とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

93 / 93
もうなんかこれまでの伏線全部回収できるか分からない( ᐢ. ̫ .ᐢ )
ので、矛盾とかあってもとりあえず書く!


潜水

「おい、何をぼーっとしている」

 

そう声をかけてきたのは、目の前に座る目付きの悪い、小さなちっふーこと織斑マドカ。魔法少女ではない。マドマギ?知らんな。

周りを見れば、明るく日差しが降り注ぐなか、真昼間からエールや黒ビールを飲むおっさんおば様方が、俺たちと同じようにテラス席のパラソルの下で、俺たちとは違い飲んだくれている。いいなあ。

 

そう、何を隠そう。今俺は、ヴォルフスブルクはドイツに来ている。そこ、またドイツかとか言わない。こっちも来たくて来ている訳ではないのです…。

 

 

 

 

思い返すこと数時間前。

 

NSL123便を救助したは良いものの、IS操縦者として顔を出せる訳ではない俺は、海への逃走を敢行。クソウサギこと束が近くまで来ていたことはアンサートーカー先生で確認していたので、後は束の奴が格納してくれるかどうかが問題だったが、運良くというか束の奴が入れてくれたおかげで難を逃れることが出来た。…まあ、その素直な姿勢に裏がありそうでなんとも不気味ではあるのだが。

そんなこんなで束の潜水艦、というか万能移動式ラボラトリーに入った俺は、IZこと古鉄を解除。通常形態にした。ちなみに古鉄の通常形態は襟章でした。縦長の平行四辺形のなかにダイヤみたいな平行四辺形が入るという、なかなか伝えにくい感じ。でも格好いいから良し。赤地に黒って良くない?

 

そんなとりとめもないことを考えていると、アナウンスが聞こえてきた。

 

『やあ鹿波。いらっしゃい!』

 

「黙れクソウサギ」

 

いらっしゃいも何も、自分から来るように仕向けたのはこいつだ。けっ。…あれ、じゃあ束の奴は何も言わなかったところで中に入れてくれたのでは。心配するだけ無駄だった…?

 

い、いや違うし。べべべべ別にちょっと気にしてただけだし。大丈夫だって分かってましたよええ。…すいません見栄はりました。ちょっと大丈夫か心配してました。

だってこいつ天災じゃん…。絶対何か裏あるよ。

裏なんて無いアルよ?あるんじゃん。

 

『さてさて、とりあえず入っておいでよ』

 

そう言うが早いか、目の前の壁が上下に開き、中に進めるようになった。やれやれ、あんまりこいつの手のひらの上っていうのは好きじゃないんだけどな…。やれやれだぜ。ふー、やれやれ。

やれやれ系主人公は最近どうしているのだろうか。死んだの?

 

「おーす鹿波ー。ひっさしぶりー♪」

 

「死に腐れ」

 

満面の、本当にまさに得意満面と言わんばかりの笑顔があまりにうざったくてつい本音が出てしまった。本当にこいつは人を苛立せる天才かもしれん。爆ぜろ。それか、ここから消えていなくなれ!(カミーユ感)

 

「えー、ひっどいなー。せっかく束さんがいろいろ教えてあげたっていうのにさー」

 

ぶーぶー、なんて口を尖らせる束(クソウサギ)だが、お前がそんなことしたところでまったく可愛くないからな。

あ、クロエもいる。久しぶり。

 

「お久しぶりです」

 

そう言って優雅に従者の礼を取るクロエ・クロニクル。うーむ、まさにこいつにはもったいないほどに出来た付き人である。

気が付いたらテーブルに紅茶が2セット置かれているあたり、こいつ、出来る…!な感じである。いい香り。

 

「ちょっと束さんを無視しないでくれないかなー」

 

「息災か?」

 

何か物音がするが意図的に意識しないことにする。

 

「おかげさまで。…そちらもご壮健そうで何よりです」

 

「おう」

 

おしとやかにスカートの両端を軽くつまんで礼をする姿は、どこかの誰かさんに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいに様になっていた。

美少女っていうのはこういうのを言うんだよ。

 

「こらー!無視するなー!」

 

ち。

バカがうるさくなってきたので仕方なく、ほんとーに仕方なく、相手をしてやることにする。

 

「どうした束。カルシウム不足か」

 

こんな((>Д<*))顔しやがって。

 

「いつも紅茶にはミルクをお付けしています」

 

じゃあ違うな。更年期?

