正義の味方の人理修復   作:トマト嫌い8マン

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読むのが苦痛とまでのボロクソな評価もらったけど、なんだかんだ言ってある程度読んでなければできない評価に思わずニヤニヤしてしまった

ツンデレ?


異常事態の戦

特異点のローマに来た士郎たち。その先で起こっていた戦闘、そこで見かけた女性の姿に一同は驚き、固まってしまった。衝撃が最も小さかったジャンヌがいち早く持ち直す。

 

「それで、どうするのかしら?あなたの指示は?」

「はっ、そうだった。ありがとう、ジャンヌ」

「お礼などいりません。それで、どうしたらいいのかしら?」

「あの女性は、どうやら首都を守ろうとしているみたいですね」

「それでしたらシロウ、彼女を助けに参りましょう!」

「あぁ!」

 

駆け下りながら、士郎は両手に干将・莫耶を構える。リーダーの女性の背後から斬りかかろうとしていた男を切りはらった。その手応えからわかった。この兵は、正真正銘、生身の人間だということが。魔力で作り出された敵と戦っているのではなく、人同士が争っているのだと。けれども、考えている場合ではない。

 

「ぬ?そなたらは何者か?」

「助けに来た。一緒に戦わせてくれ」

「首都からの援軍か?何はともあれ、助かる」

 

近くで見た女性は、彼の知る顔と似ているものの、別人であることはすぐにわかる。赤いドレスに燃えるような剣。その戦い方は騎士のそれとは異なるものの、優雅だと感じた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

士郎たちの参加により、勝敗は決まったも同然だった。特にジャンヌの戦いは眼を見張るものがある。無数の槍や炎を操るその戦い方は、白い彼女とは違い、力強さに溢れていた。その様子にかなわないと悟ったのか、敵の軍勢は引き上げていった。

 

「剣を納めよ!そなたら、なかなかの腕ではないか。褒めてつかわす。身の丈もある得物を振り回す少女に、姫のごとく可憐な騎士、そして竜のように激しい騎士。うむ、三人とも実に美しいではないか」

「あ、ありがとうございます」

 

何やらマシュたちのことをえらく気に入ったような女性は、ニコニコしながら一人一人に向けて声をかけていた。マシュは萎縮、リリィは笑顔、ジャンヌはそっぽを向くと対応は異なるものの、みんな嬉しそうだと士郎は思った。

 

「そして何よりそなた。余の命を救ってくれたこと、感謝するぞ。その二刀を操る真っ直ぐな剣技、余も惚れ惚れしたぞ」

「あ、ありがとう」

 

腕を抱き寄せられながら満面の笑顔で、それもかなりの美貌の持ち主からストレートに褒められると、流石に士郎でも少し照れくさくなる。何やら柔らかい感触を腕に感じるが、一旦頭からシャットアウトして状況の確認をすることにした。

 

「えーと、俺たちは旅のものなんだけど、あんまり今の状況に詳しくないんだ。出来ればなんで戦ってたのか教えてもらいたいんだけど、頼めるか?」

「む?そうであったか。であれば一度首都に戻り話をしようではないか。きちんと褒美を与えねばならんしの」

「ありがとう。みんなもそれで、ってあれ?」

 

三人の意見を確認しようと士郎がマシュたちの方も向くと、リリィ以外の二人が何やら酷く不機嫌そうな表情をしていた。

 

「あの、私は賛成ですよ。この特異点のことも知ることができると思いますし、ね」

「そうですね。先輩もきっとその方とゆっくりとお話ししたいんでしょうし、いいのではないでしょうか」

「えぇそうね。文句なんてあるはずないでしょう?」

「そ、そうなのか?」

 

何か不機嫌にさせるようなことをしてしまったのだろうか。そういえばこの人にすぐ話しかけられていたから戦闘後に労うことをしていなかった気がする。いや、マスターとしてそれはダメだろ。

 

腕を一度離してもらい、士郎はマシュたちの方へ向かった。手を伸ばしまずマシュとリリィの髪を撫でる。

 

「シロウ?」

「あ、あのっ、先輩?」

「ちゃんと労いの言葉を言ってなかったと思って。お疲れさま。いつもありがとうな」

「あ…はい」

「シロウこそ、お疲れさまです」

 

マシュの機嫌が直ったのを見て、次はジャンヌへと手を伸ばした。しかしその手が触れる前にジャンヌは身を引いて躱した。

 

「ジャンヌ?」

「軽々しく触れないで頂戴。確かにあなたは私のマスターだけど、気を許したわけではないの。あまり馴れ馴れしいと、焼くわよ」

「あ、そうか。確かに、まだお互いに信頼し合えるほど一緒の時間を過ごしていないからな。ごめん。それから、お疲れさま」

「ふんっ」

 

何故不機嫌になっていたのか、ジャンヌ自身もわからなかった。士郎たちを見ていたら、突然イラッときたのだ。憎しみとも怒りとも違う、小さな苛立ち。その理由がわからなかった。

 

「話はついたのか?」

「あぁ、済まない。首都まで同行させてもらってもいいだろうか?」

「うむ、許す!余の客人として迎え入れようぞ。しかしその前に、」

 

『大変だ、みんな!新たな軍勢が近づいてるぞ。サーヴァントの反応もある!』

 

ロマニからの通信の直後、新たな軍勢が吠えながらこちらに向かって来ているのが見えた。

 

「ぬ?姿なき声がするが、まぁ良い。此度の敵を退けることにも協力してもらえぬか?」

「もちろんだ!」

「では行くぞ。余と共に戦ってくれ!」

 

剣を手に取り、士郎と女性は走り出し、新たな軍勢へと飛び込んで行った。

 




ネロの話し方がこれでいいのかわからない。
原作のセリフとかそのまま使いすぎないように流れだけ見るようにしてたし、EXTRAの系統はやったことないから

その辺はまぁご容赦ください。

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