「あのさ、プロデューサー。」
「ん?」
パソコンに向かい仕事をしていたプロデューサーが手を止めこちらを向く。
「杏がさ、もしプロデューサーのこと好きって言ったらどう思う?」
何聞いてんだか。
「なんだ、飴欲しいのか?」
ほらね。
「…まあ貰うけど。」
まあ、ってなんだよ。そう言いながらプロデューサーは背広のポッケから飴玉を取り出す、受け取って頬張る
プロデューサーはまたパソコンと睨めっこを始める。
「ねえプロデューサー?」
「んー?」
今度は仕事の手を止めずパソコンに向かいながら返事をされる。
「じゃあ杏がもし、プロデューサーのこと大好きだったら…どう思う?」
「なんだ杏、このあと焼肉でもいくか?」
半笑いで背中越しに告げられる
………そうじゃないのにさ。
「まあ、行くけど。」
おっけー、と時計を確認してまた仕事に集中するプロデューサーの背中をしばらく見つめてみる。
見つめて、眺めて、見つめて、眺めて。
「…プロデューサー。」
「ん?今度はなんだ?」
背を向けて仕事をしながら私の話を聞き流すような態度をとるプロデューサーの背中にしがみつく。背中、あったかい。
って、何考えてんだ、私。
「どうしたんだ?今日はやけに絡んでくるな」
しがみつかれても、こちらを向くことをせずパソコンと睨めっこ、キーボードをカタカタと打ち込む音だけが響く。
「こっち、向いてよ。」
本当に何言ってるんだ、私ってば。
すると、タン とキーボードを触る手が止まり、音も止む。
「なんだ?」
少し呆れたようにこちらを見つめるプロデューサーの表情をみて、なんだか全部どうでもよくなってくる。
「杏がさぁ!」
自分でもびっくりするくらい大きな声が出る
その大声に自分でびっくりして、声がしぼんでいく
「杏が…プロデューサーのこと…すごく大好きっていうか…その、男性として、異性として意識してるって、言ったら…言ったらさ……どう、思う?」
声がプルプルと震えてうまく話せない、めちゃくちゃだよ、もう。
「んー、そうだなぁ…なんか企んでる?」
ばか。
ばか、ばか……ばか。
ばか!ばかばかばか!!!
ばか!ばか!ばか!!!!
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか
!!!!!!!!!
…。
「…あほ。」
「阿呆みたいな質問してきたのはお前だろー?」
そうやって鼻で私のことを笑って、またパソコンと向き合う。
そうだな、阿呆みたいな質問した私が悪いんだな…笑える。
すこしだけ、目のとこが熱い。
「よしっ…と、お勤め終わり!」
元気よく叫ぶと、プロデューサーはソファでうつ伏せになる私を持ち上げ、目が合うと
目頭を腫らして鼻のたれてる私のことなんか気づかない鈍感男は笑う。
「焼肉、いくだろ?」
「………………………いく。」