死と生、終わりと始まり
全てに陰と陽は存在し巡っている
惑星だって死ぬなら人間の死は小さいのか…

運命に抗えなかった少女達の悲しい最期を綴った物語

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大分前から暖めていたストーリーの一部を改編したものです
あらかじめにいうとこれでもマイルドにした方です
この作品を通して伝えたいことがあって
そのために致し方ないんです…



東方悲終話~つながりの物語~

紅魔館門

 

とある深夜

常人であれば眠気に負け寝てしまうような夜中

しかし彼女は寝ていなかった

紅美鈴…本来であれば夢の中であろうだが彼女は起きて門番をしていた

「…」

様子を見に来た

紅魔館のメイド長十六夜咲夜も言葉を失った

「おや?咲夜さんおはようございます」

「おはよう…驚いたてっきり寝てるのだと…」

「えへへ…寝れるわけ…ないじゃないですか…」

後半の言葉は咲夜にはとどいていなかった

「?」

「なんでもないです…そんなことより妖夢さんが捜してましたよ」

「妖夢が?…わかった…今度見かけたら客間に来てといっておいて…私はお嬢様のお相手をしてくる」

「御意!」

 

「咲夜ぁーお腹すいたーおかしぃー」

お嬢様ことレミリアスカーレットは

たまに子供っぽくねだってくる事がある

こんなとき彼女は心を鬼にして断る

「いけませんよすぐにお夕食をお持ちしますのでもう少しお待ち下さい」

「うー…ちぇちょっとくらい、いいじゃん」

ふてくされた表情からいつもの猫のような表情に変わる

「そういえば今日は…千夜の…」

「そうですね…お誕生日です」

「夕食が終わったら墓参りにでも行こうかな…」

「ご一緒します」

「いやいいわ…あなたは早く妖夢にあってやりなさい」

「…御意」

咲夜は一礼してレミリアの部屋を後にした

 

咲夜の姿は客間にあった

「美鈴とあったかな…」

「咲夜さん」

客間に妖夢の声が響く

「どうしたの?探していたみたいだけど」

「いえ…同じ従者として貴方と一度、お話がしたくって」

「それでここまで?」

「えぇ…」

「…解ったわ…」

咲夜が立ち上がった

その後、謎の悪寒を覚えた

「ちょっとそのまえに霊夢ん家に行っても良いかしら?…なんだか嫌な予感がするの」

「は、はい」

「行きましょう」

 

