”とばされ”日記   作:一般通行人

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四日目~六日目 雑魚敵は余裕よ

『四日目 小雨

 早朝に起床し、勇者を起こすことから今日は始まった。

勇者は起床後、荷物をまとめながら俺に質問をしてきた。質問というのは”何故アイテムの位置を知っていたのか”という事だった。

さすがにこの世界はゲームと大体同じだから。とは言えないため、たまに信託が聞こえるからと誤魔化しておいた。

 勇者は難しい顔をしていたが、恐らく真実は知らせない方が彼らの心の為にもなるかと思う。そのため、今後は「アイテムまで直行」という行動はなるべく控えようと思う。

 船に戻ると乗組員がもう出航の準備をしていたため、俺はその手伝いを、勇者は仲間を起こしに行った。

手伝いをしている途中聞いたのだが、どうやら昨日、俺らがテドンに行っているときにイノシシを仕留めた様で「今日は朝から猪鍋だー!」と勇者たちは喜んでいた。しかし、正直言って俺は書いている今(夜)でも、さすがに朝から猪鍋は無いだろう……と思っている。

 朝食を食べ終わった後はブルーオーブを探しに海へと出た。と言っても、勇者たちは既にシルバーオーブとイエローオーブ以外の情報はつかんでいたため、ランシールまで直行だった訳だが……

ランシール到着後はすぐに宿屋行きだったため特に書くこともないので、船内でのやり取りについてでも書こうかと思う。

 出発してすぐの事だが、海賊船がいきなり襲いかかってきたため戦闘となった。勿論、ハンドガンのフルオート機能で三分の一程殺し、三分の二程捕虜とした。その時Bが震えて戦えていなかったのが気になり、戦闘後理由を本人に聞いてみた。

理由を聞くと、どうやら対人戦はどうしてもできないらしい。俺からは特に言わなかったが、魔物は殺せるのに人を殺せないという点が疑問でならなかった。こう言った場合は説教まがいの事をした方が良いのだろうか?まぁ、見た目15歳の娘っ子に”魔物は殺せてなぜ人は殺せないのか”と問うのも酷なものか。

 ……書いていて思ったのだが、俺はいつから「殺す」ということに対して何の感情も湧かなくなったのだろうか?正直言って少し自分が怖い。もし元の生活に戻ったら豚箱or隔離病棟まっしぐらだな……

 話がずれたが、海賊を殲滅してからはその船から食料やお宝などを根こそぎ奪い、アイテム袋に入れた。まるで海賊のような行為だが、俺達は正当防衛かつ、正当に報酬を頂いたまでだ。それに彼らは悪なのだ。今まで散々同じ事をしてきたのだから、因果応報というやつだ。

 空になった海賊船を放置し、再出発した。少ししてから陸が見えてきたため、警戒を解き、錨や階段、各々必要な物資を用意し陸に向かった。

そこから三行で済むほど呆気ない一日の終わりだったため、三行でまとめると、

到着する

宿に向かう

寝る

……以上だ。そして異常だ。なぜ部屋を二つしかとらなかったのだろうか?なぜ勇者とC、俺とBで分けた?正直隣で美少女がスヤスヤと寝息を立てているから寝れそうにない。

もう寝れなさそうなので、最初に勇者に譲ってもらった謎の機械について考えてみるとする。お休み。

 

memo

・雨にぬれた服は気持ち悪くてかなわん。干すにしても天気が回復しないため、明日は予備の服でも買っておこうかと思う。

・確かブルーオーブ入手には、一人でダンジョンに入る必要があったはずなので、今回は服を買い次第、船の警備兵となっておこうと思う。』

 

 ♦

 

『五日目 晴れ

 今日も今日とて早朝に起床する。どうやら眠れていたらしく、体調は回復している。Bが抱きついて来ていたが起こさぬようゆっくりと腕をほどき、街へと繰り出す。

街ではモンスターを倒しているうちに溜まりに溜まったゴールドを半分ほど使い(ゴールドはパーティ配分だが、仕様の関係で俺だけパーティには入っていない)、服と食糧を買いあさる。

ちなみに支出詳細は、服に1200G(ジャージ程ではないが動きやすい、破れにくい中々に良い服)、食材に約3000G程だ。さすがに食材は買い過ぎて一ヵ月は余裕で持つであろう量を買い込んでしまった。

 勇者がブルーオーブを持ってきたときには、ちょっと豪華な料理をコックの乗組員に頼もうかと考えている。あのコックの作る食事は三ツ星レストランも目じゃない程の美味さっだった。いや、実際に三ツ星レストランには行った事は無いんだが……まぁ、大体そんなものだと考えてくれ。とにかく、あの美味さは犯罪的なので楽しみに待っていようと思う。

 乗組員に食糧を船に積み込むのを手伝ってもらった後、船内に残り警戒態勢になったのは良いものの、どうやら”勇者一行の船”ということが知れ渡っているらしく、盗賊、ごろつき、夜盗などは一切寄ってこなかった。というかむしろ町の人々全員から避けられていた。

途中、なぜか町の警部兵に職質をされたが運よくBが船に来てくれたため、何とかなった。

 その後、どうして起こしてくれなかったのか。寝顔は見たのか。などと頬を膨らませながら聞かれた。本人は怒っていたようだったが、何と言うか、リスに見えてしまったために、ごめんなーと言いながら頭を撫でたら手を噛まれた。ちょっぴり痛かった。

 その後も警備をしていたところ、乗組員に強制的に休憩を取らされたため、Bを誘って服屋などに買い物に行った。誘った時は少し驚いた後、とても嬉しそうに二つ返事で了承をしてくれた。

