正義の味方の人理修復   作:トマト嫌い8マン

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ようやく登場、ジル・ド・レェ!
FGOラジオでも思ったのですが、本当に凄い方ですよね、あの演技
聞いててなんだか、ジルが好きになって来てしまう笑


狂気の男

城内にも大量にいた海魔たちと戦いながら、士郎たちは城の奥へと進んだ。と、一人の男、明らかにサーヴァントがやや開けた通路に立っていた。先ほど黒いジャンヌを呼び戻したその男、

 

「ジル・・・」

「まさか、ファヴニールを倒し、ここまでくるとは。正直申しますと、感服しました、ジャンヌ、そして人間のマスターよ。しかし、なぜ私の邪魔をする!何故またジャンヌを殺そうとするのですか!」

 

怒りに顔を歪め、声を上げるジル。その姿にジャンヌは悲しそうな表情を浮かべた。かつて共に戦った戦友、フランスの兵を束ねた誇り高き騎士、その未来が自分を原因として狂気に呑まれ、多くの子供達の死につながった。そして今、このフランスを滅ぼそうとしたものの中にも彼がいる。その事を悲しく思ったのだ。ジャンヌのその様子を見て、士郎は一歩前へ出た。

 

「ジル・ド・レェ。あんたに、聞きたいことがある」

「何ですかな?ここまで来たことに対する敬意を払って、一つだけなら答えて差し上げよう」

「ならはっきりと聞こう。あんたが忠誠を誓ってるあの黒い方のジャンヌ、あれは本当に本物のジャンヌ・ダルクなのか?」

 

その質問に疑問符を浮かべるマシュたち。士郎の質問の意味がよくわかっていないようだ。唯一ジャンヌだけは思うところがあったのか、士郎と同じようにジルを見ていた。

 

「何を言うかと思えば。聖女とて怒り、憎みもしましょう。あれこそはまさしく、ジャンヌの秘めたる側面そのもの!」

「・・・そうか」

「では、私は自分の行いを止めなくてはいけませんね」

「いくらそちらのジャンヌでも、彼女の邪魔はさせませんぞ。さぁ我が盟友プレラーティ、今ここで彼らを倒すための力を」

 

手に持っている本をかざし、海魔を召喚するジル。もう一人のジャンヌのための時間を稼ぐつもりでいるようだった。

 

「うぇ〜、こんなにいっぱいいると気持ち悪いわね」

「汚らわしいですね。ますたぁ(旦那様)、私の身を守ってくださいませ」

「なんでさ!?」

「先輩、来ます!」

 

二人して自分を盾にするサーヴァントたちに、状況も忘れて思わずツッコミをしてしまった士郎は、マシュの言葉にハッとする。海魔たちが一斉に襲いかかって来たのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「くっ、数が多すぎる」

「それだけじゃないよね、これ。倒せば倒すほど数は増えてるし」

「アマデウス殿、宝具で動きを拘束することは」

「んーできるにはできるけど、この数を長時間抑えるのは流石に無理だね」

 

城の外、ジークフリートたちもフランス兵を守りながら海魔たちと戦っていた。しかしこの海魔たちは、ジル・ド・レェの宝具、螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)に召喚され、本人を倒す、あるいは本を壊すかのどちらかをしなければ消えない。さらに倒された血肉から再召喚が可能という厄介極まりない性質を持っている。

 

「このままでは、こちらが消耗するだけだな」

「しかし、戦い続けるしかないでしょう。シロウたちが決着をつけるまでは、何としても持ちこたえなければ」

 

 

 

 

 

 

 

 

草原を二種類の足音が駆け抜ける。一つは人のもの、一つは馬のもの。目指す先には城が見えた。

 

「まぁ、あれは何かしら?ヒトデ?」

「どうやら厄介なものが召喚されているようだな。君は城の中を目指したまえ。外のあれは私が対処しよう」

「ええ。きっとここでお別れだから改めてお礼を。助けてくれて、ありがとう。前までだったらベーゼの一つでもするところだったんだけど、」

「いや、それはこちらとしても辞退したい。私のようなものには、君ほどの者から与えられるのは、その言葉だけで十分だ。王族の騎士のような事を経験することになるとは、思ってもいなかったがね」

「そう?それじゃあ私の感謝の言葉を受け取ってくださる?」

「あぁ。それでは、始めるとしよう!」

 

二手に別れる彼ら。片方はジークフリートたちのいる方向へ、もう片方は城へと向かった。

 

「さて、掃除屋は掃除屋らしく働くとするかね」

 

宙に現れるのは複数の剣。それらが一気に海魔の群れへと発射され、その場で爆発した。両手に白と黒の剣を持ち、男は自らも戦いに加わった。

 




リアルが忙しいと、一話書くのに時間がかかる

しかも割と短いですしね、マジでゆっくりしたい

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