マブラヴで楽していきたい~戦うなんてとんでもない転生者   作:ジャム入りあんパン

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タイトルどおりです。


6・白き流星、強制的に覚醒させられる

 あの学会から2年の時間が流れた。

 俺は純国産機開発計画と、俺自身の計画に邁進していた。

 賛同者も着々と増え始め、焔ちゃんとも仲良くなり、実に有意義な時間を過ごしていたそんなある日。

「実は拓哉くんに会わせたい子がいてね」

「昔、アメリカに留学していた時にお世話になった博士の息子さんなのだが」

 篁大尉と巌谷大尉が、俺と同じぐらいの茶髪に天パの少年を連れて来た。

 その少年を見た俺の感想を聞かせてやろうか?

 この世界、マジで大丈夫だろうな?

「博士が亡くなられて、天涯孤独となったのでね、私達で引き取ったのだよ」

「ちょうど拓哉くんと同じ年だから、どうだい、友だちになってくれないかね?」

「それはいいんですが、その子の名前は?」

 頼むから違っていてくれという俺の淡い願いは、次の瞬間にあっけなく砕かれた。

「アムロ・レイくんだよ。ほら、アムロくん」

「アムロ・レイです。よろしく・・・」

 ガンダム、マジンガー、ゲッター御三家が全部揃いやがったーーー!!

 スパロボか、この世界はスパロボか!?

 そして俺を褒めてくれ!この内心の荒ぶる感情を表に出さずにちゃんと挨拶したぞ!

「新塚拓哉だ。よろしくな!」

 連邦の白き流星(候補)が来やがった。俺が悪いのか、神さまが何かやらかしたのか、ぜひとも誰か教えてくれ!マジで!

 

 ちなみに、亡くなったお父さんはテム・レイ博士で、戦術機開発の第一人者だとのこと。

 他所の国のことだからと放っておいたら、こんなところに地雷が埋まっていやがった。

 F-4ファントムの開発にも参加していて、他にもF-5フリーダムファイターやそれ以降の戦術機開発にも加わっていたらしい。

 3年前から癌にかかっていて、俺の参加した、兜博士や早乙女博士と知り合った例の学会にも参加しようとしていたのだが、ドクターストップがかかって悔し涙を流していたと言う。

 

 さて、俺は何をしているのかというと、巌谷大尉たちと別れた後、アムロくん(12)を連れて秘密の地下格納庫に来ていた。

「僕をどこに連れて行くつもりなんですか?」

「ちょっと面白いものを見せてやるよ。それと、そんなかたっ苦しい言葉遣いしなくていいぜ。友達だろ?」

「今日出会ったばかりだよ!」

 いやぁ、実は俺、ちょっとテンションが高くなってるんだ。

 何しろ、生まれ変わってから初めての男友達だからな!

 考えても見ろよ、5歳の時から技術廠勤めで、周りにいるのは焔ちゃんだけ。今日は風邪を引いていないけど。他にいるのは大人だけって環境下だ。

 っと、そんなことを考えているうちに着いたようだな。

 俺は格納庫の電源を上げる。パァッと眩い明かりが格納庫を照らし出す。

「うわっ」

 驚いたような声が聞こえるが、本当に驚くのはこれからだ。

 徐々に目が慣れてきたアムロは、目の前にそびえ立つそれに驚く。

「これは、戦術機・・・なのか?」

「ああそうだ。俺が独自に開発している、日本の純国産機の第一号機。RX-78ガンダムだ」

「ガン・・・ダム」

そう、ホワイトをベースにトリコロールカラーに塗り分けられた巨人。あらゆる世界で伝説となった機体の、すべての原点とも言える機体。

 そして、アムロ・レイが乗るべき機体。

 俺が作っていたのはこの機体なのだ。本来なら篁大尉か巌谷大尉に乗って貰う予定だったのだが、こうなったら予定変更だ。

 俺の直感だが、やはりこいつは白き流星、あるいは白い悪魔になる。

 何しろ、兜博士や弓教授。早乙女博士までいる世界だからな。まだ会ったことはないが、おそらく兜甲児や流竜馬もいるはずだ。

 俺はこいつをエースに育ててやる。その為にはまず・・・。

「なあ、シミュレーターに乗ってみないか?」

「シミュレーターに?」

「そう。俺が色々チェックするため用のがあるんだ。ゲーム感覚で乗ってみねえか?」

 俺が目を向けた先にあるのは丸型の筐体。ぶっちゃけて言うと、『戦場の絆』のゲーム筐体にそっくりなやつだ。

 俺が作っているガンダムは、オリジナルとはかなり変えている。

 まず、コアブロックシステムを排除して、全天周囲モニターを採用している。他にも、ストライカーパックを使う予定でハードポイントを各部に設けているので、よく見ればRX-78とは違ったフォルムであることに気づくだろう。

