”とばされ”日記   作:一般通行人

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七日目~十日目 圧 倒 的

『七日目 晴天

 さて、今日の成果から書こう。

結果から言えば、今日の戦いはこちら側の完全勝利だった。

 まず、昨夜の予想通り昼ごろにジパングにつき、情報収集により勇者たちにこの町の現状を知ってもらった。その後、生贄を欲していると言うヤマタノオロチがいる洞窟に入り、ゲーム通りの進行をし、賢者三人の圧倒的な魔法攻撃や強い正義感からかブチギレていた勇者による会心の一撃やら、俺の援護射撃やらで、ヤマタノオロチは何もできずに退散した。

 その後、地上へと戻り、ヒミコモドキに”誰にも言わなきゃ殺さないでやるよ”と、震え声で言われたので、全員で嫌だね。と言ってやった。そしたら本性を現したが、Aの呪文で足止めをしながら勇者が切り、攻撃が飛んでくればBの威力がケタ違いの回復呪文で回復し(正直オーバーフローでダメージが入らないか心配だった)、Aの足止め中に詠唱していたCのメラガイアーと思しき魔法がヤマタノオロチに直撃し、それでもなお動いていたため、俺はゼロ距離からハンドガンとSRを連射し続け、最後に勇者の怒涛の連撃でオーバーキル。

 

 実にすっきりした。例えるなら、格ゲーで、最終ラウンドで、此方が瀕死で、相手が体力MAXの時に、コンボからの一撃必殺に持って行った時のあの感覚だ。

戦闘が終わると、村の人々からは救世主だなどと言われながら、宴会が行われた。

 楽しかった……のだが、その後が辛かった。

何があったか。それは昨夜書いたことについてだ。

それ、酒だ。

 今回も今回でBの飲酒を阻止できなかった。そして今回はいつもの酔い方と違った。

Bが部屋で二人になった瞬間押し倒してきた。そこで好かれていると確信し、断る事にした。

押し倒された体を起こし、Bと目を合わせ、自分が近い日にはいなくなる事を話し、気持ちに応えることはできないと伝えた。

 正直心が痛かった。モテル男はどうやってあんなにいとも簡単そうに女性を振っていたのだろうか?やはり種族が違ったのだろうか?

とにかく、断った後はBが外に飛び出し、勇者たちは混乱。事情を説明すると、全員でBを探すことに。

 BはCが見つけたらしい。どうやら浜辺で泣いていたようだった。

その後、パーティー会議が開かれものすごく気まずい空気に。Aは困り果て、Bは暗い顔をし、Cは俺を睨みつけ、勇者は言葉を選び、俺は勇者の出方を伺う。なんとも帰りたくなるような部屋の出来上がり。

仕方なかった。俺からはこういうほか無い。何故か?それはこの旅(とばされ)をするにあたって、恋情や深い友情などの必要以上に別れが辛くなる感情は持ってはならない。そのためだ。

心苦しいが、ここから消える運命にある。身勝手なことだが、彼女には許してもらいたい。そして、どうか別の男と幸せになってもらいたい。流石にこのままでは悲しいから。

 CがBを連れ部屋に戻ると同時に俺は船へと向かった。途中勇者やAにまるで外道でも見るかのような目で見られていたが気にするようなことではない、はずだ。

 

 さて、今日は濃い一日だったと体感的に感じる。とにかく空気が重いんだよ、誰か死んだってわけでもないのに。

 もう書くこと書いたし終わろうと思う。

 

memo

・常識や良識の欠落が激しい。

・明日の冒険が不安でならない。』

 

 ♢

 

『八日目 晴天

 今日の冒険は酷いもんだったよ。勇者一行の動きがバラバラだった。

やはり昨夜のことが響いてるみたいだった。流石に戦闘中ぐらいは平気だろうと甘く見ていた俺がバカだったのか、気持ちを切り替えれなかった彼女らが弱かったのか、はたまたその両方なのか俺に判断はできないが……とにかく、失敗した。

 タンク職がいなかったことから、魔物との接近戦はすべて勇者が行っていた(一騎当千という言葉が当てはまる実力持ち)のだが本来苦戦することがまずあり得ないような的でさえ手間取ってしまったため、勇者へのダメージは大きかった。

もちろん、俺も後方から撃っていたのだが、処理するべき敵の数が多すぎる、かつ流れ弾のことも考えなければならなく、余計手間取った。

そのため、今日は一回戦闘をしただけで休息をとることに。(ベホマで一瞬で回復するはずなのだが……)

これを言っていいのかは分からないが、とりあえず言えるのは、今日は俺一人で戦闘をした方がよかった。そう思っている。

 

 なんだか今日書いたものを見直すと、完全に駄目でやばい奴になったなとつくづく思う。人間性を捨てた記憶はないんだがなぁ。

さて、今現在船はシルバーオーブを探すため、情報収集をしに商人の町へ移動中だ。あそこなら情報は手に入るし、イエローオーブも入手できたはずなので一石二鳥、というわけだ。