 博麗神社

「…むふぅ…」

霊夢は神社の境内を掃除していたが

まるで意識はここにないようだった

「…」

霊夢の中で鼓動が大きく鳴り響いた

「やばっ…!」

霊夢の髪が白く目が紅くなり

牙が生える

「最近なかったのに…」

「霊夢…霊夢!!おい!」

たまたま遊びにきた魔理沙が霊夢に駆け寄る

「離れッ!てッ!」

「離れろって…どうしたんだよ!?最近なかったじゃねぇか!!」

全ての変化がなくなり霊夢は力を失ったように倒れた

「霊夢…兎に角休もうか…」

霊夢は魔理沙に肩を取られ静かに頷いた

「茶か白湯かどっちがいい?」

「白…湯…」

「分かった…食欲あるか?」

「なんと…か…」

「んじゃ…ついでに粥も作ってやる…絶対寝てろよ」

「あり…がとう…魔理…沙…」

霊夢は縁側に寝かされた

魔理沙は台所に歩いていった

相も変わらず霊夢の鼓動は高く鳴り続ける

「霊夢、起き上がれるか?」

「…頑張る」

「無理すんな お前の発作は命に関わるだろ」

魔理沙が白湯を霊夢に飲ます

盛大に口から溢れたが…

「ん…魔理沙下手だね…w」

「うるせぇ」

「ん…んん…溢れてるって… 」

「難しいんだよ?結構これ」

霊夢が起き上がった

「ありがとう…お粥は自分で食べるわ」

「大丈夫かよ」

「幼なじみに良心的に看病してもらったら嫌でも治さないとだね」

霊夢の目は憂いに包まれていた

「魔理沙」

「なんにも言うな…お前のことならわかってるつもりさ」

「よかった…」

霊夢の表情の悲しみが消えていった

「……」

魔理沙の表情も段々緩む

なんとも言えぬ沈黙が二人を包む

「…もう少し寝てていい?」

「おう…なんだったら膝枕してやろうか?」

「お願いするわ…固い床はどうも寝にくて…」

霊夢が縁側に横になる

「…ありがとう、魔理沙が居てくれてて良かったよ…」

「黙って寝ろ」

「…うん」

霊夢の血には吸血鬼のそれが流れている

いつもは人間の血の濃さから

人間であるが

ごくごく希に吸血鬼の血が暴れだし

表にでようと足掻く

その結果、猛烈な拒絶反応が起き

大量の妖力を一気に放出し

弱ってしまう

その上逃れる事のできない

死のイメージに襲われる

その結果、霊夢は猛烈に弱り

凄く弱気になる

魔理沙は心配しないように

明るくいつも通り接していた

魔理沙が笑えなくなったら霊夢は笑ってくれない

それは魔理沙は重々知っていた

だから霊夢の笑顔を守るために

自分は無理してでも笑う事を心がけた

「…もう止めてくれよ」

二人が神社の石段を登ってきた

「魔理沙さん!お待たせしました!って霊夢さん!?」

「…妖夢、しっ」

咲夜は妖夢の口をふさいだ

「珍しい構図じゃない…普通は反対だ…」

「そうだなぁ…普通は反対だぜ…膝枕なんてしたことないし…霊夢じゃなきゃ…しねぇし…」

咲夜はそっと微笑むと霊夢の髪を正す

「…めんどくさい体質よね…霊夢も」

「半分も吸血鬼じゃねぇのにな…どうして…こいつばっか…」

魔理沙は歯ぎしりせんばかりに歯を食い縛った

「…魔理沙あんた…」

「…?…咲夜…?」

霊夢が起き上がった

「大丈夫なの?あんた」

「大丈夫、大丈夫…」

霊夢が頭を押さえながら起き上がった

「頭痛くらいよ…」

「本当ね?」

「本当…」

咲夜がフッとため息をついた

「霊夢さんはなんで寝ていたんですか?」

「いろいろあってね…」

霊夢が咳払いをした

「なんでもないわよ…心配しないで」

霊夢が歩き出した

「歩いて平気なのかよ」

「大丈夫…」

魔理沙が立ち上がった

「紫にも困ってるわ、心配性なのよ全く…」

「…咲夜」

「なに?」

「…やっぱなんでもねぇ…」

「…なら呼ばないでよね…」

咲夜は霊夢に近づいた

「大丈夫なのね?…ったく嫌な予感がして来たらこれだもん…心配しちゃったじゃない」

「…霊夢さん」

妖夢の心配そうな目線と言葉をかきけすように霊夢が言った

「さぁさぁ散った散った」

妖夢は空を飛び、咲夜は瞬きした瞬間消えた

霊夢はふっとため息を漏らす

「霊夢、私は…」

「紅魔館に行って調べてほしい事があるの、魔理沙にしか頼めないわ…図書館に行って私の名前を出せば分かるはずよ」

魔理沙は頷くと箒で飛んでいった

「早くしてよ…魔理沙…私にはもう時間がないの…」

 

紅魔館 地下図書館

「て事があったんだが」

魔理沙は図書館の主、パチュリーノーレッジに事の経緯を話した

「その品はこれね」

パチュリーが一冊の本を取り出した

「本?」

「白紙の本よ」

「はぁ?」

「人間にはね…ふと自分の事を書きたくなることがあるのよ…きっと不安なのよ…皆」

「なんだよそれ…まるで遺書だな…」

「似たようなもんよ…人間いつ死ぬか分からないんだから…」

「それもそうだな」

魔理沙が肩を竦めた

「んじゃ渡してくるよ」

 

魔理沙が戻る頃には夕方になっていた

午後から出たのもあるのかもしれない

「霊夢?霊夢!?」

大きな声で霊夢を呼んだが返事は来ない

「おっかしいな…寝てんのかな…まぁ寝てるならしょうがねぇな」

魔理沙は縁側に本を置き、博麗神社を去っていった

 

その日の夜

「霊夢さん…大丈夫かな?」

妖夢が一人で夜道を歩いていた

「…でもあれは…間違いなく…」

刹那、妖夢の腹部に激痛が走った

妖夢が驚いて自分の腹部を見ると白く華奢な女性の手が自分の腹部を貫いていた

妖夢はそのまま倒れてしまった

「…くっ…誰かに…伝えなきゃ…霊夢さんからは…死相…が…霊夢さんは…近くに…死んで…しまっ…」

最後まで言わずに力尽きてしまった

 

翌日、予期せぬ知らせが舞い込んできた

妖夢が殺されたらしい

その他にも大量の人間が殺された

魔理沙は直接見た訳ではないが

遺体に吸血鬼の牙の痕があったらしく

人里の人々は真っ先に紅魔館の主を疑った

当たり前といえば当たり前の反応だ

しかし魔理沙はその事にいささか疑問を感じていた

「吸血鬼が人間を襲うのは理解できる…が何故、レミィが妖夢を襲ったんだ…?」

魔理沙には不思議と知り合いが亡くなったのにも関わらず怒りも悲しみも芽生えなかった…

内心はとても辛かっただろう

だがその感情は表に表に出ることはなかった

何かおかしな力が働いたのか

はたまた魔理沙は妖夢の事を何も思っていないのか

おそらく後者は無いとは思うが

 

