正義の味方の人理修復   作:トマト嫌い8マン

39 / 92
いよいよ最終決戦も大詰めですな
長かったなぁ第1章 →まだ終わってないけど

次の章とかも大変な事になりそうだ
取り敢えずどうぞー


竜の魔女の元へ

騎士(ナイト)、ですか?」

「ええ。本人が名前を教えてくれなかったんだもの、そう呼ぶしかなかったの」

 

再会を喜ぶ2人。しかし状況はあまりよろしくはなかった。既に海魔の数は増え、ジルの姿を確認することさえも大変になっていた。分厚い海魔の壁で道が封鎖されている。

 

「シロウ、どうしますか?」

「流石にこの数を突破するには骨が折れますわね。焼こうにも、室内ですと難しいですし」

「これが全員私のファンなら嬉しいんだけど、そうじゃないから困りものよね」

「それに、切っても切っても再生するばかりです。このままでは、」

「いや、こいつらはあいつが持っている本の力で召喚、維持されている。多分、あれには独立した魔術回路のようなものがあるんだと思う。つまり、ジル本人の力じゃなくて、あの本の力なんだ」

「つまり、あの本からの魔力を断つことができれば、この海魔が一斉に消えると?」

「俺の予想が正しければな。あとは、この壁をどう突破するかだ」

 

「何をしようとも無駄ですぞ。このジル・ド・レェ、あらゆる手を尽くしてでも、ジャンヌに勝利をもたらすのです!」

 

狂気、むしろ狂喜に満ちた声をあげるジル。自身の海魔たちの召喚能力に絶対の自信を持っているようだった。しかし士郎には策があった。

 

「あの海魔たちはいわば使い魔に近い。つまり、あの本と契約しているみたいなものだ。なら、それを断ち切ればいい。それに最適の武器を、俺は知ってる。あとは、あいつに近づく方法なんだが、聞いてくれ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

作戦を伝え終わった彼らが改めて自分たちに向き合うのを見て、ジルは声を上げて笑った。

 

「何をしようとも、ここは通しませんぞ」

 

「リリィ!」

「選定の剣よ、力を!勝利すべき黄金の剣(カリバーン)!」

 

リリィの放った閃光は、海魔の壁を貫き、大きな穴を開けた。

 

「ふははっ、その程度では「清姫!」何!?」

「はい。燃やし尽くします!」

 

再生が始まろうとしたその瞬間、清姫の炎がその穴が塞がるのを炎で食い止めた。その穴へとマリーの宝具、硝子の馬、『百合の王冠に栄光あれ(ギロチン・ブレイカー)』が通ろうとするのが見えた。

 

「させませんぞ!」

「こちらの台詞です!」

 

マリー目掛けて打ち出された魔力弾をマシュが前に飛び出し盾で防いだ。その上を飛び越えて馬がジルへと向かった。その上から飛び出したのはエリザベート、その槍でジルの首元を狙った。しかし堕ちてても元は騎士、危機一髪でその槍を躱した。

 

「ふははっ、惜しかったですな。ですが、私にはその程度では届かないのです」

「あら、まだ終わりじゃないわよ。ねぇ、ジャンヌ、子イヌ!」

 

いつの間に来ていたのか、エリザベートと前後を入れ替えるようにジャンヌが前へ踏み出した。その旗を振るい、ジルの手の中の本を宙へ弾き飛ばした。

 

「シロウ、お願いします!」

「あぁ!」

 

マリーの馬に乗っていたのは、エリザベートだけではなかったのだ。ジルの後ろに回ったその馬には、士郎が乗っていたのだ。飛び上がる士郎の手には、稲妻のような形に捻れた短剣。それはあらゆる魔術を無へと返し、契約さえもを無効にする。

 

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)!」

 

刃が本に刺さった瞬間、海魔たちは一斉に弾け飛んだ。ただの一体も残らず、あれだけ再生を繰り返していた奴らは、もう蘇る気配もなかった。しかしこの本には自己修復機能もあるため、あくまで一時的に海魔の召喚を封じたに過ぎない。

 

「子イヌ、その子たち連れて先に行きなさい!」

ますたぁ(旦那様)、ここは私どもで食い止めますので」

「ジャンヌ、シェロ君たちと一緒に行って。あなたも、ちゃんと伝えたいことを伝えて来たらいいわ」

「マリー、みなさん・・・はい!」

 

仲間の声を受けて奥へと進む士郎たち。その先に大きな扉を見つけた。気配からしても、その向こう側にいるのだろう。黒いジャンヌが。頷きあい、彼らはその部屋へと足を進めた。

 




今回の連携プレー、全員が何かするとしたらどうやったらいいだろうかと考えて、この形に落ち着きました

一応ちゃんとみんな仕事してる、はず

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。