 まだ着くわけでもないのだが、一応着いてからの行動は考えている。が、この際男三人集で行動するつもりだ。その方が効率もいいだろう。

 しかし、この現状をどう変えたものかと悩む。彼女が自力で立ち上がってくれるか、周りの俺らが何かしらのアクションを起こさなければならなくなる。

となるとイベントが起きるのが一番効率的かつ現実的だ。

 なに、ここはゲームの世界だったんだ。なら勇者一行にはイベントの一つや二つは起きて当たり前だ。

そこに期待するとしよう。

 では、寝る。

 

memo

・シルバーオーブまでの道のりはどう誘導するか、明日の昼までには考えておく。』

 

 ♢

 

『九日目 小雨

 やぁ。僕だ。

 今日は昨日の予定とは少し違って全員での情報収集となった。

どうやら昨日の夜でBは立ち直ったらしく、今日は無理をしていない笑顔をしていた。

彼女は俺の知る女性の中で一番強い精神を持っている人かもしれない。

 話を戻すが、Bの復活により全員で"商人の街"でのイエローオーブ、シルバーオーブの情報を集めた。

話を聞いて行く中で、"サマンオサ"が怪しい。ということと、北の島に"変な爺さんがいる"と聞いた。が、イエローオーブの情報については得ることはなかった。

 確かサマンオサでボストロールを倒せばフラグが立ったはずなので、さっさとサマンオサまで向かおうと思う。

が、勇者たちが"北にある家に向かう"と言い出したため、少しばかり遅れると思う。さすがに信用がた落ち状態の奴の言葉は信用に値しないだろうからって黙ってた結果なので、少しばかりもどかしい。

 船に戻ってから、乗組員に話を聞いたところ、明日の早朝には着くとか。それまで俺も手伝いをしつつ過ごすことにした。今回は寝ずの番だ。

 

memo

・さすがにラーの鏡無しでボストロールを殺すのは不味いか。』

 

 ♢

 

『十日目 快晴

 オッスオッス。本日の日記だ。

 小雨の中、一晩中見張り台に立ち見張っていたため、服が濡れて気持ち悪い朝だった。一応前に買った服があったのでそれに着替えて、濡れた方は干した。

しかし、舵を取る乗組員の人に交代するごとにパーティー内で何かあったのかと聞かれたため、説明が面倒だった。ただ、反応は笑う者もいれば同情してくる者もいれば、さげすむ者もいれば、ニヤニヤしてくる奴もいた。反応は様々だったため、飽きない見張りではあったため、面倒くささは差し引きで一ぐらいにはおさまった。

 そして早朝、勇者たちが起きだしてきて今日の予定、行動計画を立て始める。もちろん、俺もその場に居た。黙りこくっていたが。

 予定を立て終わると、それぞれ準備をしに部屋へと戻るのだが、今日は違った。

終わると同時に、静かにしていたBがいきなり立ち上がって全員を引きとめた。そして"私のせいでご迷惑をおかけしました"という言葉を発し、その後、俺に対しての謝罪、旅を甘く見ていたということ、もう気にしなくても大丈夫だということを伝えた。

 どうやら彼女の中で完全に踏ん切りがついたらしい。罪悪感がわいてくると同時に安心感が生まれてきてしまった。

自分はもともとどうやって考えていたのか、どうしてこうなったのか、はたまた元から壊れていたのか

書いているうちに取り乱してしまった。この日記をつけるにあたって問題なのは消しゴムがないことだと今気がついた。

 

 閑話休題。

 

 そんなこんなで多少はパーティー内の雰囲気も緩和されたため、後は俺の頑張り次第だろうと言ったところだ。

 その後はいつも通り各自部屋に戻り旅の準備をした。そして少しすると、乗組員の一人が目的地に到着したことを報告しに来たため、陸へと降り、"老人の家"まで向かった。

 あたり一面氷の床だったのだが、一部のみ草原がぽつりと存在していたため、ゲーム通り足を踏み入れると世界が変わった。

それで、少し歩いていると家を見つけたため伺ってみることに。

 案の定"変化の老人の家"だったらしく、あいさつを交わし老人と会話を始めた。

少し話をしているうちに変化の杖についての話題が上がった。その中で"幽霊船"についての話題も上がったため、進む手掛かりが一つ増えた。

 その後、どうするかと旅の予定を決めた。結論はサマンオサに行きながら"幽霊船"の手掛かりを探すというものだった。正直なところ、攻略チャートを覚えている俺からしてみれば遠回りしてるとしか思えないが、流石に直で"幽霊船"に向かうのはまずいとここで判断した。

 とりあえずは世界地図の情報通り、"旅の扉のほこら"から"旅人の教会"までワープし、そこからサマンオサに向かうことに……というよりも現在はもうサマンオサなのだが。

街に入ったら"怪しい奴め"と言われ投獄されたが最後のカギで難なく脱獄。その後街で情報収集をする中でヒミコもどきのこともあり、王が偽物ということにうすうすだが感づいてきたようで、"王にラーの鏡を使ってみよう"という、勇者の発言により明日の予定は決まった。

 なんで"ラーの鏡"を持っているのかと聞いたところ、"前に親父が取ってきた"とCに言われ、ものすごく困惑した。何者だよ、Cの親父さん。

 そんなこんなで現在は宿屋で明日に向けて休憩中だ。ボストロールは図体がでかいので、弾は当たりやすいだろうから倒すことに関しては問題ないだろう。

では、また明日の日記で。おやすみ。

 

memo

・特になし。』

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