとオリヴィエ殿下はシュトゥラで時を過ごして、『エレミア』もまた私たちの良き友人でした。

でも、ますます戦火は拡大して言って…聖王家は『ゆりかご』の再起動を決めました。過去の歴史で幾たびか使われた強力無二の戦船。玉座に就く者の命や運命と引き換えに絶対の力を振るう最終兵器。

オリヴィエはもともと『ゆりかご』内部で生まれた子でした。だけど、ゆりかごの王としての資質は薄いと認定されシュトゥラへの人質として利用されたんです」

 

へぇ、オリヴィエも私と似たような境遇だったんだ。

 

「ですが、ゆりかごの研究が進んでいったこと…そしてオリヴィエの戦闘と魔導の才能が諸国に響くほどに磨き上げられてしまったこと。

それで本国に『ゆりかごの王』となるために呼び戻されることになりました。

ゆりかごの王になれば自由も尊厳も未来までも奪われることを知っていたクラウスはそれを止めようとしました。

だけど…私は彼女を止められませんでした、戦ってでも止めようとして何もできずに破れました。彼女の微笑みをくもらすこともできずに」

 

……いろいろと知らないことが溢れてくる。けどそれに伴って頭痛が時々起こるのを繰り返す。正直にいうと結構痛い。けど我慢できないほどじゃない。

 

「そうしてオリヴィエは国に戻ってゆりかごの王になりたった一年で『諸王時代』は終わりを告げました。けどクラウスとオリヴィエは二度と合うことはありませんでしたが」

 

「クラウス殿下とウチのご先祖様とはそのあとは…?」

 

「リッドはオリヴィエが国に呼び戻される少し前から姿を消していたんです。普段からどこにいるのかよくわからない人でしたがエレミアの力や言葉が必要な時はいつの間にかそこにいてくれたんです。

けどオリヴィエが悲しい決意をした時もそのあともずっと会えないままで」

 

「クラウス殿下は不義理な友達を恨んでたんかな?」

 

「そんなことないですよね?」

 

不安そうにいうジークさんの言葉にヴィヴィオちゃんが反応する。

 

「クラウス殿下は大切な人を一度に二人失っちゃったわけですから」

 

「そうですね…見つけたらまずは1発殴ってやりたいとは思ってました。

だけど…理性ではわかってもいるんです。エレミアが…リッドが悪いんけではないって。

ともあれ、その後クラウスとエレミアの縁は繋がることなくオリヴィエを乗せたゆりかごも姿を消してクラウスは戦の中で短い生涯を終えました。

私から話せるのはこれくらいです」

 

はー。これこそまさに生の歴史の授業だね。

 

「ウチに聞きたいことゆーんはその頃のリッドについて?」

 

「何かご存知だったらと思ったんですが。ユタさんも」

 

「残念やけどウチの実家にもエレミアの資料はあまり残ってへんのよ」

 

「そうですか…ユタさんはどうですか?」

 

「…………」

 

話を振られ私は黙ってしまう。

 

「ユタ?」「ユタさん?」

 

「ぶっちゃけると、私は所々とはいえ記憶がある」

 

その一言で母さん以外の全員が驚く。

 

「けど…それを思い出そうとしたら昔の私の生まれのこととかも思い出しちゃうからあまり思い出したくたいんだけど」

 

「い、いえ、無理なさらず…」

 

とアインハルトは遠慮するようにいう。けど、話すってのは別にいいんだよね。

ただ昔のことを思い出しちゃうから嫌なだけで。

 

「この際だから…母さん。私の生まれとか話しておいたほうがいいかな?」

「うちはアンタに任せるで。話したいなら話せばええ」

「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の最初の記憶は

ガラス管の中でよくわからない液体の中に沈んでいるところだ。

チューブか何かがあるのか不思議と息苦しいことはない。

そして、周りには白衣の研究者たちがたくさんいた。

 

私は、記憶力がいいらしく胎児からの記憶がちゃんと残っている。

 

そして、試験官から取り出されたあと私は…

地球に一緒に捨てられることとなる…

 

 

五月雨マリナと会うこととなる。

 

 

マリナは透き通るような藍色の髪にサファイアのような目。

年は十代前半だったんだろうか。

マリナはユタの世話役だった。

 

私にとってお世話役立った彼女は姉も同然だった。

 

「ほ、ほらー。ユタちゃん。ご飯食べてー」

「やー!」

「ほら、お……美味し…いよ?」

 

研究所のご飯は栄養しか考えてなくて味が不味かったのでよく嫌がっていた。

それをなんとか食べさせようと姉さんは美味しく食べてみせようとしていた。が、まずい!というのが顔に出てしまっていたので成功したことはなかった。

 

「あ、ユタ。ほら、検査に行かないと」

「うーあー」

 

そして、ご飯以上に研究者たちの【検査】は嫌だったのも覚えている。

 

よくわからないコードにつながれたり注射器で何度も腕を刺されたり、とにかく嫌なものだった。

 

 

 

そして、4年弱が経ったある日

 

 

「なんで!なんでですか!なんでユタを捨てるなんて…」

 

「もう決まったことだ」

 

「そんな理不尽な…あの子はまだ4歳ですよ⁉︎あんまりじゃないですか!」

 

「はぁ、五月雨マリナ。随分と偉くなったものだな。お前を拾ってやって育ててやったのは誰だ?もう忘れたのか?それとも何か?情でも移ったのか?あんなゆりかごの適正値の低いユタ(聖王の出来損ない)に金をかけて生かすだけ無駄だ。それに、新たな適正値の高いクローンができつつあるんだ。もう失敗作に期待する必要もなくなった」

 

「っ!そんな言い方って…」

 

「まだ何かいう気か?そんなに心配ならお前も()()()()()()()()()()()

 

「え?それはどういう…」

 

きき返そうとすると突如激しい痛みがマリナを襲った。

 

「目を覚ませばわかるさ」

 

そんな研究者の声を聞きながらマリナは気を失った。

 

 

 

 

 

 

それからどれくらい時間が経ったのかな。

マリナ……これからは姉さんと言おうか。

私と姉さんは裏路地にいたんだ。

 

姉さんは自分も一緒に捨てられたんだと察するのにそんなに時間はいらなかった。

 

「ああ、でもユタもいる。よかった…」

 

と、いいながら姉さんは私を抱きしめてくる。

 

「にしても…お金もほとんどないし持ち物も服だけって…よほど私たちには生き残って欲しくないのかなぁ。あの人たちが生み出した命なのになんでこんなに簡単に捨てられるのかなぁ。

 

……………

 

うん、考えても仕方ない。生きる術を身につけないと」

 

だが、姉さんは超ポジティブ精神を持っていたらしい。

なんかすぐに吹っ切れていた。

 

「よーし、まずは仕事を探さないと」

 

そういいながら姉さんは私を抱きながら裏路地から出た。

余談だけど、表通りにいた人に変な目を見られたがここは地球という星の日本らしい。

 

管理局の管轄外の星らしいね。この時の私はまだそのことを知らなかったけど。

 

 

 

こうして、姉さんは私を生かすために働こうとしたが……現実はそう甘くはなかった。

一年もしないうちに、姉さんも私も心も体もボロボロになっていた。




多分、初めてユタのちゃんとした過去を乗せれたのではと思います。

ちなみに、適正値の高いクローンとはわかってるかもしれませんがヴィヴィオのことです。

次の話を投稿したら一度番外編でギャグ系を挟んでやろうかと思ってます。
シリアス続きになるとは思ってもなかったので…


読んでくださりありがとうございます
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