博麗神社も妖夢が死んだ日からもぬけの殻だ

魔理沙が渡した本も無くなっていた

瞬間、恐ろしい推理が脳を巡った

首の牙の痕

人を襲う

もぬけの殻の神社

全ての点が線になった

「霊夢か…霊夢が妖夢を殺したのか…!?」

魔理沙は急いで紅魔館へ向かった

 

「そんな…事って…」

咲夜は魔理沙の話を聞くや否や崩れ落ちた

当たり前だ、これが適切な反応といえる

「…何故、私は何も感じないんだ…?妖夢が死んだんだぞ?…霊夢が犯人かもしれないんだぞ…?」

咲夜は立ち上がった

「悲しすぎるのよ…魔理沙にはきっと…死んでしまうほど辛いから…脳が閉ざしちゃってるのかも」

「そう…かもな…」

ただでさえ情に流されやすい彼女だ

親友の死を真に受けたら本当に自ら命を断ちかねない

「…私はどうすればいいんだ…」

咲夜が微笑みかけた

「霊夢を探して…私はお嬢様を守る」

「探して…どうするんだよ…」

魔理沙は震えていた

咲夜は迷いなくこう答えた

「殺すわ」

魔理沙は首を横に降った

「いい加減にしなさい!あいつは…吸血鬼の力に呑まれて妖夢を殺したのよ!昨晩、お嬢様も妹様も紅魔館にいらっしゃったわ…ということはこの幻想郷に吸血鬼はあと霊夢しか居ないのよ!分かる?このままだと私達はおろかアリスやお嬢様まで危ないのよ!」

「なにか…なにか理由があるはずなんだ…」

「いつまで甘ったれた事を!」

「だって!霊夢だぞ!?俺は霊夢と9つん時から一緒なんだ!あいつがどれだけ強いか…どれだけカッコいいかは誰よりもわかってる!!そんな霊夢が力に呑まれて妖夢を…親友を殺す訳がないんだよ!!」

魔理沙は目に涙を貯めながら訴えた

「…とにかく探して来なさい…話はそれからよ…霊夢が居ないんじゃ有罪にも無罪にもできないわ」

魔理沙は頷くと紅魔館を飛んでいった

「…」

 

魔理沙は人里に降りた

すると人混みができていた

魔理沙の耳には届いては居ないがそこでは紅魔館にヴァンパイアハンターの軍隊を送るという話が持ち上がっていた

 

魔法の森

「霊夢…霊夢!どこだよ…霊夢!」

「うぅ…ぐぬ…がはっ!」

霊夢の名を呼ぶ声を止めると誰かが苦しそうに呻く声が魔理沙の耳に届く

「霊夢?…霊夢!!」

そこには霊夢が居た

白髪の赤い目で牙を生やしていて

パッと見では分からないが

特徴的なリボンと服装が物語っていた

「霊夢!どうしたんだよ…霊夢!」

「魔理沙…?…ごめんね…もう何も聞こえないんだ…」

魔理沙が霊夢を抱えると霊夢は虚ろな瞳を魔理沙に向けた

「嘘だろ…なんで…どうして…」

「…魔理沙…私はもう…長くなかった…吸血鬼の血が表に出始めて…わかったんだけどね…皆の前で死ぬのが怖かった…」

「だからって…こんな森の中で…」

魔理沙の口の形でわかったのか霊夢は答えるように呟いた

「ここ…魔理沙の家の近くでしょ?…どうせなら…魔理沙の近くで眠りたいと…思ってね…」

霊夢は口から吐血した

「霊夢!最後に聞かせてくれ!妖夢を殺したのはお前か!?」

「違う…違うよ…私じゃない…」

「そうか、すまん…私に…もっと魔法の知識があれば…!」

「いいんだよ…私…今まで楽しかったから…できれば…もっとお話…したかったけど…」

霊夢の手が魔理沙の頬に触れた

「バイバイ…魔理沙…」

そのあとすぐに霊夢の手は力を失い地面に叩きつけられた

「霊夢…!霊夢!」

すでに霊夢は息をしていなかった

「…」

魔理沙は大きな喪失感にうちひしがれていた

 

その頃、紅魔館にヴァンパイアハンターが集まっていた

「咲夜…本当にいいの?」

「はい…」

咲夜にレミリアが噛みついた

咲夜の犬歯が牙のように伸びて目が赤くなる

「それではいって参ります」

 

