今回はアニメのあの人です!
竜牙兵と戦いながらも3人は街を進んだ。やはり聖杯戦争における中立地帯であるはずの教会は完全に壊れていた。
「一体何がおきたらこんなことになるのかしら」
「聖杯の泥が溢れたんじゃないのか?」
「聖杯の泥?何よそれ?」
「俺の知ってる限り、冬木の聖杯は汚染されていた。中にはあらゆる災厄をもたらすものが詰まっていて、悪意を持って願いを叶えることしかできなかったんだ。だから破壊するしかなかった。けどここにはその聖杯がまだ存在する。だとすれば、それが原因かもしれない、っ!?」
咄嗟にオルガマリーを突き飛ばす士郎。さっきまで彼女が立っていた場所に大きな槍が突き刺さっていた。正確には鎌のような形をし、その持ち手からは鎖が伸びていた。
「残念。仕留められると思ったのですが」
鎖に引っ張られ、槍が引き戻される。その先には長い髪をした美しい女性が立っていた。しかしその姿を見た瞬間、3人とも警戒を引き上げた。
『所長、みんな!大変だそこには、』
「な、なんでこんなところにサーヴァントがいるのよ!?」
「くっ」
慌てるロマ二を含む3人と違い、士郎はあくまで冷静に相手を見ていた。黒いフードを深く被り、どこか狂気を感じさせるような笑みを浮かべる彼女は、とても妖艶で美しかった。しかし士郎が一番気になっていたのは、その声だった。確かにどこかで聞いたことがある声だ。
「まぁいいでしょう。優しく殺してあげようと思いましたが、そこにサーヴァントもいるようですし。しっかりと味わってから、殺してあげましょう」
『あなたは、優しく殺してあげます』
あの夕焼けの林の中、彼女はその声で囁くかのようにそう言った。鎖のついた奇妙な剣を使った彼女。
「ライダー?」
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「ライダー?」
そう彼が口にすると女性の笑顔が消えた。冷たい視線が士郎に向けられる。
「そう私を呼ぶということは、私のことを知っているのですね?私の真名を。どうせならあなたは最後にしようと思っていましたが、気が変わりました。あなたから、殺すことにしましょう」
言い終わると同時に彼女は士郎へ槍を突き出した。鉄が鉄を打つ音が響く。なんとか二人の間に入ったマシュが盾で攻撃を防いだのだ。
「下がってください、マスター」
「いいですね、そのやる気に満ちた眼差し。忠告してあげましょう。私のこの槍は不死殺しの呪いがあります。これによってつけられた傷は、消えることはありません。少しでも気を抜けば、あなたは一生出来損ないのサーヴァントですよ」
語りながらも彼女は攻撃の手を緩めない。マシュも必死に抵抗するが、サーヴァントになったばかりで力がうまく使いこなせないのか、防戦一方だった。盾の隙をつき、蹴りがマシュの体に決まる。それでも倒れないマシュを見て彼女は笑みを深くした。
「はぁっ、はぁっ。まだですっ」
「健気ですね。そういう人は嫌いじゃありませんよ」
「気があうな。俺もそういう奴ぁ好きだぜ。見ていてどーにも、ほっとけなくなっちまうんでな」
突然どこからともなく男の声が響いた。その声もまた、士郎が聞いたことのあるものだった。1人の男が突然マシュの隣に現れた。杖を持ち、フードのある服をまとい、青い髪を持つその男。士郎はその顔に見覚えがあった。
「お前、ランサー!?」
「残念ながらキャスターだ、坊主」
大人版ランサーメドゥーサ、実装され、ないか。さすがに