そして!やることてんこ盛りなのにここの更新はやめられない、病気だな
士郎のことは気がかりだったが、マシュたちも気を緩めるわけにはいかなかった。少なくとも、自分と士郎との間のパスが切断されていないことから考えるに、生きているのだろう。だったら、自分にできることは、
「やぁぁっ!」
「ぐっ」
体重を乗せた盾による一撃は、サンソンを大きく後退させる。以前よりもサンソンの狂化が上がり、動きが単調になっているのもあるが、マシュの強い意志が彼女の力をさらに引き出していた。よろけたサンソンに重圧がかかる。アマデウスの宝具で動きを止めたのだ。
「マシュ!」
「これで、倒れて!」
大きく飛び上がり盾を振り下ろす。その一撃はサンソンの体を地面にめり込ませるほどだった。体が粒子に変わり始めるサンソン。そこから彼は姿を消した。
「マシュ、お疲れ様」
「いえ、アマデウスさんの援護があったおかげです。ありがとうございます、っ!?」
息をつく間も無く、城からさらに現れたワイバーンがマシュに襲いかかる。突然のことにマシュもアマデウスも反応が遅れた。
肉が裂ける音がする。しかしそれはマシュでも、アマデウスのものでもなかった。目の前のワイバーンを一閃したのは、白と黒の刃。それを振るった人物がマシュの方を向いた。
「無事か、マシュ?」
「先輩!」
「やぁ、シロウ。助かったよ、ところで今までどこへ?」
「ちょっとな。とりあえずヴラド三世は倒した。こっちは?」
「たった今、サンソンを倒したところだよ」
「そうか。なら、アマデウス。悪いんだけど、ゲオルギウスの元へ行ってもらえるか?やっぱり一人だと心配だから」
「了解したよ。マシュ、シロウのことをしっかりと守るんだよ」
「アマデウスさんも、気をつけてください」
ニッコリと笑顔を向けてから行くアマデウス。士郎とマシュは最も激しい戦闘を繰り広げていた、ジークフリートの元へ向かった。
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剣と剣が激しくぶつかり合う。一つは白百合の騎士、もう一つは百合の渾名を持つ騎士。奇しくも同じセイバーにして、女でありながらも男としてもあることとなる二人の戦いは、激しくも美しいものだった。
「はぁっ」
「ふっ」
攻勢なのはデオンではあるが、リリィは確実にその攻撃を防いでいた。そして攻撃の隙を見つけては反撃するが、デオンはそれらの攻撃を捌いた。
「やるじゃないか。君はサーヴァントとしては不完全だって
「こう見えてもれっきとした騎士、それも騎士の王様になるんです。それにシロウに鍛えてもらったんです。そうそう負けていられません」
「なら、見せてもらおうかな。未来の騎士王様の実力」
そう言って再び剣と剣が激突する。少し離れたところではカーミラとエリザベート、清姫が戦っていた。
「この、この、この!」
「えぇい、忌々しいわね。なぜあなたがサーヴァントなんかになれたのかしら?私の方こそが血の伯爵夫人の完成系だというのに」
「うっさいわね。私からしたらあんたの方が嫌な存在よ。私はあんたみたいにはなりたくない。あんたは私の、どうあっても変えられない未来、罪の塊なのだから。でも、それでも、私はあんたにはなりたくない!」
「その私と戦って否定するのは、ただの自己満足の欺瞞よ。罪から目を背けているだけのこと。嘘をつき続けているだけね」
「やれやれ、何を言いだすかと思えば。私はそうは思いませんが」
二人の会話に口を挟む清姫。その目はカーミラを見据えている。
「エリザベートさんの今の言葉、確かに自己満足かもしれませんね」
「あら?賛同してくれているじゃない。なら何がそうは思わないのかしら?」
「それでもそこには嘘はありません。今ここにいる彼女の想いには欺瞞などありません」
「何を根拠に」
「あらあら、それはもちろん。この私が嘘を見逃すはずがありませんもの」
ニッコリ笑顔でそういう清姫だったが、カーミラにはその背後に火を吐く竜が見えた。
この2人は組ませて見たいと思ったので、一緒に戦ってもらってます笑