長かったなぁ第1章 →まだ終わってないけど
次の章とかも大変な事になりそうだ
取り敢えずどうぞー
「
「ええ。本人が名前を教えてくれなかったんだもの、そう呼ぶしかなかったの」
再会を喜ぶ2人。しかし状況はあまりよろしくはなかった。既に海魔の数は増え、ジルの姿を確認することさえも大変になっていた。分厚い海魔の壁で道が封鎖されている。
「シロウ、どうしますか?」
「流石にこの数を突破するには骨が折れますわね。焼こうにも、室内ですと難しいですし」
「これが全員私のファンなら嬉しいんだけど、そうじゃないから困りものよね」
「それに、切っても切っても再生するばかりです。このままでは、」
「いや、こいつらはあいつが持っている本の力で召喚、維持されている。多分、あれには独立した魔術回路のようなものがあるんだと思う。つまり、ジル本人の力じゃなくて、あの本の力なんだ」
「つまり、あの本からの魔力を断つことができれば、この海魔が一斉に消えると?」
「俺の予想が正しければな。あとは、この壁をどう突破するかだ」
「何をしようとも無駄ですぞ。このジル・ド・レェ、あらゆる手を尽くしてでも、ジャンヌに勝利をもたらすのです!」
狂気、むしろ狂喜に満ちた声をあげるジル。自身の海魔たちの召喚能力に絶対の自信を持っているようだった。しかし士郎には策があった。
「あの海魔たちはいわば使い魔に近い。つまり、あの本と契約しているみたいなものだ。なら、それを断ち切ればいい。それに最適の武器を、俺は知ってる。あとは、あいつに近づく方法なんだが、聞いてくれ」
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作戦を伝え終わった彼らが改めて自分たちに向き合うのを見て、ジルは声を上げて笑った。
「何をしようとも、ここは通しませんぞ」
「リリィ!」
「選定の剣よ、力を!
リリィの放った閃光は、海魔の壁を貫き、大きな穴を開けた。
「ふははっ、その程度では「清姫!」何!?」
「はい。燃やし尽くします!」
再生が始まろうとしたその瞬間、清姫の炎がその穴が塞がるのを炎で食い止めた。その穴へとマリーの宝具、硝子の馬、『
「させませんぞ!」
「こちらの台詞です!」
マリー目掛けて打ち出された魔力弾をマシュが前に飛び出し盾で防いだ。その上を飛び越えて馬がジルへと向かった。その上から飛び出したのはエリザベート、その槍でジルの首元を狙った。しかし堕ちてても元は騎士、危機一髪でその槍を躱した。
「ふははっ、惜しかったですな。ですが、私にはその程度では届かないのです」
「あら、まだ終わりじゃないわよ。ねぇ、ジャンヌ、子イヌ!」
いつの間に来ていたのか、エリザベートと前後を入れ替えるようにジャンヌが前へ踏み出した。その旗を振るい、ジルの手の中の本を宙へ弾き飛ばした。
「シロウ、お願いします!」
「あぁ!」
マリーの馬に乗っていたのは、エリザベートだけではなかったのだ。ジルの後ろに回ったその馬には、士郎が乗っていたのだ。飛び上がる士郎の手には、稲妻のような形に捻れた短剣。それはあらゆる魔術を無へと返し、契約さえもを無効にする。
「
刃が本に刺さった瞬間、海魔たちは一斉に弾け飛んだ。ただの一体も残らず、あれだけ再生を繰り返していた奴らは、もう蘇る気配もなかった。しかしこの本には自己修復機能もあるため、あくまで一時的に海魔の召喚を封じたに過ぎない。
「子イヌ、その子たち連れて先に行きなさい!」
「
「ジャンヌ、シェロ君たちと一緒に行って。あなたも、ちゃんと伝えたいことを伝えて来たらいいわ」
「マリー、みなさん・・・はい!」
仲間の声を受けて奥へと進む士郎たち。その先に大きな扉を見つけた。気配からしても、その向こう側にいるのだろう。黒いジャンヌが。頷きあい、彼らはその部屋へと足を進めた。
今回の連携プレー、全員が何かするとしたらどうやったらいいだろうかと考えて、この形に落ち着きました
一応ちゃんとみんな仕事してる、はず