正義の味方の人理修復   作:トマト嫌い8マン

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合流しました〜

この先サーヴァントが増える増える
今からどうしようと頭を悩ませてます


救国の聖女

「お疲れ様でした、先輩」

「マシュたちこそ、お疲れ」

 

労いの言葉をかけ、士郎はマシュの頭を優しく撫でる。嬉しそうに目を細める様子に後輩というよりも妹みたいな感じだな、なんて少し思ってしまう。

 

ひと段落したところで、先ほどのフランス兵がおずおずと話しかけてきた。

 

「あんたたち、強いんだな」

「色々あってさ。こういうのに慣れてる。それで、ジャンヌ・ダルクが蘇ったのは本当なのか?」

「あぁ、間違いない。髪と肌の色は変わってしまっていたが、あれは間違いなくあの聖女様だった。彼女は蘇った、それも悪魔と契約して」

「悪魔、ですか?それは先ほどの竜牙兵のことですか?」

「いや違う、あれは」

 

ガァァァア!

 

突然咆哮が響く。今まで聞いたことがない何かの声が近づいてくるのを知ろうとマシュは感じた。外の様子を見ると、空に何かがいた。鱗を持ち、翼は生え、きわめつけは鋭い牙と爪。

 

『大変だ!君たちの近くに、大型の生命反応がある。これはまさか』

「はい、そのまさかです。あれはワイバーン、竜の亜種です!間違っても、絶対に、15世紀のフランスに存在するはずのない生物です」

「行くぞ!今度は俺も戦う」

「了解です、マスター」

「はい!」

 

 

「兵士たちよ、水を被りなさい!一瞬だけですが、彼らの炎を防げます!」

 

外へ出た三人の耳に、女性の声が聞こえた。声の主は一人の少女だった。大きな旗を持ち、綺麗な金色の髪を持つ彼女は兵士たちに指示を与え、自らもワイバーンへ立ち向かっていた。

 

「マシュ、あれって」

「はい、間違いなくサーヴァントです」

『マシュの言う通りだ。でも前にあったサーヴァントたちより反応が小さいな。弱体化してるのか?』

 

少女は旗をまるで槍のように振るい、ワイバーンをなぎ倒していた。明らかに人間のそれとは違う。

 

「とりあえず手伝おう!」

「はい!」

 

 

駆け出した三人は少女とは違う方向からくるワイバーンの討伐へ向かった。マシュの盾と士郎の干将・莫耶による攻撃で、ワイバーンは徐々に数を減らしていく。リリィもカリバーンを振るい、着実に敵の数を減らしていた。ただ一つ、リリィの戦いを見て、士郎が気になったことがあった。そして最後の一体を士郎が仕留めると、あたりは静かになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうやら、もう次は来ないみたいですね」

「みたいだな」

 

無事にワイバーンを全て倒した士郎は少女の方を見た。疲れた様子もあまりなく、一人でワイバーン相手に戦った彼女は、なんだか自分の知っているセイバーに似ている気がした。姿ではなく、もっと別の何かが。と、彼女を見るフランス兵の目に恐怖があるのに気づく。それは助けてくれた相手を見る目ではなく、何か恐ろしい、そう、化け物を見るような目。

 

「ま、魔女だ!竜の魔女が来た!」

 

そう叫び、兵は砦へかけていく。魔女と呼ばれた少女が、一瞬だけ悲しげな表情をしたように見えた。士郎はマシュたちとともにその少女へ近づく。

 

「こんにちは、初めまして」

「初めまして。あなた方は、サーヴァントとそのマスターですね?」

「あぁ。俺は衛宮士郎。一応二人のマスターだ」

「アルトリアと言います!みんなにはリリィと呼ばれてますから、そう呼んでください」

「マシュ・キリエライトと言います。私は正確にはデミ・サーヴァントですが。あなたもサーヴァントなのですよね?」

「ルーラー。私のサーヴァントとしてのクラスはルーラー、真名をジャンヌ・ダルクと申します。」

「ジャンヌ・ダルク、ですか?」

 

それは先程から兵たちが魔女と呼んでいた者の名前だった。しかし目の前にいる彼女はとてもそんなことをするように見えなかったマシュは戸惑った声を上げる。一方士郎は、何か考え込んでいた。

 

「とりあえず話が聞きたいんだけどいいかな?と、その前にここから移動しよう。サークルを設置しなくちゃいけないしな。君も、それでいいかな?」

「はい。ではこちらへ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ジャンヌに連れられ、三人は森の中で腰を下ろした。あたりに軽く気を張りながらもある程度安全であるのを確認した士郎は切り出した。

 

「それで、君は一体?」

「そうですね、まずはっきりさせておきます。私はルーラーのクラスですが、本来聖杯から得られるはずの知識がほとんどありません。ステータス面でもランクが落ちています。対サーヴァント用令呪も持っていませんし、真名看破すらできません。サーヴァントの感知も、他のサーヴァントのようにある程度の距離にいなければできません」

「ちょっと待ってくれ。そもそもルーラーってどんなクラスなんだ?俺が知ってるのはセイバーからバーサーカーまでの7つだけなんだけど」

「そうですね。ルーラーは裁定者、聖杯戦争が成立するかどうかを監視する中立の審判、といったところでしょうか」

「そんなクラスがあったのか」

「余程のことがなければ召喚されることはないので、知らなくても不思議はありませんよ」

 

自分の知識不足を実感している士郎に、ジャンヌは微笑みかけた。かつての士郎ならセイバーにも劣らない容貌のジャンヌの笑顔に、ここで少し照れるところだったかもしれないが、そこは色々と成長しただけあり、笑顔を返した。

 

「それで次なんだけど、ジャンヌ・ダルクが竜の魔女として蘇ったという話についてだ」

「それについてですが、私もつい数時間前に現界したばかりで詳細は分かりません。ですが、どうやらもう一人、別のジャンヌ・ダルクが存在しているようです」

「それが、竜の魔女ってことか」

「はい。聞いた話によると、シャルル王を焼き殺し、オルレアンにて大虐殺をしたとか」

「同じ時代に同じサーヴァントが二体召喚された、ということでしょうか?先輩はどう思いますか?」

「そうだな。完全に不可能とは言い切れない、としか言えないかな」

 

サーヴァントとは英霊の座から呼ばれた、いわば分身であり、英霊の本体ではない。確かにそう考えれば同じ時代に同じサーヴァントがいてもおかしくはない。ただ、同じにしてはあまりにも違う気がした。まるで別の人格、そう。あの時のセイバーのように。

 

「あなた方は、この異常な聖杯戦争の関係者なのですか?」

「いや、俺たちは聖杯戦争とは関係ないんだ。そもそも、これが聖杯戦争と言っていいのかどうか」

「それは、どういう意味ですか?」

「私たちはカルデアという組織に所属しています。その目的は、歪んだ歴史の修正です」

「歴史の?」

「少し長くなるけど、いいかな?」

「はい」

 

そして士郎とマシュはこれまでのことを話した。最初にマスター適性者が集められたこと、ファーストオーダー前の事件のこと、特異点Fと呼称される冬木での戦いのこと、そしてレフの話した人理焼却のこと。長いその話をジャンヌは真剣な顔で聞いていた。




ジャンヌはうちのカルデアの戦力の一人ですからね〜
福袋で呼んだけど・・・
ちなみにその時ジャックも一緒に来たのはいい思い出

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