 

「二人して私で遊ばないでくれるかなぁ!?」

 

わりとぷんすこ具合がけっこうな感じになってきたので、このあたりでいじるのはやめることにする。残念。

じゃあ、そろそろ本題に入りますか。

 

ため息を一つ。

 

「で。

実際、俺を呼び出した用件は何だ。あんな七面倒な真似までして」

 

「あー、うん。用件は二つ…いや三つかな?

一つ目はマドカちゃんね。あの子のナノマシンは束さんが無効化しておいたよってこと。

二つ目は亡国機業の襲撃計画とその対応のお願い。

三つめは内緒」

 

そういってパッチン☆とウインクしてくる変態科学者うさたん。

...ウサギに失礼なので普通に束と呼ぼう。うん。

 

「さすがに仕事早いな...。で、内緒ってなんだ」

 

「内緒は内緒だぜ」

 

そのニヤケ顔を今すぐにでも崩れさせたい。

 

ところでアンサートーカー先生、こいつの三つめって?

 

『あなたがIS学園を離れること及びある計画の詳細調査』

 

...またぞろいらんこと考えてるのかね。

まあいい。

それに、ある計画…ね。

 

「ちなみにIZ完成したぞ。名前は古鉄」

 

「鹿波が私に名前を付けさせてくれるって言ってたのをガン無視してもうその子に名前を付けてるとかふざけんなおらー!」

 

開口一番叱られた。

 

「だが謝らない!それが俺だ」

 

「性欲をもて余す?」

 

どこかの蛇さんじゃあるまいし。

ただまあ。

 

「あんな風にやりたい放題された意趣返しと思いねえ」

 

そう言うと、うぐ、と言わんばかりに表情をひきつらせた。わざとらしい。

 

「…だってしょうがないじゃん」

 

知らんがな。

 

「俺はあんな風にステルスも無しで飛び出したくなかったんだけどなー、否応なしに有名になって辛い思いをしたことある奴が俺の目の前に居ると思ってたのになー」

 

「だが謝らないっ!」

 

うぜえ。こいつ…!

 

と思っていると、とはいえ、と呟いてあごに人差し指を当てながらうーん、と唸りだした。あざとい。

 

「…んー、じゃあお詫びというのも何だけど。何か一つだけ欲しいものを準備したげる」

 

「ほう?」

 

一つとはいえ、こいつが準備出来るものと言えば相当色々ある。どうするか…。あ。

 

「あ、でも無理なものは無理だからね?」

 

「例えば何だ?」

 

こいつに無理なこととかあるのか。

 

「人を生き返らせる道具とか」

 

「…まあ、頼みゃしねえよ。そんなん」

 

やけに真摯な表情をして言われると、茶化して返すことも出来ない。ま、そんなもの、仮に出来ても要らないけどな。

 

「イメージインターフェース。出来るか」

 

「どんなやつ?」

 

どんな、か。そうだな。

 

「人間の脳の一部思考領域を機器に接続するようなやつだな」

 

「うーん、出来るかと言われれば出来るけど。何に使うのそれ?」

 

まあ、気になるわな。

俺の予定では、恐らくアンサートーカー先生という"異能"は、脳の思考領域のどこかに格納されている。で、それとIS…まあ、古鉄はIZだが、繋げることが出来れば、戦闘に関してはほぼ安心だろう。

