マブラヴで楽していきたい~戦うなんてとんでもない転生者   作:ジャム入りあんパン

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やっちまった。


1・暴露する瞬間は結構度胸がいる

「拓哉、話とは一体何なんだい?」

 厳つい顔を引きつらせながら俺に問いかける父上。ちなみに、あれでも笑顔のつもりだ。

 俺は父上の帰宅と同時に、大事な話を切り出した。場所は父上の書斎。母上も俺を膝に乗せて話を聞いている。

「はい。大事な話でございます」

 そうして俺は語りだした。自分の頭脳について。

 転生者云々については話さない。話せないし、そこまで話すと話がややこしくなりすぎる。

 最初は軽く聞いていた父上は、俺に少しずつ問題を投げかける。最初はかんたんな算数。それは徐々に高度になり、面積、体積の問題、速度の計算。それをすぎれば中学生レベルの数学になり、高校生レベルにまで達した時点で父上は流石に理解した。

「分かった!もうよい。それで、お前はその知識で一体何を為すつもりだ?」

「無論、世界の平和を」

 キュッと俺を抱きしめる力が強くなる。そういえば、母上の膝に乗っていたことを忘れていた。

「些かスケールが大きすぎるな。お前はまだ5歳だぞ」

「自分でもそう思います。でも、このまま燻っていることは出来ないのです!」

 燻っていると、下手をすればデッドエンドだ。何しろ、俺が住んでいる場所は京都。うろ覚えだが、確か1998年ぐらいに日本侵攻があって、関西地方は壊滅状態になるはずだ。

 だからこそ、守るために戦術機が必要になる。守ってくれる衛士が必要になる。それを育てるためにも今の段階から必要なのだ。

下衆な考えと笑いたくば笑えよ。俺はこの世界でBETAに食われて死ぬなんてゴメンだ。どうせ死ぬなら腹上死だ!

 父上、母上、マジでごめん。こんな息子だよ。

 俺の心の中なんてまるで見えていないだろうけど、必死さは伝わったらしい。父上は頷くと、一枚のディスクを手渡してきた。

「そこには我が国の戦術機、撃震のデータが入っている。そのデータを元に機体性能を引き上げてみせろ」

「分かりました。つきましては、父上のパソコンを使わせてください」

 あっさりとした俺に、父上も今度こそは顔が引きつる。

 何しろ、アメリカの戦術機F-4を必死に研究してようやく完成した機体なのだ。それを5歳児にあっさりと受け答えされるとそうもなるだろう。

 だが、俺は自重しないぞ。全力で原作ブレイクしてやる!

 あんまり覚えてないからどこがブレイクしたのかもわからないんだけどな!!

 

 俺は図面をいじりながら、ちょっと甘く見ていたことを反省する。

 アメリカの技術者は優秀だわ。F-4ファントムという機体は超優秀。日本の技術者がこれだけ弄ってなおカスタムの余裕があるんだから。さすがは全ての戦術機の原型機だ。おかげで色々いじれるってもんだ。まあ、一番いじらなきゃならないのはOSの方なんだけど、そっちを見せてもらうためにはこちらをしっかりしないといけないな。

 とりあえず、改造ポイントとしては頭部バルカンの設置。これは多くの二次創作なんかでも定番だったよな。撃震だからこそ出来るってもんだ。逆に、不知火とかってそういう余裕はあるのか?

 んで、カスタムするんなら武器もしっかりしないとな。ライフルと近接武器が長刀だけってのもちょっとあれだ。

 近接武器の長刀はヒートサーベルに、他にもヒートホークを用意。誰もが刀を使えるわけじゃないし、取り回しの意味でもこっちのほうがいい場合もあるだろう。

 射撃武器はいっその事レールガンに変えるか。遠距離狙撃用はスパロボOGのバーストレールガン。通常タイプのレールガンは・・・あった。ドラグナーの武器がハンドレールガンだ。口径が大きくなってしまうけど、そこは無理矢理36mmに合わせよう。