日没と共に咲夜が出てきた

「…魂魄妖夢を殺したのはこの私!十六夜咲夜よ!文句のあるやつはかかってきなさい!」

ヴァンパイアハンターは一斉に畳み掛けた

ヴァンパイアとなった咲夜の実力はものすごく

50vs1でも十分に戦えれていた

しかしその戦いは長引き日が上り始めていた

咲夜はそれまでに50人を倒せたが

疲労と受けた傷から動けなくなった

当然、ヴァンパイアなのだから日光にあたると体は灰になってしまう

レミリアは止めようと手を伸ばした

半身、灰になり消えかかった咲夜が最期に発した言葉は

「今までお世話になりました」

だった

そして咲夜は風と共に消えてしまった

 

やはり魔理沙が咲夜の死を知ったのも翌日であった

霊夢は魔法の森で手厚く葬られた後なのだろう

魔理沙の目は咲夜の死を知ると焦点を失い細かく震えていた

その後、消えるような足取りで自宅まで戻り、ナイフを手に取った

「妖夢…霊夢…咲夜…今…行くぜ…」

魔理沙は虚ろな目のままナイフを自分の首に刺した

鮮血が魔理沙の家の白い壁に飛び散った

 

なぜこうなったのか…誰も分からない

運命は…世界はこんなにも残酷だったのか…

死…人間の最も恐れる単語であり

最も身近な単語…

前を見据えるだけの人生なら見え続け

後ろを振り向いてばかりの人生なら永遠に見えないそのゴールは果たして本当にゴールなのか…

私は近くに死ぬだろう…でも私が死んだところでこの世界は変わりはしない

知り合いは悲しむだろう…

神社は静かになるだろう…

それも短い間だけだ…

なら"次"もあるかもしれない

次があるなら私は…巫女ではなく

普通の外の世界のJKというものになりたい…

博麗霊夢作

  To my dear friendより抜粋

 

外の世界のどこか

「蓮子!蓮子ってば!」

茶髪の少女が目を覚ました

「どうしたのよ?あんたが眠るなんて珍しいじゃない」

「どこが珍しいのよ…人間、起きてりゃ眠くなるわよ」

この茶髪の少女、蓮子とその友人メリーは大学の図書室に居た

「ん?なに読んでたの?」

「あー作者不明の本…

To my dear friend…霊夢っていう人が書いたらしいんだけど…霊夢なんて人居ないんだってさ、こんなすごい文章書けているのに」

「へぇ…その霊夢って人、不憫ね…」

「そうでも無いみたいだけどね」

蓮子が大あくびをした

「随分、長い夢を見てた気がするんだ…」

「そんなに寝てないけど?」

「ううん…そうじゃなくてさ…前世の記憶ってやつかな…だとしたら…この世界も捨てたもんじゃないのかもね」

「意外と蓮子の前世、霊夢だったりして」

「えぇ!?…ま、あり得なくもないか…意外とメリーの予想当たってたり?」

メリーは少し複雑な表情を浮かべた

「どうしたのよメリー?」

「今日はケーキ食べようか」

「?…いいよー」

蓮子が頭の後ろで手を組んだ

「もう…離さないからな…」

「え?」

メリーの言葉は蓮子には届かなかった

「ううんなんでもない、ほーら!早く行こ!」

メリーが後ろから蓮子を押す

「わかったから押さないでよ!一人で歩けるからさー」

二人のにぎやかな笑い声は夕焼けに吸い込まれていった




この世にもし1億人東方ファンが居れば
1億個の幻想郷があり
170億人くらいの東方キャラがいます
二次創作の中ではそんなキャラの死がよく描かれる場合が多いと思います
実際、僕の小説でも今回で四人
切望伝でのリグル、仮面魔龍でのアリス
オリキャラは退けても6人のキャラの死を取り扱っています
特に今回のような"死"を題材とした場合
もちろん、死の描写は避けられません
沢山、人が死ぬならほいほいと人の死の描写を書かなければなりません
それなら前言っていた
「キャラの不遇や死は本当に必要か考えなければならない」という考え方はきれいごとなのか
所詮は創作だから人は死んでも良いのか
この小説で死んだ四人だって
日常茶飯事では元気に出ています
この小説での死はまったくの無意味だったのか…
それでも確かにこの世界では
170億人が169億9999万9996人になったんです
自分でも何を言ってるのか何を訴えたいのか
上手く文にできませんが…

きっと創作とはいえ人の死…人間の死を悼む心は
絶対に忘れてはいけません…絶対にです
それを伝えたいと思い、この小説を書きました

次は日常茶飯事を書きたいと思います
何を思い立ってか悲しいもの書いてしまいましたし
軽くはしゃいで書きたいと思います

突然の短編失礼しました(?)

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