だってopではジャンヌとエミヤが戦ってたし、この組み合わせには何か意味があるのだろうか
しばらく歩き続けた彼らは、放棄された砦へとたどり着き、ジークフリートの様子を確認した。
「ジャンヌ、どうだ?」
「複数の呪いがかけられています。これを解くには聖人が必要です。それも二人。私を入れてもあともう一人、聖人のサーヴァントを探さなければなりません」
「ってことは、フランス中を探してみる必要がありそうだな」
「幸い、フランス領は既に半減しています。そこまで時間はかからないかと」
「危険かもしれないのだけれど、二手に別れた方が良くないかしら?くじを引いてみましょう!」
「マリア、それは君がくじを引きたいだけだろう」
「でも、確かに二手に別れた方が早く見つかるかもしれないな。よし、やろうか、くじ引き」
即興でくじを作る士郎。みんなで一斉にくじを引く。その組み合わせの結果は、
「俺、マシュ、マリーさんが西側、ジャンヌ、アマデウス、リリィが東側か。ジークフリートは俺たちと来てくれ」
「わかった。戦闘以外の行為は問題ない」
「それじゃあ、また後で。気を付けてな」
「シロウたちも、お気をつけて」
こうして彼らは聖人のサーヴァントを探しに、二手に別れたのだった。
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ややスキップ気味なマリーに続く士郎たち。こうして見ると、王妃という言葉から来る威厳や高潔なイメージよりも、一人の少女としての可愛らしさの方が良く感じられる。周りにあるのは草原ばかりで、所々に花が見える。敵の襲撃がない今は、ピクニックにでも来たと言っても、不思議じゃないかもしれない。
「マリーさん、楽しそうですね」
「まぁ、明るいことはいいことじゃないか。場が和むっていうかさ」
「すまない、戦闘どころか、普段からあんなふうに振舞うこともできずにすまない」
「いや、そういう意味じゃないんだけど」
度々ネガティブになるジークフリート。どうやら相当戦力として戦うことができないことがもどかしいみたいだ。これは一刻も早く治してもらうべきかもしれない、と苦笑する士郎。
「ほら、マシュ見て!とっても綺麗な花が咲いてるわ。あなたに似合いそうなのはあるかしら?」
「あ、ええと、私に花が似合うでしょうか?」
「もちろんよ、だって女の子ですもの。花が似合わないわけないわ。ね、シェロ君?」
「えっ、そうだな。マシュはそうだな、青い花、こんな感じの花なんか似合いそうだな」
草原の中にあった細い花びらをたくさん持つ、青い花。それを一つだけ摘み取り、マシュに手渡す士郎。直感ではあったが、なんとなく似合う気がしたのだ。
「あ、はい。ありがとう、ございます」
「あら、シェロ君ってばなかなかいいセンスをしてるのね」
「そうなのか?」
「その花はコーンフラワーと言って、私のお気に入りの花の一つでもあるの。花言葉は『繊細』、『優美』、『教育』、そして『信頼』よ。シェロ君からのマシュちゃんへの信頼の高さは凄いもの。本当に似合ってるわね」
楽しげに笑うマリーと静かに見守るジークフリート。マシュはとても嬉しそうな顔で手の中にある花を見つめていた。
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せっかくだからと、ここでしばらく休憩することにした士郎たち。マシュはジークフリートと近接での戦闘方法について話していた。その様子を確認した士郎は草原に腰を下ろし、空を見上げた。青く広がる空と、自由に浮かぶ白い雲を眺める。何かと普通じゃない空とは縁があった彼は、時々こうして空を眺めることも好きだった。残念ながら今は光の輪が見えるわけだが。
「どうかしたの、シェロ君?」
少し散歩をしていたマリーが戻って来て、士郎の隣に座った。ずっと空を見上げていたから心配されたのだろうか。
「いや、ちょっと空を見てただけだ」
「そう?疲れてるのなら言ってね。私たちサーヴァントは身体的な疲労はないから」
「大丈夫だ。今だって、ちゃんと休めてる」
「ならいいのだけど」
実際移動に続く移動ばかりではあるが、いざという時のために体力をつけておいた士郎にしてみると、少しの疲れはあるものの、基本的には問題なかった。
「そうだわ。お話ししましょう、シェロ君。せっかくこうして時間があるのだから、お互いのことをもっとよく知る、いい機会だと思うの」
「そうだな、いいかもしれない。それで、どんなことを話すんだ?」
「そうね、シェロ君は私のことをどのくらい知ってるの?」
「そこまで詳しくはないかな。7歳の時にアマデウスにプロポーズされたとか、14歳で結婚したとか。あとは、まぁその、その最期について、とか」
「そう」
少しマリーの表情が曇る。士郎本人も、最後の部分は余計だったと反省した。まだ経験したわけではない。ただ、あったかもしれない自分の最後を、彼は知っている。そしてその結末は、驚くほど彼女の終わりとも似ていたのだ。決して気持ちのいい話ではないだろう。
「私の最後は私が愛した国に殺されることだった。後悔はないし、そのことで恨んでもいないわ。ただ、そうね。私の子を殺した人たちのことをほんの少しだけ、1割、ううん。もっと小さなところで憎んでいたのかもしれない」
「そんな感じは全然ないけどな」
「そうかしら?でも、私は自信がないわ。もしジャンヌのように別の私が現れて、同じようなことをしていたとしたら、きっとそれはもう一人の自分の側面なんだって、受け入れてしまうかも」
普段の楽しげな様子はなく、マリーの顔はどこか悲しそうだった。自分が愛した国を、民を、最期に憎んでいたかもしれないということに、彼女は悲しんでいるのだ。
「俺は、マリーさんもすごいと思うけどな」
「えっ?」
「だって、こんなにも自分の国の人々を愛している。今この特異点の人たちは、マリーさんの生きた頃の人たちじゃないけど、本当に愛しているのが伝わってくる。こんなに誰かを愛せるなんて、多分、俺にはできない。そんな人が、復讐なんて絶対にしない。だから、マリーさんが気に病むことなんてない」
「そう、思うかしら?」
「そう信じてる」
かつて、誰にも理解されず守ろうとした人たちに殺された男がいた。その男はどこまでいっても孤独だった。けれども彼女は違う。今では彼女の汚名は返上され、人々の彼女に対する見方も変わって来ている。理解され始めているのだ。士郎も詳しくはその生涯を知らなくても、こうして出会ったことで確信できる。彼女が復讐に身を落とすような人ではないと。
「ありがとう、シェロ君。とても。えぇ、とっても嬉しいわ」
Unlimited Lost Worksって、エミヤver.起源弾を使ってるのかな?
なんにせよ、どんなキャラクターか気になりますなぁ
ちなみにコーンフラワーは別名ヤグルマギク、他にもピンク、白、紫などの色もあるそうです