 他のサブウェポンは、そうだ。Zガンダムみたいにグレネードを腕に仕込んでおこう。あれは結構使えそうだ。

 後は、無駄についている装甲をちょこちょこ削って少しスマートにして、はい、完成。今の段階で出来るのはコレぐらいだな。

 計算上では攻撃力は言うまでもなく上がるし、機動性も10%増しってところかな。

 あー痛い痛い。まるで末期の中二病患者が考えたみたいな撃震だわ。って、俺は末期の中二病転生オリ主だったな。

 だけど、文句は言わせない。これで衛士の損耗も減るはずだ。後の陽炎だとか不知火にも反映しやすくなる。

 俺は、ただのオリ主じゃないぞ。

 

 

「こ、これをお前が作ったのか?」

 図面を見た父上が驚きの声を上げる。そりゃそうだろう。レールガンなんてバカげたものに、機動性の向上まで成し遂げたのだから。

「父上、これでいいですね?」

「十分すぎる。だが、拓哉。これだけの知識をどこで・・・」

 やっぱり、と言うか、当然のごとく出る疑問だ。だが、俺の答えは決まっている。

「父上の蔵書で勉強しました」

 これで押し通す。押し通すったら押し通す。不自然だろうが不気味がられようが、俺は自分が生き延びるために、戦わず生きるために強引にでも押し通す。

 父上はしばらくじっと俺を見ていたが、やがて諦めたように溜息をつく。

「分かった。そういう事にしておこう」

「助かります」

 不気味がられて捨てられる可能性も考えていたが、本当に助かった。

 と言うか、疑ってごめん、父上。

「では、これはお前が設計したということで持っていくが、本当にいいのだな?」

「はい。望むところです」

「では、そのようにしておこう」

 父上の俺を見る目が、明らかに不審者を見るそれだが気にしない。俺は絶対に戦わずに生き延びるんだ。その為なら親の不信感ぐらい・・・・・・いや、まあ、地味にキツイけど。

 これで俺が技術廠に入ることができるようになる。そうすれば、XM3だったか、キャンセルと先行入力できるOSを作って、あー、その為にはメインコンピューターも新しいのに変えないといけないんだっけ。

 いっその事、OSは丸ごと新しいのを作るか。それこそ、ガンダムに搭載していた学習型コンピューターなんかいいかもな。

 と、急に後ろからキュッと抱きしめられた。母上だ。

 母上は長い黒髪に、ちょっとタレ目の和風美人だ。ちなみに、俺の目元は母上似だ。父上と並ぶと非常に小柄に見えるが、父上自体が身長189センチという日本人ではありえないような巨体なので、母上はおそらく平均身長ぐらいだと思う。

 それはさておき、

「あなた、その目はなんですか?」

 背筋がゾッとした。母上のこんな冷たい声を聞いたことが無い。俺を抱きしめる力はあくまでふんわり柔らか。だが、その声の恐ろしさは、父上が、柔道5段の父上が真っ青になって震えるほど。

 そりゃそうだろう。母上は柔道9段だ。え?母上ぐらいの年齢で9段なんてなれるのかって?なれるんじゃね?だって、マブラヴだし。

 見たことあるんだよ、俺も。本気の父上が、母上に軽々とぶん投げられるのを。ほっそりとしてるんだぜ。すごく柔らかくて温かいんだぜ。優しそうだし、優しいんだぜ?

 俺、母上には一生逆らわないって決めた瞬間です。

「い、いや、その、あれだ!」

「何があれですか!全くあなたという人は。少し人より発育がいいだけではないですか。それをそのような目で見るなど・・・」

「ま、待て!話せばわかる!」

「ええ。話し合いましょう。武道場で」

 あの時はあくまで修練という形だったけど、今回はお仕置きだ。おそらく、本気で叩きつけられる。父上、あなたの死は無駄にはしないよ。

 俺は母上の膝からそっと降ろされて、父上はドナドナと引きずられていく。

 父上の悲鳴を遠くに聞きつつ、俺は学習型コンピューターの設計にでも入ろうかな。

 さーて、ボク、がんばっちゃうぞー。

 

 

 数時間後、父上からガチの土下座をされた。

 とりあえず分かったことは、母上には絶対に逆らわないこと。そして、父上がダウンしたことで撃震改(仮)の提出が遅れるということだけだ。

 

 

 




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