 まあ、それに気づくのは俺しかいないんだけどね。

「で、どうする?」

「でも、戦術機のシミュレーターなんて・・・・」

 尻込みするアムロに、俺はサムズアップで答える。

「大丈夫。俺も訓練受けてないし」

「・・・どうなっても知りませんよ」

 渋々と言った風だが、シミュレーターへと向かう。

 さーて、白き流星は産声をあげるか否か。

 生憎、俺は鳴くまで待つような悠長な性格はしていない。イヤでも鳴かせてみせるさ。

 

 一方、シミュレーターに成り行きで入ることになったアムロは困惑していた。

 父が急死して、遺言によって知り合いの日本人に引き取られ、自分と同じ年のやけに馴れ馴れしい少年に会わされたと思ったらもうコレだ。

 マニュアルをめくって操作方法を確認しながら、各部のスイッチを入れていく。

 すると、周りに一斉に明かりがつく。そして、全周囲全てが外の景色を映し出したのだ。

「な、何だこれは。網膜投影じゃないのか?」

『あー、テステス。聞こえてるか?』

「聞こえていますよ。これは一体何なんですか?」

『それが俺が今作っている新しいコクピットシステム。リニアシートと全天周囲モニターだ』

「リニアシートに全天周囲モニター・・・」

『操縦系は普通の戦術機と一緒だから気にするなー』

「普通の戦術機の操縦系なんて知りません!」

『そっか。それもそうだな。まあ、大体の操作方法は頭に叩き込んだか?とりあえず、シミュレーションパターンを1からやっていくぞ。最初は的が動かないから、気負わずにやってみろよ』

 どうあっても自分にシミュレーターをさせたいらしいと悟ったアムロは、ひときわ大きなため息をつくとシートにどっかりと腰を下ろして操縦桿に手をかけた。

 

 それから1時間が過ぎた。シミュレーターメニューが着々とこなされていくのを見て、俺は正直自分の見込みが甘かったことを反省した。

 俺の目の前に映るモニターには、次から次へと迫ってくるBETAを快刀乱麻の勢いで切り刻むガンダムが映っていた。

 たしかにシミュレーター仕様で弾薬の制限はかけていないし、機体の摩耗も設定していない。だから被弾さえしなければいくらでも戦い続けられる。

 だけど、それを今日シミュレーターに乗ったばかりの人間がやるか?しかも、12歳のガキが。

 もう既に撃墜スコアは1000を超えている。白き流星はどこの世界にいてもやはり白き流星だということか。

 とはいえ、少し釘を刺しておいたほうがいいかもしれんな。

『もっとだ、もっと来い!』

 ちょっと調子に乗り始めているみたいだし。アレを出そうか。

 という訳で、ポチッとな。

 しばらくして、中からアムロの悲鳴が聞こえてきたが、俺の関知するところではありませんよー

 

 

「なんなんだよ、アレは!」

「俺が考えたオリジナルBETA。その名も、超重光線突撃要塞級。全身から重光線級のレーザーを乱射して、突撃級並みのスピードで突っ込んできて、要塞級みたいに溶解液の付いた触手をたくさんぶん回しながら、腹から山ほどBETAを吐き出すの」

 篁大尉と巌谷大尉が学習型コンピューターのテスト中に調子に乗り始めた時に、同じように投入した一品だが、未だに倒されていない。

 撃震改とガンダムという差があるとは言え、そうそう倒せるものじゃない。

ちなみに、倒せた場合には母艦級が。それすらも倒せた場合は母艦級とアレが。それを倒すとオリジナルBETAの黙示録級が出てくるが、それは黙っておこう。

「でもまあ、楽しかっただろう?」

「それは、まあ・・・」

 あれだけノリノリでやっていて違うとは言えないわな。

「という訳で」

「えっ?」

「人材ゲットだぜ!」

「はっ!?」

 いやー、ガンダムの動作チェックとかって俺一人じゃ厳しかったんだよなー。その点、アムロなら腕は確認できたし、後は俺がやる時用に切っていた疑似Gを少しずつかけていって慣らしていけば、衛士としての完成も早いはずだ。

「もう逃さないからな?」

「ひっ・・・!」

 

 

 この後、地下から悲鳴のようなものが聞こえたそうだが、気のせいだ。

 うん、気のせい気のせい。

 

 

 

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