服屋に行ってからはもう大変。これはどうだのあれはどうだの、これとこれならどっちがいいのかだの……センスがない俺からしてみれば何がなんやらさっぱりだった。店員にカップルと間違われるなど少し照れるシーンもあったが何とか乗り越え、合計5000Gの服を買った。勿論全て俺の持ち金で、だ。

 なんだかデートのような事をした後、船に戻り警備を再開した。

再開して少しした頃に海から魔物がいくらか襲撃してきたがなんなく撃破。兵士や町人の方々から感謝と恐怖の念を受け取った。Bはそれで不機嫌になったが、なだめることに成功し、部屋に戻らせた後また船の警備をした。

 もうそろそろ日が落ちるかといった時間になった時、Aとcが戻ってきた。Cはどうやら昼間から酒を飲んでいたらしく、足取りがおぼつかない状態で戻ってきていた。元とは言え王国一の賢者よ、それでいいのか?

それよりも、一番気になったのはAだ。Aは夜宿屋に居なかったため、何処に行っていたのかと聞くと、はぐらかされてしまった。彼が寝る前にも一度聞いたのだが、”気にするな”と一言言っただけだった。

何かサプライズでもするのであれば俺も手伝いたいのだが、どうも話したくないようなのでこれ以上の詮索はしないようにしようと思う。

 日も落ち、月が昇り始めた頃、勇者がボロボロになりながらも帰って来た。一気に酔いがさめたCが真っ先に駆け寄り抱きついていたが、傷だらけの時にハグは辛いだろうと思いCを剥がそうとしたが泣きまくっていて俺の声が耳に入っていないらしく、離れようとしなかった。Cは、落ちた涙が勇者の傷に入り苦しんでいる様子に気がついてようやっと離れ、勇者にベホマを唱えた。

 完全に回復した勇者は俺たちに獲得したブルーオーブと、笑みを見せた。それを見るや否やコックが、”ヒャッハー!兄貴が買ってくれた大量の食料もある事だし今日は普段の五倍美味い飯を作ってやるぜぇ!”と、テンションが上がっていた。宣言通り今日の夕食は普段の五倍、いや、七倍は美味く、そして量も多かった。

満腹になったのは良いが、これを書いている今現在、船内はいまだ宴会状態だ。一体どう収拾を付ければ良いのだろうか?

 まぁ、彼らはいい。だが、”海賊の家”での事を思い出してもらいたい。そう、Bだ。彼女は酒癖が悪い。だから彼女が酒を口にする事を避ける……いや、阻止したかった。

阻止したかったのだが、ダメだった。途中途中字が乱れるのは酔った彼女にひっつかれているからだ。

 このまま

 

 すまない。この文は翌日に書いている。昨夜、書いている最中にBに宴会場(甲板)に強引に連れて行かれ、酔い潰れるまで飲まされた(酔えないので一晩中飲まされた)ため、最後に書いた文の後の事が何一つないため、今日の分はもう書くことが無い。ので終わる。

 

memo

・明日はパープルオーブ(ジパング)を目指す。』

 

 ♦

 

『六日目 くもり

 朝は特段何かあるわけでもなく、普通に出航した。昨日あれほど飲んだと言うのに乗組員の彼らは二日酔いになっていない。

これが船乗りなのかと驚愕したが、それよりも恐ろしいのはB。彼女だ。

 まだ酔いが抜けていないのか、なんだか分からないが朝からずっとひっついてきたのだ。おかげでSRは使えないし集中は出来ないしで結構辛かった。

後になって聞けば、彼女は朝もずっと飲んでいたためか昨夜から酔い続けていたらしい。そのせいで夜は大変だった。主にBの看病(酔いがさめると同時に吐いたり、ぶっ倒れるなどあったため、ベッドで寝ている)が大変だった。

 話は変わるがジパングを目指す途中、勇者から俺に話があった。内容は二つだ。

それは、”いつまでこの旅(魔王討伐)について来てくれるのか、そして何者なのか。”この二つだった。

それに対して俺は、”探し物が見つかるまではこの旅(魔王討伐)について行く。俺の素性に関しては、神様の暇つぶし道具とでも考えてくれ”と返した。

勇者は微妙な表情を浮かべていたが、嘘を言っていないのを分かってくれたらしく、それ以上は聞いてこなかった。

 更に話は変わるのだが、今日釣りをした。そしたら、マリンスライムが釣れたんだ。どうやらⅣに出てきたホイミンと同じく人間になりたいと言っていたのでパーティメンバーに加えることになったんだ。 

恐らく変化の杖を使えば何とかなると思うと言う事を勇者に伝えた所、それまでの同行の許可が下りたので可愛がるつもりだ。

このマリンスライムを見ていると、どうしても家に残してきた犬が頭にちらつく。あいつは元気でやっているだろうか?もし次に神にあったら聞くつもりだ。

 仲間が一人増え、順調に進んでいるこの旅だが、一つ、問題に気がついた。

もしかしてだけど俺ってBに好かれているのだろうか?今までの事を振り返ってみると結構そんな感じの行動を起こしているような気がする。

自惚れならそれでいいのだが、もし俺の事を好いてくれているのなら不都合が生じてくる。

 俺は探索が終わればいなくなるのだから、彼女が可哀そうになってくる。この場合、どうすればよいのだろうか?やはりきっぱり言うべきなのだろうか?

というかそもそも何故俺は今まで気がつかなかったのか……鈍感系ラノベ主人公でもあるまいし……

 この問題は先延ばしにするべきではないため、ジパング攻略後にBと話を付けるべきかと考えているが、それが旅に影響が出ないかどうかが心配でならない。

 

memo

・胃が痛い。』

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