それ以外でも、頭の中でイメージした音楽をアウトプットしたり、脳内のイメージを画像や動画でアウトプット出来れば、非常に面白い。

音楽作りが簡単になるし、何よりも専門知識や機材が不要というのはやはり大きい。

…売り物にしたらめっちゃ儲かりそう。

 

「ま、とりあえずくれ」

 

「…まあ良いけどさー。あ、後で古鉄ちゃん見せてね」

 

「はいはい」

 

そんなことを話ながら、俺たちは束の作業場に歩いて向かった。

 




長くなったので分割
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

キヴォトスに生まれたからには普通の恋愛は諦めようと思う。(作者:一般な男子生徒)(原作:ブルーアーカイブ)

一般男子生徒「キヴォトスの生徒ってのはね。みんな先生が好きだし、俺みたいな取り柄ない一般男子生徒に靡かないし、兎に角最終的にみんな先生LOVEにならなきゃいけないんだ。」▼先生(何を言っているんだろうこの子)▼一般生徒(何言ってんだこいつ)▼一部過激派(何言ってんだこの野郎……っ!!)


総合評価:811/評価:7.77/連載:2話/更新日時:2026年08月07日(金) 22:35 小説情報

魔法科高校の月島さん(モドキ)(作者:すしがわら)(原作:魔法科高校の劣等生)

※※不定期更新※※▼次回 9/29 7:00更新▼―――――――――▼深雪「何を言ってるんですか、お兄様。沖縄海戦で大亜細亜連合を撃退できたのも、ブランシュ日本支部を壊滅できたのも、飛行魔法術式を開発できたのも、九校戦で第一高校が総合優勝を決められたのも、横浜事変をあれだけの被害に抑えられたのも、全部 月島さんのおかげではありませんか」▼達也「おい、オマエ …


総合評価:34123/評価:8.64/連載:85話/更新日時:2026年09月24日(木) 07:00 小説情報

英霊スバルのゼロから始める聖杯戦争(作者:どんぱち)(原作:Fate/staynight )

「サーヴァント・セイバー、ナツキ・スバル。召喚に応じてただいま参上!」▼ 英霊ナツキ・スバルは、2004年冬木に第五次聖杯戦争のセイバーとして召喚された。スバルは衛宮士郎と共に、最弱のサーヴァントとして幾度の死を乗り越え、聖杯戦争の終結を目指す。▼「行くぜ、英雄夢想。──運命様、上等だ!」▼※『Fate/stay night』と『Re:ゼロから始める異世界生…


総合評価:3339/評価:8.94/連載:21話/更新日時:2026年09月26日(土) 00:00 小説情報

ダンジョンに元水神がいるのは間違っている(作者:白黒ととか)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

フォカロルス絶対生かすマンが好き勝手した結果▼水神の神座を簒奪して自分ごとぶっ壊してフォカロルス生きてるし?▼多分フォンテーヌ人は生きてるやろうし?みんなハッピー(妄想)になった後なんか生きとるやんけ我!好き勝手生きたろした話▼原神の描写はほとんど無い▼主人公はフリーナを名乗る見た目だけの別人です。▼


総合評価:8332/評価:8.79/連載:19話/更新日時:2026年07月19日(日) 16:00 小説情報

魔法先生ギルガメッシュ(作者:長LAVA)(原作:魔法先生ネギま!)

 一度目の死後、彼はギルガメッシュとして古代ウルクに生を受けた。▼ 王となり、エルキドゥと出会い、その死を見届け、不死を求めて世界を巡る。▼ やがて自ら不死を捨て、ウルクの王として126年の生涯を終えた。 ▼ そして、二度目の死。▼ 次に目を覚ました時、ギルガメッシュは再び若き肉体を得ていた。▼ そこは、魔法使いたちが存在する現代――『魔法先生ネギま!』の世…


総合評価:7677/評価:7.27/連載:24話/更新日時:2026年09月20日(日) 23:43 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>